
フィリピンのハロウィンは、日本とは少し違った独自の雰囲気と伝統があります。
海外のハロウィンと聞いて、多くの方がイメージするようなカラフルな仮装やカボチャの装飾を楽しむイベントも行われますが、実はフィリピンのハロウィンにはカトリック文化が深く関わっています。
本記事では、そんなフィリピンならではのハロウィンの伝統や過ごし方、そして日本との違いをご紹介します。
- そもそもハロウィンの起源・発祥は?
- フィリピンのハロウィン前の雰囲気は?
- フィリピンのハロウィン当日の過ごし方
- フィリピンのハロウィンの伝統
- フィリピンのショッピングモールにおけるハロウィンイベント
- まとめ
そもそもハロウィンの起源・発祥は?
ハロウィンといえば、仮装やお菓子、カボチャのランタンなどが思い浮かびますが、その起源について深くは知らない方が多いのではないでしょうか?
実は、現在のポップで楽しいイベントのイメージとは大きく異なる、長い歴史と特別な意味が隠されています。
このセクションでは、ハロウィンがどのように生まれ、どんな背景を経て今の形になったのかを探っていきます。
ハロウィンは、もともとヨーロッパを起源とするケルト民族の祭りである「サウィン祭」が発祥とされています。サウィン祭は古代ケルト人による新年の前夜祭で、10月31日に行われていました。
この祭りは夏の終わりを意味し、収穫を祝うと同時に、死者の魂が現世に戻ってくると信じられていました。ケルト人はこの夜、悪霊を追い払うために焚き火を焚き、仮装をすることで自分たちを守ったと伝えられています。
そして、この日は夏と冬の境目であり、霊的な世界とのつながりが最も強まると信じられていたのです。
ハロウィンが現在の形で広まった背景には、アイルランドやスコットランドからアメリカに移民した人々の影響があります。19世紀にアメリカへ渡った彼らが「サウィン」の伝統を持ち込み、それが徐々に現代的なハロウィンに変化しました。
当初はケルト的な宗教行事でしたが、アメリカで商業化が進んだ結果、現代の仮装やトリック・オア・トリートのようなイベント要素が主体となり、楽しいお祭りとして広まっています。
フィリピンのハロウィン前の雰囲気は?
フィリピンでは、ハロウィンが近づくと街の雰囲気が少しずつ変わっていきます。
お店や住宅街には季節感あふれる飾りが並び、学校や地域イベントの準備も進みますが、その空気感は日本のハロウィンとはどこか違います。
賑やかさの中にも、特別な意味や過ごし方が隠されている、この時期ならではのフィリピンの空気感について、詳しく見ていきましょう。
フィリピンでは、ハロウィンの準備が9月頃から始まるため、非常にロングシーズンで祝われます。直前期には、家族が先祖を偲ぶ「万聖節(All Saints' Day)」と「万霊節(All Souls’ Day)」の準備をすることが一般的です。
また、10月31日から11月2日にかけて訪れる正式なハロウィンシーズンの前には、多くのフィリピン人が帰省し、家族と時間を過ごす準備を進めます。
このため、マニラ都市圏などでは、交通渋滞が発生する場合もあり、フィリピン全体が忙しく動き出すのがこの時期の特徴です。
また、墓参りもハロウィン前の重要な行事の一つで、約1週間前から多くの家庭が墓地を訪れて掃除を始めます。
墓地は多くの人で賑わい、花やキャンドル、そして「ビコ (BIKO)」のような特別な伝統菓子を供える準備が進みます。
このように、フィリピンでは、ハロウィンは単なる仮装イベントではなく、祖先を敬う精神が色濃く反映されているのが特徴です。
フィリピンのハロウィン当日の過ごし方
フィリピンのハロウィン当日は、昼と夜で雰囲気が大きく変わり、地域や家庭によって過ごし方もさまざまです。街中では賑やかな光景が広がる一方で、家族が集まり静かに過ごす時間もあります。
このセクションでは、そんなフィリピンのハロウィン当日に見られる様子をご紹介します。
フィリピンでは一般的に、ハロウィン当日には家族がそろって墓地を訪れます。この時期の墓地は家族や親戚が集まる場所となり、墓石の掃除や花、ろうそくなどで飾り付けが行われます。
また、一部の家族ではご先祖様を迎えるための食事も用意されます。「ビコ(BIKO)」というもち米やココナッツミルクで作られる伝統的なお菓子も登場し、亡くなった方々への感謝を込めてお供えされるのが特徴的です。
