留学のためのホームステイガイド:メリットとデメリットも紹介

留学, ホームステイ, ネイティブキャンプ

海外留学において、現地の家庭で生活する「ホームステイ」は留学生にとても人気のある滞在方法です。

留学中の滞在方法には寮やシェアハウスなど他にもいろいろな選択肢があるにもかかわらず、滞在手段にホームステイを選ぶ方が多い理由は、どんなところにあるのでしょうか?

また、ホームステイ経験者の体験談には「当たり外れがある」「ひどい目にあった。最悪だった。」といったネガティブな内容も見られます。海外留学に向けて滞在方法毎の費用や違いを検討中の方にとっては、こういった体験談の真偽が気になるところですよね。

今回は留学のためのホームステイについて、メリットやデメリット、気をつけたいポイントなど、いろいろな面から解説をしていきます。

ホームステイとは

ホームステイとは「留学生が留学先の現地の家庭で一定期間一緒に生活させてもらうこと」を指します。

ホームステイ期間は千差万別で、日帰りで現地の家庭の雰囲気を体験するだけといった滞在もあれば、数週間や数ヶ月、場合によっては数年といった長い期間の滞在もあります。

ホームステイで留学生を受け入れてくれる家庭のことを「ホストファミリー」とよびます。ホストファミリーの構成もさまざまで、夫婦だけの場合もあれば、一人暮らし、子供のいる家族である場合もあります。

滞在用のスペースとしてゲスト専用の個室があり、そこにベッドや机などが用意されていることが一般的です。トイレやシャワーは家族と共用の場合もありますし、ゲスト専用のバスルームが用意されている場合もあります。

ホームステイのメリット

ホームステイは現地の生活を肌で感じることができるのが特徴です。ホームステイをすることで、次のようなメリットを得ることができます。

・英語が上達しやすい

・文化交流の機会

・家庭生活への適応と経験

それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

英語が上達しやすい

ホームステイ生活では、日常会話が全て英語になります。

朝起きてから夜寝るまで、文字通り一日中英語漬けの生活を送ることになり、英語に触れる時間が必然的に増えます。

例えば、家に到着したその日のうちに、次のようなやりとりを全て英語でやることになります。

・家族それぞれへの自己紹介や挨拶

・家の入り方(ナンバーキーやオートロックの使い方)

・朝食や夕食は何時にどこでどうやってとればいいか

・シャワーはどこにあって何時から何時まで使っていいのか

・このあとどこに出かけて何時に帰る予定なのか

これだけでも、かなりの英会話量ですよね。ホストファミリーの説明を聞き取るリスニング能力はもちろん、わからないことを質問するスピーキング能力や社交力が必要になります。

もし英語力に自信がなくても大丈夫。ホストファミリーは基本的に留学生を受け入れる意志のあるオープンマインドな方ですし、留学エージェントや語学学校でも留学生の英語力に応じたホストファミリーを選んでくれているはずです。

ホームステイ生活では、家事を手伝ったり、今日あった出来事を話したり、ホストファミリーの子供達と遊んだりしているうちに、自然と語学力がアップしていきます。

文化交流の機会

ホームステイで日常生活を実際に体験してみると、文化や生活習慣の違いに驚くこともたくさんあるでしょう。

たとえば朝食ひとつとっても、カフェオレとスナックだけの簡素なものだったり、朝食だけはキッチンで個々に食べることになっていたり、リンゴを切らずにかじって食べて終わりだったりします。

日本人の場合、朝食といえば「家族そろって白ごはんとみそ汁におかず」といったイメージを持っている方も多いので、カルチャーショックを感じるかもしれません。

ホストファミリーと仲良くなれたなら、家族のアルバムを見せてもらったり、地元のイベントに一緒に連れて行ってもらったり、料理の手伝いをしたりしてみましょう。

ホストファミリーと共に現地ならではの行事やイベントを体験したり、家事のシステムや日常生活習慣の違いを感じることは、その後の英語学習にも役立つ貴重な文化体験になるはずです。また、日本からのお土産を渡したり、日本文化の体験を一緒にすることも大変喜ばれます。

