
「臭豆腐ってどんな食べ物?」
「台湾で臭豆腐を食べるべき?」
臭豆腐は、中華圏では古くから愛され続けている伝統的なグルメです。ただし、その臭いの強さから「食べられるのだろうか」と不安に感じる人も多いでしょう。
本記事では、台湾旅行を計画中の方や、海外の名物料理に挑戦してみたいと考えている方に向けて、臭豆腐の正体や味の特徴、食べられる場所、調理法などを詳しくご紹介します。臭豆腐への理解を深めて、現地での食体験をより楽しいものにしてください。
臭豆腐とは?
臭豆腐(シュウドウフ、中国語:チョウドウフ)とは、豆腐を発酵させて作る中華圏の伝統的な食品で、その強烈な臭いからこの名前が付けられました。
臭豆腐の歴史は古く、その起源は中国湖南省の郷土料理にあるとされています。湖南料理は中国八大料理のひとつで、香辛料や発酵食品を多用した濃い味付けと、四川料理に匹敵する辛さが特徴です。臭豆腐もこの湖南省で生まれた郷土食として発展しました。
中国各地への伝播は近世以降に活発になり、華南地域と華北地域では、大きな違いが生まれ、それぞれの地域の特色を反映した臭豆腐文化が形成されています。
特に台湾では戦後の外省人移住により本格的に広まり、現在では台湾独自の臭豆腐文化として発展を続けています。
現代では、臭豆腐は単なる地方料理ではなく、中華圏の食文化を象徴するグルメとなっています。地元の人々にとっては馴染み深いソウルフードとして親しまれる一方で、観光客にとっては勇気を出して挑戦したくなる食品として注目されているのです。
臭豆腐の最大の特徴「独特のにおい」の理由
臭豆腐を語る上で避けて通れないのが、その独特な臭いです。
臭豆腐があんなに臭いのは、発酵の過程で特別な臭い成分が作られるからです。
科学的な分析では、臭豆腐からは以下のような臭い成分が検出されています。
これらの異なる臭い成分が組み合わさって、臭豆腐特有の複雑で強烈な臭いを作り出しているのです。
臭豆腐の臭いを例えると、以下のような臭いといわれます。
・アンモニアのような臭い
・少し甘ったるいような臭い
これらが複雑に混ざり合って、臭豆腐独特の香りを作り出しています。
臭いの強烈さは、数々のエピソードからも分かります。たとえば、日本では臭豆腐の臭いが原因で鉄道の運行に支障をきたした事例があるほどです。
参考:東スポ「異臭騒ぎで電車を止めた「臭豆腐」 テレビスタッフが語る「臭いもの事情」
そして、台湾の街角で臭豆腐屋台に近づくと、まず鼻に飛び込んでくるのは「むわっ」とした濃厚な香りです。これを「臭い」と感じるか「食欲をそそる香り」と感じるかは、その人の食文化的背景で大きく変わるでしょう。
調理方法によっても臭いの強さが変わります。生の臭豆腐が一番臭いが強く、火を通すと臭いの成分が蒸発して、次第に弱まっていきます。
特に油でカラッと揚げた臭豆腐は、表面がサクサクになると同時に臭いもやわらかくなるので、初めて挑戦する人にはおすすめです。反対に、蒸したり煮込んだりする料理では、臭いがより強く感じられることが多いです。
臭豆腐はどんな味?
臭豆腐の味について多くの人が気になるのは「あれだけ臭いのに、本当に食べられるの?」ということでしょう。実は、臭豆腐の味は臭いからは想像できないほど意外なものです。
まず驚くのは、口に入れた瞬間に感じる味と臭いのギャップです。あれほど強烈な臭いを放つ臭豆腐ですが、実際に食べてみると臭いほど味にクセがありません。
基本的な味わいは、普通の豆腐よりもずっと濃厚で深いコクがあります。発酵によってタンパク質が分解され、旨味成分が凝縮されているため、豆腐本来の大豆の風味がより強く感じられます。食感も通常の豆腐とは異なり、外側はしっかりとした歯ごたえがありながら、内側はクリーミーで滑らかな舌触りです。
味の特徴を例えるなら、発酵チーズに近い複雑さがあります。特にブルーチーズのような濃厚さと、少し酸味を帯びた風味が感じられることがあります。ただし、チーズほど塩味は強くなく、むしろ豆腐らしい優しい甘みです。この独特の味わいこそが、臭豆腐が単なる「臭い食べ物」ではなく、多くの人に愛される理由なのでしょう。
調理方法によっても味の印象は大きく変わります。揚げた臭豆腐は外側がカリッと香ばしく、内側がふんわりとした食感になり、臭みも和らいで食べやすくなります。この時によく添えられる甘酸っぱいタレや香辛料が、臭豆腐の味をさらに引き立ててくれるのです。煮込んだものは発酵の風味がより濃く感じられ、スープに溶け出した旨味が全体の味を深めます。
臭豆腐は確かに独特の食べ物ですが、その味わいは意外にも親しみやすく、一度慣れると病みつきになる魅力を持った食品といえるでしょう。
臭豆腐が食べられる場所
臭豆腐を味わいたいなら、まずは本場の中華圏を訪れるのが一番です。
中国南部、台湾、香港をはじめ、マレーシアやシンガポールなど、中華系住民が多い地域では夜市や街角の屋台などで臭豆腐に出会えます。
台湾は特に臭豆腐天国と呼べる場所で、台北市内だけでも数え切れないほどの臭豆腐屋台が営業しています。夜市では必ずといっていいほど臭豆腐の看板を見つけることができ、地元の人々や観光客で賑わっています。
最近では日本国内でも臭豆腐を楽しめる店舗が増えてきて、食べログサイトには、以下のお店などが紹介されています。
