「ホワイトハウス」は、アメリカの首都ワシントンD.C.にある、アメリカ大統領官邸です。
歴代のアメリカ大統領が居住し執務をする場所であり、日本の総理大臣をはじめ世界各国の要人がアメリカ大統領を訪問する際に訪れる場所で、ニュースにもたびたび登場します。
ワシントンD.C.を訪れる際には、ホワイトハウスはぜひ訪れたいスポットですが、内部を見学することはできるのでしょうか?
今回の記事は、ホワイトハウスの基礎知識、内部見学ツアーの現状、周辺の観光スポットなどを詳しく解説します。
大統領官邸ホワイトハウスの基礎知識と由来
ワシントンD.C.観光には欠かせない人気観光スポットと言えば、アメリカ大統領の住むホワイトハウスです。
ホワイトハウスに関する基本情報と、ホワイトハウスの歴史、ホワイトハウスと呼ばれる由来について解説します。
■ ホワイトハウスの基本データ
| 建築家 | ジェームズ・ホーバン |
| 建設年 | 1792年~1800年 |
| 改修年 | 1814年~1817年 |
| 敷地面積 | 7.28ヘクタール |
| 床面積 | 5109.67平方メートル |
| 高さ | 21.34メートル |
| 幅 | 51.21メートル |
| 階数 | 地上4階 |
なぜ白い?ホワイトハウスの名称と歴史
アメリカ独立宣言から14年経った1790年、フィラデルフィアに代わるアメリカ合衆国の首都としてワシントンD.C.の設置が決定され、新首都の建設が始まりました。
大統領官邸のデザインはコンペで募集され、アイルランド生まれの建築家ジェームズ・ホーバンの案が採用されました。
1792年から1800年までの約8年をかけて建設され、アメリカの第2代大統領ジョン・アダムズから現在まで、歴代アメリカ大統領の公邸として使われてきました。
ホワイトハウスは、1814年8月に勃発した米英戦争で、イギリス軍によって焼き討ちにあっています。
この時、初代のホワイトハウスは石積みの外壁を残して全てが灰になってしまいましたが、第4代大統領ジェームズ・マディソンによって、1817年に焼失前とほぼ変わらぬ姿に再建されました。
改修の際に焼き討ちで焦げてしまった外壁を白く塗装したことから、「ホワイトハウス」と呼ばれるようになったのです。
所在地はどこ?ワシントンD.C.の建築美
ホワイトハウスの正式な住所は下記になります
Washington, D.C. 20500
「1600ペンシルベニア・アベニュー」と聞くだけで、アメリカ人の多くは「ホワイトハウス」を指していることを理解します。
アメリカで最も有名な住所と言えるでしょう。
ホワイトハウスの建築スタイルは新古典主義様式(Neoclassical)と呼ばれるものです。
新古典主義様式は、華美な装飾のロココ様式やバロック様式の反動として、18世紀後半から19世紀初頭にかけてヨーロッパで興った建築様式です。
ワシントンD.C.には新古典主義様式の建築が多く、国会議事堂、最高裁判所、リンカーン記念堂などがその代表例です。
ちなみに、ワシントンD.C.の「D.C.」とは、コロンビア特別区(District of Columbia)の略です。
日本のニュースなどではワシントンD.C.を「ワシントン」と表現することが多いですが、アメリカでは北西部にあるワシントン州とワシントンD.C.が混同されてしまうことがあります。
こちらの記事では、ワシントン州とワシントンD.C.の違いを説明しているので、ぜひご一読ください。
ワシントン州とワシントンD.C.の違いを徹底解説!首都の成り立ちを紹介
【最新】内部見学は可能?予約の現状
ホワイトハウスは、アメリカ大統領が居住し日々の執務を行う場所ですが、無料の内部見学ツアーも開催されています。
内部見学ツアーの内容と、外国籍である日本人がホワイトハウスの内部見学が可能なのかについて、最新情報をお届けします。
ホワイトハウスの内部見学ツアー
ホワイトハウスの一般公開ツアーは予約制のセルフガイド式で、火曜日から土曜日まで開催されています。
ツアーで見学できるのは、ステートフロアにあるブルールーム、レッドルーム、グリーンルーム、ステートダイニングルーム、クロスホール、エントランスホールなどの公共エリアです。
ホワイトハウスのツアーの予約方法
ホワイトハウスの内部見学ツアーの申し込みは、自分の住んでいるエリアの連邦議会議員を通じて行われます。
ツアーの申し込みは希望日の7日から90日前まで受け付けていますが、予約枠が限られているため予約を取るのは困難です。
予約時には申請者のバックグラウンドチェックもあり、米国市民の場合は、REAL IDの運転免許証、州発行の身分証明書、パスポート、軍人IDなどの身分証明書の提示が求められます。
外国籍の人が見学するためには、各国の大使館を通じての予約申請が可能です。
ただし、日本国大使館では、現在ホワイトハウスの見学の申請を受け付けていません。
