リセウム・オブ・ザ・フィリピン大学ガイド!知っておきたい歴史や学部情報まとめ

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リセウム・オブ・ザ・フィリピン大学
(Lyceum of the Philippines University/LPU)は1952年創立の私立大学で、観光・ホスピタリティ分野での評価が高く、QS Asiaにもランクインするなど、国内で知名度のある大学の一つです。

この記事では、LPUの成り立ちから現在の学部構成、学生生活、教育水準までをわかりやすく紹介します。

フィリピンへの留学や同国の教育に関心のある方にとって、役立つ情報をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

リセウム・オブ・ザ・フィリピン大学の基本情報

リセウム・オブ・ザ・フィリピン大学について理解を深めるためには、まず基本的な概要を把握することが重要です。

この大学は単なる教育機関を超えた、フィリピンの政治・文化・社会に深く根ざした存在として位置づけられています。

所在地とアクセス

LPUのメインキャンパスは、マニラ市の歴史的地区であるイントラムロス(Intramuros)に位置しています。

イントラムロスはスペイン統治時代の城壁都市として知られ、フィリピンの歴史を象徴する場所です。

この立地は学生にとって、学問と歴史が融合した特別な学習環境を提供しています。

大学システムの構成

LPUは複数のキャンパスを展開する大学システムとなっており、メインキャンパス(マニラ)のほか、バタンガス(1966年設立)、ラグナ(2000年設立)、カビテ、ダバオ、マカティなどに分校を持っています。

各キャンパスはそれぞれ独自の特色を持っていますが、同じ教育理念のもとで運営されています。

教育機関としての特徴

LPUは私立・非宗派・共学の高等教育機関として運営されており、宗教的な制約なく多様な背景を持つ学生を受け入れています。

この開放的な教育方針は、創設者の理念を現在まで受け継いでいます。

リセウム・オブ・ザ・フィリピン大学の歴史

リセウム・オブ・ザ・フィリピン大学の歴史は、フィリピン共和国の政治史と密接に関わっており、その創設背景には特別な物語があります。

大学の歩みを知ることで、現在の教育方針や価値観をより深く理解できるでしょう。

創設の背景(1952年)

LPUは1952年7月7日、ホセ・P・ラウレル博士(Dr. José P. Laurel)によって創設されました。

ラウレル博士は後にフィリピン共和国第3代大統領となった人物で、LPUはフィリピンの大統領によって設立された唯一の大学という特別な地位を持っています。

創設者ラウレル博士は、法律家、教育者、政治家として多方面で活躍した人物でした。

彼は三権分立のすべての部門(立法、行政、司法)で要職を務めた唯一のフィリピン大統領でもあります。

この豊富な経験と見識が、LPUの教育理念の基盤となっています。

大学名の由来

「Lyceum(リセウム)」という名は、アリストテレスが教えた古代アテネの聖なる森「Lykeion(リュケイオン)」に由来し、クラシックな学問への敬意と卓越性への志を込めて選ばれました。

発展の歴史

当初は小さな学校でしたが、「教育こそ国を導く光」と掲げたラウレル博士の理念は急速に拡がり、1966年にはバタンガス校、2000年頃にはラグーナ校、2008年にはリゾート風のカビテ校と、LPUは全国にその名を広げていきました。

現代への継承

ラウレル博士の息子であるソテロ・H・ラウレル上院議員が、父親の教育理念を継承し、大学の発展に貢献しました。

現在は、ロベルト・P・ラウレル氏が理事長を務め、創設者一族による運営が続いています。

この継続性により、創設時の教育理念と価値観が現在まで脈々と受け継がれています。

リセウム・オブ・ザ・フィリピン大学の学部

LPUは総合大学として、多岐にわたる学問分野で質の高い教育を提供しています。

各学部は業界のニーズに対応したカリキュラムを備え、実践的な教育を重視した特色ある教育プログラムを展開しています。

College of Arts and Sciences(教養学部)

幅広い基礎教養を築くための学部で、コミュニケーション、ジャーナリズム、心理学などを学べます。

批判的思考や柔軟なコミュニケーション力といった、社会で必要とされる力を身につけることができます。

College of Business Administration(経営学部)

