
イギリスとイングランド、同じように聞こえますが、実は同じ意味ではありません。
「イギリス」、「イングランド」、「UK」と、どれもよく耳にする言葉ですが、実はそれぞれに定義があるのです。
留学する前に知っておきたい、このイギリスとイングランドの違いを理解することで、現地での生活や文化への理解がぐっと深まります。
この知識は、現地の人々との会話や、歴史的な背景を理解する上で非常に役立ちます。それでは一緒にイギリスについての知識を深めていきましょう。
イギリスとイングランドの違い
イギリスとイングランドの違いは、日本人のあいだでしばしば混同されることがあります。
日本では「イギリス」という言葉が広く使われていますが、英国では、実はイギリスという言葉は公的な名称としては存在していません。
「イギリス」と「イングランド」の意味
日本で「イギリス」といえば、みなさんはどこからどこまでの地域のことを想像しますか。
UKのことかな?と想像される方が多いかもしれません。
イングランドはイギリスの南部に位置し、首都ロンドンがある地域です。地理的に見ると、イギリス全体(UK)の約3分の2の面積を占め、人口も約80%が住んでいます。
そのため、イングランドのイメージが「イギリス」全体として捉えられやすい背景があります。
そして「イギリス人」といえば、これらの地域に住む英語を共通語として話す人々のことを指していますが、厳密には「すべてのイングランド人はイギリス人ですが、すべてのイギリス人がイングランド人というわけではない」ということを理解しておく必要があります。
イギリス イングランド UK
UK(イギリス連合王国)の正式名称は「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland(グレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国)」で、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの国で構成されています。
「連合王国」を意味し、4つの国(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)が1つの国として統合されています。
・Great Britain(グレート・ブリテン)
イギリス本土である「グレートブリテン島」を指し、イングランド、スコットランド、ウェールズの3つの国が含まれています。
・Northern Ireland(ノーザン・アイランド)
アイルランド島の北部に位置し、イギリスの一部を形成する地域です。
アイルランド共和国とは異なり、北アイルランドはイギリスに属します。
アイルランドは1922年に独立し、アイルランド自由国(後のアイルランド共和国)となりましたが、北アイルランドはイギリスに残り、現在もUKの一部として存在しています。
つまり、UKはグレートブリテン島とアイルランド島の北部にまたがる国家ということになります。
イギリスを構成する4つの国の特徴
イギリスという国家は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、そして北アイルランドという4つの国で構成されています。
それぞれ独自の歴史や文化を持ちながらも、ひとつの「イギリス=連合国家」を作っています。
ここでは、これら4つの国の特徴を紹介していきます。
イングランド
イングランドは、イギリスを構成する4つの国のうちの1つで、面積や人口ともに最も大きい地域です。
イギリスの首都ロンドンは、イングランドにあります。
■ イングランドの地理と気候
イングランドの気候は温帯海洋性気候で、年間を通じて比較的温暖です。 ただし、地域によって異なり、南部は温暖で穏やかな気候、北部ではより冷涼で雨が多い傾向があります。
日本と比べると湿気が少なく、比較的過ごしやすいと感じる人も多いでしょう。
■ イングランドの歴史、文化、言語