さらに、地域によっては伝統的な民間信仰が混ざり合い、先祖の霊を敬う独特の儀式やお祭りが行われることもあります。
一方、子どもたちが主役となる「トリック・オア・トリート」のイベントも人気で、家々を回りながらお菓子をもらう楽しい習慣も一部の地域では根付いています。
中には独自の趣向を凝らしたイベントもあり、フィリピン特有のお菓子が配られることもあります。また、コミュニティのつながりを強める活動としても重要視されているため、大人たちも協力してイベントが進行されています。
また、フィリピンのハロウィンでは、怖い伝承や怪談話も欠かせない要素です。
国内には「アスワン」や「ティクバラン」といった恐ろしい怪物にまつわる伝説が数多くあり、ハロウィンの時期になると、それらの話題が家庭内や友達同士で語られることが多くなります。
また、一部の地域ではこれらに基づいた劇やパフォーマンスが行われるイベントもあります。
祭りを彩る伝統的なお菓子「ビコ(BIKO)」
フィリピンのハロウィンには、特別な伝統菓子「ビコ(BIKO)」が欠かせません。
ビコはもち米、ココナッツミルク、ダークブラウンシュガーを組み合わせて作られる甘いお菓子で、先祖を迎え入れるための象徴的な食べ物とされています。
特に「Kudkuran」と呼ばれる特別な器具を使い、手作業で絞ったココナッツミルクが使用されることで、深い風味が引き出されます。
このビコは食卓に並べるだけでなく、先祖の霊に感謝の気持ちを伝えるお供え物としても重要な役割を果たします。
ハロウィンシーズンの特別なご馳走
フィリピンのハロウィンシーズンは、ビコの他にもさまざまな料理が食卓を彩ります。
例えば、地元特産の豚肉を使ったレチョン(丸焼き)や、ガーリックライス、お肉を煮込んだカルデレータといった家庭料理が人気です。
また、フィリピン流ハロウィンならではの食文化として、家族で料理を準備しながら一緒に時間を過ごすことが大切にされています。
これらの料理は、単に食べるだけではなく、家庭の絆を深めるイベントの一環として位置づけられているのが特徴です。
フィリピンのハロウィンの伝統
フィリピンのハロウィンは、単なる仮装イベントにとどまらず、宗教的・家族的な意味合いが強いのが特徴です。
特に、ハロウィン翌日と翌々日の「万聖節(All Saints’ Day)」と「万霊節(All Souls’ Day)」は全国的に大切にされる行事で、故人の思い出話を語り合う温かな時間が流れます。
ここでは、さらに詳しくフィリピン独自のハロウィンの伝統をご紹介します。
フィリピンではハロウィンシーズン中、多くの親戚がひとつの家に集まり、食事を楽しむことが伝統のひとつとされています。
この風習は日本のお盆と似ているものの、より大規模で温かい雰囲気があります。特に、世代を超えて家族全員が料理を囲む様子は、フィリピンならではの食卓文化の象徴といえます。
また、親戚同士で地域ごとの特産物や手作り料理を持ち寄り、互いに分け合うことで交流を深めるのもこの時期ならではの光景です。
そして、フィリピンのハロウィンは通常、1週間以上続くのが一般的です。家族の集まりやお墓参りをするだけでなく、街中では子どもたちが楽しめるイベントも開催されます。
特にマニラやセブなどの都市部では仮装パレードや「トリック・オア・トリート」イベントが行われ、家族みんなが楽しめる雰囲気となります。
これにより、フィリピンのハロウィンは先祖を偲ぶ厳かな時間と賑やかなイベントが共存する特別な季節となっています。
万聖節(All Saints' Day) と万霊節(All Souls’ Day) とは
フィリピンでは、ハロウィンの直後に「万聖節(All Saints’ Day)」と「万霊節(All Souls’ Day)」という二つの重要な行事が行われます。万聖節は11月1日に祝われ、全ての聖人や殉教者を記念する日です。
一方、万霊節は11月2日に行われ、亡くなったすべての魂、特に煉獄にある魂のために祈りを捧げる日とされています。
フィリピンではこの二日間をまとめて「Undas(ウンダス)」と呼び、多くの人が故郷に帰省し、家族そろって墓地を訪れます。
このように、万聖節と万霊節は単なる追悼の日ではなく、家族の絆を深め、亡き人を温かく偲ぶ大切な時間として、フィリピン文化の中で深く根付いています。
