シリマン大学ってどんなところ?海辺の街ドゥマゲッティで学ぶ魅力を紹介

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ドゥマゲッティは、フィリピンの豊かな自然や文化にも触れることのできる魅力的な留学先です。

そして、そこにはフィリピンの名門大学として知られるシリマン大学という大学があります。

この記事では、シリマン大学の歴史や魅力について解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

シリマン大学の概要と歴史

シリマン大学は、フィリピン・ネグロス島のドゥマゲッティ市に位置する私立の研究型大学です。1901年にアメリカ長老派外国伝道会によって「シリマン研究所(Silliman Institute)」として設立され、1938年に大学としての地位を獲得しました。アメリカ人とプロテスタントによって設立された、フィリピン最初の高等教育機関であり、アジアで最も古いアメリカ式大学の一つです。

現在、約11,000人の学生が在籍し、フィリピン国内はもちろん、56カ国以上から留学生を受け入れています。10の学部、5つのスクール、3つの研究機関を擁し、フィリピン国内でも高い教育水準を誇る名門大学として知られています。

シリマン大学の歴史

シリマン大学は、アメリカの実業家で慈善家のホレース・ブリンスメイド・シリマン(Horace Brinsmade Silliman)から寄付された10,000ドルをもとに創設されました。彼はニューヨーク州コホーズ出身で、フィリピンに産業学校を設立したいと考えていました。

創設者デイヴィッド・サザランド・ヒバード博士は、妻のローラとともに南部フィリピンの最適な場所を探し、ドゥマゲッティの「美しさと人々の親しみやすさ」に惹かれて設立を決意しました。開校当初は男子15名の小さな学校でしたが、徐々に発展し、1910年にカレッジ、1938年に大学へと成長しました。

第二次世界大戦中は日本軍に占領され、校舎は兵舎として使用されましたが、アーサー・カーソン学長の指導の下、教職員らはネグロス島の山中で「ジャングル大学」を運営し、教育を継続しました。終戦後、キャンパスを再建し、1952年にはフィリピン人初の学長としてレオポルド・T・ルイスが就任するなど、フィリピン化が進みました。

1979年にはシリマン大学のヴァン・ハウベリング研究所が、3年間の免疫持続効果を持つ狂犬病ワクチンの開発に成功し、東南アジア初の画期的な医学的成果として注目を集めました。

特徴的な施設と環境

シリマン大学のキャンパスは、ドゥマゲッティ市の中心部の約3分の1を占める62ヘクタールの広大な敷地に広がっています。特徴的な「知識の門」「機会の門」「奉仕の門」という三つの入口が大学と街のシンボルとなっており、特に「知識の門」は現在のメインエントランスとなっています。

主要施設を解説していきます。

1.シリマンホール

フィリピン最古のアメリカ様式の建築物で、現在は人類学博物館として利用されています。1909年に建設され、国の歴史的建造物に指定されています。

2.シリマン大学教会

荘厳な雰囲気を持つ教会で、第二次世界大戦中の建設中断を経て1949年に完成しました。

3.クレア・イザベル・マクギル・ルース講堂

マニラ首都圏を除くフィリピン最大の劇場で、1973-75年に建設されました。『タイム』誌創設者ヘンリー・ルースの息子の妻の名を冠しています。

4.ロバート・B・アンド・メッタ・J・シリマン図書館

25万冊以上の蔵書を誇る、フィリピン有数の規模の図書館です。

5.環境・海洋科学研究所(IEMS)

環境科学と海洋生物学の研究拠点として国際的に認められた機関です。

その他にも、6つの博物館(人類学、自然史、海洋哺乳類などの専門博物館)、大学農場、ビーチ、スポーツ施設(体育館、プール、テニスコート、競技場など)を有しています。海岸に隣接したロケーションも大学の大きな魅力の一つとなっています。

シリマン大学の学部・学科と教育プログラムの特徴

学術的な特色

シリマン大学はフィリピン高等教育委員会(CHED)から「完全自治(Full Autonomous Status)」の権限を与えられている数少ない私立大学の一つです。国内でも最も多くの認証プログラムを持ち、そのうち14のプログラムが最高レベル(レベルIV)の認証を受けています。

