
「日本の首都は東京、イギリスの首都はロンドン、
では、オーストラリアの首都はどこでしょうか?」
ーー意外と難しい質問かもしれません。
実際、筆者の家族にオーストラリアの首都はどこかと聞いてみたところ、
「シドニーでしょ?」
「いやいやメルボルンだよ」といった答えが返ってきました。
でも、シドニーもメルボルンも不正解。正解は
「キャンベラ(Canberra)」です。
正直、キャンベラといわれても、あまりピンとこない人も多いかもしれません。キャンベラがオーストラリアの首都なんて初めて聞いた、という人もいらっしゃるでしょう。そもそも、キャンベラという名前自体知らなかった、という人も少なくないかもしれません。
オーストラリア最大の都市はシドニーなのになぜシドニーが首都ではないのですか? オーストラリアの首都はなぜキャンベラなのですか? といった質問も出てきそうです。
今回はそうした質問にもお答えする形で、オーストラリアの首都キャンベラについて、あらためて詳しくご紹介したいと思います。歴史や観光の見どころなどもお教えいたしましょう!
- オーストラリアの首都:キャンベラってどこ?
- アクセスと交通手段
- キャンベラの歴史
- キャンベラ周辺の観光地
- 国会議事堂(Parliament House)
- バーリー・グリフィン湖(Lake Burley Griffin)
- オーストラリア国立美術館(National Gallery of Australia)
- オーストラリア国立博物館(National Museum of Australia)
- オーストラリア戦争記念館(Australian War Memorial)
- エインズリー山自然保護区(Mount Ainslie Nature Reserve)
- ナマッジ国立公園(Namadgi National Park)
- マルンバットマン・ワイナリー地区(Murrumbateman Wine Region)
- ダイドビンビーラ自然保護区(Tidbinbilla Nature Reserve)
- キャンベラでのイベントと文化
- まとめ
オーストラリアの首都:キャンベラってどこ?
「オーストラリアの首都ってどこか?」「オーストラリアの首都は何ですか?」といった質問に答えるために、まずはオーストラリア全体の地理的概要を復習しておきましょう。
8つの地域に分かれるオーストラリア
オーストラリアは広大な国です。そして、6つの「州」と2つの「準州」で構成されています。以下に、各地域の地域名と中心となっている都市名を挙げましょう。
| 州名・準州名 | 中心都市 |
| ニューサウスウェールズ州 | シドニー |
| クイーンズランド州 | ブリスベン |
| ビクトリア州 | メルボルン |
| 南オーストラリア州 | アデレード |
| 西オーストラリア州 | パース |
| タスマニア州 | ホバート |
| ノーザンテリトリー(準州) | ダーウィン |
| 首都特別地域(準州) | キャンベラ |
このうち、オーストラリア最大の都市はニューサウスウェールズ州にあるシドニーです。でも、前述のようにシドニーはオーストラリアの首都ではありません。
政治機能に特化する形で設けられたのがキャンベラという都市であり、キャンベラこそがオーストラリアの首都なのです。
政治機能の中枢ともいえるオーストラリアの国会議事堂は、ここキャンベラにあります。
日本の場合は最大の都市である東京がそのまま日本という国の首都です。
このようにその国の最大の都市が首都である例はとても多いですが、オーストラリアのように、政治機能に特化した首都を別途設けている国としては、ニューヨークではなくワシントンD.C.を首都とするアメリカ合衆国などがあります。
ニューサウスウェールズ州の中にポツンと存在
今回の主役であるキャンベラは、「首都特別地域」という「準州」にあります。いや、ありますというより、キャンベラという都市そのものが首都特別地域であるといっても過言ではありません。
逆にいうと、首都特別地域にはキャンベラという都市しかないと考えても間違いではありません。
つまり、キャンベラという都市は、首都機能に特化してわざわざ作られた都市であり、そのためだけに1つの特別地域(準州)が独立して設けられているのです。
