ネイティブキャンプのコラムをご覧の皆さん、こんにちは!今回のネイティブキャンプのコラムは、特に海外生活や海外の文化、日本語以外の言語に興味のある方必見の内容になっています。
英語をはじめとした外国語を学ぶ上で、その国の文化や伝統に興味を持って調べてみたり、実際にその文化を体験してみたりすることはとても大切ですよね。
特に、その言語を学び続けるためのモチベーション向上に役に立ちます。
そこで今回特集していくのはズバリ、
「メキシコのダンス」についてです!アメリカ合衆国と中米の真ん中に位置するメキシコは、音楽の国と言っていいほど街中に歌やダンスが溢れています。
そんなメキシコの様々な伝統舞踊について、今回は紐解いていきたいと思います。
メキシコに行ったことがない方やあまり馴染みがない人のために、まずはメキシコの位置や公用語、気候や有名な観光地、食文化などの基本情報から確認していきましょう。
- メキシコの基本情報
- メキシコの主な伝統舞踊・ダンス:サルサ
- メキシコの主な伝統舞踊:ハラベ・タパティオ
- メキシコの主な伝統舞踊:ラ・バンバ
- メキシコの主な伝統舞踊:老人の踊り
- メキシコの主な伝統舞踊:コンチェロスの踊り
- まとめ
メキシコの基本情報
皆さんはメキシコと聞くと、何を思い浮かべますか?
筆者の場合、大好きなメキシコ料理の「タコス」や「トルティーヤ」、「ケサディーヤ」などの食文化や、日本でいうお盆にあたるお祭りで、町中の人が顔や体にガイコツのペインティングをしてご先祖様をお迎えする「Día de mueerto(死者の日)」を思い浮かべます。
筆者は個人的にメキシコの伝統的な文化や歴史が大好きなのですが、それでもまだまだ知らないことがたくさんあります。
まずは、メキシコという国の基本的な情報から学んでいきましょう。
・国名:メキシコ合衆国
・首都:メキシコシティ
・日本との時差:3つの時差がある
①中部標準時 -15時間
②山岳地帯標準時 -16時間
③太平洋標準時 -17時間
・使用言語:スペイン語(公用語)、英語
・通貨:メキシコペソ
・チップ:レストラン 10~15%
ホテル 1~2米ドル
タクシー 不要
・気候:熱帯に属していても北部の地域は乾燥していて、南部と東部は高温多湿である
参考資料:メキシコの基本情報 | クラブツーリズム
それではここからは、以下のメキシコの主な伝統舞踊5つについて詳しく紹介していきたいと思います。
1.サルサ
2.ハラベ・タパティオ
3.ラ・バンバ
4.老人の踊り
5.コンチェロスの踊り
メキシコの主な伝統舞踊・ダンス:サルサ
メキシコに興味のある方や世界の舞踊やダンス、音楽に詳しい方であれば「サルサ」を聞いたことがあるのではないでしょうか。
やはり、メキシコのダンスで最も有名なのがサルサでしょう。
サルサの歴史
20世紀の初め頃である1930年代にその原型が生まれたと言われています。
最初はキューバの酒場などで演奏されていた音楽と言われています。
これは「ソン」と呼ばれるジャンルの音楽でした。
キューバの演奏家たちが出稼ぎのためにニューヨークへ移民として移住し、ソンを演奏したところ、これが大ヒットとなるのです。
ソンをはじめとしたキューバやプエルトリコの音楽に、アメリカですでに人気となっていたジャズの要素が加わります。
この音楽がどんどんと洗練されていき、最終的に「サルサ」というジャンルが1970年代にでき上がりました (意外と最近ですよね)。
当時アメリカや南米はもちろんのこと、ヨーロッパやニュージーランドにもサルサは広まっていき、日本にもその流行がやってきました。
実は、サルサは黒人の奴隷文化にルーツがあります。
サルサの原型の音楽が生まれたキューバやプエルトリコは、長い間スペインの植民地でした。
スペインは西アフリカの国々から多くの黒人を奴隷としてキューバやプエルトリコに送っていたのです。
その黒人たちがアフリカの現地で演奏していた土着の音楽をキューバやプエルトリコで演奏し、それが広まったことでサルサの原型が出来上がったと言われています。
奴隷として賃金もなしに過酷な状況で働かされる奴隷たちにとって、音楽やダンスは唯一の娯楽でした。
サルサは、音楽に合わせて踊ることで悲しいことや辛いことを忘れて奴隷たちが心を癒す手段だったのです。
踊る時は感情を表に出すため、力強い生命力が感じられます。
また、サルサのダンスの基本ステップは腰をくねって地面を這うように踏みます。
このステップは、奴隷たちが当時足に重い輪をかけられた状態でサルサを踊っていた名残だとも言われています。
参考資料:サルサの歴史、奴隷が始めたダンスだった? | サルサビト
ちなみに、メキシコに旅行に行かれる方や、留学される方は、サルサのダンスを少しでも踊れるようにしておくと、現地の方との交流の際にグッと距離が近くなると思います。
それほど、サルサはメキシコ人たちの日常に溶け込んだダンスなのです。
メキシコではサルサをはじめとしたダンスを金曜の夜や休日はもちろんのこと、平日の夜から社交の場で踊る人がたくさんいます。
休日にはパーティーやバーで当たり前に目にする光景です。
サルサは、実はメキシコだけではなくその他の南米の国々でも踊られているリズムですが、地域によって踊り方が異なります。
そのほかにもキューバスタイルやコロンビアスタイルでも人気の高いダンスです。
日本でダンスを踊る時って、「人に見せる物」や「人に披露して楽しんでもらう物」というイメージが強いと思いませんか?
