「世界一忙しい空港」としてその名を知られる、ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港(ATL)は、年間1億人を超える利用客数を誇り、世界中の空路を結ぶ、とても大きなハブ空港です。
アトランタ空港内は、ショップやレストラン、ラウンジもあるのでチェックインや乗り継ぎの待機時間も退屈することなく過ごせます。
この記事では、広大な空港内で迷わないために、初めてアトランタ国際空港を利用する際に役立つ徹底攻略ガイドをお届けします。
アトランタ空港とは?ハーツフィールド・ジャクソン国際空港の概要
デルタ航空の本拠地、アトランタ国際空港が世界最大級のハブ空港に選ばれた理由
ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港(Hartsfield-Jackson Atlanta International Airport)は、アメリカ合衆国ジョージア州アトランタに位置する、世界屈指の巨大ハブ空港で空港コードはATLです。
「アトランタ(国際)空港」または「ハーツフィールド(国際)空港」「ATL空港」という通称でも広く知られています。
ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港は、国際空港評議会(ACI)が2024年4月に発表した「世界で最も忙しい空港トップ10」で、国内線・国際線の乗降客数部門で3年連続、航空機離発着数部門では4年連続で1位に輝き、世界最大規模の空港の名を不動のものにしました。
そんなアトランタ空港の歴史は古く、1925年にキャンドラーフィールド空港として開港し、その後アトランタ市営空港への改称を経て、現在のハーツフィールド・ジャクソン国際空港へと発展を遂げました。
アトランタ国際空港は、世界的な航空会社であるデルタ航空の主要拠点として機能しており、デルタ航空のネットワークを軸に、アメリカ国内の150を超える都市、アトランタ国際空港就航都市においては、ヨーロッパ、アジア、カリブ海地域、アフリカ、中南米など、世界各地の主要都市70以上と結ばれる、まさに世界への玄関口としての役割を担っています。
アトランタ国際空港発着の就航航空会社は、デルタ航空のほかに、ユナイテッド航空、ブリティッシュエアウェイズ、日本航空、KLMオランダ航空、エールフランス航空、ルフトハンザドイツ航空など、多くの航空会社がアトランタ国際空港と提携しています。
これほどまでに多くの人々が利用するアトランタ空港の駐車場は、徒歩でアクセスできる駐車場から、空港シャトルバスで結ばれている少し離れた格安料金の駐車場まで、アトランタ空港の国内線および国際線ターミナルの利用者を対象とした駐車場があります。
全米どこへ行くにも便利!2時間圏内のアクセス
アトランタ国際空港の大きな利点の一つは、その地理的な利便性です。
海外からの旅行者はもちろんのこと、多くはアメリカ国内からの国内線の利用者で、わずか2時間程度のフライトでアメリカ合衆国の人口約8割の移動をカバーできるといわれるほどの便の良さです。
さらに、アトランタ中心部からのアクセスも良好で、バスやタクシーの他に、マルタ(MARTA)と呼ばれる地下鉄が国内線ターミナルに乗り入れているため、日本からアトランタ空港到着後に市内への移動もスムーズです。
初めて利用する人にも安心!充実した施設とシンプルな導線のアトランタ国際空港
世界最大級の規模を誇るアトランタ国際空港ですが、その広大さを感じさせないシンプルな導線設計が魅力です。
初めて訪れる方でも迷わず移動でき、快適な旅のスタートを切ることができます。また、豊富なレストランやショップが充実しており、出発前の時間や乗り継ぎ時間を有効活用できます。
移動をスムーズに行なうためにも、時刻表、到着フロア、出発フロアなどの場所もしっかり把握しておきましょう。
また、空港内には300を超える店舗があり、ショッピングや食事など、さまざまなニーズに対応できる施設が充実しています。
さらに、アート展示や音楽パフォーマンスなども行われており、空港を訪れる人々を楽しませるイベントも豊富です。
ターミナルとコンコースの構造
アトランタ空港内の搭乗ゲートは、大きく分けて2つのターミナルと7つのコンコースで構成されています。
国際線の利用客数増加に伴い、コンコースEの東側にジャクソン国際線ターミナルおよびコンコースFが増設され、2012年5月に供用開始されました。
横長のコンコースが並び、各コンコースは地下トンネルで結ばれています。
地下では、ムービングウォーク(動く歩道)やプレイントレイン(Plane Train)と呼ばれるピープルムーバーで乗客を運んでいます。
