
「留年してまで留学するなんて…就活に不利にならないかな?」そう不安に思っている学生の方もいるのではないでしょうか。しかし、グローバル化が進む現代において、留学経験は単なる語学の習得以上の価値を持ちます。とはいえ、留年というリスクを伴う以上、その判断には慎重さも必要です。
今回の記事では、「留年してまで留学すべきか?」という疑問に対して、メリット・デメリットを具体的に解説します。さらに、就活で不利にならないためのアピール方法や留年せず留学する方法についても紹介します。将来後悔しない選択をするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
留年とは?休学とは何が違う?
「留年」と「休学」、どちらも在学期間が延びる点では似ていますが、実はその中身や扱いには大きな違いがあります。留学のために時間を確保したい場合、どちらを選ぶかで今後のスケジュールや就活にも影響が出てくることもあります。まずは、この2つの制度の違いや注意点をしっかり整理して、自分にとってベストな選択肢を見つけましょう。
まず留年とは、所定の単位を取得できなかったり、進級条件を満たせなかった場合に、次の学年に進めずに同じ学年を繰り返さざるを得ない状態のことを指します。特に、日本の大学ではカリキュラムを進行するうえで必要な単位取得条件に満たなければ、自動的に留年扱いとなり、在籍しながら次の学年に進むことができなくなります。基本的には成績不振や出席率の不足と見なされることが多く、履歴書にも記載されるため、就活で質問される可能性もあります。
一方で、休学は学生本人が何らかの理由(病気、経済的事情、留学やワーキングホリデー、家庭の事情など)で大学に在籍しながら授業を一時的に休む制度です。学校に申請し、承認されれば、在籍期間を延ばすことなく学業を一時中断できます。多くの大学では休学期間中は学費が軽減されたり、免除される場合もあります。
留学を考えている場合、休学留学と留年して留学のどちらを選ぶかは大きな分かれ道です。例えば、休学して語学学校に通う場合は単位が認定されないこともありますが、交換留学であれば在学扱いで単位を取得できるケースもあります。一方、留年して留学する場合は、学業の進行が遅れることを前提にして海外経験を積む形になります。
このように、留学をする際には留年と休学の違いを正確に認識したうえで、自分のキャリアプランに適した選択をすることが重要です。
留年してまで留学するメリット
海外留学をするために留年することには、多くのメリットがあります。一見、進級や卒業が遅れることをデメリットと捉える人も多いですが、その分得られる経験やスキルは非常に価値の高いものです。ここでは、留年してまで留学を選択することの主なメリットについて見ていきましょう。
まず、留学を通じて得られるスキルとして、語学力の向上が挙げられます。海外で生活し、日々のやり取りを現地の言葉で行うことで、参考書をベースとした学習では得られない実践的な言語能力を身に付けることができます。また、異文化理解力も大きく向上します。異なる文化や価値観の中で生活することは、新たな視点を得られる貴重な経験となり、それが将来的にグローバルな視野を持った人材として活かされる場面に繋がるでしょう。
さらに、海外のネットワークの構築も大きなメリットの一つです。現地で出会う人々や同じく留学している学生たちとのつながりは、単なる友達づくりだけでなく、人脈・キャリア形成においても大きな財産となる可能性があります。
もう一つ見逃せない点は、留年して留学を選ぶことで、就活の際に「思い切って挑戦した経験」として大きくアピールできるポイントが加わります。また、現地でのインターンシップや課外活動に参加することで、専門的なスキルを磨くチャンスも得られるでしょう。このような経験は、他の就職希望者との差別化を図るうえで非常に有利です。
留年してまで留学するデメリット
もちろん、留年をしてまで留学するには覚悟が必要です。時間的・経済的な負担はもちろん、就活への影響を心配する声も少なくありません。このセクションでは、実際に考えられるデメリットを整理しながら、それらをどう乗り越えるべきかについて解説します。
まず、留年して留学する場合、卒業が遅れることは避けられません。同年代の友人たちが早く社会に出てキャリアを積み始める中で、一歩遅れてスタートを切ることになります。また、日本では、留年に対するネガティブな認識が根強いです。
留学を理由にした留年であったとしても、その背景を知らない人たちには単に「進学が遅れた」と見られてしまうことがあります。結果として、誤解や偏見と戦う必要が生じるかもしれません。実際に、「なぜ卒業が遅れたのか?」を面接で問われることが多く、十分な説明の準備が求められます。
さらに、元の学年よりも1年遅れて大学生活を再開することは、モチベーションの低下につながる可能性があります。同年代が卒業して社会に出ていく中、自分だけが残っているという感覚は、孤独感を生むこともあります。
また、留学中に日本の大学での勉強から離れた期間が長いと、勉強のペースを取り戻すのに苦労する場合もあります。その結果、学力の維持が難しくなるリスクも考えられます。
