皆さんは、「エゴ」の英語での表現方法をご存知ですか?もし知っていても、関連表現のegoisticやegoismといった表現の意味や使い分けには自信がない、ということはあるのではないでしょうか?
記事では、エゴに関する英語を紹介します。エゴとは何か?エゴの対義語とは?そして、関連用語なども含めて幅広くお届けします。
Egoの意味
まず、ここではエゴとは一体なんなのか?をみていきます。
エゴとは?
エゴは「自己」や「自我」を指します。自己とは自分自身、自我は自己や自分です。
エゴの一例をご紹介します。親のエゴや大人のエゴという言葉があります。親は子どもに対して「こうなって欲しい」と求め、無意識に自らの考えややり方を押し付ける利己的な行為をしてしまうことがあります(利己的=自分中心に考え、他人の立場などを考慮せずにする行動)。もちろん、親は子どもが良い人生を送れるように色々考えるわけですが、時にはそれが子供にとっては親のエゴ(親がエゴを押し付ける)という取り方になってしまいます。
このように、エゴとは心理の状態に大きく関わります。
エゴの英語表現はEgo
我が強いことを日本語でエゴと呼びますが、これは英語egoからきています。egoを辞書で調べると「自己・自身」であるとともに、エゴ、自我、加えて「うぬぼれ·慢心」「自尊心」などの意味を持つ名詞であることが分かります。
エゴの英語の発音ですが、カタカナで「イゴ」または「イゴゥ」のように発します。日本語と英語では発音が多少異なりますので、使い分けが必要にです。
エゴはネガティブなものなのか?
エゴというと、どうしてもネガティブな印象があります。しかし、英語にはpositive power of egoというフレーズがあります。ポジティブな自我は、スキル・知識などを伸ばす原動力になるという考えです。
実際に、Collins Dictionaryの“ego”の定義を見ても、以下の通りに述べられています。
Someone’s ego is their sense of their own worth.
自我とは、自分自身の価値に対する感覚のことである。
あくまでも自分の主観に基づく感覚を指すので、エゴは必ずしもネガティブなものではないんですね。
ちなみに、エゴの類義語にあたるものに、pride / self-respect / self-worth / confidenceなどがあります。
Egoの使い方を例文で紹介
それではエゴを実際にどう使うのか、例を挙げてみていきます。
He has an ego.
彼にはエゴがある。
この例は「彼はエゴを持っている」とも言えます。
The Judo national coach has a huge ego, and can’t develop trust from the players.
柔道の代表監督はエゴが大変強く、選手たちからの信頼を得られていない。
エゴが強い場合にはbig、massiveやhugeなどの形容詞を追加し、“He has a big/massive/huge ego.”のように強調することができます。他人の意見にオープンになれず自分の考えだけが正しいと信じる人のような人がいますが、そのような人を表現するときのフレーズです。
Winning the award really boosted his ego.
賞を受賞したことで、彼の自尊心は大いに高まりました。
自尊心とは心理学の分野でよく使用され、自身の能力、または他人による評価などによって、自分に抱くポジティブな感情を言います。この場合にもegoが使えます。ちなみに、自尊心はself-esteemで表現されます。
Egoの対義語
さて、egoをさらに理解しましょう。ここでは、エゴの対義語にあたる英語を紹介します。
Egoの対義語
lack of pride(プライドの欠如)
down-to-earthness(堅実な・現実的な)
self-abasement(自己卑下)
など、さまざまな表現がegoの対義語になります。
ここでは、それ以外の2つの表現について紹介しましょう。
Humility
humility(ヒューミリティ)は、謙虚・謙遜・卑下の意味がある名詞です。謙虚さを持つことは、エゴが強いことの対極ですね。
She doesn’t have the humility to admit when she’s wrong.
彼女には自分が間違っていること認める謙虚さがないわ。
Modesty
名詞modestyは、言動や服装が控えめであることを表す英単語です。
It’s said that pride hurts, modesty benefits.
プライドは傷つけるが、謙虚さは利益をもたらすと言われています。
自分を中心にしただけの言動では人が離れていきます。コミュニケーションには、周りを思いやれる謙虚な気持ちが大切でしょう。
「自己」と「自身」の英語表現
ここでは、「自己」や「自身」を英語でどう表現するのかみていきます。分かりそうで分からないこれらの英語表現をこの機会に明確にしましょう。
Self
selfといえば、myself(私自身)やyourself(あなた自身)で親しみがある単語です。他人と自分を区別するときの自己や自身はegoでもいいのですが、名詞selfがそれらを表現します。
Self trust is the first secret of success.