【国内線ターミナル(コンコースT)】
アメリカ国内線を利用する旅客がメイン。北ターミナル、南ターミナルがある。
【ジャクソン国際線ターミナル(コンコースE、コンコースF)】
日本からの直行便も到着する、国際線専用のターミナルです。コンコースEは、国内線でも一部使用しています。
【7つのコンコースT、 A、B、C、D、E、F】
国内線ターミナル(コンコースT)と国際線ターミナル(コンコースE、F)、主にデルタ航空(コンコースA、B)とその他航空会社(コンコースC、D、E)が利用しています。
・日本からの旅行者へ
日本からアトランタへ渡航する場合、航空便は通常コンコースEまたはFに到着します。デルタ航空を利用すれば、羽田空港からの直行便が運航されており、スムーズな移動が可能です。
日本からの国際線ターミナルのコンコースEに到着し、入国審査や荷物の受け取りはコンコースFで行われ、国内線への乗り継ぎは、プレイン・トレインを利用して国内線ターミナルへ移動できます。
直行便を運行している航空会社や運行スケジュールは変更されることが多いので、特に海外航空券を探す際には、直近の情報をもとに購入手続きを進めてください。
最安値で航空券を入手するには、エクスペディア航空券やskyticket航空券の予約を検討してみるのもオススメです。
格安航空券を取り扱う各サイトにはお得なセット割などのサービスも充実しているので、渡航時期、アトランタ国際空港発着時刻、アメリカ国内航空券の購入、滞在ホテルの場所などの旅行プランを考えながら、最新情報をアップデートしておきましょう。
・ビジネス利用にも最適なハブ空港
アトランタ国際空港は、アメリカ国内に数多くの路線を展開しているため、ビジネス利用での乗り継ぎにも大変便利です。
・アトランタ国際空港を最大限に楽しむために
スムーズな移動のために、事前に利用する航空会社の到着・発着するコンコースを確認しておきましょう。
・プレイン・トレインの利用をマスター
空港内の各コンコースを移動する際は、「プレイン・トレイン」を利用するため、プレイン・トレインの運行表、航空会社の到着便時刻表などを事前にチェックしておくと便利です。
アトランタ空港のターミナル間の移動
アトランタ空港では、ターミナル間や各コンコース間の移動手段として主にプレイン・トレインと呼ばれる地下鉄と、ムービングウォーク(動く歩道)が利用されています。
「プレイン・トレイン」は、ATL独自の無料で利用できる空港メトロシステムです。各ターミナルとコンコース間を結ぶ列車で構成されています。
おおよそ2分ごとに到着し、毎日20万人以上の乗客を運んでいます。駅は各コンコース(A、B、C、D、E、F、T)と国内線ターミナルに設けられています。
各コンコースやターミナル内に、プレイン・トレインの乗り場を示す案内表示があります。案内に従って進めば、迷うことなく乗り場にたどり着けるでしょう。
乗車時の注意点: プレイン・トレインは一方通行で運行しているため、進行方向と降りるコンコースを間違えないように注意が必要です。
車内や駅の案内表示をよく確認するようにしましょう。また、荷物が多い場合は、他の乗客の迷惑にならないように配慮しましょう。
アトランタ空港のラウンジについて
ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港は、世界有数のハブ空港として、多くの旅行者がトランジット(乗り継ぎ)に利用します。
空港でゆったりと過ごしたいならラウンジがおすすめです。
通常、搭乗時刻の2時間前には空港に到着し、チェックインなどの手続きを終えると、あとは出発時刻まで自由に過ごせます。
空港内には、飲食店や書店など、様々な施設がありますが、ラウンジはワンランク上の快適さを提供してくれます。
利用するためには一定の条件が必要になりますが、ドリンクや軽食、そして静かな空間で、旅の疲れを癒したり、PCなどで仕事を進めることもできます。
ここでは、代表的なラウンジをいくつかご紹介しましょう。
1.Delta Sky Club(デルタ航空)
デルタ航空の本拠地であるアトランタ空港には、なんと9つものデルタ スカイクラブがあります。
各コンコースに少なくとも1つは設置されており、早朝から夜まで営業しているため、乗り継ぎ時間を持て余すことなく過ごせるでしょう。
広々とした空間でゆったりとくつろいだり、軽食やドリンクを楽しんだり、Wi-Fiを利用して仕事をしたりと、思い思いの時間を過ごせます。
・コンコースA:2階中央、ゲートA17付近
・コンコースB:ゲートB18付近
・コンコースC:ゲートC37付近
・コンコースD:ゲートD12、ゲートD27付近
