チップ文化がある国はどこ？歴史や金額、マナーなどを徹底解説 - ネイティブキャンプ英会話ブログ

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海外には「チップ文化」があると聞いたことがある方も多いかもしれません。

日本では馴染みのないチップ文化ですが、海外の人々にとっては良いサービスへの感謝を示す重要な慣習の1つです。しかし、国や地域によってチップを払うタイミングや金額、マナーが異なるため、事前に知っておくと安心です。

この記事では、海外旅行前に知っておきたいチップ文化について詳しく紹介します。また、チップを払うべきタイミングや金額、マナーについても紹介するので、チップ文化のある国へ旅行予定の方はぜひ参考にしてくださいね！

チップ文化とは？
チップ制度を採用するメリット・デメリット
チップ文化はなぜ生まれたのか？
チップ文化がある主な国
チップ文化がない主な国
チップを渡すタイミングや金額の目安
チップに関するマナー
チップを払わないとどうなる？
まとめ

チップ文化とは？

日本人が海外旅行時に戸惑いがちな「チップ文化」は、ホテルやレストランなどでスタッフからのサービスに対して支払う金銭のことを指します。

「海外に行ったら必ずチップが必要」と思いがちですが、実際にはチップ文化が根付いている国は一部です。同じ国でも地域によってチップの習慣が異なることがあり、また、チップを渡すかどうかは人によって判断が分かれる場合もあります。

チップ文化のない日本では、ホテルやレストランのサービス料が利用料金に含まれていることが一般的です。

一方で、チップ文化のある国ではこのサービス料が含まれていないため、受けたサービスの質に応じてチップの金額を追加で支払う必要があります。

海外旅行前には訪れる国のチップ事情を事前に確認し、適切なマナーでスマートに対応できるように準備しておくことが大切です。

チップ制度を採用するメリット・デメリット

チップ文化が根付いている国では、チップがどのような効果をもたらしているのか気になる方も多いのではないでしょうか？チップ制度を採用するメリットとデメリットについては、以下の通りです。

チップ制度のメリット	・スタッフのサービスの質向上に繋がる・スタッフの収入を補える
チップ制度のデメリット	・チップ文化に馴染みのない旅行者にとってわかりにくい・サービス料の不透明感がある・スタッフ間に不平等感が生まれやすい

チップ制度のメリットとして、スタッフが丁寧で質の高いサービスを提供しようと努力する動機付けになる点が挙げられます。また、海外では基本給が低いサービス業のスタッフにとって、チップは収入を補い生活を支える重要な基盤になっています。

一方、チップ制度のデメリットとしては、チップ文化に馴染みのない旅行者にとっては仕組みがわかりにくく、思わぬトラブルに発展してしまう可能性がある点が挙げられます。また、サービス料の不透明性により、最終的な支払い金額が不明確になることも多いです。さらに、チップはサービスの質に対する対価であるため、スタッフごとに金額が異なり、不平等感が生まれる原因となりやすいといえます。

チップ文化はなぜ生まれたのか？

チップ文化が生まれた背景には、歴史的、社会的、そして経済的な要素が複雑に絡んでいます。ここでは、チップ文化の歴史について詳しく紹介します。

「チップ（tip）」の起源と由来

「チップ（tip）」の起源にはさまざまな説がありますが、イギリスの床屋で始まったという説が有力とされています。

当時、チップは労働の対価として支払われるだけでなく、料金が決まっていないサービスや迅速にサービスを求める場合に使用されていました。

店内には「To Insure Promptitude（迅速さを保証するため）」と書かれている箱が設置されており、顧客がお金を入れることで素早いサービスを依頼できたのです。この言葉の頭文字を取って「チップ（Tip）」と呼ぶようになったといわれています。

チップ文化の発展

17〜18世紀のヨーロッパでは、貴族や上流階級の人たちが従業員のサービスに対するお礼として金銭を渡していました。その習慣が徐々に広がっていき、チップを渡すことで顧客はより良いサービスを受けられるようになったのです。それから19世紀頃にアメリカへと伝わり、現在の形として根付いたといわれています。

現代におけるチップ文化の課題

チップ文化が定着した結果、経営者が従業員の給料をチップの分を差し引いた金額に設定するという問題が起こるようになりました。このような状況ではチップが従業員にとって生活のための重要な収入源となり、チップを受け取らなくては生活が成り立たないケースも少なくありません。

さらに、チップは顧客満足度によって金額が左右されるため、従業員の収入が不安定になるという課題があります。この収入の不安定さは、特に基本給の低い職種の人々にとって深刻な問題になっています。

チップ文化がある主な国

チップ文化は主に北アメリカや中東諸国で広く根付いており、日常生活のほとんどの場面でチップを渡す習慣があります。これらの国では、サービスを受けた際にチップを渡さないことが失礼とされる場合があるため、旅行前にしっかりと確認しておくことが大切です。

