「将来海外の大学に進学したい」「海外で働きたい」「実践的な英語が話せるようになりたい」と考えている高校生の中には、高校留学を希望する方も多いです。
高校時代の海外での経験は、自分の視野を広げ自立心を養うなどの大きな成長につながります。
しかし、高校留学に必要な費用が心配で一歩踏み出せないという方もいるでしょう。
今回の記事では、高校留学に必要な費用の相場と留学先として人気の国の情報をまとめました。
高校留学を目指している方は、ぜひ参考にしてください。
高校留学の種類
高校生が留学する方法には、交換留学と私費留学の2つの種類があります。
留学の方法により必要な費用が大きく異なるため、まず自分が目指すべき留学は何か考えてみてください。
交換留学
交換留学は、高校や自治体などが実施する留学スタイルであり、異文化交流を目的として日本の生徒と対象国の生徒を一定期間、文字通り交換します。基本的には1年の期間が定められているケースが多く、留学先の授業料は無料になります。
ただし、留学期間・留学先の学校は決められていることから、留学の自由度が低くなるという点と厳しい選定試験を突破しなければいけないという注意点があります。
また、交換留学の場合でも往復航空券・生活費・ビザ取得費用・保険料などは実費となるため、完全に無料で留学ができるわけではありません。
渡航先の国によって異なりますが、一般的には交換留学に年間100万円以上の費用がかかります。
それでも、私費留学と比較してリーズナブルに留学ができる手段だと考えると良いでしょう。
私費留学
私費留学は、留学エージェントなどを活用して自分で留学プランを手配する留学方法です。行き先・留学期間などは自由に決められますが、留学に必要な費用は全て自分で払わなければいけません。
具体的な1年間の私費留学に必要な費用は200〜500万円程度です。
多くの場合、私費留学の選考試験は用意されていないため、費用面をクリアすれば好きなタイミングで留学をスタートできます。
また、私費留学は期間や目的により、次のような種類に分類可能です。
短期留学
1〜8週間程度の期間の留学を、短期留学またはジュニアキャンプと呼びます。
多くの生徒は夏休みなど長期休暇を活用して留学をするため、日本の学習が遅れる心配はありません。
英語をマスターするには時間が不足するケースが多く、異文化交流または長期留学の準備・下見を目的として留学を決める方が多いようです。
留学先は海外の高校以外に、語学学校なども含まれます。
特に短期間のジュニアキャンプは、勉強よりもアクティビティなど現地での経験に力を入れている傾向があります。
ターム留学
海外の高校に学期単位で留学するスタイルです。
具体的には3ヶ月〜9ヶ月海外の高校に通い、語学力を向上させます。ターム留学や1年留学のような中長期間の留学は長期留学または正規留学と呼ばれます。
ターム留学後は、日本の高校に戻ることができます。
1年留学・卒業留学
1年または2年以上海外の高校に留学する正規留学であり、そのまま現地で高校を卒業する方もいます。
語学力の向上はもちろん、海外の大学への進学・帰国子女枠を活用した日本の大学への進学を目指すケースが多いです。
英語の習得と同時に、海外への進学や就職まで見据えられる留学スタイルだと言えるでしょう。
高校留学の費用とは?
高校留学には、2週間の短期留学で20〜35万円程度、半年の留学では150〜300万円程度、1年間になると250〜450万円程度の費用がかかります。この費用には、授業料・滞在費・現地での食費などが含まれます。
ただし、高校留学は行き先・留学期間により必要な費用が大きく異なるため、事前に予算を決めてから留学先を絞り込むと良いでしょう。
特に、アメリカやイギリスへの留学は費用が高額になると考えて良いです。
また、すでに一定の英語力がある場合には、留学費用を抑える目的で交換留学を選択するという手もあります。
人気の留学先とその費用
この章では、高校生に人気の留学先と留学先別の留学費用の相場をまとめました。留学先選びに悩んでいる高校生の方は、まず必要なコストを知っておきましょう。アメリカ:25〜60万/1ヶ月
広大な土地と多様な文化を誇るアメリカは、多くの経験を積みたい方におすすめです。常に人気の留学先であるため、日本人が多いという点と都市によっては銃社会であるという注意点が存在します。
アメリカでの生活を送る中で、世界中の文化に触れることができるでしょう。
カナダ:25〜55万/1ヶ月
カナダも比較的日本人が多い留学先ですが、自然が豊かで比較的治安が良いことから、留学先に安心・安全な環境を求める方に適しています。また、カナダの英語には訛りが少ないため、綺麗な発音を身につけられます。
イギリス:25〜60万/1ヶ月
