
日本人旅行者から常に高い人気を誇るタイ・バンコク。
旅行プランの肝となるのが「ホテル選び」です。バンコクで楽しみたい観光、グルメ、マッサージを思う存分楽しむためには「宿泊するエリアの特徴」をつかみ、旅のプランに合うエリアとホテルを選ぶのがキーポイントです。
本記事では、バンコク在住経験のある著者が旅行者に人気のホテルが集中するエリアの特徴やエリア選びのポイント、おすすめのホテルなど、役立つ情報をたっぷりと紹介します。
バンコクの主なホテルエリアの特徴
まずはバンコクでホテルが多く集まる8つのエリアについて紹介します。
バンコクはエリアごとに雰囲気やアクセス面の特徴もガラリと異なること、またWiFi環境などはどのホテルにも整備されていることが多いため、旅のテーマに沿った「エリア」を選ぶと候補を絞り込みやすいです。
【今回紹介する8つのホテルエリアと最寄り駅】
| エリア名 | 最寄り駅 |
| ①スクンビットエリア | MRT Sukhumvit駅 BTS Asok駅・Phrom Phong駅・Thonlor駅・Ploen Chit駅 |
| ②カオサン通り周辺 | 駅はなし(MRT SamYot駅よりタクシー、トゥクトゥク、バスで移動) |
| ➂チャイナタウン周辺 | MRT Wat Mangon駅・Hua Lamphong駅 |
| ➃リバーサイドエリア | リバーボートの送迎あり(BTS Saphan Taksin駅) |
| ➄サイアムエリア | BTS Siam駅・Phaya Thai駅・Ratchathewi駅・National Stadium駅 |
| ⑥シーロムエリア | MRT Silom駅 BTS Sala Daeng駅 |
| ⑦王宮周辺エリア | MRT Sanam Chai駅 |
| ⑧チャトチャックエリア | MRT Chatuchak Park駅・Kampheng Phet駅・Phahon Yothin駅 BTS Ha Yaek Lat Phrao駅・Mochit駅 |
①交通の便がよく日本人街のあるスクンビット
スクンビットエリアは、BTS(スカイトレイン/高架鉄道)のアソーク駅・プロムポン駅・トンロー駅、MRTブルーラインのSukhumvit駅のあたりです。
このエリアはバンコク屈指のショッピングモール街で大通り沿いにはデパートやショッピングモール、高層のホテルやマンションが立ち並びます。バンコクの中でも日本人が多く住むエリアとして知られており、日本食レストラン、日本食スーパーなどがあり、長期滞在の際も安心のエリアです。
また、スワンナプーム国際空港につながる電車エアポートリンクの駅マッカサン駅はMRTスクンビットから1駅であるため、空港アクセスにも便利なロケーションです。
②バックパッカーの聖地カオサン通り周辺
言わずと知れたバックパッカーの聖地カオサン通り周辺は、電車の駅はないため、バス、タクシー、またはトゥクトゥクでアクセスすることになります。
多くの観光客が集まる街であり、B&Bやホステル、ゲストハウスが通り周辺に立ち並びます。大規模なホテルはあまりなく、交通も若干不便ですが、安く宿泊したい!他の外国人観光客との交流も楽しみたい!という方にはぴったりのエリアです。
③夜も賑やかなチャイナタウンエリア
バンコクには3つのチャイナタウンがあります。
その中でも最もよく知られているのが、MRTブルーラインワットマンコン駅周辺のチャイナタウン・ヤワラート。
朝は静かなこのエリアですが、夕方から深夜にかけて無数の屋台が通りにあふれ出し、毎日ものすごい人で賑わいます。
ミシュラン星付きのレストラン、最近トレンドのソンワット通りもこの近くにあり、グルメも観光も徒歩圏内で楽しめるエリアです。
④チャオプラヤ川沿いのリバーサイド
バンコクを象徴するチャオプラヤ川。川沿いには、ゆったりとした川の流れと行き交う船を望む多くの高級ホテルが立地しています。観光客に最も人気のあるエリアである一方、主要観光地からは若干離れています。
ホテルによっては、ホテルと観光地を結ぶ水上交通を利用できることもあります。
⑤バンコクの中心地サイアムエリア
