
旅行者人気で常に上位のバンコクから車で1時間半でアクセスできるアユタヤ。
できる限りたくさんのことを経験したいタイ旅行の1日に「日帰りアユタヤ旅行」を組み込んでみてはいかがでしょうか。
この記事では、アユタヤの歴史、アクセス方法、そして寺院巡りとセットで楽しみたい、アユタヤの歴史や文化をもっと深く感じられる観光スポット情報についてまとめています。
- アユタヤとは?タイの古都が歩んできた歴史
- アユタヤまでの行き方:日帰りツアー・鉄道・バス
- アユタヤの見どころ・観光スポット
- アユタヤで楽しみたいアクティビティ
- アユタヤで寺院に行く際の注意点・マナー
- まとめ
アユタヤとは?タイの古都が歩んできた歴史
アユタヤは1351年から400年以上にわたり、タイ王国の中心地として繁栄したアユタヤ王朝の中心地です。
アユタヤ王朝は15世紀にクメール帝国(現在のカンボジア)を滅ぼし、北部にあったスコタイ王朝を併合するなど、領土を拡大していきました。
広大なチャオプラヤ川の流域に位置し、水運都市として17世紀にはヨーロッパや東アジアとの交易も盛んにおこなわれており、周辺地域や各国との様々な文化を取り入れながら栄えました。
この頃、日本とも貿易が活発に行われていたといわれています。
1767年にビルマ軍の攻撃を幾度も受け、滅ぼされることになりましたが、今でも寺院や仏像など遺跡が残り、その偉大な歴史を現代に伝えています。
また、古都アユタヤの都市計画や近代国家の基盤は、のちに都が現在の首都バンコク(チャオプラヤ川西岸のトンブリー、そして東岸にある今の都ラッタナーコーシン)に遷都してもなお、受け継がれています。
1991年には「古都アユタヤ」としてユネスコ世界遺産に登録され、より一層注目の集まる街です。
アユタヤの街はチャオプラヤ川・ロッブリー川・パサック川に囲まれた島状の地域に位置しており、4〜5時間程で主要な観光地をめぐることができます。
アユタヤまでの行き方:日帰りツアー・鉄道・バス
バンコクから北へ80kmに位置するアユタヤには、日帰りツアーによるチャータータクシー、鉄道、バスなど様々なアクセス方法があります。
このセクションでは、各移動方法の詳細、メリットやデメリットを紹介します。
効率の良さを求めるあなたに!日帰りツアーに参加する
日帰りツアーの多くは、バンコクからアユタヤまで、貸し切りの車、もしくは少人数での貸し切りバンでアクセスします。
所要時間はバンコク中心部から約1時間半。多くのツアーは最低1人1万円からが基本です。
途中停車などなく、アユタヤまで直行で向かうことができる最短のルートです。
ツアーの多くは、「日本語ガイド付き」だったり、宿泊しているホテル出発・ホテル解散のオプションがついていることが多く、移動が楽なことがメリットです。
ツアーにも様々な種類があり、バンコクから船でアユタヤまで向かい、移動中の船上でランチをいただけるものも。
また、鉄道やバスでアクセスすると現地での移動にその都度タクシーやトゥクトゥクを呼ばなくてはいけませんが、ツアーならその心配はなし。
多くのツアーでは現地での移動手段もついているので、涼しく快適に遺跡を効率よく周ることができます。
ただし、その効率の良さや利便性と引き換えに、バスや鉄道で行くよりは予算がかさみます。
節約しながらアユタヤ観光を楽しみたい方は、次に紹介するバスや鉄道を選択肢に入れるとよいでしょう。
鉄道でゆったりと車窓も楽しむ
アユタヤまでは、バンコクの中心駅「国鉄フアランポーン駅」から1時間半〜2時間程度でアクセスすることができます。
所要時間や料金は列車により異なりますが、通常2等車が35〜65バーツ(≒¥175~¥325)、3等車が15〜45バーツ(≒¥75~¥225)、特急・急行の場合175〜345バーツ(≒¥875~¥1,725)です。
事前予約は、国鉄のウェブサイトまたはフアランポーン駅現地で行うことが可能なので、希望する席に座るためには事前予約がおすすめです。
参考【タイ国鉄予約リンク】https://dticket.railway.co.th/DTicketPublicWeb/home/Home
