
アメリカで代表的な季節のイベントとしてお馴染みのクリスマスですが、実は日本のクリスマスとは全く異なっていることはご存じでしょうか?
アメリカにおいてクリスマスは一年で最も家族と過ごす時間として大切にされています。これは日本の「お盆」や「お正月」と感覚が似ており、離れて暮らす家族が実家に集まる帰省の伝統が強く根付いています。
この記事では、クリスマスの由来や伝統料理、当日の過ごし方など日本とはちょっと違うアメリカのクリスマスについて解説していきます。
アメリカのクリスマスの由来と歴史

クリスマスの起源は諸説ありますが、2世紀から4世紀頃であると言われています。
もともとは、古代ローマのミトラス教や古代エジプトの樹木信仰、収穫祭や冬至祭りといった土着の信仰が融合した重要な祭事でした。
後にローマ皇帝によって、イエス・キリストの誕生を祝うキリスト教の行事として世界中に広められました。
また、クリスマスツリーを飾る習慣は、ゲルマン民族の「ユール」というお祭りが起源とされています。古くから常緑樹は「永遠の象徴」とされており、もみの木がクリスマスツリーとして採用されるようになりました。
日本と違うアメリカのクリスマス
日本のクリスマスケーキといえば生クリームとイチゴのデコレーションケーキを食べる方が多いと思いますが、実はアメリカではそのようなものを食べることはありません。ここでは、日本とアメリカのクリスマスの違いについて紹介していきます。
宗教的な意味合い
アメリカでは宗教的な意味合いが強く、逆に日本のクリスマスは宗教的な意味合いはありません。
クリスマスはイエス・キリストの誕生をお祝いする行事として位置づけられています。キリスト教徒にとって一年で最も神聖かつ大切なイベントであり、24日の夜や25日の朝に家族揃って教会へ行ってキャンドルサービスや讃美歌の合唱などに参加するのが通例です。
しかし、アメリカは多民族国家であるため、ユダヤ教の「ハヌカ」やアフリカ系アメリカ人の文化行事「クワンザ」など、同時期に他の重要な行事と重なります。そのため、特定の宗教色を避けるために「Happy Holidays」と挨拶することが公共の場やビジネスシーンでは常識となっています。
「恋人と」ではなく「家族と」過ごす伝統
日本人がお盆やお正月に帰省するのと同様に、アメリカでは離れて暮らす家族がこの日のために飛行機や長距離ドライブしてでも実家に戻ります。
この時期の空港や高速道路は民族大移動のような大混雑になります。
未婚のカップルの場合でも、それぞれが自分の実家に帰って別々に過ごすのが一般的です。もしパートナーからクリスマスに実家に来ないかと誘われたら、それは単なるデートではなく、結婚を前提に考えているという非常に重みのあるサインとして受け取られます。
現地の公的な休日と当日のスケジュール感
アメリカのクリスマス休暇の仕組みについてですが、カレンダー上の公的な祝日は12月25日の1日のみです。多くの人は翌日の12月26日から通常通り仕事に戻ります。
しかし、有給休暇を組み合わせて連休にする人もいます。学校の場合はより長く、幼稚園から高校まではクリスマスから新年までの約2週間、大学では12月中旬から1月中旬までの約1ヶ月間が冬休みになるのが一般的です。
ちなみに、12月24日のクリスマスイブは公的な祝日ではありませんが、企業によっては午後から半休になる場合もあります。
アメリカのクリスマス定番グルメ
日本のクリスマスではKFCのフライドチキンを食べる方が多いと思いますが、実際アメリカではクリスマスにそれを食べることはほとんどありません。
ここでは、アメリカ本場のクリスマスの定番グルメについて紹介していきます。
メインディッシュの主役「クリスマスハム」
クリスマスハムは、豚のもも肉である大きな塊肉をオーブンでじっくり焼き上げる料理です。表面にメープルシロップやはちみつなどを塗って、照りや甘みをつけて調理した「グレイズドハム」が一般的です
。他にも、シンプルにオーブンで焼いた「ベイクドハム」があり、家庭によって好みの味付けは異なります。
他にも、七面鳥やローストビーフをメインディッシュとして用意する家庭もあります。
テーブルを華やかに彩るサイドメニュー
先ほどのメインディッシュのサイドメニューとして、「マッシュポテト」や「スタッフィング」、「インゲンのキャセロール」などの野菜類が添えられるのが一般的です。
さらに、「クランベリーソース」や「グレイビーソース」といったソースも用意し、さまざまな味付けも楽しめます。
伝統的なデザートの代表格「パンプキンパイ」
アメリカのクリスマスでは、アップルパイやピーカンパイなどのパイを食べる家庭が多く、その中でもデザートの代表格として「パンプキンパイ」が挙げられます。
パンプキンパイは、オレンジ色から茶色のカボチャ味のカスタードを一重のパイ生地に注いで焼き上げたものです。アップルパイなどの他のフルーツパイとは異なり、表面をパイ生地で覆わないのが一般的です。
ナツメグやシナモン、クローブ、生姜をブレンドしたパンプキンスパイスで味付けされます。スパイスの量が多いほど、パイの色はより茶色くなります。
地域にもよりますが、伝統的にホイップクリームを添えて食べられることがあります。
親子で手作りを楽しむ「クリスマスクッキー」
クリスマスのデザートとしてクッキーもよく食べられます。準備期間中は、親子でクッキー作りを楽しむ家庭が多いのが特徴です。