バンコクの原宿とも呼ばれるトレンドの発信地、SiamエリアはSiam駅を中心とした一帯。3つの路線が乗り入れており、バンコクの中でも屈指の交通ハブです。
その分、駅はいつも混雑していますが、市内各所へのアクセスが便利です。
価格帯もさまざまにあるので、予算と旅のテーマに沿ったホテル選びができます。
⑥オフィス街シーロムエリア
MRTブルーラインのSilom駅やBTSグリーンラインのSala Daeng駅周辺は、シーロムエリアと呼ばれるオフィス街です。もちろん交通の便は良好です。
近くに、バンコク都民のオアシス・ルンピニー公園があり、早起きできた朝はローカルに混ざってランニングやウォーキングを楽しむこともできます。
一方で注意したいのが、ナイトライフが盛んな街(タニヤ通り周辺)でもあるということ。夜間にその周辺を歩かないように注意すれば安全に過ごせるのでご安心を。著者が初めてのバンコク旅行ではシーロムエリアに滞在しました。
⑦歴史を感じる王宮周辺エリア
王宮周辺は、タイ王室の王宮、涅槃像で知られるワット・ポー、サイアム博物館(タイらしさを知ることができる国立博物館)など、タイの歴史と文化を象徴するスポットが多くあるエリアです。
交通の便もよく、MRT サナムチャイ周辺から徒歩でアクセスすることができます。
格式高いこのエリアは、夜になると多くの店は閉まり静かになるため、ワイワイとナイトライフを楽しみたい人は別のエリアに宿泊した方がよいでしょう。
⑧空港アクセスに便利なチャトチャックエリア
バンコクの北側のチャトチャックエリアは、週末マーケットチャトチャックマーケットの周辺エリアです。MRT、BTSどちらにもアクセスがしやすいです。
LCCの拠点ドンムアン空港からはタクシーで20分ほどとかなり近いため、旅の終わり際に宿泊すると便利です。また、チャトチャックマーケットに行く前後に合わせて泊まれば、たくさん購入したお土産を宿に持ち帰るのも楽々です。
郊外に位置するため、バンコクの中心部と比較すると若干お手頃によいホテルに宿泊することもできます。
バンコクにおけるホテルエリア選びのポイント
このセクションでは、旅のテーマごとにおすすめのエリアと、ホテル選びのポイントを紹介します。
観光
バンコク旅行が初めての場合、交通手段のベースは「電車で、駅から遠い場合のみGrabタクシーで移動する」をおすすめします。
バンコクは渋滞がひどい上、バスは在住者でも難易度の高い乗り物のため、電車移動が最も安心です。
「主要観光地はすべて周りたい!」ということもふまえると、①スクンビットエリア、➄サイアムエリア、⑥シーロムエリアがおすすめです。
旅程の終わりを土・日に合わせて、最終日は⑧チャトチャックエリアに宿泊し、たっぷりお土産を購入して、時間に余裕をもって空港に移動する、という方法もいいですね。
できるだけ「駅の周辺の徒歩圏に絞ること」「駅を出て大通りを渡らないとアクセスできないホテルは避けること」に気を付けてホテルを選びましょう。
また、「施設の充実度」も着目ポイントのひとつ。年中暑いバンコクではプール付きのホテルを選ぶと旅行中にリフレッシュできます。
ビジネス
出張でバンコクを訪れる際は訪問先の会社の立地はもちろん重要ですが、それに加えて「空き時間や夜に、せっかくのバンコクをどう楽しむか」という点も大切です。
ビジネスで訪れている方には、交通の便が良くかつ夜遅くまでお店がオープンしている①スクンビットエリア、➄サイアムエリア、⑥シーロムエリアが最適です。
多くの電車は24時前なら動いているので、電車で王宮や寺院のライトアップを観に行ってもよいですし、ホテルのルーフトップバーで過ごすのもよし、近くのマッサージでのんびりとリラックスして過ごすのもよいと思います。
バンコクのホテルは、料金が低いものもある一方で備品が十分でない場合も。ビジネス目的の場合は特に、「アイロンがあるかどうか」「クリーニングサービスがあるかどうか」も注意してホテルを選びましょう。忙しい朝に慌てなくてもよいように、朝食付きのプランをつけるのもおすすめ。多くのホテルで朝からタイ料理を楽しめます!
