
バックパッカーや卒業旅行を計画している方の中には、「せっかくの長期休暇だから、人生で一度は世界一周してみたい」と考えている人もいるのではないでしょうか。
そんな夢を叶えるのが、「世界一周航空券」です。航空会社のルールに沿って複数都市を組み合わせることで、地球を一周する旅が可能になります。
今回は、世界一周航空券の仕組みや購入方法、費用の目安、効率的な都市周遊のポイントまでわかりやすくご紹介します。
そもそも「世界一周航空券」とは?
「世界一周航空券」とは、西回りか東回りで進み、太平洋と大西洋をそれぞれ一度ずつ横断して出発地に戻るという、文字通り地球をぐるっと一周できる特別な航空券です。
航空会社が定めたルールに従って複数都市を組み合わせられるのが魅力ですが、「すべての国を周れるわけではない」という点には注意が必要です。
利用期間は数日~最長1年まで設定できるため、必ずしも長期休学や退職をしなくてもチャレンジ可能。
たとえば「卒業旅行でちょっと贅沢に」「有給休暇をまとめて取得して」など、ライフスタイルに合わせてプランを組めるのもポイントです。
では、この特別な航空券はどのように提供されているのでしょうか?
実は、世界の主要航空会社はそれぞれ「アライアンス(航空連合)」と呼ばれるグループを結成しています。
加盟している航空会社同士が路線を持ち寄り連携することで、効率よく世界一周を実現できる仕組みなのです。
現在、世界一周航空券を提供しているのはスターアライアンスとワンワールドの2大アライアンスのみ。
かつては「スカイチーム」も販売していましたが、現在は取り扱いを停止しています。
それぞれの特徴と費用感を詳しく見ていきましょう。
スターアライアンス
スターアライアンスは、世界で最も加盟航空会社が多いアライアンスで、日本のANAも所属しています。
路線網が広いので、ヨーロッパやアジアを細かく周遊したい人に特におすすめです。
料金体系は「総飛行距離」によって決まっており、以下の3段階に分けられています。
| 29,000マイル以内 | 358,900円 |
| 34,000マイル以内 | 422,700円 |
| 39,000マイル以内 | 494,600円 |
上記はすべてエコノミークラスでの料金です。
ここに燃油サーチャージや現地の空港税が加わり、最終的にはおよそ55万円前後になります。
もちろん、プレミアムエコノミーやビジネスクラス、ファーストクラスの設定もあり、「一生に一度の贅沢旅行」としてグレードを上げるのもおすすめです。
快適に世界を回りたい人にはぴったりの選択肢ですね。
ワンワールド
ワンワールドには、日本のJALが加盟しています。
スターアライアンスと異なり、こちらは「大陸数」によって料金が決まるのが特徴です。
エコノミークラスだと以下のような料金体系です。
| 3大陸 | 368,500円 |
| 4大陸 | 390,100円 |
| 5大陸 | 460,700円 |
| 6大陸 | 533,000円 |
こちらもビジネスクラスとファーストクラスの設定もあり、ファーストクラスで6大陸だと1,794,200円です。
こちらも燃油サーチャージや空港税が別途必要となります。
「大陸数ベース」なので、世界一周のルートをシンプルにしたい人や、大陸ごとにテーマを決めて旅したい人に向いています。
世界一周航空券のメリット・デメリット
魅力的な世界一周航空券ですが、実際に利用する前にメリットとデメリットを把握しておくことが大切です。
旅行のスタイルや目的に合うかどうかを見極めましょう。
メリット1:コストを大幅に抑えられる
通常であれば複数都市を周遊する場合、都市ごとに航空券を購入する必要があり、費用がどんどん高額になります。
世界一周航空券なら「まとめ買い」のような感覚で、一周分をまとめて購入できるため、結果的に割安になるケースが多いです。
メリット2:ハイシーズンでも価格が一定