・東京上野の「熊猫火鍋」
・東京上野の「羊不同烤小串」
・東京京橋の「雪園」
・東京田町の「淮香苑」
※注意:メニューの提供状況は変更される場合があります。臭豆腐を目的として来店される際は、事前にお店に確認することをおすすめします。
もちろん、横浜中華街や神戸南京町では、台湾系や中国系のレストランで臭豆腐を提供している店舗があります。ただし、日本で提供される臭豆腐は本場に比べて臭いを抑えめにしていることが多いため、まずは日本で慣れてから本場に挑戦するというのもいいでしょう。
臭豆腐の調理法・主な料理
臭豆腐は地域によって製造方法から食べ方まで驚くほど多様な発展を遂げた食品です。
大きく分けて調理法と主な料理の2つの観点から、その豊かなバリエーションを理解してみましょう。
以下で調理法と主な料理を詳しくご紹介します。
調理法
臭豆腐の調理法は、基本的には豆腐を特製の発酵液に漬け込んで作ります。
その発酵液の作り方や漬け込み期間は地域ごとに独自の伝統があります。
台湾では伝統的に半年もの時間をかけて発酵液を作りますが、現代技術により1か月程度に短縮することも可能になってきました。
地域による調理法の違いは以下の表の通りです。
| 地域 | 漬け汁の特徴 | 豆腐の色 | 主な用途 |
| 台湾・香港 | 薄い灰緑色 | 軽い着色 | 揚げ物・屋台 |
| 湖南省長沙 | 真っ黒 | 黒く変色 | 揚げ物・激辛タレ |
| 江蘇省南京 | 灰色 | 灰色 | 串刺し・長時間揚げ |
| 北京・東北 | 塩分高い | ケカビ色 | 調味料・粥のお供 |
同じ臭豆腐でも、地域によってまったく異なる食品に発展しているのが興味深いところです。
特に湖南省長沙市の黒く変色した豆腐は見た目のインパクトが強く、江蘇省南京市の硬い食感の干し豆腐タイプは他地域とは違う特徴を持っています。
台湾・香港のマイルドなタイプは観光客にも親しみやすい味わいです。一方、青腐乳(発酵豆腐の調味料タイプ)は中国全土で広く使われています。特に北京発祥の『王致和』ブランドが有名で、多くの家庭で愛用されています。
このように、臭豆腐はそれぞれの地域の食文化に合わせてさまざまな調理法で作られているのです。
主な料理
臭豆腐料理は驚くほど多彩で、それぞれが独特の風味と食感で多くの人を魅了しています。
【揚げ臭豆腐】
もっともポピュラーな料理で、外側をカリッと揚げて香ばしさを加えます。中のトロリとした食感とのコントラストが魅力です。
・タレ:豆板醤ベースや甘酸っぱいソース
・特徴:揚げると臭いが和らぎ食べやすくなる
【焼き臭豆腐】
直火で調理する方法で、シンプルな味付けが特徴です。
・味付け:塩や胡椒でシンプルに
・特徴:臭豆腐本来の風味を楽しめる
【臭臭鍋】
台湾で人気の煮込み料理です。
・食感:豆腐がスープに溶け込んでまろやか
・味付け:鶏がらスープ+醤油+香菜でさっぱり
【創作料理】
浙江省で見られる一品です。
・調理:蒸す・揚げる
・特徴:従来とは異なる食感と見た目
【青腐乳(調味料タイプ)】
北京の伝統的な使い方です。
・歴史:清の西太后も愛用
・現在:王致和ブランドなどで瓶詰め販売
最近ではインターネット通販で材料を購入し、家庭で本格的な臭豆腐料理を楽しむ人も増えています。冷凍臭豆腐や専用調味料のセット商品も販売されているので、自宅で本場の味を再現してみてください。
まとめ
臭豆腐について詳しく説明してきました。
臭豆腐は、その強烈な臭いから敬遠されがちですが、実際には中華圏で長く愛され続けている奥深い発酵食品です。湖南省で生まれたこの伝統料理は、地域ごとに独自の発展を遂げ、台湾では現在も夜市の定番グルメとして親しまれています。
台湾や中国の本場で味わうのが一番ですが、日本国内でも中華料理店や中華街で提供されています。ただし、メニューの有無は事前に確認することが大切です。
日本で本場中華料理を楽しむときや、台湾旅行の際には、ぜひこの伝統的なグルメに挑戦してみてください。
◇経歴
日本の大手英会話スクール講師
オーストラリアで現地ツアーガイド
マレーシアの日本人学校で英会話講師
マレーシアの現地企業にて正社員勤務
◇留学経験
イギリス 1年 Wimbledon collegeなど
オーストラリア(ワーキングホリデー中) 1か月 Bond University
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容
留学→アメリカ、イギリス、オーストラリア
旅行→イギリス、ヨーロッパの各国、アメリカ、オーストラリア、東南アジア各国など
仕事→オーストラリア、マレーシア
◇自己紹介
Webライターの大井にいなと申します。
独身時代に留学を経験し、国際結婚を機に多民族国家のマレーシアに住んでいます。
私の子供は生まれたときから複数の言語で育ち、オーストラリアの大学に留学して就職しました。
大人になってから英語を学び始めた自分との違いを実感しています。
自身の経験から、早期の言語習得の重要性や大人になってからの英語学習で必要なことなどを、できるだけわかりやすくお伝えしたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。