しかし、メキシコではダンスをすることは「踊っている自分自身が楽しむこと」です。
他人の目線を気にすることをやめて、とにかくサルサのリズムに身を委ね、上手下手が気にしないことが鉄則です!
メキシコ人であっても、全員がサルサのダンスを上手く踊っているわけではありません。
もちろんリズムについていけていない人だっています。
それでもとにかくサルサを楽しんでいるのです。
メキシコの主な伝統舞踊:ハラベ・タパティオ
続いて紹介するのは「ハラベ・タパティオ」というダンスです。
このダンスの起源はメキシコのハリスコ州にあると言われています。
ハラベ・タパティオの主な特徴は、マリアッチという音楽に合わせて男女がペアで踊ることです。
男性が女性へ求愛をする場面を表現したダンスで、意中にある女性の心を射止めるために足踏みしながら踊ります。
そのメロディーはメキシコの様々な地域発祥の音楽で構成されています。
男性が足踏みをしながらステップを踏む傍ら、女性は原色でできたカラフルなロングスカートを翻しつつ踊ります。
ハラベ・タパティオで着る衣装はとっても美しいです。
女性はハイヒールを履いて、髪型は三つ編みをしてカラフルなサテンのリボンで編み込みます。
耳にはとても大きな円形のイヤリングをつけます。
男性は民族衣装であるチャロを着て、白いシャツにメキシコのカラーである赤の大きな蝶ネクタイを身につけます。
足元は伝統的なブーツを履き、頭にはツバの大きい「ソンブレロ(スペイン語で帽子)」をかぶります。
ハラベ・タパティオはメキシコの伝統舞踊の一つとみなされていて、アイデンティティの象徴です。
参考資料:メキシコの民族舞踊 - ココ、メキシコ
メキシコの主な伝統舞踊:ラ・バンバ
ラ・バンバと呼ばれる民族舞踊はベラクルス州を起源としています。
ベラクルス州独特の「ハチョロ」と呼ばれる音色のリズムを持ち、足踏みのステップとフラメンコが混ざった踊りです。
使われている楽器はハープ、ギター、マリンバ、フルート、打楽器です。
通常は男女のペアで踊りますが、地域によっては二組以上のペアが木製の台の上で踊ります。
衣装についての特徴を解説します。
女性は白色のレースで作られた幅の広いロングスカートと肩のでたブラウスを身につけ、腰には原色のカラフルな刺繍を施した黒色の前掛けをつけます。
髪型は三つ編みをした上でシニヨンにし、そこに色とりどりの花を飾り付けます。
赤いショール、イヤリング、人目を惹く大きなモチーフのネックレスをアクセサリーとしてつけます。
男性は真っ白のズボンにグアジャベラという白のシャツ、そして首には赤いバンダナを巻きます。
足元は伝統的なブーツ、頭には真っ白のソンブレロをかぶります。
参考資料:メキシコの民族舞踊 - ココ、メキシコ
メキシコの主な伝統舞踊:老人の踊り
「老人の踊り」という独特な名前の踊りは、ミチョアカン州という地域が起源とされています。
この踊りは男性のみで構成され、棒杖を持って背中を丸めた老人のような姿勢で列を作り歩きます。
バイオリンとギターで奏でるミチョアカン州を起源とする「プレペチャ音楽」のリズムに合わせて愉快な楽しい音楽を披露します。
衣装は、白い木綿でできたマンタと呼ばれるシャツとズボンを着て、サラぺと呼ばれる原色のカラフルな織物を羽織ります。
底が木でできた草履を履いて、ステップを踏んだ時に音が鳴るように工夫されています。
頭にはバンダナを巻いて、カラフルなサテンでできたリボンで飾り付けられたソンブレロをかぶり、最後に「老人の面」という伝統的なお面をかぶります。
「老人の踊り」はミチョアカン州の人々にとって、アイデンティティとされています。