経営学部は、LPUの中でも特に人気の高い学部の一つです。

会計学、経営学、マーケティング、金融管理、人事管理などの専攻を提供しています。

・BS Accountancy(会計学士)
・BS Business Administration(経営学士)
・BS Management Accounting(管理会計学士)

この学部の特徴は、理論的な学習と実践的な経験を組み合わせたカリキュラムです。

企業でのインターンシップ、ケーススタディ、実際のビジネスプロジェクトを通じて、卒業後すぐに活躍できる人材の育成を目指しています。

College of International Tourism and Hospitality Management(国際観光・ホスピタリティ管理学部)

LPUが特に定評を持つ分野の一つが、観光・ホスピタリティ教育です。

フィリピンの主要産業である観光業に特化した専門教育を提供しています。

・BS International Travel and Tourism Management(国際旅行・観光管理学士)
・BS International Hospitality Management(国際ホスピタリティ管理学士)

学生は実際のホテル、レストラン、旅行会社での実習を通じて、業界で即戦力となる実践的なスキルを身につけます。

College of Nursing(看護学部)

看護学部では、現代医療のニーズに対応した包括的な看護教育を提供しています。

4年制のBachelor of Science in Nursing(看護学士)プログラムでは、理論的知識と臨床実習を組み合わせ、専門的な看護師を育成しています。

最新の医療設備を備えた実習施設と、経験豊富な教員による指導により、卒業生は国内外の医療機関で高い評価を受けています。

College of Engineering and Computer Studies(工学・コンピュータ学部)

技術分野の教育では、情報技術、コンピュータ科学、土木工学、電子工学などの専攻を提供しています。

急速に発展するIT産業のニーズに対応し、最新の技術と設備を使った実践的な教育を行っています。

Graduate School(大学院)

LPUの大学院では、修士課程と博士課程を提供しています。

教育学、経営学、国際ホスピタリティ管理学、財政管理学などの分野で高度な研究と専門教育を行っています。

リセウム・オブ・ザ・フィリピン大学の特徴

LPUが他の教育機関と一線を画す特徴は、その独特な教育アプローチと価値観にあります。

創設以来培われてきた伝統と、現代社会のニーズに対応した革新的な取り組みが融合し、独自の教育環境を形成しています。

学術的卓越性の追及

LPUは創設以来、レベルの高い教育を提供し続けており、その成果は国際的にも認められています。

大学評価機関 QS Stars では、2021年に総合4つ星を獲得し、TeachingやEmployabilityなどで高い評価を受けました。

2024年にも引き続き4つ星評価を維持しており、フィリピン国内のみならずアジア地域でも存在感を示しています。

また、フィリピン高等教育委員会(CHED)からは 自治大学(Autonomous Status) として認定されており、自主的に学術基準や教育プログラムを設定できる権限を持っています。

