フィリピンに電車はある?主な種類から電車の乗り方、あると便利なアプリまで!

フィリピンといえば、カラフルなジプニー、バイクを改造したトライシクルなど独特の乗り物がよく知られています。

でも実は、首都マニラを中心に電車も走っているんです!特に渋滞が深刻なマニラでは、電車が重要な移動手段となっています。

今回は、フィリピンの電車事情から乗り方、あわせて使うと便利なアプリまで詳しくご紹介します。

フィリピンの交通事情

フィリピンの都市部、特にマニラやセブでは交通渋滞が問題となっています。通勤・通学のラッシュ時には数キロの距離を移動するのに数時間かかることも珍しくありません。

このような状況から、マニラでは鉄道網の整備が進められており、主にLRT(Light Rail Transit)MRT(Metro Rail Transit)PNR(Philippine National Railways)の3種類の路線が運行しています。これらはメトロ・マニラ(首都圏)内の移動や郊外との行き来に使われています。

一方、フィリピン全土で見ると鉄道網はまだ限られており、多くの地方ではジプニーバストライシクルといった道路交通が主な移動手段です。観光地として人気のセブ島やボラカイ島などには鉄道はなく、タクシーバンなどを利用することになります。

フィリピンの主な電車

マニラの電車網には、メトロ・マニラ(首都圏)内を結ぶLRTとMRTの路線と、郊外へ延びるPNRの路線があります。多くの地元住民は最寄り駅まで電車で移動し、そこからジプニーに乗り換えて職場や学校へ向かうという使い方をしています。

LRT・Line-1

LRT・Line-1は、メトロ・マニラを南北に縦断する路線です。パラニャーケ市のBaclaran駅とケソン市のRoosevelt駅を結び、合計20の駅があります。この路線はDoroteo Jose駅でLRT Line-2のRecto駅と、EDSA駅でMRT Line-3のTaft Avenue駅とそれぞれ乗り換えが可能です。

LRT・Line-2

LRT・Line-2はメトロ・マニラを東西に横断する路線です。マニラ市のRecto駅からパシグ市のSantolan駅までを結び、全11駅あります。Recto駅ではLRT Line-1のDoroteo Jose駅と、Cubao駅ではMRT Line-3のAraneta Center Cubao駅との乗り換えが便利です。

MRT・Line-3

メトロ・マニラの主要道路であるEDSA通りに沿って走る路線です。パサイ市のTaft Avenue駅からケソン市のNorth Avenue駅まで、全13駅を結んでいます。

マカティ市やマンダルヨン市(オルティガス)のビジネス地区を通るため、特に混雑が激しい路線として知られています。Taft駅ではLRT Line-1のEDSA駅と、Araneta Center Cubao駅ではLRT Line-2のCubao駅との乗り換えが可能です。

フィリピンでの電車の乗り方

海外で電車に乗るなら、あらかじめその方法をインプットしておくと安心です。フィリピンで電車に乗るなら、乗車券の買い方からチェックしておきましょう。

乗車券の購入

乗車券には、1回券とチャージ式チケットの2種類があります。

1回券(Single Journey Ticket)の場合は、窓口で行き先を伝え、カード式の「Single Journey Ticket」を購入します。

チャージ式チケット(BEEP Card)の場合は、各駅でStored Value Card(通称BEEP Card)が購入できます。フィリピンではチャージすることを「Load(ロード)」と呼びます。

チャージは駅のほか、街中のローディングステーションやコンビニでも行えます。一部のバスでも使えるため、大きなバスチケット売り場でもチャージができます。

改札前の荷物チェック

改札に入る前に荷物検査があります。危険物の持ち込みは禁止されていますが、日常的な持ち物で止められることはほとんどないでしょう。

一部の駅では反対側のホームへの移動が難しい構造になっていることがあるため、改札に入る前に目的の方向へ向かうホームかどうか確認しましょう。

乗車

ホームには乗車口の位置目安が表示されているので、そこに並んで待ちます。電車が到着したら乗り込みましょう。混雑時間帯にはロープで列が区切られることがあります。自分の前でロープが区切られた場合は、次の電車を待つ必要があります。

下車

駅の数を数えるか、ホームの看板を見て目的地を確認し下車します。車内アナウンスもありますが、混雑時には聞こえづらいため、窓から外の駅名表示を確認するといいでしょう。

フィリピンで電車を利用する際の注意点

フィリピンの電車を利用する際は、いくつか注意が必要です。まず最も意識しておきたいのは、ラッシュアワー時の混雑です。

平日の朝7時~9時と夕方5時~7時頃は特に混雑が激しく、車内に乗れない場合もあります。急ぎの予定がある場合は、余裕を持って行動するか、別の交通手段を検討しましょう。