サンタやツリーをかたどったクッキーをたくさん作ったり、「クリスマスクッキーハウス」といったクッキーで作った大きな家のオブジェなどを作ったりして楽しみます。
クリスマスにクッキーを作るのは、サンタが訪ねた時にクッキーとミルクで一息ついてもらうためです。クリスマスの朝にプレゼントが置いてあり、クッキーとミルクを食べた痕跡を見ると子どもたちはサンタが訪ねた証拠としてとらえます。
また、アメリカではサンタクロースだけでなく、トナカイにもテーブルの上にニンジンを置いておもてなしをします。
冬の定番ドリンク!濃厚な味わいの「エッグノッグ」
エッグノッグとは、牛乳、クリーム、砂糖、溶き卵を混ぜ合わせ、シナモンやナツメグなどのスパイスで風味付けをした、ミルクセーキのようなクリーミーな味わいが特徴のカスタード風のホットドリンクです。
子どもから大人まで楽しめる飲み物ですが、大人の場合はこれにラム酒やブランデーなどのアルコールを混ぜて楽しむことがあります。
心まで温まる本場の「ホットチョコレート」
ホットチョコレートはエッグノッグと同様に、クリスマスシーズンならではの甘く濃厚な味として、子どもから大人まで多くの人々に愛されています。
実際にキャンディケインを添えたり、トッピングとしてマシュマロやホイップクリームなどを添えたりして楽しみます。
見どころたっぷり!アメリカのクリスマスイベント
アメリカではクリスマス当日までの間、各所でクリスマスにちなんだイベントが開催されます。具体的にどのようなイベントが行われているかについて紹介していきます。
本場の熱気を感じる「クリスマスマーケット」
アメリカのクリスマスマーケットは「ホリデーマーケット」と呼ばれ、11月の感謝祭が終わった後に各地で開催されます。地元のハンドメイド製品や限定スイーツなどが並び、クリスマス気分を盛り上げていきます。
日本と違い、アメリカのクリスマスマーケットは12月23日や24日のクリスマスイブまでに終了する所が多いです。25日は家族と過ごすため、マーケットも含めほとんどのお店が閉まり、街は静まり返ります。
夜空を彩る「パレードと豪華ライトアップ」
アメリカ各地では、11月の感謝祭直後から12月にかけてクリスマスパレードが開催されます。
例えば、シカゴの「マグニフィセント・マイル・ライツ・フェスティバル」では、華やかなイルミネーションとともに大規模なパレードやライブ音楽が行われ、クリスマスシーズンの幕開けのイベントとして有名です。
また、ディズニーワールドやユニバーサル・スタジオなどの人気テーマパークでは、この時期限定の豪華なパレードやショーが開催され、多くの観光客を魅了します。
アメリカのライトアップスポットとして有名なのが、ニューヨークのロックフェラーセンターやワシントンD.C.のナショナルクリスマスツリーです。
またアメリカの一般家庭では、家や庭をライトアップして近所と競い合う文化があります。ライトアップ専門の業者が存在するほど、アメリカ人のこだわりは強いのが特徴です。
ツリー装飾やギフト交換など「家庭内の行事」
アメリカのクリスマスは11月の感謝祭が終わるのと同時に準備が始まります。
天井に届くほどの大きなツリーをリビングに飾って、ライトやオーナメントなどで華やかに魅せます。ツリーは本物のモミの木を購入して飾る家庭も多いのが特徴です。
日本では子どもの枕元にプレゼントを置くのに対し、アメリカではクリスマスツリーの下にまとめて置くのが一般的です。
さらに、日本では1人1個のプレゼントが一般的なのに対し、アメリカではサンタクロースからのプレゼントをベースに親や祖父母から複数渡されることも珍しくありません。
また、驚くべきことに、アメリカではクリスマスプレゼントを贈る際に「ギフトレシート」も同封することが一般的です。これは、気に入らないプレゼントでも返品や交換ができるようにするためです。
他にもアメリカの一般家庭ではクリスマスの行事として、以下のようなことを楽しみます。
・クリスマスカードの送付:日本の年賀状と同じ感覚で親戚や友人に家族写真やメッセージを添えたカードを郵送する文化があります。
今年のクリスマスはアメリカで過ごそう!
ここでは、アメリカ本場のクリスマスについて解説しました。
アメリカのクリスマスは日本と違い、家族と過ごすために11月の感謝祭が終わってから約1ヶ月間は町中がイルミネーションで装飾されたり、ホリデーマーケットが各地で開催されたりなどクリスマスモードの賑わいをみせます。
企業でも早ければクリスマスイブの午後から半休にするなど、クリスマスはゆっくり過ごせるように配慮されることが非常に多いです。
また、クリスマスのディナーにおいても日本のようなデコレーションケーキやKFCのフライドチキンを食べることは少なく、クリスマスハムやパンプキンパイなどの料理を食べるのが一般的です。
今年はアメリカで本場のクリスマスを体験してみてはいかがでしょうか?
◇経歴
学習塾で小学生から高校生までを対象に英語を教えていました。
現在は、英語の学習方法や教育に関する記事を執筆するライターとして活動しております。
◇英語に関する資格
小学校英語指導者資格(J-SHINE)
◇留学経験
大学時代にアメリカでの語学留学を経験。
現地で様々な人とコミュニケーションを取る中で、語学力だけでなく異文化理解の大切さも学び、この経験は私の大きな財産となっています。
◇自己紹介
普段は接客業もしており、外国人のお客様に対応できるよう日々英語力を磨いております。最近はメジャーリーグに夢中で、実況を字幕なしで理解できるよう日々挑戦しています。