日本の大型連休や学生の長期休暇など、多くの人が旅行に出かけるシーズンは通常の航空券が高騰します。
しかし、世界一周航空券は年間を通して料金がほぼ一定。シーズンを気にせず計画できるのは大きなメリットです。
メリット3:一度の旅行で複数の都市に滞在できる
世界一周航空券では、途中降機(ストップオーバー)が可能。
短期間で「ニューヨークとパリとバンコクに立ち寄る」なんて夢のようなプランも実現できます。
デメリット1:ルールや制約が多い
世界一周航空券には「太平洋と大西洋を一度ずつ越える」「ルートは一方向のみ」「最大都市数の制限」など、細かいルールがあります。
自由気ままな旅をしたい人にとっては少し窮屈に感じるかもしれません。
デメリット2:利用できる航空会社が限定される
購入したアライアンスに加盟する航空会社しか利用できません。
たとえばスターアライアンスの世界一周航空券を持っていても、ワンワールドに加盟するJALやカタール航空などには搭乗できない点に注意が必要です。
デメリット3:旅程を事前に決める必要がある
世界一周航空券は、購入時にルートやフライト日程をすべて決定しなければなりません。
「現地で気に入ったからもう少し滞在したい」と思っても、変更には高額な手数料が発生することがあります。自由度はやや低めです。
デメリット4:下調べに時間がかかる
ルールや制約を理解し、効率的なルートを組むにはかなりのリサーチが必要。
特に初めて利用する人は、公式サイトや体験談をしっかり確認することをおすすめします。
スターアライアンス:https://roundtheworld.staralliance.com/staralliance/ja/round-the-world
ワンワールド:https://rtw.oneworld.com/rtw/
世界一周航空券の予約方法
世界一周航空券はルールや条件が複雑で、自分ひとりで理解しようとすると意外と大変です。
そのため、JTBやHISなどの大手旅行代理店の店頭窓口で相談・購入する方法がおすすめです。
プロのスタッフがルートの組み方や必要な経由地、最適な運賃タイプなどを一緒に考えてくれるので、初めての方でも安心して利用できます。
特に「どのアライアンスを選ぶべきか」「ルートをどの順番で回れば効率的か」といった判断は、自分で調べるより専門家に相談した方がスムーズ。
さらに、代理店を通せば日程変更やトラブル発生時のサポートも受けられるので、長期旅行でも安心感があります。
一方で、旅慣れしている方や英語に自信のある方であれば、スターアライアンスやワンワールドの公式サイトから自分で検索・購入することも可能です。
公式サイトでは料金のシミュレーションやルート検索ができるため、細かくカスタマイズしたい方や、手数料を少しでも抑えたい方にはこちらの方法もおすすめです。
世界一周航空券の利用条件・ルール
世界一周航空券にはいくつかのルールがあり、自由気ままに好きな順番で周れるわけではありません。
計画を立てるうえで重要な条件を確認しておきましょう。
一方向でしか回れない
基本ルールとして、西回りか東回りのいずれか一方向に進みます。
必ず太平洋と大西洋をそれぞれ一度ずつ横断し、最終的には出発地に戻る流れになります。
そのため、「一度ヨーロッパに行ってからアジアに戻り、またアメリカに…」といった逆行するルートは組めません。
効率よくルートを考えることが大切です。
最低旅行日数と最大旅行日数が決まっている
スターアライアンスの場合、エコノミークラスの最低旅行日数は3日以上(プレミアムエコノミー・ビジネス・ファーストクラスは10日以上)で、最大旅行日数は1年です。
ワンワールドは、最低旅行日数は特に規定なく、最大旅行日数は1年までです。
最大で1年間利用できるため、短期の卒業旅行から「留学やワーキングホリデーの移動手段」として使う人まで幅広く対応できます。
途中の都市で数か月滞在することも可能です。