自己の信頼は成功の第一の秘訣だ。
I put my whole self into work, day and night.
私は昼夜問わず、自身のすべてを仕事に注ぎました。
ここまででも、self-respect / self-worth / self-esteemなどが出てきました。これらはすべて自己または自身に関する意味を持っています。
Egoの関連表現4選
さて、ここからは以下4つのegoの関連用語についてみていきましょう。
Egoistic
Egotism
Egoism
Egoist
皆さんはそれぞれの意味や使い分けがしっかりできそうでしょうか?さっそく、英語例文とともに確認していきましょう。
Egoistic
ひとつ目のego関連表現は、egoisticです。形容詞として「自己本位の・わがままな・自己中心的な」の意味で使用されます。
Egoisticの使い方
My friend is an egoistic person. She is only interested in her own desires and needs.
私の友達は自己中心的な人だよ。彼女は自分の欲望と要求にしか興味ないんだから。
他人より自己の願望を優先することから、self-centred(アメリカ英語ではself-centered)と表現することもできます。
Egotism
2つ目はegotism、主に自分中心主義、そしてうぬぼれ・わがままを表す名詞です。
Egotismの使い方
ism(イズム)がつく言葉は「~主義」と訳されます。自分の文化、民族や他よりも優れていると考える態度を自分中心主義egotismと呼びます。
I love Japan and Japanese culture but I need to be careful not to show any egotism when talking to foreign people about Japan.
私は日本と日本文化が大好きだけど、外国人と日本に付いて話すときに自分中心主義にならないように注意する必要があります。
Egoism
続けて、egoismです。egoismは「利己主義」として訳され、自分勝手で自分の利益や快楽のみを中心に考えて行動することを言います。
Egoismの使い方
He changes his attitude towards people. He can be nice to people who bring benefits to him. It is really his egoism showing.
彼は人々に対する態度を変えんだ。自分に利益をもたらす人々には親切にできるんだ。それってまさに利己主義の表れだよ。
Egoist
最後のegoに関する用語はegoistです。CHANELの香水にEGOISTEが、これはegoistからフランス語です。egoistは「利己主義者」また「自己中心的な人」という意味で、こういった人をエゴが強いと表現します。
Egoistの使い方
My brother is such an egoist and selfish, he only cares about himself!
私の兄は自分中心で身勝手で、自分のことしか考えてないんです!
エゴサーチとは?
最後に、エゴサーチについても紹介しましょう。英語でもego searchと表現するのでしょうか?
エゴサーチとは?
エゴサーチとはエゴサとも言われ、企業であれば自社のことを、個人であれば自身のことをネットで検索して調べる行為を指します。その方法ですが、ページの上にある検索フォームに言葉を入力することで行ないます。一般人に限らず、政治家、芸能人やインフルエンサーが自分が世間からどう思われているのか調べるために行うことがよくあります。
エゴサーチはEgosurfing
ego searchという英語はなく、これはカタカナ英語です。エゴサーチはegosurfingで表現します。ネットサーフィンという用語もありますが、egosurfingもその流れで覚えることができます。
エゴの英語 まとめ
今回、心理学や哲学でも登場する表現エゴを紹介しました。egoはポジティブ・ネガティブの両方であり、その意味は自己・自身、エゴ、自我に加えて、うぬぼれ、慢心、自尊心です。また、エゴイズム、エゴイスト、エゴサーチなど関連する表現も多くありましたね。
本記事がegoの使い方のご参考になっていれば幸いです。

◇経歴
日本では外資系製薬会社などで勤務。
2006年夏に渡英し、現在イングランド在住。
2012年以来、南ロンドンで剣道道場を運営。地元の行政と関わり、日本文化を紹介するイベントを担当したり、剣道や居合道のデモンストレーションのオーガナイスを行なう。
また、日本の2大学と英国剣道協会とのパートナーシップ締結のためのリエゾンおよび翻訳・通訳を担当。
◇資格
・Food Safety Level 2
・Principles of Internet Safety Prepare to Deliver Excellent Customer Service
◇海外渡航経験
スキューバダイビングで訪れた国々を始め、3ケ月間のヨーロッパ各国バックパッカーの旅を経験。
◇自己紹介
こんにちは!椿サリーです。夫がイギリス人、日英ミックスの息子(UK大学生)という家族構成の国際結婚組です。ライターとして、多国籍メンバーが所属する剣道道場の女将として、日本文化紹介を紹介する地元グループ代表として行政とのやりとりなど、イギリスで幅広く活動しています。英会話ができると世界が広がりますし、外国人とのコミュニケーションは楽しい!を日々実感しています。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.