この舞踊はプレペチェ族という原住民を代表したのもであるためです。
クリスマス、新年、2/2のカンデレリアという祝日にこの踊りが披露されます。
参考資料:メキシコの民族舞踊 - ココ、メキシコ
メキシコの主な伝統舞踊:コンチェロスの踊り
最後に紹介するのは、メキシコ州、ケレタロ州を起源とする「コンチェロスの踊り」です。
メキシコで最も人気が高く、華やかで賑やかな踊りです。
スペインに征服される以前、当時メキシコで栄えていたアステカ文明を築いたアステカ民族はこの舞踊を習慣にしていて、神々やの感謝と畏敬の意を表す宗教儀式で踊られる舞踊だったと言われています。
男女のグループがターンしながらステップを踏む踊りで、伝統的な笛やアルマジロの甲羅でできたギターが奏でられるアステカ先住民のリズムに合わせて円や十字架の形で踊り続けます。
女性はウィピルと呼ばれるカラフルな原色を使った衣装を身につけます。
男性は動物の皮や、さまざまな模様をした褌を身につけ、ケツァール、コンゴウィンコ、四方八方に広がるダチョウの羽を飾ったペナチョなどと呼ばれる頭飾りを被ります。
とても大きな頭飾りで、迫力があります。
男女ともに、手首にブレスレットをつけ、足には草鞋を身につけます。
そして右手にガラガラを持ち、足首には鈴をつけるのが伝統とされます。
足を動かすと蛇の音を表した美しい音色が響くのです。
現在ではカトリック教の神様を祀る宗教儀式などで踊りが披露されることが多いそうです。
参考資料:メキシコの民族舞踊 - ココ、メキシコ
まとめ
このコラムではここまで、世界中から観光客や留学生が訪れるメキシコの伝統舞踊について特集してきました。
いかがでしたでしょうか?
メキシコの公用語は、長い間スペインに植民地化されていた歴史的背景からスペイン語です。
ただし、メキシコは地理的にも歴史的にもアメリカとの距離が近く、公共の場で英語が通じることが多いため、スペイン語留学をする方におすすめの国となっています。
スペイン語を学ぶ際に、現地の文化である音楽、そしてダンスを知り、体験してみることは言語習得へのモチベーション向上やスペインやメキシコのリアルな生活を深く知るとても良い経験となることでしょう。
皆さんも今回紹介したメキシコの伝統舞踊をぜひ現地で目にしたり、実際に踊ってみてはいかがでしょうか。

出身地は静岡県の下田市です。実家の目の前にはエメラルドグリーンのビーチがひろがっています。小さい頃からスキンダイビングやボディーボードをして育ちました! フェリス女学院大学の英文科在学中にニュージーランドへ留学。そこで国際教育の重要さに気づき、横浜国立大学大学院教育学研究科へ進学。小学生の外国語教育の研究に携わる傍ら、アメリカからの留学生のチューター業務も経験。 修士課程修了後は、都内のインターナショナルプリスクールで5歳児クラスの担任を経験。外国人と日本人バイリンガルの2人体制でこどもたちと英語で探究学習を行う。日本語の授業も担当し、母語の大切さも伝えた。 現在は前職を退職し、英語を教えるだけでなく、国際交流•異文化交流の大切さをそだてるニュータイプのオンライン英会話をネイティブ講師とともに小学生に教えている。 ④ 趣味は洋楽をギターやピアノでカバーすること、ビーチでヨガ、サイクリング、ピアノ耳コピ、ダンス、犬と散歩。 夢は、英語をツールにして音楽やダンスや絵、スポーツなどの自分の得意なことを使って自分自身について表現し、世界の人と交流することを楽しいと思ってくれる子供達が増えるような「先生」そして「表現者」になること。 そしてもう一度大好きなニュージーランドにステキな家族、友人達と長期ステイすること!