女子旅
観光だけでなく、ショッピングやスパも思う存分楽しみたい!だけど治安の落ち着いた場所に宿泊したいのが女友達同士の旅行。
私が実際に女友達に宿泊をすすめているのは、➄サイアムエリア、⑦王宮周辺エリアです。
➄サイアムエリアはショッピングモール同士がデッキで続いており涼しい環境でバンコクのトレンドを感じながら存分にお買い物を楽しめます。何より交通の便が良いため主要な観光地へも便利。
⑦王宮周辺エリアは古き良きバンコクを象徴するショップハウスをリノベーションしたホテルがたくさんあり、宿泊そのものも旅の思い出に残るはずです。
ホテル選びの際にはタクシー移動を極力避けるためにも「駅からの徒歩圏であること」を意識してください。
ナイトライフを楽しみたい
夜遅くまで出歩いてバーホッピングをしたい!お酒をたくさん飲んで盛り上がりたいという方におすすめなのは、もちろん活気ある②カオサン通り周辺のエリアです。
ナイトクラブで夜遊びをしたいという方には⑥シーロムエリアもおすすめ。
ホテル選びの際は、お目当てのバーやナイトクラブが多く集まる場所に近いエリアに宿泊すると、飲み疲れた後や酔いが回ったときでも、すぐにホテルへ戻れるので安心です。
リバーサイドでゆったりしたい
バンコク都内の観光地もいいけれど、ホテルでのステイも楽しみたいという方におすすめなのが➃リバーサイドエリア。
このエリアには高級ホテルがたくさん集まっていますが、ホテルにより「食事の内容」や「設備の充実度」、そして「主要観光地を結ぶ送迎ルート」に違いがあります。
どんなホテルでも最高の経験ができることは間違いありませんが、自分のステイスタイルに合わせて選ぶことで旅の満足度が格段と上がるはずです。
目的別バンコクのおすすめホテル
ここからは、旅の目的別に、先ほど紹介したおすすめのエリアの中から厳選したおすすめホテルを紹介します。
観光
①オークラプレステージ(スクンビットエリア)
BTSプルンチット駅前すぐに位置するホテル。日系ホテルなのでサービス面でも安心です。バンコクの街並みを一望できる贅沢なプールもついていて、観光もホテルステイも両方楽しめます。
②シンドーンミッドタウンホテル(サイアムエリア)
BTSチッドロム駅が最寄りのホテル。フィットネスセンターやインフィニティプールがあります。お部屋には洗濯機や乾燥機もついており、長期間の旅行でもたくさん洋服をもっていかなくてもよいのがうれしいポイント。
Sindhorn Midtown Hotel Bangkok, Vignette Collection by IHG
➂ザ クォーター ラープラオ バイ UHG(チャトチャックエリア)
MRTパホンヨーティン駅が最寄り駅のホテル。チャトチャックマーケットまで1駅、中心地までは約30分ほどでアクセスできます。お手頃な価格にもかかわらず、プールがあり、朝食もついているのがおすすめポイントの一つ。
ビジネス
①ハイアット プレイス バンコク スクンビット(スクンビットエリア)
BTSプロムポン駅から徒歩圏内。高評価のルーフトップバーがありお仕事で疲れた後にホテル内でリラックスすることができます。朝食は新鮮なフルーツ、タイ料理、洋食や和食まで豊富な品数があります。
Hyatt Place Bangkok Sukhumvit 24
②西鉄ホテル クルーム バンコク シーロム(シーロムエリア)
BTSシーロム駅が最寄りの日系ホテル。朝食は日本食。日本語対応のスタッフもおり、安心して滞在することができます。
Nishitetsu Hotel Croom Bangkok Silom
女子旅
①ナイトハウスバンコク(王宮エリア)
MRTサムヨット駅から徒歩15分ほどの位置にある、歴史的に価値のある建物をリノベーションしたホテル。ノスタルジックな雰囲気を残しつつ、設備はきれいにリノベーションされており、高評価を集めているホテルです。部屋数が少ないため、予定が決まったらなるべく早く予約することをおすすめします。
②サラ・ラッタナコーシン(王宮エリア)
MRTサナムチャイ駅からすぐ、暁の寺ワットアルンを望むエリアにあるホテル。部屋の窓いっぱいにワットアルンを堪能できるロケーションが最高のホテルです。
ナイトライフを楽しみたい
①フラマシーロムホテル(シーロムエリア)