イングランドの歴史は、ケルト人やローマ帝国の支配を経て、1066年のノルマン・コンクエストや産業革命を含む大きな転換を迎えました。 特に産業革命は、イングランドの経済と社会に大きな影響を与え、世界の歴史を変えるきっかけとなりました。
文化的には、ウィリアム・シェイクスピアをはじめとする偉大な文学、ビートルズなどの音楽、そして映画や演劇が世界的に影響を与えました。
また、イングランドの公用語は英語であり、国際的なコミュニケーションの主要な言語として、イングランドの文化や教育においても重要な役割を果たしています。 英語はイングランド発祥の言語です。
■ イングランドの政治、経済、交通
イングランドの政治は、イギリスの立憲君主制に基づいており、実質的な政治運営は議会と首相によって行われています。 イングランド単独の政府はありませんが、イギリス全体の政府が存在します。
経済面では、イングランドは世界有数の金融センターを擁し、ロンドンは国際的な金融の中心です。 製造業やサービス業も強く、特にテクノロジーやクリエイティブ産業の成長が注目されています。
交通網は非常に発展しており、鉄道、バス、地下鉄などが整備されています。 特にロンドンの地下鉄は、世界で最も古い地下鉄システムの一つであり、観光客にとってもわかりやすい設計となっています。
■ イングランドの民族と宗教
イングランドの民族構成は多様で、主にアングロサクソン系が占めていますが、近年では移民が増加し、さまざまな民族が共存する多民族国家となっています。 特に大都市では、インド、アフリカ、カリブ海地域からの移民が多く、文化的な多様性が見られます。
宗教は主にキリスト教で、特に英国国教会(Church of England)が主流ですが、カトリックやイスラム教、ユダヤ教なども存在します。 祝日には、クリスマスやイースターなどがあり、国民の多くがこれらの行事を祝います。
イングランドの料理
イングランドの料理は、地域の特性や歴史的背景を反映した独特のスタイルを持っています。
留学中にぜひ試したい代表的な料理や文化を紹介します。
ベーコン、ソーセージ、卵、揚げトマト、マッシュルーム、フライドブレッド(トースト)、ブラックプディング(血のソーセージ)、そして時にはハッシュブラウンが含まれる、一日の始まりにエネルギーを補給するための定番の朝食です。
・フィッシュ&チップス
イギリス料理の象徴的な料理で、主にタラなどの白身魚を衣で揚げたものと、太めのフライドポテト(チップス)が組み合わされています。
モルトビネガーをかけて食べるのが一般的です。
・ローストビーフ
牛肉をオーブンでじっくり焼いた料理で、通常はヨークシャープディングやグレイビーソースと共に提供されます。
特別な機会や日曜日のランチに食べられることが多い伝統的な料理です。
・シェパーズパイ/コテージパイ
羊のひき肉、野菜、マッシュポテトから成る家庭料理(牛肉の場合はコテージパイと呼ばれます)。
・スコーンと紅茶
イギリス式スコーンは、外側はサクッとした食感で、内側はホロホロと崩れるような軽やかさがあります。
クロテッドクリームとジャムを添えて食べるスコーンは、紅茶とともに楽しむアフタヌーンティー文化には欠かせません。
紅茶にはイングリッシュ・ブレックファスト・ティーやアールグレイなどがあり、ミルクティーとして広く親しまれています。
イングランドで人気なスポーツ
イングランドでは、多様なスポーツが盛んに行われています。
サッカーはイングランドで最も人気のあるスポーツであり、数世代にわたって愛されています。
イングランドのプレミアリーグは世界で最も視聴されているリーグの一つで、マンチェスター・ユナイテッド、リヴァプール、アーセナルなどのクラブが有名です。
・クリケット
クリケットはイギリス発祥の国民的スポーツで、特に夏季に人気があります。
イングランドとオーストラリア間で行われる伝統的な大会アッシュズシリーズは多くのファンに親しまれています。
・ラグビー
