
タイ・バンコクにある人気の観光スポット、ワットアルン。
このお寺は緻密なデザインの施された塔を見学することができるお寺ですが、それだけではなく、市街地から船で移動したり、伝統衣装を着て写真を撮ることができたりと、楽しみ方がたくさんあるスポットでもあります。
今回の記事では私の訪問した時の体験談も交ぜながら、ワットアルンの行き方やアクセス方法から、おすすめの撮影スポット、さらに近くにあるおすすめ観光スポットまで幅広く紹介します。
ワットアルンとは?
ワットアルンは、タイ・バンコクのチャオプラヤー川の西、トンブリー地区にあります。
タイを代表する歴史的な仏教寺院の一つです。正式名称は「ワットアルン・ラーチャワララーム」で、ヒンドゥー教の神様、アルナにちなんで付けられました。
朝の太陽が差しこむ時間帯に寺院の表面が虹色に輝く様子から、「暁の寺」とも呼ばれており、バンコク観光の定番スポットになっています。
ここでは、ワットアルンの歴史や建築、日本とのゆかりについて詳しく見ていきたいと思います。
アユタヤ時代からの歴史
ワットアルンの起源はアユタヤ時代にまでさかのぼり、少なくとも17世紀には存在していたとされています。
タイの歴代王朝の中でも、特にタークシン大王やラーマ1世、ラーマ2世に深いゆかりがありました。
タークシン大王が首都をトンブリーへ移そうと川を進んでいた際、この寺院の前にたどり着いたことから、「オリーブ寺」と呼ばれていたとされています。
その後、ラーマ1世の時代に「ワット・チェン」へと改名され、ラーマ2世の時代に現在の寺院名へと変更されたという歴史があります。
美しい塔の建築
ワットアルンといえば、ラーマ2世の治世下で19世紀初頭に建てられた「プラ・プラーン(大仏塔)」です。
この大仏塔は細かな装飾が施された美しいデザインで、朝日を浴びると真珠のように輝くことから、これを見るために世界中から人がやってきます。
また、寺院の本堂はラーマ2世によって建てられたもので、台座にはタークシン大王の遺灰が納められています。
三島由紀夫の小説に登場
もしかしたらワットアルンを舞台にした三島由紀夫の小説『暁の寺』を読んで興味を持った人も少なくないかもしれません。
このような文学的背景から、ただ歴史的建造物を訪れるというだけではなく、小説ゆかりの地をめぐる目的でも注目されています。
ワットアルンへの行き方・アクセス方法
バンコク市内からワットアルンに向かうためには、複数のアクセス方法があり、それぞれに異なる魅力があります。
ここでは代表的なアクセス方法について紹介します。旅行のスケジュールやスタイルに合わせて選んでみてください。
コスパ重視の渡し船
ワット・ポーを観光した後にワットアルンへ向かう場合、近くの船着場から出ている渡し船を使うのが便利です。
チャオプラヤ川を挟んだ対岸に位置しているので、船に乗る時間はわずかですが、水上からも寺院を見ることができるので風情があります。
私も実際に訪問した際、渡し船を利用しました。ただ、船は思ったよりも揺れるので、荷物などを落とさないように気をつけて下さい。
市内から便利な水上バス
バンコク中心部からワットアルンを目指すなら、水上バスもおすすめです。
BTSサパーンタクシン駅の2番出口を出てすぐの場所にあるサトーン船着場から乗船すれば、チャオプラヤ川をゆったりと進みながらワットアルンに到着できます。
移動中の川沿いの風景を楽しみながら利用できるので、観光の合間に少し景色を見ながらリラックスしたい時にも良いです。
荷物が多いならタクシー
タイ・バンコクは空港へのアクセスが良いので、到着初日や最終日にも観光を楽しむことはあるでしょう。
そんな時、スーツケースやボストンバッグなどの大きな荷物があるならば、タクシーの利用が便利です。
ただし、バンコクは時間帯によって渋滞がかなりひどりため、時間に余裕を持って行動するようにしましょう。