・コンコースT:ゲートT6付近
・コンコースF:中2階
・コンコースE:ゲートE15向かい側
2.THE CLUB ATL(ザ・クラブ・エーティーエル)
THE CLUB ATLは、国際線ターミナルのコンコースFにある共用ラウンジです。
地元の食材を使った料理が自慢で、利用チケットを購入し、無料の飲み物や軽食を楽しむことができます。
落ち着いた雰囲気の中で、出発までの時間を快適に過ごせるでしょう。
Wi-Fiやコンセントも各所に設置されているので、ビジネス利用にも適しており、快適な空間で仕事をすることも可能です。
さらに、長時間の乗り継ぎでリフレッシュしたい時に嬉しいシャワールームも完備されています。
3.United Club(ユナイテッド航空)
ユナイテッド航空は、コンコースTにユナイテッドクラブを構えています。
特に注目すべきは、早朝4:45からオープンしている点です。
早朝出発の便を利用する旅行者にとっては非常にありがたい存在といえるでしょう。
出発前に軽食や飲み物を摂ったり、仕事を片付けたりと、有意義な時間を過ごせます。
4.MINUTE SUITES(ミニッツ・スイーツ)
ラウンジとは少し趣が異なりますが、仮眠が可能な個室スペースを提供するのがMINUTE SUITESです。
アトランタ空港での乗り継ぎまでに1時間以上あったり、しっかり休憩を取りたい方や、プライベートな空間を重視する方におすすめです。
静かな空間でリラックスしたり、仮眠を取ったりすることで、長時間の移動の疲れを癒すことができます。
・コンコースB:ゲートB16、B17、B24付近
・コンコースE:エスカレーター付近のアトリウム
・コンコースF:ゲートF16付近
Priority Pass(プライオリティ・パス)を活用
プライオリティ・パスは、世界中の空港ラウンジを利用できる会員制サービスです。
アトランタ空港では、コンコースEまたはFのラウンジでプライオリティ・パスが利用可能で、JALやANAなどの航空会社に関わらず、プライオリティ・パスを持っていればいつでも利用できます。
アトランタ空港での乗り継ぎ時間をゆったり快適に過ごしたい方にもおすすめです。
アプリを使ってチェックインが可能です。
「MINUTE SUITES」と「THE CLUB ATL」については、世界各地の空港ラウンジを利用できるプライオリティ・パスを持っていれば、航空会社や航空券の種類(格安航空券など)を問わず利用することができます。
ただし、利用条件変更の可能性もあるので、ご利用の際は、事前に公式サイトで確認することを忘れないでくださいね。
American Express / Centurion Lounge(アメリカン・エキスプレス / センチュリオン・ラウンジ)
アメリカン・エキスプレスが、アトランタ国際空港のコンコースE、ゲートE11に世界最大級のセンチュリオン・ラウンジを新設しました。
約8000平方メートルの広大な空間には、アトランタの自然をイメージしたデザインや、地元のシェフによる地元の味を楽しめるレストラン、そしてウイスキーバーが特徴です。
快適な座席や高速Wi-Fiなど、ビジネスからレジャー、アメニティまで、あらゆる旅行者のニーズに応えます。
プラチナカード会員など、対象カード会員なら利用可能。2025年には、日本初上陸予定で羽田空港に開設予定です。
アトランタ空港での過ごし方
アトランタ国際空港は、世界有数の人気の空港として、さまざまなサービス施設が充実しており、乗り継ぎ時間も退屈することなく過ごせます。
ここでは、アトランタ空港での過ごし方をいくつかご紹介いたします。
グルメを楽しむ:アメリカの味から定番の味まで
アトランタ空港には、各コンコースに多様な飲食店が軒を連ねています。
コンコースCにあるLongHorn Steakhouse(ロングホーン・ステーキハウス)は、アトランタ発祥のステーキハウスチェーンで、ボリューム満点のステーキを味わえます。
また、国内線ターミナルにはFive Guys(ファイブ・ガイ)など、日本未上陸の人気ハンバーガーチェーンもあります。
コンコースEには、マクドナルドやサブウェイなどの定番ファストフード店があります。
国際線ターミナルにもスターバックスなどがあり、出発直前まで時間を有効に活用できます。
1979年創業のPaschal’s Southern Cuisine(パスカル・サウザン・キュイジーヌ)は、アレサ・フランクリンやキング牧師といった著名人にも愛された老舗レストランです。南部料理を味わいたい方におすすめです。
ショッピングを楽しむ
お土産を買い忘れたり、出発前に最後のショッピングを楽しみたい方には、アトランタ空港内の免税店がおすすめです。