本場の英語を学べるイギリスでは、最先端と伝統が共存するヨーロッパ文化も経験できます。日本人留学生は比較的少なく、治安はエリアごとに異なります。
「ブリティッシュ英語」を身につけたいと考えている方には、イギリス留学がおすすめです。
オーストラリア:25〜50万/1ヶ月
自然豊かで治安が良い留学先として知られているオーストラリアは、ワーキングホリデーで訪れる日本人が多い国です。留学中には、サーフィンなどのアクティビティも楽しめます。
ただし、アメリカと同じく人気の留学先であるため、日本人は多いです。
学校やホームステイ先の質が高いという点も、オーストラリア留学の魅力です。
フィリピン:15〜30万/1ヶ月
近年留学先として人気を急激に高めているフィリピンでは、手頃な価格で英語を学べます。マンツーマンレッスンを売りにした語学学校が多く、短期間で効率良く英語を身につけたい方におすすめです。
一年中暖かい気候で美しい自然に恵まれていることから、お休みには海でのアクティビティも楽しめますが、地域によっては治安に注意する必要があります。
マルタ:25〜50万/1ヶ月
フィリピンに続いて近年人気を集めている留学先です。ヨーロッパの中でも物価が低く、留学費用を抑えたヨーロッパ留学を希望する方に最適でしょう。
その他の人気の留学先と比較すると、日本人は少なめです。
シンガポール:20〜50万/1ヶ月
アジアの中でも非常に治安が良い国として知られているシンガポールなら、近代的なシティライフを楽しみながら英語を学べます。また、多国籍な国であるためグローバルな環境で留学生活が送れるでしょう。
留学生に限らず、ビジネスでシンガポールに滞在する日本人も多いです。
台湾:15〜40万/1ヶ月
台湾は親日家が多い国であり治安も良いため安心して過ごせます。他の留学先と比較して日本と近いことから、気軽に留学をスタートできるでしょう。また、中国語も学べる環境であり、2カ国語習得を目指すことも可能です。
高校留学のメリットとデメリット
高校留学には、次のようなメリットとデメリットがあります。これから留学を検討している方は、メリットとデメリットの両方を知っておきましょう。
高校留学のメリット1.英語の語学力を向上できる
英語の習得は高校留学最大のメリットです。もちろん大学からの留学でも英語を学べますが、語学はタイミングが早いほど習得しやすいと言えるでしょう。
特に高校留学では、現地で外国の友人と会話をする中で生の英語を学べます。
日常生活の中で、日本人の多くが苦手とするスピーキング力を向上できるのです。
英語習得によって得られた自信と成功体験は、自分自身の人生にプラスに働きます。
高校留学のメリット2.自分の進路を広げられる
英語を習得し海外での暮らしを体験することで、高校留学後の自分の進路が広がります。具体的には、日本の大学のみでなく世界中の大学を含めた進路決定ができるのです。
この際、語学力のみでなく現地で培ったチャレンジ精神や自信が自分の決断をサポートしてくれるでしょう。
実際に、高校留学をきっかけに進路を変える・決める子供は多いです。
高校留学のデメリット1.場合によっては数百万円の費用がかかる
英語習得や現地の高校を卒業するまでの長期留学を希望した場合、数百万円以上の費用が必要だと考えなければいけません。特に現在日本で公立高校に通っているご家庭と比較すると、留学の方が多くの学費・生活費がかかると言えるでしょう。
さらに、高校留学後にはより多くの学費がかかる大学進学が待ち構えています。
金銭的な問題で高校留学を諦めるご家庭も多いのです。
事前にコストを考えた留学計画を立てられると良いでしょう。
高校留学のデメリット2.留学先で孤独や文化の違いを乗り越えなければいけない
念願の高校留学を実現しても、いざ留学をスタートしてから文化の違い・言葉の壁に悩む学生は多いです。当たり前のことですが、留学先で日本の常識は通用しません。
語学力の問題で友達ができない・仲間はずれにされている気がする・ホストファミリーとうまくいかないなどの問題に苦しみ、心が折れてしまう方もいるのです。
高校留学を決める前には、留学中は自分で問題を解決するしかないことを認識し、十分な覚悟を固める必要があるでしょう。
まとめ
高校留学は、英語の習得のみでなく自分の未来の可能性を広げられるチャレンジです。特に私費留学の場合は多くのコストがかかりますが、自分の将来につながる投資だと考えても良いでしょう。
場合によっては、奨学金を活用できる可能性もあります。
高校留学に限らず留学は行き先・留学期間により必要な費用が大きく異なるため、自分の予算に合わせて最適な選択ができるようにしてください。
また、留学期間にこだわらず日本で一定の語学力を身につけておけば、短い留学期間でも十分な成果が得られる可能性があります。
この記事を参考に、自分に適した高校留学の方法・留学先・留学期間を考えてみましょう。