シカゴは、アメリカ中西部を代表する世界有数の大都市で、高層ビル群が織りなす壮大な景観と多様な文化が息づく街並みが印象的ですね。
しかし、シカゴの気候は変わりやすく、特に気温の変化については、旅行をする前にチェックしておきたいポイントです。
この記事では、シカゴの情報を中心に年間を通しての気温データや天気、季節ごとの最適な服装まで詳しくご紹介いたします。
アメリカ・シカゴの基本情報
シカゴは、アメリカ中西部イリノイ州に位置し、ニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐ第三の都市です。基本情報として、面積は約606平方キロメートルで、日本の5倍の大きさです。
人口は約269万人(2019年時点)で、物価の一例として、牛乳1リットルあたり約87円(2021年2月時点)です。日本との時差は-15時間で、サマータイム期間中は-14時間となります。
シカゴは摩天楼発祥の地として知られ、近代建築、芸術、音楽、スポーツが盛んです。ミシガン湖畔に位置し、金融、鉄道路線、航空の拠点としても重要な役割を担っています。
鉄道の中心地でもあり、都市部を高架で走る鉄道が見られるのは、シカゴならではの風景ですね。
芸術面では、アメリカ屈指の美術館であるシカゴ美術館をはじめ、数多くの文化施設が人々を魅了します。膨大なコレクションを誇るフィールド自然史博物館、多種多様な海の生き物に出会えるシェッド水族館。そして、アメリカ初のプラネタリウムであるアドラープラネタリウム&天文学博物館など、見どころ満載です。
さらに、ミレニアムパークには、ジェイ・プリツカー・パビリオンや、通称「ザ・ビーン」として親しまれるクラウド・ゲートといった、ユニークなパブリックアートが点在し、街の景観に彩りを添えています。これらの芸術作品は、市民や観光客に気軽に芸術に触れる機会を提供しています。
シカゴの音楽分野では、ご存じの方も多いかも知れませんが、ブルース、ジャズ、ゴスペルの発祥地として、音楽史に名を刻んでいます。シカゴ独自の音楽スタイルは、世界中の音楽ファンを魅了し続けています。
市内には数多くのライブハウスがあり、連日熱い演奏が繰り広げられています。また、シカゴ・ブルース・フェスティバル、シカゴ・ジャズ・フェスティバル、グラント・パーク・ミュージック・フェスティバルといった大規模な音楽フェスティバルが無料で楽しめるのも、シカゴの大きな魅力の一つです。
スポーツにおいても、シカゴは熱狂的なファンを持つ街として知られています。アメリカ4大プロスポーツリーグ(NFL、MLB、NBA、NHL)のチームがすべて本拠地を置いており、一年を通して熱い戦いが繰り広げられています。
NFLのベアーズ、MLBのカブスとホワイトソックス、NBAのブルズ、NHLのブラックホークスは、地元の人々に愛され、街の誇りとなっています。
シカゴのアクセス
シカゴには主に2つの主要な空港があります。
1. シカゴ・オヘア国際空港 (ORD)
シカゴ中心部から北西に約23kmのシカゴ最大の空港であり、アメリカ国内でも有数のハブ空港です。ユナイテッド航空とアメリカン航空の拠点空港となっています。
国際線、国内線ともに多くの便が発着しており、非常に規模の大きい空港です。
多数のターミナルと広大な敷地から、移動に時間がかかる場合があります。
レストランやショップも充実し、多くの航空会社が乗り入れているため、選択肢が豊富なのが特徴です。
<市内へのアクセス>
・電車 (Blue Line)
最も安く、一般的な移動手段です。ダウンタウンまで約45分かかります。
・タクシー/ライドシェア
便利ですが、交通状況によっては時間を要し、料金が高めです。
・シャトルバス
複数の会社が運行しており、ホテルなどへのアクセスに便利です。
国際線を利用する場合や、乗り継ぎ便が多い場合におすすめです。
2. シカゴ・ミッドウェイ国際空港 (MDW)
シカゴ中心部から南西に約16kmに位置し、オヘア空港に比べると規模は小さいですが、サウスウエスト航空の拠点空港として、主に国内線を中心に運航しています。
オヘア空港よりもコンパクトなため、移動が比較的楽です。国内線を利用する場合、料金が比較的安いことが多いです。
<市内へのアクセス>
・電車 (Orange Line)
ダウンタウンまで約20〜25分でアクセスできます。