メータータクシーもありますが、配車アプリ「Grab」などを利用すると、事前に料金を確認してからタクシーを予約できるので、あらかじめダウンロードしておくと良いでしょう。
ワットアルンの参拝方法・マナー

ワットアルンは人気の観光スポットとして知られていますが、同時にタイ仏教の由緒ある寺院でもあります。
そのため、観光客もマナーを守って訪問する姿勢が求められます。マナーを知らずに行くと、現地の人たちや寺の僧侶に不快な思いをさせてしまうこともあります。
ここでは、ワットアルンを訪れる際に知っておきたい振る舞いや服装などの注意点について紹介します。
チケットを購入して入場
ワットアルンはタイ人やタイ国内に長期滞在しているなどでタイのIDカードを持っている場合は無料ですが、外国人旅行者として訪問する場合、チケットを購入して中に入ります。
この時ペットボトルの水も一本もらえます。入場の際には手にスタンプを押されるので、忘れないようにしましょう。
肌の露出をおさえた服装で
なお、ワットアルンをはじめとして、タイの寺院では肌の露出が多い服装はマナー違反とされています。
特にショートパンツやミニスカート、ノースリーブなどは避けるようにしましょう。
タイは一年中暑いので、肌の露出が多い服を着たいという気持ちにもなりますが、ワットアルンの入口では簡単な服装チェックが行われていて、基準を満たさない場合には入場を断られる可能性もあります。
不安な方はすぐに羽織れるストールや薄手の上着を持参して対応できるようにしておきましょう。
また、タイでは僧侶が女性に触れることは禁じられています。
仏教寺院の中や近くを歩いている時に、そばを通ることがあるかもしれませんが、間違えて触れてしまわないように細心の注意を払いましょう。
立ち入ることができる場所を確認
民族衣装を着て撮影した写真は、インスタグラムをはじめ、SNS映えすると話題です。
ただし写真を撮る人の多い塔のエリアでは、あまり上の方まで登れないようになっているなど、寺院内で立ち入ることができるエリアが決まっています。
写真に夢中になってしまって間違って立ち入ることなどが無いように気をつけましょう。
また、仏教寺院であるということを常に意識して、入れるエリアでも大きな声を出さないなど、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。
ワットアルンでのおすすめ撮影スポット・見どころ
寺院の荘厳な雰囲気と華やかなデザインが魅力的なワットアルンは、観光地として訪れるだけではなく、写真映えするスポットとしても人気が高いです。
寺の近くには多くの民族衣装レンタルショップがあって、タイムスリップしたような綺麗な衣装を着て、寺院を背景に写真を撮ることもできます。
ここではおすすめの撮影スポットや見どころについて紹介します。
大仏塔と小仏塔
ワットアルンの中央にそびえる大仏塔は、約66〜75メートルの高さを誇る迫力のある塔です。
その表面は色とりどりの陶器片でデコレーションされていて、花や植物、神話に登場する生き物などが精巧に描かれています。
四方を囲む小仏塔も装飾の細かさとカラフルなデザインが魅力です。遠くから見ると白く見える塔も、近づくと花柄の装飾があるのでその緻密さにびっくりする人も多いでしょう。
民族衣装を着て仏塔を背景に撮影すると、より一層フォトジェニックな一枚になります。
ヤック像のある本堂
本堂の入り口には、高さ約2メートルの鬼神「ヤック像」が門番のように立っています。
このヤック像はヒンドゥー教の叙事詩に登場する守護神で、その迫力ある姿は寺院の見どころの一つです。
さらに、本堂周囲には約120体の仏像や、天女・仙人の像も配置されており、よく見ると表情やポーズに違いがあります。
また、本堂内の壁画には釈迦の生涯が描かれており、歴史ある寺院の魅力をより深く感じることができます。
対岸からの絶景