(タイ語表記のため、サイト左上三本線のメニューから地球儀マークをクリックし英語に切り替えて予約してください。予約にはパスポートが必要です。)
「アユタヤ駅」から降車後は渡し舟売り場まで歩いて、パーサック川を渡ります(5バーツ≒¥25)。
鉄道移動のメリットはなんといっても「車窓からゆったりとしたタイの風景が楽しめること」、そして比較的リーズナブルに移動できることです。
ただし日帰りツアーと比べると不便なのは市街地をめぐる足を自分で確保する必要があることです。
移動にはバイクタクシーやトゥクトゥク・ソンテウなどを活用できます。
またアユタヤ周辺は平坦な地形が続いているので、遺跡巡りの際にはレンタサイクルやレンタバイクを借りて散策するのもおすすめです(バイクを借りる場合は国際免許証が必須)。暑さに気を付けながらこまめな水分補給を忘れずに楽しみましょう。
とにかく格安でアクセスしたいなら乗り合いバス
アユタヤまでは「ロットゥー」と呼ばれる乗り合いバスでアクセスすることも可能です。
料金は破格の60バーツ(≒300円)。週末マーケットとして有名なチャトチャックマーケット近くの「チャトチャックミニバスターミナル」から出発し、約1時間程度で到着します。
メリットは、どの手段よりもお手頃にアクセスすることができること。バックパッカーや学生旅行など、移動手段の料金は抑えながらも色々な体験をしたい人には最もおすすめのプランです。
デメリットは、ドライバーによっては過激な運転をする場合があること、バス車内がかなり冷えること、席が事前に決まっていないため、大人数で行く場合隣同士に座れない可能性があります。
また時間が読みづらいことも、時間が限られている場合はマイナスポイントです。
バスは30分おきの出発スケジュールですが、たいていロットゥーは席が満席になるまで発車しないので、時間に余裕がない人は別の手段をとることをおすすめします。
(実際に著者は同じミニバスターミナルから出かける際に30分おきの時刻表だったにもかかわらず出発まで1時間以上バス車内で待った経験があります。)
アユタヤの見どころ・観光スポット
アユタヤには多くの遺跡がありますが、ここでは必見の遺跡を3つとアユタヤの歴史を学ぶことができる博物館を紹介します。
①木の根に埋もれた仏像|ワット・マハータート
13世紀に建てられた、アユタヤ王朝初代王の菩提寺で最重要寺院のひとつです。
当時は44mもの高さの仏塔があったといわれています。ビルマ軍の侵攻による被害で崩れ落ち、現在は仏塔と一部の基礎が残るのみです。
この遺跡で特に有名な見どころは、落とされた仏像の頭が木の根に埋もれている姿。古代都市の繁栄と衰退、そして自然の力を知ることができます。
②アユタヤ遺跡の象徴|ワット・プラシーサンペット
アユタヤ王朝の歴代3名の王様の遺骨が安置される、アユタヤ王朝で最も格式の高い王室専用の寺院です。1491年に建立されたといわれています。
現在は3基の仏塔のみが残っています。夜間にはライトアップがされ、昼間とは異なる雰囲気を楽しむことができます。
➂寝釈迦仏で有名|ワット・ロカヤスタラーム
高さ5m、全長28mの寝釈迦仏が寺院の跡地に横たわっています。
現在の仏像は1956年にタイ芸術局により再建されたもので、今もタイ人の信仰の対象となっています。
大きなお釈迦様の姿は圧巻。足の裏の大きさは人の背丈を悠々と越えます。
➃アユタヤの歴史を学ぶ|アユタヤ歴史研究センター
アユタヤの歴史と文化を模型や展示を通して学ぶことができます。
タイらしさを取り入れたモダン建築も日本との違いを楽しめるポイントです。
アユタヤで楽しみたいアクティビティ
アユタヤでは、寺院巡り以外にも様々なアクティビティを楽しむことができます。
旅程に合わせて、遺跡巡りとセットで体験してみてください。
①象とのふれあい体験
アユタヤ遺跡群の中央にある「アユタヤ・エレファントキャンプ」では象へのえさやり、エレファントショー見学、象乗りを体験することができます。
また、遺跡群を背景に象と記念写真を撮影することも可能です。
タイは古来より、人々と象がとても身近に暮らしてきた国です。
バンコクにはこうして象と身近に触れ合える場所はほとんどないため、アユタヤを訪れたらぜひ足を延ばしてみてください。