日本のお盆との共通点・違い
フィリピンのハロウィンシーズンは、日本のお盆といくつかの共通点があります。
どちらも故人を偲び、家族や親族が集まる大切な行事である点が特徴です。日本のお盆では、故人の魂を迎えるために提灯を灯したり、お墓参りや法要を行います。
一方、フィリピンではハロウィンの翌日である「万聖節(All Saints’ Day)」や「万霊節(All Souls’ Day)」に家族そろって墓地を訪れ、花やろうそくが供えられます。
このように、どちらも家族が集まり、先祖を敬うという精神は共通しています。
ただし、その雰囲気や過ごし方には違いがあります。日本のお盆は比較的落ち着いた雰囲気で過ごすことに対し、フィリピンでは墓地がまるでピクニック会場のように賑やかになります。
テントや椅子を持ち込み、食事を囲みながら一晩過ごす家族も多く、笑い声や音楽が響く光景はとても明るい印象です。
さらに、ハロウィン前後には仮装や地域イベントも行われ、祭りと追悼が融合しているのも大きな違いです。
こうした点から、両国は同じ「先祖を想う」文化を持ちながらも、その表現方法や雰囲気が大きく異なっているといえます。
フィリピンのショッピングモールにおけるハロウィンイベント
フィリピンのショッピングモールは、ハロウィンシーズンになると特別なイベントが開催され、多くの人々で賑わいます。
ここでは、そんなショッピングモールでのハロウィンイベントの特徴や、どんな雰囲気が楽しめるのかを詳しく見ていきましょう。
フィリピンのショッピングモールでは、ハロウィンシーズンに多くのイベントが開催されます。特に、子どもから大人まで楽しめる仮装イベントが魅力のひとつです。
モール内にはさまざまなテーマのデコレーションが施され、カラフルなコスチュームに身を包んだ子どもたちや、クリエイティブな衣装を楽しむ大人までが参加しており、賑やかな雰囲気が広がります。
SMモールやアヤラモールなどの大規模なショッピングモールでは、各店舗が協賛する形で、「トリック・オア・トリート」のイベントも行われ、仮装した子どもたちにお菓子が配られます。
また、一部のモールではマジックショーや恐竜をテーマにしたパフォーマンスなど、エンターテイメント性の高いアクティビティも用意されています。
さらに、「Jollibee(ジョリビー)」や「Dunkin' Donuts (ダンキンドーナツ)」の期間限定メニューが登場したり、プロモーションを実施するお店もあり、多くの人が買い物とイベントの両方を楽しめる絶好の機会となっています。
まとめ
フィリピンのハロウィンは、従来のハロウィンのイメージとは少し違った独自の文化や伝統があります。
仮装やカボチャの装飾などお馴染みのイベントも楽しまれますが、11月1日の「万聖節(All Saints’ Day)」や11月2日の「万霊節(All Souls’ Day)」に向けて家族で過ごすことができる時間として、ハロウィンを含めたシーズン全体がフィリピン国民にとって大事なイベントとされています。
この記事を通して、フィリピンの奥深い文化や、家族を大切にする人々の温かい心に触れていただけたなら幸いです。
◇経歴
高校は日本国内の文部科学省グローバル教育指定校に通学。
高校卒業後、タイの国立タマサート大学に1年間正規留学。
その後、転入先であるチェコの国立マサリク大学で政治とメディア学を専攻。
イギリスの企業でマーケティングインターンを経験し、その後ジュニアマーケターとして採用され、英語での実務経験もあります。
◇資格
・TOEIC 800(高校2年次取得
・ IELTS 6.5(高校3年次取得
・ CEFR C1 (大学2年次取得)
◇留学経験
・アイルランド・ダブリンで2週間のホームステイ (高校2年次)
・タイ国立タマサート大学(1年間正規留学)
・チェコ国立マサリク大学(現在3年目で政治とメディア学専攻)
◇海外渡航経験
・25カ国訪問済み(例:ギリシャ、ベトナム、アルバニアなど)
・現地での留学やインターンシップの経験あり
・現在は30歳までに30カ国訪れることが目標
◇自己紹介
旅行が大好きで、異文化交流や新しい経験を大切にしています。これまでの経験を活かし、留学の良さを伝えていけたらと嬉しいです。