チップ文化がある主な国として、以下の表をご参照ください。

基本的にどこでもチップが必要な国	アメリカ、カナダ、メキシコ、エジプト、カタール、アラブ首長国連邦
サービス料が含まれない飲食店では必要な国	オーストリア、アイルランド、ブラジル、ロシア、チリ、トルコ、南アフリカ

チップ文化がない主な国

チップ文化がない国には日本をはじめ、アジア諸国やヨーロッパなど多くの国がありますが、一部の国では良いサービスを受けた際にチップを渡しても問題ない場合もあります。

特に観光客として利用することの多いホテルやタクシー、ガイドスタッフに対しては、チップを渡すことが一般的な場合もあります。チップ文化がない主な国として、以下の表をご参照ください。

一般的にはチップ不要：心づけとして渡してもOKな国	韓国、オーストラリア、イギリス、中国、香港、インド、シンガポール、スイス、フィンランド、イタリア、スペイン、ドイツ、フィンランド、ノルウェー、インドネシア、イスラエル、ギリシャなど
チップ不要：場合によっては失礼にあたる国	日本、フランス、アルゼンチン、イエメン、オマーン

チップを渡すタイミングや金額の目安

「チップが必要な国についてはわかったけれど、どれくらいの金額を、いつ渡せばいいのか？」と疑問に思っている方も多いでしょう。ここでは主要な国やシチュエーションごとに、チップを渡すタイミングと金額の目安について詳しく紹介します。

料理がテーブルまで運ばれるレストラン・カフェ

基本的には、料理がテーブルまで運ばれてくるレストランやカフェの場合のみ、支払い時にチップを渡す必要があります。自分で料理を運んで片付けまで行うファストフード店では、チップを支払う必要はありません。

主な6カ国における食事代に対するチップの目安は、以下の通りです。

アメリカ	食事代の15〜20％
イギリス	食事代の15〜20％（サービス料が含まれていない場合のみ）
フランス	食事代の15〜20％（高級レストランの場合）
イタリア	食事代の7〜15％（合計金額に含まれている場合が多い）
ドイツ	食事代の5〜10％
インド	食事代の5〜10％（サービス料が含まれていない場合のみ）

ホテル

海外では、ホテルサービスに対してチップを渡す機会が最も多いです。荷物の運搬やルームサービス、ベッドメイキングなどを依頼した際に、その都度チップを渡す必要があります。

主な6カ国におけるホテルサービスに対するチップの目安は、以下の通りです。

アメリカ	ベル係：荷物1個につき2〜3ドル、ルームサービスやベッドメイキング：1〜2ドル
イギリス	ベル係やルームサービス：1回につき1ポンド程度
フランス	特別なサービスをリクエストした場合：2〜5ユーロ、ルームサービス：チップ不要
イタリア	ベル係やルームサービス：1回につき1〜5ユーロ
ドイツ	ベル係やルームサービス：1回につき1ユーロ程度
インド	ベル係：荷物1個につき30〜50ルピー

タクシー

海外のタクシーは個人で運営している場合も多く、支払い時にチップ代を合わせて支払うことが一般的です。

主な6カ国におけるタクシー代に対するチップの目安は、以下の通りです。

アメリカ	運賃の15%
イギリス	運賃の10〜15%
フランス	荷物を運んでもらった場合に2〜5ユーロ
イタリア	運賃の10%程度
ドイツ	運賃の10%程度
インド	車やガイドを手配した場合、1人あたり100ルピー程度

美容室やスパ、ネイルサロン

海外では美容室やスパ、ネイルサロンなどの美容サービスに対しても、支払い時にチップを渡すのが一般的です。良いサービスを受けた場合には、相場以上にチップを渡しても問題ありません。

主な6カ国における美容代に対するチップの目安は、以下の通りです。

アメリカ	料金の15〜20%
イギリス	料金の10〜15%
フランス	料金の5〜10%（合計金額に含まれている場合が多い）
イタリア	料金の5〜10%
ドイツ	料金の5〜10%
インド	料金の10%程度

チップに関するマナー

チップは良いサービスを受けた際の「心づけ」ではありますが、渡し方や金額に気をつける必要があります。ここでは、各国共通のチップに関するマナーを詳しく紹介します。

基本的には直接手渡す

チップを渡す際は、基本的には手渡しで従業員の方に感謝の気持ちを伝えることが大切です。現金で渡す場合は紙幣が好ましいとされていますが、ヨーロッパやカナダでは硬貨でも問題ありません。クレジットカードで支払う場合は、決済時にチップの金額や割合（パーセント）を入力する欄が表示されるので、そこに入力してスマートに対応しましょう。