フィリピンの民族衣装「バロンタガログ」「バロ」「テルノ」とは?それぞれの特徴をご紹介!

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フィリピンには長い歴史と文化が息づいており、その伝統衣装も独自の美しさと特徴を持っています。

バロンタガログは男性の正装として、バロやテルノは女性の正装として、今もなお文化的シンボルとして親しまれています。

これらの衣装は、フィリピンの気候や文化、歴史を反映した独特のデザインになっており、特別な行事や公式の場で着用されています。

ここでは、これらの民族衣装の特徴や購入方法などをご紹介します。

フィリピンの民族衣装:バロンタガログ

バロンタガログは、フィリピン男性が公式行事やセレモニーで着用する代表的な正装です。この衣装は長い歴史を持ち、フィリピンのアイデンティティを象徴する文化遺産となっています。

バロンタガログの見た目は、透け感のある繊細な布地が特徴的で、襟元や胸元に施された刺繍が美しさを引き立てています。

色は主に白やクリーム色などの明るい色調が用いられ、着用時は中に肌着を着て、ズボンや革靴と組み合わせるのが一般的です。

国家行事や結婚式、重要なビジネスミーティングなど、正式な場で目にすることが多いでしょう。

これらは熱帯気候に適した通気性の良さを持ち、見た目の美しさはさることながら、着心地がよいことも特徴です。

高級品には手作業で丁寧に織られた生地が使われ、その品質は着る人の社会的立場を表すこともあります。

現代では入手しやすいシルクやポリエステル混紡なども使われていますが、格式高い場面では今も伝統素材が重宝されています。

胸元の「ペチェラ」と呼ばれる部分には、植物や幾何学模様を取り入れた繊細な刺繍が施されることが多く、その複雑さと精密さは職人技の結晶です。

フィリピンの民族衣装:バロ、テルノ

次に、バロとテルノについて見ていきましょう。これらはどちらも女性の民族衣装です。

バロのデザインと特徴

バロは、フィリピン女性が身につける伝統衣装で、別名「バロ・スヤ」とも呼ばれます。

この衣装は、上半身を覆うブラウス部分(カミサ)下半身を包む長いスカート(サヤ)の2パーツがあります。

カミサ部分には光を通す繊細な素材が使われることが多く、高級品にはパイナップル繊維や様々な植物から採れる天然素材が用いられます。

明るく鮮やかな色彩が好まれ、花や葉などの自然モチーフを取り入れた刺繍や、繊細なレース飾りが施されるのが特徴です。

バロの特色として、背中部分が大きく開いたデザインが多いことが挙げられます。これは暑い気候の中でも快適に過ごせるよう工夫されたものです。

祝祭日や儀式など特別な日に着用されることが多く、着る人の女性らしさと優雅さを引き立てます。

テルノのデザインと特徴

テルノも女性の伝統衣装で、独創的なデザインは一目見れば記憶に残るほど印象的です。

最も目を引く特徴は、肩から広がる蝶の羽のような形状の袖(バタフライスリーブ)で、この独特のシルエットがテルノならではの優雅さを生み出しています。

テルノは通常、体の線に沿った長袖のブラウスと、足首まで届く長いスカートで構成されています。

テルノは国家的な式典や重要な社交の場で着用されることが多く、フィリピン内外を問わずフィリピン文化を象徴する衣装として広く認知されています。

フィリピンの民族衣装はどこで購入できる?

フィリピン民族衣装を本場で手に入れたい場合、都市部の伝統市場や専門店を訪れるのが一番です。

特にマニラの「クィアポ地区」には、様々な種類の民族衣装を取り扱う店が集まっており、地元の人々にも観光客にも人気があります。

ただし、質の高い伝統衣装は決して安くはありません。

素材の品質や刺繍の複雑さ、職人の技術によって価格は大きく変動するため、あらかじめ予算を考えておくことをおすすめします。

日本など海外からフィリピンの民族衣装を入手したい場合は、主に2つの方法があります。

まず考えられるのは、インターネットショッピングです。

「Etsy」「eBay」などのグローバルマーケットプレイスでは、様々なデザインや価格帯のフィリピン民族衣装が出品されています。

購入前には、サイズ表記や素材の説明、色合いなどをよく確認しましょう。

もう一つの方法は、お住まいの地域にあるフィリピン人コミュニティやフィリピン関連イベントを探すことです。

多くの都市には在住フィリピン人のコミュニティがあり、文化イベントやフェスティバルの際に民族衣装の販売が行われることもあります。

どちらの方法でも、現地の方から直接買うことができれば、衣装にまつわる話やアドバイスも聞けるかもしれません。

なお、購入後は着用前に必ず洗濯し、取扱説明に従ってケアすることをお忘れなく。

フィリピンの民族衣装の素材

では、フィリピンの伝統衣装の素材に焦点を当ててみましょう。日本では馴染みのない素材ですが、そこにも文化を感じられて興味深いものです。

Organza(オーガンザ)