Silom駅から徒歩10分ほどの場所にある日本人に人気のホテル。特に客室の広さに満足するレビューも多いホテルです。
②ザ・スタンダードX(カオサン通り)
カオサン通り周辺はバス・トイレシェア型のゲストハウスが多いですが、ここはプライバシーのしっかり確保されたホテルです。カオサン周辺には珍しくプールがあり、チャオプラヤ川に近いことから屋上から川の眺めも楽しめます。ホテルのレストランでランチも楽しめるので、夜更かしした次の日はゆっくりとスタートするのもよいですね。
The StandardX, Bangkok Phra Arthit
リバーサイドでゆったりしたい
①シャングリラ・ホテル(リバーサイドエリア)
圧巻のリバービュー、上質なホテルサービス、そしてBTS駅から徒歩圏内という立地が魅力的なホテルです。お値段は張るものの、その価格に見合った体験ができます。ディナーやアフタヌーンティーも提供しているので、滞在中はホテル内でゆったりと過ごすのもおすすめです。
②ロイラロンホテル(リバーサイドエリア)
バンコクでしかできない川に近いステイを楽しむならこのホテルがおすすめです。前に紹介したシャングリラとは違い、ローカルな雰囲気を味わいながらチャオプラヤ川への景色を独り占めすることができます。
バンコクでホテルに滞在するときに知っておきたいこと
最後に実際にホテルに宿泊する際に気を付けたいポイントを4つ紹介します。
①貴重品は安全な場所に!
バンコクは全体として治安はよい地域ですが、ごくまれにホテル内で盗難が発生することがあります。
机の上に貴重品を置きっぱなしにしない、スーツケースのカギはかける、とても大事なものは常に持ち運ぶ、など基本を忘れないようにしてください。
②トイレに紙は流さない
忘れがちなのがトイレに紙を流すことができないこと。
バンコクでは排水管が細いため、紙がつまりやすく使用済みのトイレットペーパーは備え付けのごみ箱に捨てるようになっています。
万が一詰まらせてしまうと弁償しなければならないことも…。うっかり流さないように気を付けましょう!
③コンセントの形状に注意
バンコクと日本ではコンセントの形状が違います。
比較的新しいホテルであれば日本のコンセントをそのまま使うことができますが、古いホテルだとコンセントがそのまま使えないことも。
バンコクの中でも郊外のホテルやホームステイ型のホステルに泊まる場合はコンセント変換器を日本から持っていきましょう(バンコクで、日本のコンセント⇒タイのコンセントに変換するプラグを探すのは困難)。100円ショップでも売っていますよ!
④高級ホテルではチップを渡そう
バンコクにはもともとチップ文化はありませんが、欧米の観光客や在住者の増加に合わせて一部チップの習慣が根付いてきています。
ホテル宿泊時は、ベッドメイキングをしてもらったとき、荷物を運んでくれたスタッフに、50バーツほど、高級ホテルでは100バーツほどを渡すとスマートです。
まとめ
今回の記事では、バンコク旅行のホテル選びに必要なエリアごとの特徴、目的別のおすすめエリア、おすすめのホテルを紹介し、最後にはホテル宿泊時に知っておくと安心な、注意点もまとめています。
色々な魅力を持つバンコクだからこそ、「エリアからホテルを選ぶ」のが重要です。
今回の記事が、皆さんのバンコク旅行の満足度をぐっと高める助けになれば幸いです。
①経歴
日本の公立中高を卒業後、理系の大学に進学。
現在は、タイの大学院に留学しています。
②資格
・TOEIC 805点
・IETLS Academic 6.0
③留学経験
・オーストラリア(2週間)→中学3年次にホームステイ
・タイ(1年)→修士課程に在学中
④海外渡航経験
長期でのんびりと滞在する旅行スタイルが好きで、シンガポール(1か月)、タイ(1年)、アメリカ(1か月)に滞在。
ほかにも、マレーシア、カナダ、オーストラリア、韓国、台湾、香港などを旅行しました。
⑤自己紹介
これまで長期の語学留学経験はなく、日本の公立中高に通いながら、ほぼ独学で英語を学んできました。英語を使うことで、世界中の最新の研究やデザインに触れる機会が増え、自分の視野が大きく広がったと感じています。特に東南アジアの都市が好きで、現在はタイの大学院で学んでいます。この経験を活かしながら、多くの方に英語を学ぶ楽しさや魅力を伝えていけたらと思っています。