特に高い評価を得ている分野について説明します。

1.環境・海洋科学

米国国際開発庁(USAID)から「沿岸資源管理センター・オブ・エクセレンス」に指定され、20以上の海洋保護区の設立や61カ所以上への支援実績があります。

2.教育学

CHEDから「教育のセンター・オブ・エクセレンス」に指定されています。

3.看護学

同じくCHEDから「看護教育のセンター・オブ・エクセレンス」に認定されています。

4.情報技術

「情報技術のセンター・オブ・エクセレンス」として認められています。

また、人類学、生物学、臨床検査学は「センター・オブ・ディベロップメント」として発展が期待される分野に選ばれています。ハリボン財団からは「生物多様性保全学術センター・オブ・エクセレンス」にも指定されています。

国際的な地位と交流

クアクアレリ・シモンズ(QS)の2023年アジア大学ランキングではフィリピン国内5位、東南アジア地域88位、アジア全域で551-600位にランクインしています。

シリマン大学は国際交流も盛んですが、その中で特徴的な活動について解説します。

1.国際学術連携:アジア、アメリカ、ヨーロッパの大学との共同研究や教員・学生交流を行っています。

2.学生交換プログラム:日本では国際基督教大学、フェリス女学院大学、四国学院大学との長期交換留学制度が確立されています。

3.国際的認知:アジアキリスト教大学・カレッジ協会(ACUCA)の創設メンバーであり、米国退役軍人管理局の承認教育機関リストにも記載されています。

4.国際交流活動:毎学期約300人もの留学生を迎え、国際色豊かな環境を提供しています。

教育プログラムの特徴

シリマン大学の教育プログラムは、理論と実践を組み合わせたアプローチが特徴的です。各学部では、専門知識を深めるだけでなく、実地経験やインターンシップを通じて社会的なスキルを養うことも重視されています。

教員陣は経験豊富で多様性に富んでおり、学生の個々のニーズに応じたサポートを提供しています。シリマン大学のプログラムは、学生が興味を持つ専門分野における深い理解を促進させ、キャリアに直結するスキルを身につけるための支援を行っています。

シリマン大学の学費と留学費用の目安

学費や生活費は、選択する学部・学科、個人のライフスタイル、為替レートなどによって大きく変動するため、あくまで目安として理解してください。最新かつ正確な情報は、必ずシリマン大学の公式サイトや担当部署(International Student Officeなど)に直接確認するようにしましょう。

学費

1.授業料 (Tuition Fee)

シリマン大学の授業料は、履修する単位数(ユニット数)に基づいて計算されることが一般的です。学部や学科によって1ユニットあたりの費用は異なります。

・目安

一般的な学部の場合、1学期あたり PHP 40,000 〜 PHP 80,000 程度(諸経費込み)を見込むことが多いようです。ただし、医学部、法学部などの専門職大学院はこれより高額になります。

・日本円換算 (1 PHP = 2.7円で計算した場合)

1学期あたり 約 108,000円 〜 216,000円

2.諸経費 (Miscellaneous Fees)

授業料とは別に、図書館利用料、実験費、学生会費などの諸経費が必要です。上記の目安にはこれらが含まれている場合が多いですが、内訳は確認が必要です。

3.留学生費用 (Foreign Student Fee)

留学生には別途、留学生費用が課されるのが一般的です。

・目安

1学期あたり PHP 7,000 〜 PHP 10,000 程度

・日本円換算 (1 PHP = 2.7円で計算した場合)

1学期あたり 約 19,000円 〜 27,000円

年間の学費目安 (2学期制の場合)

PHP 94,000 〜 PHP 180,000 程度で、日本円に換算すると約 254,000円 〜 486,000円

※注意: これは一般的な学部の目安であり、専門性の高い学部や大学院はさらに高くなる可能性があります。

留学費用 (その他の費用)

1.滞在費 (Accommodation)

■大学寮 (Dormitory)

大学の寮は比較的安価ですが、空き状況やルール(門限など)を確認する必要があります。費用は部屋のタイプ(1人部屋、複数人部屋)や設備によって異なります。

・目安: 月額 PHP 3,000 〜 PHP 8,000 程度

・日本円換算: 月額 約 8,100円 〜 21,600円

■学外アパート・下宿 (Off-campus Housing)

より自由度が高いですが、費用は立地や設備によって大きく異なります。

・目安: 月額 PHP 5,000 〜 PHP 15,000 以上

・日本円換算: 月額 約 13,500円 〜 40,500円以上

2.生活費 (Living Expenses)