オーガンザは比較的手頃な価格で入手できる素材です。

年に数回しか着用しない方や、思い出として持ち帰りたい観光客の方に向いています。

シルクとポリエステルを混ぜて作られているため、本格的な伝統素材よりもお手入れが簡単な点も魅力です。

Jusi(フーシ)

フーシは民族衣装に広く使われている人気の素材で、価格帯としては中間に位置し、およそ8,000〜10,000円ほどです。

シルク系の素材で肌触りが良く、オーガンザより上質な風合いを持っています。

Pina(ピーニャ)

ピーニャはフィリピン伝統衣装の最高級素材として知られ、パイナップルの葉から抽出した繊維で丹念に織り上げられます。

熟練した職人による伝統的な刺繍が施されることが多く、その複雑な工程と希少性から高価格で取引されています。

独特の光沢と極上の手触りが特徴で、値段は数百ドルから数千ドルまでと幅広く、特別な記念日のための贅沢な一着として選ばれることが多いようです。

フィリピンの地域ごとの民族衣装

フィリピンの民族衣装は、地域ごとに異なるものもあります。それぞれの特色を感じられるので、現地でチェックして周るのも楽しそうです。

ルソン島の民族衣装

ルソン島はフィリピン最大の島で、多くの民族グループが暮らしており、それぞれが独自の衣装文化を持っています。

例えば、イゴロット族の衣装は色鮮やかな手織り生地が特徴的です。

男性は「ワヌス」という腰布を、女性は「タピス」という巻きスカートを身に付けます。

自然との調和を重んじるイゴロット族の衣装は、植物から採れた染料で彩られた美しい色使いが魅力です。

祭りや儀式の際には、頭飾りや様々な装飾品も加わり、一層華やかな姿になります。

イフガオ族も手織りの布地を使った鮮やかな衣装で知られています。

伝統的な刺繍技法やビーズ飾りが施され、特に祭事や儀式で着用されます。

彼らの衣装は稲作文化と深い関わりがあり、収穫祭などでは特別なデザインの衣装が用意されます。

織物のパターンには自然界の要素や神話的モチーフが取り入れられているのも特色です。

カリンガ族の衣装は、精巧な手織り布と複雑な模様が魅力です。

男性は「バダ」という上着を、女性は「リンガス」というスカートを着用するのが一般的です。

彼らの衣装に見られる特定の模様や色使いは、その人が属する家族や氏族を表すサインとなっています。

タグバヌア族の衣装は、シンプルながらも美しさが際立つデザインが特徴です。

自然素材を使った装飾や織りの技法が見られ、日常生活や特別な行事の両方で着用します。木材や植物繊維を活かした衣装作りは、自然と共生する彼らの生活観を表しています。

ミンダナオ島の民族衣装

ミンダナオ島には多くの少数民族が暮らしており、それぞれが独自の文化的アイデンティティを持った衣装を伝承しています。

マラナオ族の衣装は、豪華な刺繍と色鮮やかなビーズ装飾が特徴です。

男性向けの「マラナオシャツ」と女性向けの「マラナオドレス」があり、重要な行事や儀式で着用します。

イスラム文化の影響を受けたマラナオ族の衣装には、幾何学的な模様や金糸による刺繍が施されることが多いです。

タウスグ族の衣装は、鮮やかな色づかいと他にはない個性的なデザインが魅力です。

男性は「バトジャウ」、女性は「サヤ」と呼ばれる衣装を身に付けます。

海に囲まれた環境で育まれた彼らの海洋文化は、衣装のデザインにも反映されています。

海や魚、舟などのモチーフが取り入れられたデザインは、タウスグ族のアイデンティティを表現する重要な要素となっています。

フィリピンのドレスコード

フォーマルな場面では、男性はバロンタガログやダークカラーのスーツ、タキシードを着用します。

女性はイブニングドレスやカクテルドレス、日本人であれば、振袖や留袖も良いでしょう。

セミフォーマルな場ではややカジュアルさを取り入れた装いが一般的で、男性はバロンタガログか硬すぎないスーツ女性は堅苦しくないドレスやワンピースが好まれます。

スマートカジュアルの場合、男性はジャケットとネクタイの組み合わせ、女性はビジネススーツなどが適しています。

ビジネスシーンでは、男性はバロンタガログかスーツにネクタイ女性もビジネススーツなどフォーマルな印象の服装で、現代的です。

日常のカジュアルな場面では、男性は襟付きシャツやショートパンツ、ジーンズなどが一般的で、女性は襟なしトップスやタンクトップ、スカート、短パンなど、くつろいだ服装を着ている人が多いです。

まとめ

フィリピンの民族衣装は、その国の豊かな歴史と文化の結晶と言えます。

バロンタガログ、バロ、テルノといった伝統衣装は服以上の意味を持ち、着る人のアイデンティティや社会での立場、そして大切にする価値観を表現しています。

地域や民族によって異なる特色を持つこれらの衣装は、今もフィリピンの人々の誇りであり続けています。

機会があれば、そんな伝統の一端に触れてみてはいかがでしょうか。

 

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