駅の設備面では、エレベーターやエスカレーターがない駅も多いため、大きな荷物を持っている場合や移動に制限がある方は事前に駅の情報を確認するといいでしょう。

言語面では、駅名や案内表示は英語現地語(タガログ語)の両方で表記されているので、英語ができれば困ることは少ないでしょう。ただし、アナウンスは現地語中心のこともあります。

フィリピンでの移動に便利なアプリ

ネットも普及してきたフィリピンでは、アプリを使って移動を楽にする方法もあります。どんな風に使うのか以下で確認してみましょう。

Waze(ウェイズ)

Wazeはリアルタイムで交通情報を共有するアプリです。渋滞が激しいマニラやセブでの生活には欠かせない交通系アプリとなっています。
主な機能には以下があります。

・渋滞を回避するナビゲーション
・渋滞している道路の表示
・目的地までの所要時間予測

地図上にはWazeを起動している車が表示され、赤いラインが渋滞箇所を示します。週末はまだましですが、平日はかなりの渋滞が発生します。

Grab(グラブ)

Grabは現在地に車を呼び、目的地まで送迎してくれる配車アプリです。
特徴として以下があります。

・ドライバーの顔や名前、乗車記録が残る
・評価システムによる品質管理
・建物名や地図で目的地指定が可能
・乗車前に料金がわかる
・キャッシュレス決済でチップ不要

一般のタクシーより安全に利用できるとして、フィリピンの重要なインフラになりつつあります。
サービスの種類は以下の通りです。

・Grab Car:一般車両
・Grab Share:近距離の相乗り(2020年8月現在休止中)
・Grab Taxi:タクシー配車

利用するごとにReward(ポイント)がたまり、日常生活で活用できます。現在は配車サービスだけでなく、携帯料金の購入、送金サービス、フードデリバリーなど多機能化が進んでいます。

Sakay.ph(サカイ)

Sakay.phはマニラの公共交通機関(バス・ジプニー・電車・UVエクスプレスなど)の経路と所要時間を教えてくれるアプリです。

日本のナビタイムのように、乗り場までの案内やどのジプニーに乗ればいいかなどを表示してくれるサービスです。例えば、あるルートを検索するとカラヤン通りまで歩いてジプニーを捕まえると乗り換えなしで到着できるといった情報が表示されます。

普段と異なるルートで移動する必要がある場合に便利ですが、現時点ではメトロ・マニラの一部地域のみの対応となっています。

おまけ:電車以外のフィリピンの乗り物

では、ここからはフィリピンの電車以外の移動手段について考えてみましょう。

ジプニー

フィリピンや東南アジアで定番の乗り物がジプニーです。ジープを改造した小型バスで、決まった区間を往復しています。区間内であれば好きな場所で乗り降りができます。

ジプニーに乗るときは、タクシーと同様に手を上げると停車してくれるので、後ろから乗り込みます。特徴的なのは、乗車後すぐに料金を支払うシステムです。料金体系も独特で、一定範囲内ならどこで降りても同一料金となります。

料金の受け渡しも特徴的で、運転手から遠い席に座った場合は、隣の乗客にお金を渡してリレー式に運転手へ届けます。お釣りも同様にリレーで戻ってきます。降りたいときは天井を2回叩くと合図になり、運転手がスピードを落として停車してくれます。

トライシクル

ジプニーがジープ改造型なのに対し、トライシクルはバイクを改造した乗り物です。バイクのサイドカーのような部分に乗り込みます。

乗り方はジプニー同様、道端で手を上げると停車します。乗車したら、振り落とされないようポールなどにしっかりつかまっておきましょう。

ジプニーと異なり、料金は一定ではなく距離に応じて変わります。メーターがないため、トラブル防止のために事前に料金交渉が必要です。人数や距離、運転手によって料金は変動します。

タクシー

ジプニーやトライシクルより料金は高いものの、日本のタクシーと比べれば非常にリーズナブルです。乗車方法は日本と同じく、手を上げて停車させてから乗り込みます

料金はメーター制で走行距離に応じて支払いますが、乗車したらまず運転手がメーターを起動したか確認しましょう。最近では配車アプリのGrabがフィリピンで人気です。Grabタクシーなら事前に料金が決まっているため、料金交渉や不当請求の心配がありません。

まとめ

フィリピンには電車が運行していますが、まだ限られた地域のみです。マニラではLRT、MRT、PNRの3種類が利用可能で、渋滞が激しい都市部では貴重な移動手段となっています。

電車の乗り方は基本的に日本と似ていますが、荷物検査があるなど異なる点もあります。電車だけでなく、ジプニーやトライシクル、タクシーなど様々な交通手段を状況に応じて使い分けてみましょう。

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