ルールは複雑!代理店を活用するのがおすすめ
そのほか、「オープンジョー」と呼ばれる、都市間を飛行機ではなく陸路や鉄道で移動することも可能です。
たとえば「パリで降りて鉄道でローマへ行き、次のフライトはローマから乗る」といった形。
ただし、どこまでフライトにカウントされるかはアライアンスごとにルールが異なります。
さらに「途中降機(ストップオーバー)」や「フライト数」にも制限があるなど、このように世界一周航空券には細かい制約が多く、慣れていない人がすべてを理解して最適なルートを組むのはなかなか大変です。
特に「途中降機の数え方」や「オープンジョーの扱い」などは初めての人には分かりにくいポイント。
うっかりルールを見落としてしまうと、追加料金が発生したり、思い通りの行程が組めなかったりするリスクもあります。
そのため、JTBやHISといった大手旅行代理店に相談するのが安心です。
プロに任せれば、自分の希望(訪れたい都市や滞在期間、予算など)を伝えるだけで、ルールに沿った効率的なルートを提案してくれます。
また、チケット発券後の変更やトラブル時も代理店がサポートしてくれるので、初めて世界一周航空券を利用する人には大きな安心材料となります。
世界一周航空券のモデルルート・ルートの組み立て例
世界一周航空券を使った旅は、ルートの組み方次第でまったく違う体験になります。
限られた日数で効率よく世界を回りたい人もいれば、憧れの都市にじっくり滞在したい人、世界遺産をテーマに訪問地を選びたい人など、スタイルはさまざまです。
ここでは一例として、スターアライアンスの世界一周航空券(29,000マイル以内)に収まるモデルルートをご紹介します。
モデルルート例
北米の大都市でエンタメや最新カルチャーを体験し、ヨーロッパでは歴史的な街並みや芸術に触れ、アジアではグルメやショッピングを楽しむなど、多彩な魅力を一度に味わえるルートです。
移動の合間に数日ずつ滞在すれば、駆け足ではなく「じっくり寄り道しながら世界を一周する」感覚を楽しめます。
まとめ
夢のような「世界一周航空券」ですが、利用にはさまざまなルールや制約があるため、旅行初心者にとっては少しハードルが高く感じられるかもしれません。
ですが、事前にしっかり情報を集め、旅行代理店に相談しながら進めれば、誰でも世界一周の夢を実現することは十分可能です。
「どの都市に立ち寄ろうかな?」「この街では何日滞在しようかな?」と地球儀や地図を広げながら考える時間も、世界一周旅行の楽しみのひとつ。
面倒に思えるルールも、工夫次第で自分だけの特別な旅を組み立てるきっかけになります。
人生のうちで実際に世界一周を経験できる人は、きっとごくわずか。
だからこそ、せっかく地球に生まれたからには、一度は挑戦してみる価値があるのではないでしょうか。
思い描いた夢を、現実の旅として叶えてみてください。
◇経歴
31歳のときに「be動詞って何だっけ?」というところから勉強を始めました。年齢を重ねてからの学習に、難しさや焦りを感じている方の背中を押せたらと思っています。
◇英語に関する資格
TOEIC830点
◇留学経験
セブ島3か月、マルタ共和国2か月
◇海外渡航経験
マルタ共和国滞在中にイタリア人と仲良くなり、お家に招待いただきました。英語学習を始めたころ、海外とは無縁だった私にとって想像もしていなかった経験です。イタリア国内を案内してもらうだけでなく一人でベネチアやヴェローナなどを巡り、度胸もつきました!
◇自己紹介
元々勉強が好きではなかったので、英語も全くと言ってよいほどのレベルでした。でも「英語を勉強する!」と決めてからは、時には泣きながら時には貴重な経験を得ながら、毎日少しずつ努力をしてきました。
今では、英語学習の大切さを日々実感するとともに、一念発起した過去の自分に感謝しています。
これまでの努力を無駄にしないよう、今後も楽しく英語を勉強していきます。