・タクシー/ライドシェア
オヘア空港よりダウンタウンに近いため、料金も比較的安く、時間も短縮できます。
アメリカ国内線を利用する場合や、ダウンタウン南側へアクセスをしたい場合に便利です。
シカゴの年間を通した気候
シカゴは、北海道の函館とほぼ同緯度に位置し、日本と同様に四季の変化が見られますが、春と秋は短く、駆け足で過ぎ去るのが特徴です。
特に冬は長く、厳しい寒さが続きます。ちなみに2019年1月には記録的な大寒波に見舞われ、観測史上、過去最低気温を更新するほどでした。夏は比較的過ごしやすい気候ですが、春と秋は短いため、四季の変化をはっきりと感じる期間は限られています。
シカゴの年間を通しての気温は、春と秋の平均気温は約15℃前後です。夏も30℃を超える日は少なく、比較的穏やかな気候です。しかし、冬はマイナス10度を下回る日も珍しくなく、厳しい寒さとなります。
シカゴの春(4月、5月、6月)
シカゴの春は非常に短く、天候も不安定です。
暖かくなってきたなと感じても、雪がちらつく日があるなど、春らしい陽気を感じられる期間はわずかです。また、気温の変化に伴い竜巻が発生しやすい時期でもあります。外出中に竜巻が発生した場合は、建物の地下など安全な場所に避難することを覚えておきましょう。
4月
(最低気温:0.3℃ 平均気温:5.2℃ 最高気温:10.0℃ 降水量:46mm)
5月
(最低気温:13.3℃ 平均気温:19.0℃ 最高気温:24.6℃ 降水量:92mm)
6月
(最低気温:16.4℃ 平均気温:22.5℃ 最高気温:28.5℃ 降水量:209mm)
シカゴの夏(7月、8月)
短い春が終わると、比較的安定した気候の夏が訪れます。
降水量が多い時期ではありますが、短時間の雨が多く、過ごしやすい気候です。雨が降る確率は1ヶ月のうち平均7日程度です。シカゴは海に面していませんが、五大湖の一つであるミシガン湖に面しており、夏の間は多くの人々が湖畔で過ごし、ビーチを楽しんでいます。
7月
(最低気温:18.6℃ 平均気温:23.9℃ 最高気温:28.8℃ 降水量:195mm)
8月
(最低気温:16.8℃ 平均気温:21.9℃ 最高気温:27.1℃ 降水量:82mm)
シカゴの秋(9月、10月)
シカゴは、秋も春と同様に短く、9月から10月にかけて徐々に気温が下がります。
9月に雪が降ることはほとんどありませんが、早ければ10月下旬に少量の雪が降ることもあります。
9月
(最低気温:15.0℃ 平均気温:20.8℃ 最高気温:26.5℃ 降水量:214mm)
10月
(最低気温:9.8℃ 平均気温:14.2℃ 最高気温:18.6℃ 降水量:44mm)
シカゴの冬(11月、12月、1月、2月、3月)
シカゴは、11月頃から急激に気温が下がり、冬が始まります。
秋に比べて降水量が増え、気温によってはみぞれや雪に変わります。シカゴは12月からは本格的な冬の気温となり、厳しい寒さが続きます。降雪量も増え、2月がピークとなり、シカゴの気温は3月頃になると落ち着き始めます。
2019年のシカゴは、過去最低の気温を更新する記録的な大寒波に見舞われ、体感温度は-46℃にまで達しました。これは南極大陸の一部地域よりも低い気温であり、短時間外にいるだけでも凍傷の危険があるほどです。大寒波の際は外出を控え、室内に留まることが賢明です。また、冬のシカゴは非常に乾燥するため、乾燥対策も重要となります。
11月
(最低気温:0.3℃ 平均気温:4.3℃ 最高気温:8.3℃ 降水量:145mm)
12月
(最低気温:-6.5℃ 平均気温:-2.6℃ 最高気温:1.3℃ 降水量:15mm)
1月
(最低気温:-8.0℃ 平均気温:-4.0℃ 最高気温:0.0℃ 降水量:39mm)
2月
(最低気温:-6.8℃ 平均気温:-1.7℃ 最高気温:3.4℃ 降水量:11mm)
3月
(最低気温:-1.5℃ 平均気温:2.8℃ 最高気温:7.1℃ 降水量:84mm)
シカゴの湿度
シカゴの湿度は、夏の時期の6〜9月にかけて高くなります。
特に7月が一番蒸し暑くなります。一方で、湿度が最も低くなるのは、冬の時期の2月です。一年を通して、日本ほど湿度が高くなることはありません。
シカゴの降水・降雪量
シカゴには、日本の梅雨のような長雨の時期はありません。