実践的教育の重視

特に観光・ホスピタリティ分野においては、学内に模擬ホテルやレストラン、実習用施設を整備し、学生が実際の現場に近い環境で学べるよう工夫されています。

こうした環境は、理論だけでなく実務能力の養成にも重点を置くLPUの教育姿勢を体現しています。

国際的な学びの機会

LPUは国際化にも積極的で、観光やホスピタリティ学部を中心に、海外でのインターンシップや実習プログラムを展開し、国外での職業体験を培うことができます。

学生が国際的な視野を広げ、グローバル社会で活躍できる素地を育むことを目指しています。

社会的責任と教育理念

創設者ホセ・ラウレル博士の「公共への奉仕」という理念は、現在も大学の教育方針に息づいています。

学生には専門知識だけでなく、社会に貢献する姿勢を持つ人材として成長することが期待されています。

リセウム・オブ・ザ・フィリピン大学でのキャンパスライフ

リセウム・オブ・ザ・フィリピン大学(LPU)での学生生活は、学びの場としての教室を超え、多彩な課外活動や社会的な経験を通じて成長できる環境に支えられています。

大学は、一人ひとりの学生が充実した時間を過ごせるよう、幅広いサポート体制を整えています。

学生部の役割

学生生活の中心となるのが Student Affairs Office(学生部) です。

学業面だけでなく、学生の心身の健康やキャリア形成まで含めてサポートを行っています。

カウンセリング、奨学金の案内、就職相談、健康支援などを通じて、学生が安心して学びに専念できる環境を提供しています。

学生組織とリーダーシップ育成

LPUには多くの学生組織があり、学術分野、文化活動、社会活動など、興味に合わせて参加できる機会が用意されています。

学生は組織活動を通じて、専門知識を深めるだけでなく、リーダーシップや組織運営能力、協働する力を実践的に磨くことができます。

文化・芸術活動

芸術活動も学生生活の大切な一部です。

合唱団やダンスグループ、演劇団体などがあり、創造性を発揮できる舞台が用意されています。

年間を通じて開催されるイベントでは、観客として楽しむだけでなく、企画や運営に関わることで実践的なスキルも養うことができます。

スポーツと健康的な生活

LPUはスポーツ活動にも力を入れており、大学代表チーム「LPU Pirates」はNCAA(フィリピン大学体育協会)に参加しています。

学生はバスケットボールやバレーボールなどを通じて他大学との交流を深めながら、競争心とチームワークを育んでいます。

学内にも様々なスポーツ施設があり、健康的でアクティブな学生生活を送れる環境が整っています。

コミュニティサービス

大学の理念に根ざした社会貢献活動も盛んです。

地域社会でのボランティアや環境保護活動、教育支援などに参加することで、学生は社会の課題を肌で感じ、市民としての責任感を育む機会を得ています。

国際交流の機会

LPUは国際的な視野を広げるためのプログラムも展開しています。

短期留学や国際的な研修、オンライン交流プログラムなどを通じて、異文化理解を深め、グローバルに活躍できる素地を養います。

キャリア支援

将来の進路を見据えたサポートも充実しています。

Career Development Centerでは、インターンシップの紹介、就職セミナー、履歴書作成や面接対策などを通じて、学生が社会に出る準備を整えています。

起業を志す学生に向けたプログラムもあり、多様なキャリアパスを支援しています。

まとめ

1952年、フィリピン第3代大統領ホセ・P・ラウレル博士によって創設されたリセウム・オブ・ザ・フィリピン大学(LPU)は、国内で唯一、大統領自らが設立した大学として特別な歴史を持っています。

その名称は、古代ギリシャでアリストテレスが学問を説いた「リュケイオン」に由来しており、創立当初から学問への強い敬意と理想を掲げてきました。

LPUの教育方針は、伝統的な学術的卓越性の追求と、社会の変化に対応する実践的な学びの両立にあります。

その成果は国際的にも認められており、国際大学評価機関 QS Stars では2021年に総合4つ星を獲得し、2024年にもその評価を維持しました。

また、フィリピン高等教育委員会(CHED)からは 自治大学(Autonomous Status) として認定を受け、教育の質と独自性が高く評価されています。

さらに、QSアジア大学ランキングにおいてもフィリピン国内上位に位置づけられており、国際的な知名度を着実に高めています。

学部構成は多岐にわたり、文系・理系を問わず幅広い分野で学びを提供しています。

特に観光・ホスピタリティ分野では、模擬ホテルや実習施設を備え、学生が現場に近い環境で学べる点が大きな強みとなっています。

理論と実践をバランスよく組み合わせたカリキュラムにより、卒業生は即戦力として高い評価を受けています。

学生生活においても、LPUは多彩な課外活動や文化・スポーツイベント、国際交流プログラムなどを通じて、学生が幅広い経験を積めるよう支援しています。

こうした活動は、学問だけでなくリーダーシップや社会的責任感、国際感覚を磨く機会となり、人間的な成長につながります。

創設から70年以上を経た今もなお、LPUはラウレル博士の理念である「学術的卓越性と社会への貢献」を柱に、時代の変化に応じた教育を提供し続けています。

その歩みは、フィリピンの教育界における確かな地位を築くとともに、今後もさらなる発展へとつながっていくことでしょう。

 

 

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