筆者はステイ先で「名前を漢字で書いてくれ」とリクエストされ、「龍」という漢字を使って書いてあげたところ、いつもは寡黙なホストファザーが「こんな複雑な字を間違いなく書けるなんて驚きだ」と声をあげて喜んでくれました。

こんな風に、生活のいろいろな場面で文化交流を楽しめるのもホームステイのメリットのひとつです。

家庭生活への適応と経験

ホームステイでは、ホストファミリーの構成によってさまざまな家庭での生活を体験をすることができます。

子供がいてにぎやかだったり、犬や猫などのペットがいたり、あるいはリタイア後の生活をホストファミリー活動に当てている家族もいます。

ホームステイではホストファミリーだけでなく、ホストファミリーの親戚や友達と交流する場面も多いので、さまざまなバックグラウンドを持つ人々と出会ったり、教科書には載っていないような英語のフレーズを学ぶことができたりもします。

日本国内での英語学習や寮生活ではなかなか味わえないような多種多様な経験をすることができることは、ホームステイの大きなメリットであるといえます。

ホームステイのデメリット

ホームステイにはメリットもありますが、もちろんデメリットもあります。

例えば次のような点は、ホームステイのデメリットとしてよく挙げられます。

・プライバシーの問題

・食事が合わない可能性がある

・ファミリーの予定に合わせる必要が出てくる場合がある

ここからは、上にあげたよくあるデメリットの内容について詳しく解説していきます。

プライバシーの問題

ホームステイではプライバシーが十分に確保されないことも多く、それが気になってしまったり、デメリットだと感じる留学生もいます。

たとえば、ホストファミリーによっては、交流を促すなどの目的で「部屋に鍵はかけないこと」「就寝中以外は部屋の扉はいつも開けておくこと」といったルールを設けていることがあります。

人によっては「いつも扉があいていると落ち着かない」と感じてしまう場合もあるでしょう。

また、滞在中は洗濯物をホストマザーにお願いすることが一般的です。下着の洗濯もお任せすることになるため、「自分の下着を人に見られるなんてプライバシーを侵害されている気がする」と感じる人もいるでしょう。

さらに滞在期間中は、自分がいない時にホストマザーやホストファミリーのメンバーが自室に入ることがあります。

掃除をするためという場合もありますし、普段はホストファミリーの子供の部屋だけれど、留学生を迎えているときだけ即席でゲストルームにしているという場合も多いので、子供がちょっと荷物をとりに来たりすることもあります。

もちろん、貴重品は鍵付きのスーツケースに入れておくといった対策は必要です。しかしそれをやっていても心配に感じたり、気分を害するという人もいるかもしれません。

こういったプライバシーにまつわる考え方については、文化的な違いやそれぞれの家庭のポリシーが大きく影響してきます。また、留学生自身の育ちや考え方によっても気になるかどうかが変わってくるでしょう。

留学前にホームステイ情報を確認し、どうしても気になる点があれば語学学校や留学エージェントに申し出ておきましょう。ステイ先の変更や、ホストファミリーによる配慮を受けられるかもしれません。

食事が合わない可能性がある

ホームステイの場合、毎日の食事はそれぞれのホストファミリーが用意してくれることが一般的です。

語学留学や短期留学の場合、平日のランチは学校でとることが多いので、1日2食(朝食と夕食)だけを用意してもらい、休日は朝昼夜の3食を用意してもらうというのが一般的です。

ホームステイでは普段ホストファミリーが食べているような食事を出すことが基本なので、文化の違いにより日本とはかなり違う内容の食事メニューになることがあります。

料理好きなホストマザーがいれば夕食は自宅で調理されたメインディッシュとサラダ、パンなどが出てくるかもしれませんが、忙しく働いているホストマザーの場合はレンジで冷凍食品をチンして食べてね、と言われる場合もあります。

