
きらびやかな高層ビルや世界屈指の安全性で知られるドバイは、移住や留学先としても近年注目を集めています。
しかし、その華やかなイメージの裏には、気候や生活コスト、そして文化や宗教の違いによる戸惑いなど、事前に知っておきたい現実もあります。
本記事では、生活コストのほか、日常生活や文化面で感じやすいギャップなど、ドバイ滞在におけるデメリットを具体的に解説します。
ドバイの基本情報
世界中から人々が集まる国際都市ドバイ。デメリットを紹介していく前に、まず地理や気候、経済や人口構成など、ドバイを知るうえで欠かせない基本的な情報をわかりやすく紹介します。
ドバイはアラブ首長国連邦(UAE)を構成する7つの首長国の一つです。急速な近代化と経済成長を遂げたことで、高層ビルや豪華なリゾート地が立ち並ぶ国際都市へと発展しました。
ドバイの気候は砂漠気候であり、1年を通じて乾燥して暑いのが特徴です。特に夏の6月から9月は気温が40℃を超える日が続き、湿度も非常に高くなります。一方、冬には20℃前後と比較的過ごしやすい気候になります。このため、旅行客のピークは涼しい冬の時期に集中します。
日本からドバイへの行き方としては、東京の羽田・成田空港や大阪の関西国際空港などから直行便を利用することが一般的です。フライト時間は約11時間で、エミレーツ航空や日本航空(JAL)を使うとノンストップでドバイ国際空港(DXB)に行くことができます。また、ビザに関しては日本国籍保持者には30日間の観光ビザが無料で発行されるため、短期的な旅行は比較的容易です。
ドバイ移住・留学のメリット
経済成長が著しく、多国籍な人々が集まるドバイは、移住や留学先として欧米諸国やアジア圏とは異なる独自の魅力を持っています。このセクションでは、ドバイ移住や留学で得られるメリットをご紹介します。
ドバイは、移住や留学において魅力的な選択肢である理由の一つとして、ドバイ独自の税制があります。ドバイには所得税やキャピタルゲイン税がなく、個人や法人にかかる税金がほぼゼロという大きな利点があります。これにより、経済的な負担を抑えながら生活やビジネスを展開することができます。また、サステナブルな経済成長を続けているドバイでは、ビジネスチャンスが豊富で、キャリア形成や投資先としての魅力も高まっています。
また、治安が非常に良好であることも大きなメリットです。ドバイの街には監視カメラが至る所に設置されており、軽犯罪の発生が非常に少ないことが特徴です。Numbeoにより発表された2025年の安全指数ランキングでは、ドバイは世界で2位にランクインし、移住先としての安全性が保証されています。
さらに、ドバイは移民の受け入れ体制が整えられており、実際に住民の約9割が外国人で構成されています。世界中からの移住者が集まり、多様な文化が交わる国際的な環境に身を置くことができます。
加えて、子育てにも適した環境が整備されています。医療や教育の水準が高く、妊婦や子連れに優しい制度が多く見られるため、家族での移住先として選ぶ方も少なくありません。
ドバイ移住・留学のデメリット
ドバイの華やかさの裏には、日常で感じる小さな不便や文化的な違いもあります。
本セクションでは、宗教や習慣に関する配慮、生活費や住環境、法律・制度上の注意点、日常で気をつけたいマナーなど、移住・留学前に知っておくべきポイントを分かりやすく紹介します。読み進めながら、自分に当てはまるリスクをチェックしてみてください。
文化・宗教面でギャップがある
ドバイはアラブ首長国連邦の中で最も国際色豊かな都市と言われていますが、文化・宗教面での違いからギャップを感じる場面もあります。ドバイはイスラム文化を基盤にした社会であり、宗教的価値観が日常のルールや行動規範に影響します。
例えば、1日5回の礼拝時間にはコーランが流れ、ラマダン期間中の日中には公共の場での飲食が基本的に禁止されており、観光客や移住者もこれを尊重する必要があります。また、服装にも一定の配慮が求められ、特に公共施設やモスクでは露出の多い服装は控えるのが一般的です。
さらに、宗教行事や休日の習慣も日本とは大きく異なります。例えば金曜日が聖なる日とされ、多くの企業や公共サービスのスケジュールが異なるため、週末が日本とはズレることがあります。
これらは一見窮屈に感じるかもしれませんが、相手の文化を理解し、適応する姿勢が円滑な生活の鍵となります。
生活コストがかかる
ドバイは所得税がないことで知られますが、その分、生活コストは世界的にも高水準です。特に家賃は高く、市中心部や人気エリアでは1LDKでも日本の大都市並み、もしくはそれ以上になることもあります。たとえば、ビジネスや観光の中心地であるダウンタウン(Dubai Downtown) やマリーナ地区(Dubai Marina)は便利ですが、他のエリアと比べて家賃が高額になる傾向があります。
さらに、輸入品に頼る食品や日用品も割高で、外食費も積み重なると大きな負担になります。電気代や水道代も日本と比べて高く、特に厳しい暑さに対応するための夏場の冷房費はかなりの額に上ります。さらに、高級感があるプールやジム付きのマンションでは、その使用に伴う管理費用が想像以上に高額な場合があります。