ラグビー・ユニオンとラグビー・リーグの2種類があり、ラグビー・ユニオンは特にイングランドとウェールズで人気があります。
シックス・ネイションズなどの国際大会が注目を集めています。
・テニス・競馬・ゴルフ・ボクシング
テニスでは、世界最古のテニストーナメントであるウィンブルドン選手権が有名です。
また、競馬は「王様のスポーツ」と呼ばれ、ロイヤルアスコットなどが有名です。
ゴルフはスコットランド発祥ですが、イングランドにも広まり、重要なトーナメントが開催されます。
ボクシングもイギリスでは盛んで、国内外の試合が多くの観客を集めています。
スコットランド
スコットランドは、イギリスを構成する4つの国のうちのひとつで、北部に位置しています。
美しい自然、深い歴史、独自の文化を持つ地域で、観光地としてもとても人気があります。
■ スコットランドの歴史
スコットランドはかつて独立した王国で、長い間イングランドと戦争を繰り広げてきました。 特に13世紀から14世紀にかけて、ウィリアム・ウォレスやロバート・ブルースなどの英雄が登場し、独立を守るための戦いが行われました。
1707年にイングランドと統合されて連合のひとつとなりましたが、スコットランド人の独立心は今もなお強く、独立を巡る議論が続いています。
■ 文化
スコットランド人は独自の文化や伝統をとても大切にしています。 その象徴的な要素としてキルトやバグパイプ(楽器)があります。
また、スコッチウイスキーは世界的に有名で、スコットランドはその生産地としても名を馳せています。
伝統的な料理には、ハギス(羊の内臓を使った料理)などがあります。
ウェールズ
ウェールズは、イギリスを構成する4つの国の1つで、イギリスの西部に位置しています。
自然豊かな風景、独自の文化、歴史が魅力の地域で、観光地としても人気があります。
■ ウェールズ語
ウェールズ語はウェールズの公用語であり、古代ケルト語に由来する言語です。
現在でもウェールズの一部地域では日常的に使われ、ウェールズ語の教育やメディアでの発信も活発に行われています。
■ ウェールズの歴史
ウェールズは長い間独立した国でしたが、1536年と1543年の「ウェールズ法」によりイングランドと統合されました。
しかし、ウェールズの独立心は今でも強く、1999年にはウェールズ政府(ウェールズ議会)が設立され、一定の自治権を持つようになっています。
北アイルランド
北アイルランドはイギリスを構成する4つの国のうちのひとつで、アイルランド島の北部に位置しています。
独自の歴史、文化、政治的背景を持っています。
■ 北アイルランドの歴史
北アイルランドは、1921年にアイルランドが独立した際、イギリスに残ることが決まりました。
20世紀半ばからカトリック系(アイルランド統一支持派)とプロテスタント系(イギリス統一支持派)の間で「トラブルズ」と呼ばれる対立が激化しましたが、1998年のベルファスト合意により和平が成立しました。
現在、アイルランド共和国は独立した国で、北アイルランドのみがイギリスに残っています。
アメリカのニューイングランドとは関係あるの?
アメリカ合衆国の北東部にある「ニューイングランド」という地名は、イングランドとの歴史的な植民地としての繋がりに基づいています。
1614年、イングランドの探検家ジョン・スミス船長が北米大陸の北東部沿岸を探索し、この地域を「ニューイングランド」と名付けました。
1620年以降、イングランドからのピューリタン系移民(ピルグリム・ファーザーズ)がマサチューセッツに到着し、プリマス植民地を建設したのが始まりです。
ニューイングランド植民地群は、イギリスの13植民地の一部としてイギリスの文化や制度が強く根付きました。
しかし、時間の経過とともに、本国イングランドに対する独立性を強め、アメリカ独立革命の主要な舞台となりました。
ボストン茶会事件など、独立につながる重要な出来事がこの地域で起こっています。
なぜ日本では「イギリス」と呼ぶの?