そして、留学そのものに多くの費用がかかることに加え、留年による追加の学費支払いも発生します。日本の大学の学費、留学に必要な渡航費、現地での生活費など、合計すると多額の資金が必要になります。これらの経済的負担は、ご自身やご家族にとって大きなプレッシャーとなることがあります。
留年せず留学する方法
ここまで読んできて、「やっぱり留年は避けたい…」と思った方もいるのではないでしょうか。実は、工夫次第で在学中の単位を落とさずに留学できる制度やルートも存在します。このセクションでは、留年せずに海外留学する方法を紹介します。
まずおすすめするのは、短期留学です。短期留学は、長期的な留学よりも学業への影響が少ないため、多忙な大学生活との両立が可能です。春休みや夏休みを利用した1~2か月程度のプログラムが一般的で、この期間内で語学力を集中的に高めたり、異文化に触れることができます。卒業に必要な単位取得には影響が少ないので「留年せずに留学してみたい」という方には検討してみる価値のある選択肢です。
また、ご自身が通う大学の交換留学や提携校とのプログラムを確認してみましょう。これらのプログラムを活用することで、留学中に取得した単位を日本の大学で認定してもらえる可能性があります。事前に大学の留学担当窓口や教務課に問い合わせ、自分のプランと大学のプログラムを照らし合わせて確認しておきましょう。
さらに、近年では、オンライン留学が盛んになっています。これを活用することで、日本にいながら海外の教育カリキュラムや講座に参加することが可能です。費用も比較的抑えやすく、物理的に海外へ渡航する必要がないため、学業やアルバイトとの両立も図ることができます。この選択肢は特にコロナ禍で注目を集め、現在も利用する学生が増え続けています。
留年して留学した際の就活の上手な進め方
「留年=就活で不利」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、 留年をしていても留学経験を就活で強みに変えることは十分可能です。このセクションでは、留学による留年をマイナスにせず、むしろ自己PRや面接での説得力を高めるためのコツや準備方法をお伝えします。
留年して留学を経験した場合、就職活動を上手に進めるためには、事前の準備やご自身の強みをしっかりとアピールすることが重要です。企業にとって、留年自体はネガティブな印象を与える可能性がありますが、海外留学の経験をどのように活かし、何を得たのかを明確に伝えることで、ポジティブな印象へと変えることができます。
まず、履歴書やエントリーシートには、留年した理由や留学で得た成果を具体的に記載しましょう。「なぜ留学を選んだのか」「その経験を通じて何を学んだのか」を明確に述べることで、留年が単なる学業の遅れではなく、目的を持った行動であったことを伝えられます。
また、面接の際には、留学中に直面した困難やそれを乗り越えたエピソードを話すことで、自分がどのような行動をとり、どのように自己成長を遂げたのかを示すと良いでしょう。たとえば、現地でのプロジェクトに参加した経験や、異文化の中で築いた人間関係について語ることで、企業に対して自身の実践力をアピールできます。
最後に、留年して留学を選択したことに対して後悔や引け目を感じず、自信を持ってその意義や決断した理由を伝える姿勢が大切です。留年してでも得た貴重な経験は、就活での負担だけでなく、将来のキャリアにもポジティブな影響を与える可能性があります。そのため、正直に理由を話しつつ、留学のメリットを最大限生かした説得力のある説明を心がけましょう。
まとめ
留年してまで留学するかどうかは、自分の将来像と覚悟次第です。
確かにリスクもありますが、得られる経験や成長は大きく、正しく活かせば就活でも十分に武器になります。大切なのは、「なぜ留学したのか」「その経験をどう活かしたのか」を明確に伝え、戦略的に就職活動や次のステージに臨むことです。単なる時間のロスや海外での遊び期間ではなく、自分だけの価値ある経験に変えていく意識が必要です。
本記事を参考に、自分にとってベストな選択肢を見つけてみてください。
◇経歴
高校は日本国内の文部科学省グローバル教育指定校に通学。
高校卒業後、タイの国立タマサート大学に1年間正規留学。
その後、転入先であるチェコの国立マサリク大学で政治とメディア学を専攻。
イギリスの企業でマーケティングインターンを経験し、その後ジュニアマーケターとして採用され、英語での実務経験もあります。
◇資格
・TOEIC 800(高校2年次取得
・ IELTS 6.5(高校3年次取得
・ CEFR C1 (大学2年次取得)
◇留学経験
・アイルランド・ダブリンで2週間のホームステイ (高校2年次)
・タイ国立タマサート大学(1年間正規留学)
・チェコ国立マサリク大学(現在3年目で政治とメディア学専攻)
◇海外渡航経験
・25カ国訪問済み(例:ギリシャ、ベトナム、アルバニアなど)
・現地での留学やインターンシップの経験あり
・現在は30歳までに30カ国訪れることが目標
◇自己紹介
旅行が大好きで、異文化交流や新しい経験を大切にしています。これまでの経験を活かし、留学の良さを伝えていけたらと嬉しいです。