また、ドバイは広大な都市であり、基本的に車社会が主流です。そのため、車を保有していない場合、公共交通機関を利用することになりますが、不便を感じる場面も多いです。ドバイにはメトロやバスのサービスが整備されていますが、アクセスできるエリアが限定されており、特に郊外に住む場合は移動が難しくなることがあります。さらに、暑い夏の時期には、徒歩での移動やバス停での待ち時間が非常に過酷です。そのため、最終的には多くの方が車を購入することが多く、車両保険や燃料費などのコストも考慮する必要があります。
厳しい自然環境
ドバイは砂漠気候に属し、夏は特に過酷です。6月から9月にかけては日中の気温が40℃を超え、湿度も高く、屋外で長時間活動することは危険です。日差しも強烈で、紫外線対策は必須となります。こうした気候は生活リズムにも影響を与え、外出は早朝や夜間に集中しやすくなります。さらに、建物内の冷房は強めに設定されており、屋外と室内の温度差で体調を崩す人も少なくありません。
冬の気候は比較的穏やかですが、それでも日中は25℃前後と暖かく、日本とは大きく異なるため、衣類や生活習慣の適応が必要です。また、砂嵐が発生することもあり、視界不良や呼吸器への影響に備える必要があります。
そして、気候に影響された緑地や自然が少ない生活環境も自然志向のライフスタイルを求める方にとっては大きなデメリットとなり得ます。市内には美しい公園や人工的な緑地も整備されていますが、全体的には自然と親しむ機会が少ないと感じる移住者もいるかもしれません。また、家庭内で植物を育てるのも、暑さや乾燥した環境が原因で難しい場合があります。
ドバイ移住・留学がおすすめの人
ドバイは、多様な国籍の人々が集まり、独自の文化と最先端の都市機能が共存する魅力的な場所です。しかし、その環境がすべての人に合うとは限りません。このセクションでは、生活習慣や価値観、キャリアの方向性などの観点から、どのような人がドバイでの移住や留学に向いているのかを紹介します。自分に合った環境かを見極める参考にしてみてください。
ドバイ移住・留学がおすすめの人は、まず異文化への適応力が高い方です。ドバイは200以上の国籍が集まる国際都市で、公用語はアラビア語ですが英語も広く使われています。多様な文化背景を持つ人々と共に生活するため、価値観や習慣の違いを柔軟に受け入れられる姿勢が必要です。
また、高温で乾燥した気候に耐えられる方や夏が好きな方にも向いています。夏は気温が40℃を超えることも多いことから、屋外活動が制限されるため、室内での過ごし方を工夫できる方が快適に生活できるでしょう。
さらに、キャリアアップやビジネスチャンスを求める方にもおすすめです。ドバイは中東の経済・商業の中心地であり、多くの外資系企業や新興ビジネスが集まっています。国際的な環境での実務経験を積みたい方や、留学中に刺激的な環境でインターンをしたい方にとって大きなチャンスがあります。経済的なチャンスを求めている方も、個人や法人に対する税率がほぼゼロのため、日本では実現しにくい資産形成やビジネス展開の可能性が広がります。
まとめると、国際感覚を磨きたい人、新しい価値観を吸収したい人、そして積極的に環境に順応できる人にとって、ドバイでの移住や留学は大きな成長の機会となるでしょう。
ドバイのデメリットに対する心構え
ドバイに限らず言えることですが、異国での生活は、その魅力と同時に思わぬ壁にぶつかることもあります。特にドバイのように文化や宗教、生活習慣が日本と大きく異なる場所では、その違いに戸惑う瞬間も少なくありません。このセクションでは、そうしたドバイ特有の課題に向き合うための心構えについてご紹介します。
新しい土地で暮らすとき、最初にぶつかるのは「違い」への戸惑いです。ドバイの場合は、イスラム教の慣習や厳しい法律、気候、生活費など、日本とはまったく異なる環境が待っています。しかし、これらを障害や嫌なこととしてだけ捉えるのではなく、心構え次第で貴重な経験へと変えられます。たとえば現地の文化やルールを知り、受け入れる姿勢を持つことは、円滑な人間関係や安全な生活の第一歩です。また、不便や価値観の違いに直面したときは、「なぜそうなっているのか」と背景を理解しようとすることで、視野が広がります。
筆者自身も過去に、ドバイではありませんが、日本とは大きく異なる文化圏で生活した経験があります。移住してから日本に帰国するまで、行政や習慣の違いにストレスを感じることもありましたが、日本の便利さや安心感を改めて実感する機会にもなりました。そして何より、困難を乗り越えられたことで「私はこの先どこでも生きていける」という自信がつきました。ドバイ滞在でも同じように、未知の環境を受け入れ、柔軟に対応する心構えがあれば、その経験は大きな財産になるはずです。
実際に本記事をここまで読んできて、ドバイに暮らすことのデメリットを知って「少し怖いかも」と感じた方もいるかもしれません。ですが、実際に飛び込んでみると「意外と平気じゃん」と思えることも多いものです。むしろ挑戦せずに後悔するより、たとえ失敗や困難があっても、その全てを自分の経験や財産にしてしまった方が、きっと人生は豊かになります。ドバイでの生活が、充実した日々となりますように願っています。
まとめ
ドバイはUAEの中でも近代的な都市開発や経済成長、そして魅力的な移住環境によって世界中から多くの人々を引きつけています。
一方で、ドバイ移住には日本と比較して異なる文化や宗教、厳しい気候、そして高生活コストといったデメリットも避けられません。
しかし、事前に情報を集め心構えを持つことで、渡航後のギャップはご自身にとって新たな学びや成長のきっかけになります。あなたのドバイでの経験が、挑戦と発見が詰まった貴重な時間となることを願っています。