なぜ日本では「イギリス」と呼ぶのでしょうか。
実はこの背景には、多くの歴史と意味が詰まっています。 ここでは、なぜ日本だけがこの名前を使っているのかを説明します。
日本で「イギリス」と呼ばれるようになった背景には、16世紀末のポルトガルとの接触があります。
ポルトガル人が日本に到来した16世紀後半、「ingles(イングレス)」というポルトガル語が「イングランドの」「英語の」という意味で使われていました。
ポルトガル人は日本にイングランドから来た商人や使節を紹介する際、「ingles」という言葉を使ったそうです。
この言葉が日本に伝わり、日本語ではそれが「イギリス」として定着したと伝えられています。
また、江戸時代には他の呼び方(「エゲレス」や「英吉利」)も使われていたという歴史的背景もあります。
このように、言葉がどのように変遷していったのかを理解することは、言語と歴史の関係を考える上で非常に興味深いですね。
まとめ
イギリス留学を検討している人にとって、イギリス国内には多様な選択肢があります。
主要都市であるロンドンやマンチェスターでは、語学学校や大学が充実しており、質の高い教育を受けることができます。
地方の都市でも独自の魅力や学びの環境が整っており、ヨーロッパの中心として多文化交流ができるでしょう。
最後に改めて、イングランドはイギリス(UK)を構成する4つの国のうちの一つであるという基本を理解しておきましょう。
すべてのイングランド人はイギリス人ですが、すべてのイギリス人がイングランド人というわけではありません。
4つの国それぞれに独自のアイデンティティがあることを理解することが、英国の文化や歴史を深く知る第一歩となるでしょう。
◇留学経験
・イギリス ロンドン
・カナダ トロント
これまで、イギリス・ロンドンのWimbledon School of Englishとカナダ・トロントのiLSC Language Schoolで、文法やアカデミックライティング、国際的な社会問題、ジャーナリズムなどのコースを選択し、2年間にわたり徹底的に学びました。
これらの学びを通じて英語のスキルを高めるとともに、国際的な視野を広げる貴重な機会を得ることができました。特に、アカデミックライティングのコースでは、論理的な構成や明確な主張の展開、信頼できる証拠を基にした議論の方法を学び、映画をテーマに議論するコースでは、さまざまな文化的背景を持つクラスメイトたちと積極的に意見を交わしながら、異なる視点から物事を考える力を養いました。
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容(仕事、留学、旅行など)
これまでに滞在した国や島:イギリス、ドイツ、スペイン、オーストリア、スイス、フランス、イタリア、インドネシア、バリ、タイ、ランカウイ、プーケット、ハワイ、グアム、サイパン、アメリカ、オーストラリア、カナダ、パンコールラウ、香港、マレーシア、シンガポール、メキシコなどです。
◇自己紹介
これまでいろんな国を旅して来て、たくさんの人々と知り合い数多くの得難い思い出があります。世界各地に友人ができ、やはり共通の言語は英語なので、今では日常的に英語を使っています。また、イギリスやカナダに滞在し、家を借りたり銀行口座を開設したり、現地の学校の申し込みをしたりした経験から、正確な英語を使う必要性を感じました。
英語のスキルでは、リスニングが得意です。また、COLLOCATIONと呼ばれる、英語の言葉が何とペアになっているかに関しての専門的なコースを取ったこともあり、皆様に少しでも有益な情報をお届けしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
◇留学への思い
これまでの留学経験を通じて、さまざまな国の人々と出会い、共通の言語として英語が必要不可欠であることを実感しました。現在では日常的に英語を使い、世界中の友人とコミュニケーションを取っています。
異なる母国語を持つ人々と円滑に意思疎通を図るためには、英語は欠かせないツールです。英語は単なる言語にとどまらず、異文化への理解や国際的な問題に対する深い洞察を得るための重要な鍵であることを強く感じています。
留学では、学業以外の思い出も、留学生活をさらに思い出深いものにしてくれました。ロンドンでは、クラスメイトとフランスやイタリアを訪れ欧州の文化を体験したり、週末にロンドンの地下鉄「チューブ」に乗りピカデリーでミュージカルを楽しんだりと、充実した時間を過ごしました。
トロントでは、ワールドカップ期間中にキャンパスのロビーに設置された大きなテレビの前で、世界中の学生たちと共に相手や自分の国の試合を応援し、にぎやかなひとときを楽しみました。
これからも、みなさんに有益な情報をお届けできるようつとめていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。