| 項目 | 内容 |
| 体験料 | 500バーツ(≒¥2,500)~/人(体験時間によって異なる) |
| 営業時間 | 9時から17時(無休) |
| URL | https://maps.app.goo.gl/tsymtABHD58ctYAH9 |
②アユタヤ水上マーケット
アユタヤ水上マーケットは2010年にオープンしたばかりの比較的新しいテーマパーク。屋台の船から買い物をしたり、運河めぐりを楽しむことができます。
観光スポットとして作られたものではありますが、アユタヤ様式の建築を楽しんだり、屋台船から商品を購入したり、水を中心に暮らしてきたタイの人の暮らしの歴史が垣間見える場所です。
| 項目 | 内容 |
| 入場料 | 200バーツ(≒¥1,000)/人(ボート乗船料・ショー見学込) |
| 営業時間 | 9時から18時(無休) |
| URL | https://www.thailandtravel.or.jp/ayothaya-floating-market/ |
アユタヤで寺院に行く際の注意点・マナー
アユタヤ散策をする際に気を付けたい注意点や、タイならではのマナーについて3点お伝えします。
①仏様への敬意を払うことが大事
旅行先ではおしゃれも楽しみたいですが、仏教への敬意を払い、露出を避けた服装を心がけましょう。
タイの寺院では、「ノースリーブ、ショートパンツなど肩や膝がしっかりと見えてしまう服装はNG」です。
また、近年、インスタ映えを求めて、仏像によじ登ったり、お顔の落ちてしまった仏像に頭を乗せるなど、悪質な写真撮影が増えています。
あくまでも、アユタヤの歴史と文化を尊重した上でマナーを守って寺院巡りを楽しみましょう。
②日焼け対策
アユタヤ遺跡観光ではほとんど日陰がない中を歩き回ることになります。日焼け止め・帽子・サングラスなど日焼け対策はマストです。
また、強い日差しを避けた朝や夕方に寺院巡りをスケジュールするのもおすすめです。
日中は、市街地にある博物館で歴史を学んだり、おしゃれなカフェで休憩をしたり、雑貨屋さんでショッピングするなど、暑さを避けて観光を楽しみましょう。
➂野良犬に注意!
アユタヤ周辺には多くの野良犬が住んでいます。特にレンタサイクルや徒歩で寺院をめぐる場合にはうろうろ歩いたり、人の後を追ってくる犬に注意してください。
タイでは狂犬病が根絶しておらず、狂犬病に感染している犬に噛まれたり引っかかれると最悪の場合死に至ることがあります。
むやみに犬に近寄ることも避けるようにしましょう。
まとめ
今回の記事では、タイ王国の古都アユタヤの歴史、必見の遺跡、周辺の観光スポット、そしてアユタヤ寺院巡りでの注意点について紹介しました。
バンコクから2時間以内でアクセスできるアユタヤ。高層ビルの立ち並ぶバンコクで、ナイトマーケットやスパ巡りももちろん楽しいですが、一味違った思い出作りに、アユタヤへ足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
のどかでゆったりとした雰囲気、そしてタイの長い歴史を肌で感じればより一層旅行の思い出に厚みが増すはずです。素敵なタイ旅行になりますように!
①経歴
日本の公立中高を卒業後、理系の大学に進学。
現在は、タイの大学院に留学しています。
②資格
・TOEIC 805点
・IETLS Academic 6.0
③留学経験
・オーストラリア(2週間)→中学3年次にホームステイ
・タイ(1年)→修士課程に在学中
④海外渡航経験
長期でのんびりと滞在する旅行スタイルが好きで、シンガポール(1か月)、タイ(1年)、アメリカ(1か月)に滞在。
ほかにも、マレーシア、カナダ、オーストラリア、韓国、台湾、香港などを旅行しました。
⑤自己紹介
これまで長期の語学留学経験はなく、日本の公立中高に通いながら、ほぼ独学で英語を学んできました。英語を使うことで、世界中の最新の研究やデザインに触れる機会が増え、自分の視野が大きく広がったと感じています。特に東南アジアの都市が好きで、現在はタイの大学院で学んでいます。この経験を活かしながら、多くの方に英語を学ぶ楽しさや魅力を伝えていけたらと思っています。