この首都特別地域は「ACT」とも呼ばれます。これは「Australian Capital Territory(オーストラリア首都特別地域)」という英語の略です。
首都特別地域の面積は約2400k㎡。オーストラリアの州・準州の中では最小です。
実際、地図を見るととても小さいのがわかります。
そして、この地域は、80万k㎡という広大なニューサウスウェールズ州の中に、ポツンと島のように位置します。
見かけとしては、州の中にまた別の小さな準州が存在するような、そんな感じです。あくまで「特別な地域」という印象です。
アクセスと交通手段
日本からキャンベラへ直行する航空機はありません。
日本から航空機で行くならば、シドニー、メルボルンといったオーストラリア国内の大都市で乗り継ぐか、キャンベラへの直行便があるオーストラリア以外の国で乗り継ぐということになります。
オーストラリア国内では、多くの都市からキャンベラ行きの航空機があります。
キャンベラに比較的近い大都市としては、シドニー(キャンベラから約300km)、メルボルン(キャンベラから約500km)などがあります。これらの都市からならば、自動車、バス、鉄道での移動も盛んです。
列車だとシドニーからならば4時間ほど。キャンベラ中心部(国会議事堂)はキャンベラの駅から3km強ほどで、筆者も一度、駅からのんびり歩いて散策を楽しんだことがあります。
キャンベラの歴史
キャンベラの特に中心部は、オーストラリアの政治機能を集約するために人工的に作られた街です。そしてここには興味深い歴史があります。
1901年、それまでに誕生していた6つの州が統合され、オーストラリアが連邦国家になりました。その際、新しい国の首都をどこにするかが議論の的になりました。
当時既に力を持っていたのが、シドニーとメルボルンの2つの都市。この2つが首都に名乗りを上げましたが、互いに譲らず、激しい競争が繰り広げられました。
そして最終的に妥協案として、シドニーとメルボルンとの間に新しい首都を建設することになりました。それがキャンベラだったわけです。
1911年、キャンベラの設計案が公募され、アメリカの建築家ウォルター・バーリー・グリフィンの案が採用されました。
1913年に都市建設が正式に開始され、1927年にようやく連邦議会がキャンベラで始動することになりました。
人工都市であるキャンベラ中心部は整然とした美しい街並みを見せています。
中心にあるのは設計者の名を取った人造湖バーリー・グリフィン湖。その南側が国会議事堂などがある地域、そして北側が繁華街や住宅地が集まる地域になっています。
キャンベラ周辺の観光地
まずはキャンベラ中心部の見どころをご紹介しましょう。
国会議事堂(Parliament House)
キャンベラがオーストラリアの首都であることを知らしめているのが国会議事堂(オーストラリア連邦議会)。
1988年に建設された新国会議事堂は丘の中にまるで埋め込まれたかのようになっていて、見る角度によっては、高い国旗掲揚タワー以外、どこにあるのかわからなかったりします。
正面から見ると、実にモダンなかっこいいデザイン。建物内の見学ツアーも楽しめます。屋上には芝生が敷き詰められ、キャンベラ市内を一望できます。すぐ近くにある旧国会議事堂は威厳のある建物で、こちらも一見の価値ありです。
バーリー・グリフィン湖(Lake Burley Griffin)
バーリー・グリフィン湖はキャンベラの中心に広がる人工湖で、市民や観光客にとって憩いの場となっています。
湖周辺には、サイクリングロードや遊歩道が整備されており、ウォーキングやジョギングに最適です。ボートやカヤックをレンタルして湖上から街並みを楽しむこともできます。
オーストラリア国立美術館(National Gallery of Australia)
オーストラリア国立美術館の館内には、先住民アートから現代アートまで、幅広いコレクションが展示されています。
また、彫刻の庭には多くの立体作品が屋外展示されています。
オーストラリア国立博物館(National Museum of Australia)
オーストラリア国立博物館の館内では、オーストラリアの自然、歴史、文化、そして先住民の伝統に関する展示が行われています。
特に、アボリジニ文化の展示や、ユニークな建築デザインが特徴的です。