ワットアルンを撮影する時は、寺院の内側から見た景色だけでは無く、チャオプラヤー川の対岸からの眺めもおすすめです。
王宮やワット・ポー、川沿いのレストランやカフェ、もしくは川の上から船で眺めることができます。
特に夕暮れから夜にかけては、夕陽を浴びた美しいシルエットや、夜間のライトアップの中で幻想的な姿となります。
ワットアルンとあわせて行きたい周辺スポット
ワットアルンを訪れた際には、周辺にも足を運びたいバンコクの名所がいくつかあります。
特に「バンコク三大寺院」と呼ばれるワット・プラ・ケオやワット・ポー、そして観光客でにぎわうカオサン通りは、いずれも個性あふれる人気スポットです。
ここではそれぞれの楽しみ方や魅力を紹介します。
ワット・プラ・ケオ(エメラルド寺院)
ワット・プラ・ケオは、バンコク王宮の敷地内にある格式高い寺院で、バンコク三大寺院のひとつです。
内部にはヒスイでできた仏陀像が祀られており、その美しさから「エメラルド寺院」とも呼ばれています。
なお、王宮とワット・プラ・ケオを見学できるチケットを購入して入場します。
ちなみにエメラルド寺院内部をはじめ、写真撮影できない場所もあるので、案内や看板をよく見るようにしてください。
巨大な涅槃仏があるワット・ポー
ワット・プラ・ケオから徒歩でアクセス可能なワット・ポーも、ワットアルンとあわせて訪れたい名所のひとつです。
この寺院の見どころは、何と言っても全長46メートル、高さ15メートルの巨大な涅槃仏。想像をはるかに超えるそのスケールは、訪れる人々を圧倒します。
ちなみにワット・ポーはタイマッサージ発祥の地と言われており、敷地内でマッサージを受けることができます。観光で疲れた身体を癒やすことができるのでおすすめです。
バンコクの夜を満喫できるカオサン通り
ワットアルンから少し足を伸ばせば、世界中のバックパッカーが集まるカオサン通りがあります。
もともとは安い宿が集まるエリアとして知られていましたが、現在ではおしゃれなホテルや屋台、クラブ、バーなどが並ぶナイトスポットへと進化しています。
昼間は比較的静かですが、夜になると一気ににぎわいます。リーズナブルな価格で食事やショッピングをすることができ、現地の雰囲気を味わうのにおすすめです。
まとめ
今回の記事では「暁の寺」とも呼ばれるタイ・バンコクの人気観光地ワットアルンについて、見どころやアクセス、周辺の観光スポットまで詳しく紹介しました。
他の観光スポットからも近く、夜もライトアップを楽しめるため、朝でも夜でも旅行スケジュールに合わせて訪問できるおすすめのスポットです。
ぜひバンコク観光の際にはこの記事を参考に行ってみてくださいね!
◇経歴
教育系企業で国際交流事業をサポートする仕事をし、英語でメールや会議をしていました。
◇資格
・英検(実用英語技能検定) 1級
・TOEICスコア 940
・TOEFL iBTスコア 78
◇留学経験
マレーシアのクアラルンプールにある語学学校に1年間留学して勉強しました。また、高校生の時にニュージーランドの現地の高校に2週間滞在して英語研修を受けたこともあります。)
◇海外渡航経験
マレーシア留学中にシンガポール、タイ、ベトナム、ブルネイ・ダルサラーム王国、オーストラリアに旅行しました。その他、大学生の時に国際交流事業に参加して中国に行ったこともあります。
◇自己紹介
私は中高生時代、自分が留学するなんて考えられないくらい英語が苦手でした。高校の語学研修も後ろ向きな気持ちで行ったのを覚えています。
でも大学入学後に留学生の友達ができてから国際交流に興味を持ち、英語の勉強に前向きに取り組めるようになりました。今でも勉強自体は苦手ですが、海外の友達とのコミュニケーションツールとして使いたいという思いをモチベーションに変えて、頑張っているところです。
英語が苦手な人の視点に立てるライターとして、皆様に楽しんで読んでいただける記事をお届けします!