食費、交通費、通信費、書籍代、娯楽費などです。ドゥマゲッティ市はマニラなどの大都市に比べると物価が安い傾向にありますが、個人の生活水準によって大きく変わります。

・目安: 月額 PHP 10,000 〜 PHP 20,000 程度

・日本円換算: 月額 約 27,000円 〜 54,000円

3.航空券 (Flights)

日本とドゥマゲッティ間の往復航空券代。時期や航空会社、経由便か直行便(ドゥマゲッティへの直行便は少ないため、マニラやセブ経由が一般的)かによって変動します。

・目安: 往復 80,000円 〜 150,000円程度(エコノミークラス)

4.ビザ関連費用 (Visa Fees)

学生ビザ(9f)の申請・更新費用、ACR I-Card(外国人登録証)の費用などが必要です。

・目安: 初年度 PHP 10,000 〜 15,000程度 + 年次更新費用

・日本円換算: 約 27,000円 〜 40,500円程度 + 年次更新費用

5.海外旅行保険 (Insurance)

留学期間をカバーする保険への加入は必須です。補償内容によって費用は異なります。

・目安: 年間 100,000円 〜 200,000円程度

6.その他

渡航前の準備費用(パスポート申請、健康診断など)、現地での初期費用(デポジット、生活用品の購入など)も考慮に入れる必要があります。

年間の総費用目安 (概算)

上記の目安を合計すると、年間の総費用は非常に幅がありますが、約90万円 〜 200万円程度 が一つの目安になると考えられます。

・学費: 約 25万円 〜 49万円

・滞在費: 約 10万円 〜 49万円

・生活費: 約 32万円 〜 65万円

・航空券・ビザ・保険など: 約 21万円 〜 40万円

ドゥマゲッティでの留学生活

街の雰囲気

・大学都市

ドゥマゲッティはシリマン大学をはじめ複数の大学が集まる学術都市です。そのため、街全体が若々しく、落ち着いた雰囲気に包まれています。

・穏やかな人々

「優しい人々の街 (City of Gentle People)」という愛称で知られており、地元の人々は外国人に対してもフレンドリーで親切なことが多いです。

・リラックスした環境

マニラやセブのような大都市の喧騒とは異なり、比較的のんびりとした時間が流れています。海沿いのリサール・ブルバード(Rizal Boulevard)は、夕方になると散歩やジョギング、食事を楽しむ人々で賑わいます。

治安

・比較的安全

フィリピンの中では比較的治安が良いとされています。ただし、日本とは異なるため、油断は禁物です。

・注意点

スリや置き引きなどの軽犯罪には注意が必要です。夜間の単独行動、人通りの少ない場所への立ち入りは避ける、貴重品は目立たないようにするなどの基本的な安全対策は必ず行ってください。

・情報収集

日本の外務省が提供する海外安全情報(「外務省 海外安全ホームページ」で確認できます)などで、最新の情報を確認することをお勧めします。

気候

年間を通して高温多湿です。乾季(12月〜5月頃)と雨季(6月〜11月頃)がありますが、雨季でも一日中雨が降り続くことは稀です。ただし、スコールに備えて折りたたみ傘を準備しておくことをおすすめします。服装は基本的に夏服で過ごすことができます。

週末や休日の過ごし方

・自然環境: 周辺には美しい自然スポットがたくさんあります。

・アポ島 (Apo Island): ウミガメと泳げることで有名なダイビング・シュノーケリングスポット。

・バリンサヤオ湖 (Twin Lakes of Balinsasayao): 美しい山の上の湖。

・カサロロ滝 (Casaroro Falls) / プランバト滝 (Pulangbato Falls): 迫力のある滝。

・近隣の島々: 船でシキホール島やセブ島南部(オスロブのジンベイザメなど)へもアクセスしやすいです。

・市内: リサール・ブルバードの散策、カフェ巡り、ショッピングモール(ロビンソンズ・プレイスなど)での買い物などが楽しめます。

まとめ

シリマン大学は、フィリピンの高等教育における先駆的存在であり、かつ国際的にも認められた研究機関でもあります。

質の高い教育や美しいキャンパス、国際的な環境は、多くの学生や研究者にとって非常に魅力的なものです。ぜひシリマン大学への留学を通して、デゥマゲッティ生活を満喫してみてはいかがでしょうか。

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