アメリカの連邦議会議員や外交官の知人がいるなどのコネクションがない限り、日本人がホワイトハウスの内部見学ツアーの予約を得るのはかなり難しいと言えるでしょう。
予約不要!外観見学とビジターセンターの活用
ホワイトハウス内部見学ツアーへの参加は、日本人にとっては難しいですが、外観見学とビジターセンターなら予約不要で誰でも可能です。
ここからは、ホワイトハウスの外観を見学できるおすすめスポットと、ホワイトハウスの付属施設であるビジターセンターについて解説します。
無料のフォトスポット!北側と南側の撮影場所
ホワイトハウスの撮影は、北側と南側の2カ所から可能です。
ホワイトハウスの北側にあるラフィエット広場からは、ホワイトハウスを象徴する北ポルティコを正面に全容が眺められます。
北ポルティコはイオニア式の列柱と三角形のペディメントが特徴で、その正面には大きな円形の噴水があります。
ニュースや絵葉書などで最もよく使われている写真は、この北側から撮影されたものです。
南側はザ・エリプスと呼ばれる楕円形の公園から、サウスローン(建物南の芝生エリア)越しに半円形のバルコニーが特徴的な南側のファサードを見渡せます。
ザ・エリプスのホワイトハウスに最も近い場所には、国立クリスマスツリーがあり、毎年12月初旬に大統領夫妻が点灯式を行います。
歴史を学ぶ!ホワイトハウス・ビジターセンター
ホワイトハウス・ビジターセンターは、ホワイトハウスの南東のパーシング公園の向かいにある入館無料の施設です。
ホワイトハウスの模型、歴代の大統領やその家族が使用した調度品の展示、ホワイトハウスの歴史に関する展示などがあります。
館内にはホワイトハウスグッズを取り扱うギフトショップもあるので、ホワイトハウス見学後にぜひ立ち寄ってみてください。
■ ホワイトハウス・ビジターセンターの基本情報
・住所 1450 Pennsylvania Ave NW, Washington, DC 20004
・開館日 元旦、感謝祭、クリスマスを除く毎日
・営業時間 午前7時30分~午後4時
最新の開館日や営業時間の情報は、公式サイトをご確認ください。
春と秋限定!予約不要のガーデンツアー
ホワイトハウスでは、春と秋(4月と10月)の週末限定でガーデンツアーを行っています。
ガーデンツアーに参加するとホワイトハウスの敷地内に入場でき、ローズガーデン、ホワイトハウス・キッチンガーデン、ホワイトハウス南庭などを見学できます。
ホワイトハウスのガーデンツアーに参加するには、子どもも含めた参加者全員にチケット(無料)が必要です。
ツアー当日の午前中にホワイトハウス・ビジターセンターで、時間指定チケットを配布いたします。
チケットは先着順で配布され数に限りがあるため、早めに並んでチケットを確保しましょう。
ちなみに、チケットを受け取るためには、参加者全員が列に並ぶ必要があるため、要注意です。
アクセス方法と周辺の王道観光ルート
ホワイトハウス周辺は駐車場が限られており、安全上の交通規制もあるため、メトロレールかタクシーを利用するのがおすすめです。
また、ホワイトハウスと、国会議事堂や記念堂まで徒歩で歩く王道の観光ルートもご紹介します。
メトロが便利!最寄り駅とタクシー利用術
ホワイトハウスへのアクセスには、メトロレール(地下鉄)が便利です。
最寄り駅は、フェデラル・トライアングル駅(ブルー/オレンジ/シルバー)とマクファーソン・スクエア駅(ブルー/オレンジ/シルバー)で、徒歩5~7分程の距離です。
また、メトロセンター駅(レッド/ブルー/オレンジ/シルバー)からも、徒歩10分とアクセスしやすいです。
タクシーを使う場合、ホワイトハウス周辺はセキュリティが非常に厳しいため、ホワイトハウスの目の前で車を乗降することはできません。
運転手さんに”Could you take me near the White House, please?(ホワイトハウスの近くまでお願いします)”と伝えれば、ホワイトハウスの近くの安全に一時停止できる場所で降車を提案してくれるでしょう。
周辺散策!国会議事堂・記念堂への徒歩ルート
ホワイトハウスから出発して国会議事堂まで、ワシントンD.C.の観光名所を満喫できるおすすめの徒歩ルートをご紹介します。
①ホワイトハウス南側
ホワイトハウスの南側、ザ・エリプスからスタートします。
ナショナルモールの北のコンスティテューション通りを右折し、西へ歩く。徒歩約18分。
②ベトナム戦争戦没者慰霊碑
1982年に完成したベトナム戦争記念碑は、当時21歳でイェール大学の学生であった建築家マヤ・リンによって設計されました。
Vの字を描く2個の黒い花崗岩で作られた2枚の壁に、5万8千人以上の戦没兵士の名前が刻まれています。南西へ徒歩約5分。
③リンカーン記念堂
ナショナル・モールの西端に位置するリンカーン記念堂は、第16代大統領エイブラハム・リンカーンを記念して、1914年から1922年にかけて建設されました。
ボザール様式の記念堂の中に、ダニエル・チェスター・フレンチのデザインによるリンカーン大統領の座像があり、目前のリフレクティング・プールを見下しています。