オーストラリア戦争記念館(Australian War Memorial)
オーストラリア戦争記念館は、オーストラリアの軍事歴史を記念し、戦争で命を落とした兵士たちを追悼する場所です。
博物館部分では、戦争に関する貴重な資料や実物大の戦車、飛行機が展示されています。
エインズリー山自然保護区(Mount Ainslie Nature Reserve)
エインズリー山自然保護区まではキャンベラ中心部から車で山頂までは10分ほど。
マウント・エインズリー展望台からは、キャンベラ市街地を含む壮大な景色を一望できます。
徒歩や自転車でアクセスできるトレイルも整備されており、地元の人々の間でも人気のスポットです。
続いて、郊外の観光スポットです。
ナマッジ国立公園(Namadgi National Park)
ナマッジ国立公園はキャンベラ中心部から車で約45分の位置にあります。この国立公園は、ユネスコ世界遺産にも登録された「グレート・ディバイディング山脈」の一部です。
ハイキングやキャンプ、バードウォッチングが楽しめるだけでなく、先住民アボリジニの岩絵などの歴史的な遺跡も見ることができます。
マルンバットマン・ワイナリー地区(Murrumbateman Wine Region)
マルンバットマン・ワイナリー地区はキャンベラ中心部から車で約30分の距離に広がります。この地域では、地元のブドウを使った高品質なワインを味わえます。
小規模な家族経営のワイナリーが多く、ワインテイスティングやブドウ畑の見学が楽しめます。ACT内ではなくニューサウスウェールズ州です。
ダイドビンビーラ自然保護区(Tidbinbilla Nature Reserve)
ダイドビンビーラ自然保護区はキャンベラ中心部から車で約40分の距離にあります。
この自然保護区は、オーストラリア特有の動植物を観察するのに最適な場所です。
ここでは、カンガルーやワラビー、コアラなどの野生動物を間近で見ることができます。ハイキングコースも豊富です。
キャンベラでのイベントと文化
キャンベラではオーストラリアの文化を身近に感じることができるさまざまなイベントが開催されています。人気のいくつかをご紹介しましょう。
ナショナル・マルチカルチュラル・フェスティバル(National Multicultural Festival)
毎年2月に開催されるこのフェスティバルは、キャンベラで最も人気のあるイベントの一つです。
オーストラリアの多様な文化が集まり、パフォーマンス、音楽、ダンス、料理など、さまざまな文化的な要素を楽しむことができます。
会場では世界各国の食べ物やドリンクを味わいながら、異なる文化に触れることができ、毎年多くの観光客が訪れます。
キャンベラ・バルーン・フェスティバル(Canberra Balloon Festival)
キャンベラ・バルーン・スペクタキュラーとも呼ばれ、毎年3月に開催されます。
気球を使った最も有名なイベントの一つで、このフェスティバルでは、色とりどりの熱気球がキャンベラの空に舞い上がり、市内全体に美しい風景を作り出します。
参加者は、気球を見るのはもちろん、実際に気球に乗って空を飛ぶ体験をすることもできます。
フロリアード(Floriade)
毎年9月から10月にかけてキャンベラのコモンウェルスパークで開催されるフロリアードは、チューリップを中心とした、オーストラリア最大の花の祭典です。
100万本以上の花々が一斉に咲き誇り、美しい庭園風景が広がります。
まとめ
今回はオーストラリアの首都キャンベラについて、観光スポットやイベント情報などを交えて説明・解説しました。
冒頭にも述べましたように、オーストラリアの首都はどこなのか、また、キャンベラと聞いてもどんな都市なのか、ご存じなかった方も少なくないかと思います。今回の記事で、キャンベラとはどのような場所なのかがおわかりいただけましたら幸いです。
キャンベラはユニークな歴史を持つ、計画的に建設された都市です。美しい人造湖はオーストラリアのドラマでもたびたび登場します。そうした、計画都市キャンベラゆえの見どころ、他の都市にはない魅力がたくさんあります。
オーストラリア旅行、あるいは、オーストラリア留学の候補地の一つに加えてみるのはいかがでしょうか。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。