人によっては、野菜が不足して体調を崩したり、口に合わなくて食べられなかったりもするかもしれません。

口に合わないものがあったり、体質的に合わないような場合には、無理をせず素直に伝えましょう。

ファミリーの予定に合わせる必要が出てくる場合がある

ホームステイでは、生活を共にしているホストファミリーへの配慮は欠かすことができません。

ホストマザーが夜遅くまで働いていたり、子供の送迎などで家を留守にする時間があれば、それに合わせて家事を自分でやる必要がでてくるかもしれません。

ファミリーにパーティやイベントの予定があれば自分もそれに合わせてスケジュールを組む必要がありますし、逆に自分が出かけたりする場合もホストファミリーに声をかけ、スケジュールの調整をする必要があります。

寮生活やシェアハウスなどで一人暮らしのような状況であればこのような気遣いは必要なく、気ままに過ごすことができますが、ホームステイではどうしてもファミリーへの気遣いが必要になります。

ホームステイで気をつけるべきこと

留学中のトラブルでもっとも多いとされているのがホームステイに関するトラブルです。

ホームステイは各家庭によって環境が異なるため、留学生との相性の面や提供されるサービスの面で当たり外れがあるのは否めないところではあります。

そんな中でも、少しでもトラブル発生を避け、自分にとってもホストファミリーにとっても気持ちの良い滞在にするための、気をつけておきたいポイントをご紹介します。

ゲストではなく家族の一員

「ゲストなのだからお客様扱いしてもらって当然」というのは、ホームステイにおいてトラブルの原因になりやすい考え方です。

ホームステイはホテルステイとは違います。ホームステイは「家族の一員」として家庭に迎え入れてもらうものなので、ホテルがゲストに提供するような食事やサービスを期待するのはお門違いなのです。

サービスを受けるだけの「お客さん」になるのではなく、こちらからも家事を手伝ったり、出来ることは自分でやるなどして、ホストファミリーにサービスを提供できるような「家族の一員」としての行動を心がけましょう。

ビジネスとしてのホストファミリー

ホストファミリーはボランティア精神だけで留学生を受け入れているとは限りません。空いた部屋を有効活用したいというビジネス的な理由でホストファミリーをしている家庭もあります。

「遠い国からきたゲストなのだから、休みの日は時間をとってどこかに連れて行ってくれるはず」「文化交流や語学力アップのために、毎日英会話の相手をしてくれるはず」などと思い込んでホームステイに行ってみたら、ほったらかしで交流が全然なかった・・・という可能性もありえます。

もしどうしても納得がいかないと感じたら、語学学校や留学エージェントに相談して別のホストファミリーを探してもらうという手もあります。

ホストファミリーのルールを尊重する

ホームステイをするときは、その家庭の生活習慣や生活スケジュールを尊重することが大切です。

ホストファミリー毎に、この部屋はプライベートなので入らないでほしい、このトイレは家族用なので使わないでほしい、食べた後の食器は自分で片付けてほしいなど、留学生向けのルールが設定されているはずです。

気持ちよく生活するためにも、提示されたルールはできるだけ守りましょう。

また海外のトイレやシャワーは水圧が低い場合もあり、そういった環境的な理由で気をつけなければならない点もあったりします。滞在初日の案内や説明はよく聞いて、わからない所は遠慮せず確認するようにしましょう。

まとめ

これから海外の語学学校などへの留学を考えている方に向けて、ホームステイのメリットやデメリット、気をつけたいポイントなどを解説してきました。

ホームステイには国や地域、家庭によってさまざまな違いがあります。寮生活やアパート暮らしと比べるとプライバシーがなかったりといったデメリットもありますが、現地での家庭生活を体験できるというメリットはやはり大きな魅力ですよね。

今回の内容も参考にして、留学エージェントや語学学校からの個別情報も合わせながら、自分にぴったりの海外滞在先を探してみてくださいね。

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