「フィリピンってキャッシュレス決済できるの?」
「現金をあまり持ち歩かないけど、カードやスマホだけで過ごせる?」
キャッシュレス化が進む今、フィリピンでの支払い事情が気になる人もいるでしょう。
実際にフィリピンでもQRコード決済やアプリを使った決済サービスが普及しており、簡単に支払えるようになっています。
この記事では、フィリピンのキャッシュレス事情やおすすめの決済アプリについて解説します。フィリピン渡航前に読めば、現地での支払いに戸惑うことなく過ごせるはずです。
- フィリピンの通貨
- フィリピンのキャッシュレス事情
- フィリピンにおけるキャッシュレス決済のメリット
- フィリピンにおけるキャッシュレス決済のデメリット
- フィリピンでおすすめのキャッシュレス決済サービス・アプリ
- まとめ
フィリピンの通貨
フィリピンへ渡航したことがない人の中には、フィリピンの通貨や為替レートを知らない人もいるのではないでしょうか。
フィリピンでは、「ペソ」と呼ばれる通貨が使われています。 紙幣は20ペソ、100ペソ、200ペソ、500ペソ、1,000ペソの5種類が使用されており、硬貨は10ペソ、5ペソ、1ペソ、それより小さい25センタボ、10センタボ、5センタボの6種類です。
1ペソを日本円に換算すると、約2.5円になります(2025年6月時点)。 フィリピンの物価は日本に比べて安く、食品や日用品であれば1/2〜1/3程度の価格水準となっています。 例えば、500mlのペットボトルの水は日本では約100円ですが、フィリピンでは10ペソ〜20ペソ(約25〜50円)が相場です。
フィリピンのキャッシュレス事情
近年、日本ではキャッシュレス決済の利用が急速に拡大していますが、フィリピンでも同様の変化が見られています。
フィリピンでは、コロナ禍のパンデミック発生をきっかけに、多くの人々が接触を最小限に抑えようと現金の利用を避け、キャッシュレス決済を利用するようになりました。
現在、フィリピンの主要都市では、レストランやコンビニ、大型のショッピングセンターなど、QRコード決済やクレジットカード決済を利用できる店舗が増えています。
しかし、キャッシュレス化が進む一方で、小規模な店舗や地方のマーケットでは、まだ現金のみの決済が一般的です。
また、ローカルの市場や小さな商店では、細かいお釣りを持っていない場合も多く、500ペソや1,000ペソなどの高額紙幣を使用できないこともあります。 そのような店舗で支払いをする場合は、なるべく少額の現金を持っておく必要があるため、事前にショッピングモール等で高額な紙幣を崩しておくことをおすすめします。
このように、フィリピンではキャッシュレス化が進んでいるものの、まだまだ現金が必要な場面も多いため、状況によって使い分けることが必要です。
フィリピンにおけるキャッシュレス決済のメリット
フィリピンでキャッシュレス決済を利用するメリットは、主に次の3つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
支払いを素早く済ませることができる
キャッシュレス決済の一番のメリットは、支払いを素早く済ませられることです。
現金の支払いであれば、財布から紙幣や小銭を出し、計算してから支払いをするため、時間も手間もかかります。 しかし、QRコード決済やクレジットカード決済なら、それらの手間が一切かからず、簡単な操作をするだけで支払いが済ませられます。
また、請求されたそのままの金額で支払いができるため、お釣りを気にする必要もありません。 このように、キャッシュレス決済を利用して素早く支払いを済ませられると、旅行や留学での買い物が楽になります。
お金の管理がしやすくなる
キャッシュレス決済を利用すると、お金が管理しやすくなるのもメリットの1つです。
例えば、現金での支払いの場合、いつ・どこで・いくら支払ったのかを管理するためには、レシートや領収書などを残しておく必要があります。 1つ1つ確認して計算するのは面倒ですし、それらを無くしてしまう可能性もあります。
しかし、アプリやクレジットカードで支払いをすれば、決済履歴がすべて記録されるため、レシートや領収書などを保管しておく必要がありません。
このようにキャッシュレス決済を利用することで、簡単にお金の管理ができるようになるため便利です。
現金のスリや強盗の被害を最小限に抑えられる
普段からキャッシュレス決済を利用していれば、万が一スリや強盗の被害に遭った場合に、現金を失う可能性を最小限に抑えることができます。
なぜなら、日常の支払いでキャッシュレス決済をメインにしていると、現金をあまり持ち歩かずに済むためです。
フィリピンでは、観光客を狙ったスリや強盗が多発しており、移動中にポケットから財布を盗まれるといったケースが多く見られます。 もし現金を多く持ち歩いていれば、スリの被害によって多額の現金を失ってしまいます。