免税店は多くありませんが、国際線ターミナルにあるDuty Free America(デューティー・フリー・アメリカ)では、香水、化粧品、チョコレート、お酒などのお土産を購入することができます。
そして、日本国内でも人気のドリンク、コカ・コーラ発祥の地でもあるアトランタは、 空港内には、コカ・コーラのロゴが入ったマグカップやTシャツ、ボトルホルダーなど、バラエティ豊かな商品が揃っています。
さらに、スターバックスコーヒーでは、アトランタ限定グッズも販売しているので、スタバ好きは要チェックです。
男女ともに人気のコスメブランド・ロクシタンのお店もあり、アトランタに拠点を置くCNNの公式ショップやアトランタ空港限定の商品に出会えたり、旅の思い出作りに役立つこと間違いなしです。ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
アトランタ空港からダウンタウンへのアクセス
アトランタ空港からダウンタウンへは、主に以下の3つの方法でアクセスできます。
ここでは、それぞれの特徴、料金、所要時間などを詳しく解説します。
ファイブ・ポインツ駅: ダウンタウンの中心に位置し、グリーンラインとブルーラインに乗り換えることができます。
目的地に合わせて乗り換えれば、ダウンタウンの様々な場所へスムーズに移動できます。
1. 地下鉄(MARTA):最も手軽で経済的な移動手段
所要時間:約16分、
料金:2.50USドル
MARTA(Metropolitan Atlanta Rapid Transit Authority)は、アトランタ国際就航都市圏の公共交通機関で、地下鉄、バス、路面電車を運行しており、アトランタ空港のダウンタウンへは、MARTAの地下鉄が最も便利で経済的な手段といえるでしょう。
乗り場: 国内線メインターミナル国内線ターミナル(コンコースT)西側の1階にMARTA駅があります。案内に従って進めば、迷うことなく駅にたどり着けます。
路線: レッドラインまたはゴールドラインに乗車します。
どちらの路線でもダウンタウン中心部のファイブ・ポインツ駅まで約16分でアクセスできます。
料金: 片道2.50USドルです。券売機で切符を購入するか、MARTAのアプリを利用して乗車券を購入できます。
運行時間:レッドラインとゴールドラインは早朝から深夜まで運行していますが、時間帯によって運行間隔が異なります。
MARTAのウェブサイトやアプリで最新の運行情報を確認することをおすすめします。
2. タクシーおよび配車アプリ:快適でスピーディーな移動
所要時間:約20〜40分、
料金:30〜60USドル+チップ
タクシーまたはUberやLyftなどの配車アプリは、荷物が多く、時間を節約したい場合に適しています。
タクシー:アトランタ空港は、 到着ロビーを出てすぐの場所にタクシー乗り場があります。ダウンタウンまでの所要時間は約20〜40分で、料金は30USドル程度です。
乗車人数が増えると追加料金が発生する場合があるので、乗車前に確認しておくと安心です。チップ(15〜20%が目安)も忘れずに用意しましょう。
配車アプリ(Uber/Lyft): アプリを使って配車を依頼します。料金は時間帯や需要によって変動しますが、タクシーと同程度か、場合によっては高くなることもあります。
料金は事前にアプリで確認できます。乗車場所はアプリの指示に従ってください。
注意点: アトランタの交通状況は時間帯によって大きく変動します。
特にラッシュ時には渋滞が発生し、所要時間が大幅に延びる可能性があるため、時間に余裕を持って移動することをおすすめします。
3. ホテルシャトルバス:宿泊先によっては便利な選択肢
所要時間:約40分(変動あり)、
料金:ホテルによる
ホテルによっては、アトランタ空港とホテル間を結ぶ無料または有料のシャトルバスサービスを提供している場合があります。
利用方法: 事前にホテルにシャトルバスの有無と運行時間を確認しておきましょう。
到着後、指定された乗り場(通常は到着ロビーの西側出口付近、アトランタ空港の周辺の駐車場)へ向かいます。
料金: ホテルによって異なります。料金確認は必須。
所要時間: 約40分程度ですが、交通状況やホテルの位置によって変動します。
まとめ
今回は、アトランタ国際空港の概要からターミナル間の移動、ラウンジ情報、そして空港での過ごし方まで、幅広く空港情報をご紹介しました。
世界最大級のハブ空港であるアトランタ空港は、その規模ゆえに誰もが一度は行ってみたい空港であり、楽しみ方や過ごし方は多種多様です。
皆さんの海外旅行の参考として、アトランタ空港を訪れた際にお役立ていただければ幸いです。