キング牧師による「I Have a Dream」の演説など、数多くの歴史的な演説が行われた場所です。南東へ徒歩約2分。
④朝鮮戦争戦没者慰霊碑
1995年に創立された朝鮮戦争で従軍した人々を追悼する慰霊碑で、三角形状の広場の中に今にも動き出しそうな19の彫像が配置されています。
黒花崗岩製の壁に反射する像が刻まれており、19の彫像と反射する19の像を合わせた全38体があり、38度線を分けて争ったことを表現しています。
インディペンデンス通りを東へ、徒歩約6分。
⑤マーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念碑
ウェスト・ポトマック公園内にある、公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング・ジュニアを記念した国立記念碑です。
設計は中国人彫刻家レイ・イーガンによるもので、2つの「絶望の山」から、キング牧師が「希望の石」として現れる姿を表現したデザインです。
周囲にはキング牧師の演説、説教、著作などから引用された14の名言が刻まれた碑文の壁があります。
完成したのは2011年で、ナショナルモールの最も新しい記念碑です。
西ベイスン・ドライブを南へ。オハイオドライブブリッジを超え、東ベイスン・ドライブへ進む。徒歩約18分。
⑥ジェファソン記念碑
第3代大統領トーマス・ジェファーソンを記念して建立された記念建造物で、1943年に記念館が、1947年にジェファーソンの銅像が完成しました。
タイダルベイスンを見下ろすように建設された記念館はニューヨーク市の建築家、ジョン・ラッセル・ポープによって設計されたものです。
タイダルベイスン沿いには3,700~3,800本の桜の木が植えられており、ワシントンの桜の名所としても有名です。
記念碑の東側からタイダルベイスン沿いに北へ進み、ラウール・ウォーレンバーグ通りを北上、徒歩約20分。
⑦ワシントン記念塔
ナショナルモールの中心にそびえる巨大なオベリスクで、初代大統領ジョージ・ワシントンを記念した記念塔です。
大理石、花崗岩、砂岩など国産の石約3万6千個でできており、地上約46メートルの高さを誇ります。
記念塔の着工は1848年でしたが、南北戦争などにより建設が中断され、完成したのは1884年です。
ワシントン記念塔からは、ナショナルモールを東へ、徒歩約34分。
途中には、国立アメリカ歴史博物館、国立自然史博物館、ナショナル・ギャラリー、国立アメリカ・インディアン博物館、国立航空宇宙博物館など、数多くの博物館や美術館が立ち並んでいます。
⑧アメリカ合衆国議会議事堂
キャピトルの愛称で知られるアメリカ合衆国議会議事堂は、ナショナルモールの東端に位置しています。
高さ88m、直径29mの巨大なドームが特徴的で、ホワイトハウス同様に新古典主義様式の建築です。
初代の合衆国議事堂は1800年に完成し、焼失、再建、拡張、修復など、幾度もの大規模な工事を経て現在に至っています。
首都ワシントンD.C.については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
ワシントンD.C.についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
アメリカの首都は?ワシントン州とワシントンD.C.の違いを解説!
ホワイトハウス観光を満喫しよう!
アメリカ大統領官邸ホワイトハウスについて詳しく解説いたしました。
日本人観光客がホワイトハウスの内部見学ツアーに参加するのはなかなか難しいですが、外観の見学や近くのビジターセンターへの入館は、予約なしでも大丈夫です。
また、春秋限定のガーデンツアーにも、チャンスがあればぜひ参加してみてください。
アメリカの首都ワシントンD.C.には、ホワイトハウス以外にも訪れたい観光名所がたくさんあります。
ホワイトハウスから徒歩で行ける範囲内に、数多くの記念碑や博物館、美術館があります。
アメリカの歴史や文化を知ることができるので、留学や観光でアメリカを訪れる時は、ぜひワシントンD.C.まで足を延ばしてみてくださいね。
◇経歴
東京出身。アメリカの大学を卒業後に現地企業にて12年勤務。子育てを機に退職し、現在はフリーライターをしています。
◇英語に関する資格
英検準1級
TOEIC875点
◇留学経験
アメリカ高校交換留学、アメリカの4年制大学卒
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容
アメリカに住んで20数年!アメリカ以外にもカナダ、イタリア、フランス、スペイン、モロッコ、メキシコなど旅行経験あり。
◇自己紹介
高校での交換留学を機に、アメリカの大学へ進学、そのままアメリカで就職し、いつの間にかアメリカ在住20数年。趣味はガーデニングと美術館巡り。