しかし、キャッシュレス決済を利用していれば、万が一現金を盗まれたとしてもアプリやカードでの支払いができるため、手持ちの全額を失うことはありません。
フィリピンにおけるキャッシュレス決済のデメリット
続いて、フィリピンでキャッシュレス決済を利用するデメリットは、次の3つです。
それぞれ詳しく解説します。
セキュリティや詐欺のリスクがある
キャッシュレス決済は、現金のスリ被害を最小限に抑えられるメリットがある反面、インターネット上でのセキュリティリスクや詐欺に遭うリスクがあります。
例えば、決済会社とそっくりな偽サイトにメールで誘導されるフィッシング詐欺がよくあるケースです。 偽サイトだと気づかずにカード情報を入力してしまい、クレジットカードを不正利用される可能性があります。
また、カード情報を読み取る装置を使用して、クレジットカードやキャッシュカードから情報が抜き取られるスキミング被害も発生しています。
こうした被害を防ぐために、日頃から個人情報の管理や詐欺への対策をしておくことが重要です。
カード決済には手数料がかかる
日本のクレジットカードやデビットカードを現地で利用すると、両替をする必要がなくそのまま決済ができるため、便利に感じられます。
しかし、クレジットカードを海外で使用すると、海外事務手数料がかかります。 海外事務手数料はクレジットカード会社や国際ブランドによって異なりますが、例えば、三井住友カードや楽天カードなどでは、3.63%となっています。
少額の買い物の場合、現金による決済のほうが経済的になるケースもあるため、節約を優先したい人にとってはデメリットに感じられるでしょう。
電波が悪い場所では利用できないことがある
フィリピンではインフラ環境があまり整っていない地域もあり、電波が悪いとキャッシュレス決済が利用できないことがあります。
特に、インターネットを利用して決済を行うアプリなどは、通信トラブルやメンテナンス等で一時的に決済が止まってしまう可能性があります。
このようなケースに遭遇した場合でも支払いができるように、ある程度の現金も一緒に持っておくと安心です。
フィリピンでおすすめのキャッシュレス決済サービス・アプリ
フィリピンでキャッシュレス決済を行う際、どのような決済サービスやアプリを使用すればいいか知りたい人もいるでしょう。 フィリピンでは、以下の3つのキャッシュレス決済サービス・アプリがよく利用されています。
それぞれ詳しく解説します。
GCash
GCashは、フィリピンで最も利用されているモバイル決済アプリです。
QRコード決済やオンラインショッピング、公共料金の支払いなど、幅広く対応しており、バーコードをスキャンして支払うことも可能です。 銀行との連携もスムーズで、多くの店舗で利用できます。
ただし、GCashを利用するにはフィリピンの携帯電話番号が必要で、さらに日本のクレジットカードを紐付けてチャージすることはできないため、コンビニや銀行にチャージしに行く必要があります。
フィリピンで広く利用されていて便利なアプリですが、どちらかと言えば長期滞在者向けの決済サービスです。
Maya
Mayaは、プリペイド式のキャッシュレス決済サービスです。 クレジットカードとしても利用でき、オンライン支払いにも対応しています。
プリペイド式のため使いすぎを防止したい人におすすめですが、他のアプリと比べて利用できる店舗が少ないことがデメリットです。 また、GCashと同様に利用の際にはフィリピンの携帯電話番号が必要で、日本のクレジットカードを紐付けてチャージすることはできません。
しかし、Mayaは実店舗で購入した独自のデビットカードをアプリに登録すれば、買い物で利用できるようになります。
GrabPay
GrabPayは、東南アジアで広く使われているGrabの決済機能です。 特にGrabの配車サービスやフードデリバリーなどで多く利用されています。
他のキャッシュレス決済サービスやアプリに比べて利用できる店舗は少ないですが、フィリピンの電話番号でなくても登録することができます。
また、日本のクレジットカードでもチャージできるので、観光客の人におすすめの決済アプリです。
まとめ
フィリピンでは、コロナ禍のパンデミック発生をきっかけにキャッシュレス化が急速に拡大しました。
主要都市では、キャッシュレス決済を利用できる店舗が増えている一方で、地方や小さな商店では、まだ現金のみの決済が一般的となっています。
また、インターネット環境やセキュリティの面で、キャッシュレス決済が利用できない場合や詐欺に遭うリスクもあるため、注意が必要です。
今回紹介したGCashやMaya、GrabPayなどの決済アプリを活用しながら、現金とうまく使い分けることでスムーズに支払いができるでしょう。