一日中雨が降り続くような日はそれほど多くなく、年間平均降水量は、約78.54mm(ミリ)で、平均すると日本よりも少ないです。
降雪は、早ければ10月から始まり、12月から2月にかけてピークを迎えます。その後も3月、4月まで雪が降ることがあります。
シカゴの日照時間
シカゴは東京と比較して、5月〜9月にかけて太陽の日照時間が大幅に長くなります。
特に6月と7月は東京の倍以上の日照時間となります。一方で、11月〜2月にかけては東京の方が日照時間が長くなります。
シカゴの日の出・日の入り時間
夏至に近い時期(6月)には、シカゴは日の出が非常に早く、日の入りが非常に遅くなるため、昼間の時間が非常に長くなります。一方、冬至に近い時期の12月は、日の出が遅く、日の入りが早いため、昼間の時間が短くなります。
シカゴの気温別服装
春の服装
シカゴの春は変わりやすい天気が特徴です。
4月上旬は、ジャケットやコートが手放せないほど冷え込む日が多く、最低気温が0℃近くまで下がることもあります。かと思えば、最高気温が17℃まで上昇する日もあり、服装選びに悩む時期です。気温の変化に合わせてアウターを準備しておきましょう。
5月に入ると、少しずつ暖かくなり、薄手のトップスや半袖などが活躍するようになります。しかし、まだ肌寒く感じたり、夜間は10℃以下まで気温が下がる日もあるため、ライトダウンや厚手のストールなどがあると安心です。
夏の服装
シカゴの夏の最高気温は30℃前後です。
日中は太陽の日差しが強く、体感温度は実際の気温よりも高く感じられるため、日本の夏と同じような服装で問題ありません。ただし、日が暮れると涼しくなるので、薄手のシャツやストールなどの羽織ものがあると重宝します。また、日本よりも紫外線が強いため、日焼け止めや帽子、サングラスなども用意しましょう。
秋の服装
秋も春と同様に、気温の変化が激しい季節です。9月は比較的、半袖や薄手のトップスで過ごせる日が多いですが、朝晩は冷え込むため、パーカーやダウンベストなどを用意しておくと良いでしょう。10月に入ると気温が急に下がり始め、秋の終わりを感じさせます。10月下旬にシカゴを訪れる場合は、コートやジャケットが必須となります。
冬の服装
寒さの厳しい冬は、肌の露出をできるだけ避けましょう。気温が低いだけでなく、風も非常に冷たく、肌が痛く感じるほどです。特に、首、手首、足首の「三首」をしっかりと防寒することが重要です。
雪の多い時期にシカゴを訪れる場合は、滑り止め付きの防水ブーツがあると安心です。道路は除雪されていますが、歩道には雪が積もっていたり、路面が凍結していることが多いため、足元には十分注意が必要です。セントパトリックデーでシカゴ川が緑色に染まる3月中旬頃も、まだまだ寒い日が続くため、しっかりと防寒対策をしておきましょう。
気温別の服装や持ち物リスト
0℃以下(冬の時期、特に1月・2月)
・厚手のコート(ダウンジャケットなど、防寒性の高いもの)
・セーターやフリースなどの暖かいインナー
・厚手のズボン(ヒートテックなどのインナーを重ね着するのがおすすめ)
・手袋、マフラー、帽子(耳まで覆えるもの)
・厚手の靴下
・滑り止め付きの防水ブーツ
・乾燥対策(保湿クリーム、リップクリームなど)
0℃~10℃(春の初め、秋の終わり、冬の終わり)
・ジャケットやコート
・セーターやカーディガン
・長袖シャツやカットソー
・長ズボン
・手袋、マフラー
10℃~17℃(春、秋)
・薄手のジャケットやコート、またはパーカー
・長袖シャツや薄手のセーター
・長ズボン
・ストールやベスト
17℃~25℃(春の終わり、秋の初め)
・薄手のトップス(長袖、半袖)
・長ズボンまたはスカート
・薄手のジャケットなど羽織もの
25℃以上(夏)
・半袖シャツやTシャツ
・短パンやスカート
・通気性の良い服装
・日焼け止め
・帽子やサングラス
・羽織もの(冷房対策、日没後の冷え込み対策)
まとめ
今回は、シカゴの季節ごとの平均気温とおすすめの服装を詳しく解説しました。
シカゴの気候については、これまで厳しい寒さと気温、長い冬という特徴で知られてきましたが、日本ほど季節の変わり目がはっきりしていないものの、四季折々の表情を見せる魅力的な都市です。
一年の半分は穏やかな気候で過ごしやすく、一年中イベントも楽しめるなど、観光にとてもおすすめの街です。シカゴを訪れる際は、事前に天気予報を確認し、快適な滞在をお楽しみ下さい。