フィリピンの食事の特徴とその文化・歴史について学ぼう!〜おすすめの料理も紹介〜

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フィリピンと言えば、南国・綺麗な海をイメージする方が多いです。最近では「人気の語学留学先」というイメージも定着してきました。旅行や留学でフィリピンに行く予定があるのなら、現地の食文化も楽しむべきです。代表的なフィリピン料理には、お肉を使った濃い目の味付けのメニューの他、冷たいデザートも存在します。

今回の記事では、フィリピン料理の特徴やおすすめの料理について解説します。フィリピンに行く予定がある方は、ぜひ参考にしてください。

フィリピンの料理の特徴とは?

フィリピン料理には、フィリピンに昔からある伝統的なものと、中国やスペインの食文化を取り入れた多国籍なものが存在します。また、南国ならではの新鮮なフルーツや海鮮料理も人気です。

中国、スペインやアメリカの影響を受けている

16世紀に探検家マゼランがフィリピンを訪れるより前までには、すでにフィリピンに中国の食文化が持ち込まれていたと考えられています。その後、約300年に及ぶスペイン統治時代には、スペイン料理のみでなく他の植民地からの食文化も持ち込まれました。このタイミングで、唐辛子を使った料理がフィリピンのみでなくアジア全体に広まります。

アメリカに統治された時代には、サンドイッチやケーキなどの現代的な食事が普及していきます。フィリピンの食文化は歴史的な背景から、さまざまな国の影響を受け変化し続けたと言えるでしょう。

主に同じ調味料を使う

フィリピン料理の特徴として、主に同じ調味料が活用されるという点があります。代表的な調味料は、以下を参考にしてください。

パティス(魚醤):魚・塩を発酵させたもの
スーカ(酢):サトウキビまたはココナッツでできた酢
トゥヨ(醤油):大豆・食塩で作った醤油で日本の醤油より大豆の風味が強い
パンダン:香り付け
バゴオン:発酵させたエビ
ニンニク
生姜
玉ねぎ

これらの調味料を活用して酸味・甘味・塩味を掛け合わせ、複雑な旨みを作り上げるのです。

また、フィリピン料理の代表的なソースがサウサワンです。サウサワンは、玉ねぎ・醤油・酢を組み合わせて作られ、自分好みに味を調整しながら揚げ物につけて食べます。フィリピンのレストランに行くと、テーブルの上には事前にサウサワンが用意されています。

暑い国ならではの味付け

東南アジアの料理全般に言えることですが、フィリピンでも暑い国ならではの甘い味付け・濃い味付けが好まれます。大半の料理には砂糖が含まれており、フィリピン人は甘いものを好む傾向があります。

さらに、暑い環境下で食べ物の劣化を遅らせるために、全体的に脂っこい炒め物や揚げ物が多いです。さっぱりしたものを食べたいと感じた時には、酸味のあるフィリピン料理を選ぶと良いでしょう。

日本と同じく主食はお米

フィリピン料理の主食は日本と同じお米です。フィリピン人は毎日お米を食べて暮らしています。そのため、フィリピン料理の多くはお米に合う濃い目の味付けが多いです。ただし、フィリピンのお米は日本のお米より水分・粘り気が少なく、パラパラとしたインディカ米です。フィリピン人は食事に必ずお米を求める方が多く、ファストフード店のセットメニューにもライスが用意されています。また、そのままお米を食べるのではなくガーリックライスとして調理するケースも多いです。

フィリピンではナイフをほぼ使わない

フィリピンでは、右手でスプーン・左手でフォークを持って食事をします。ナイフを使う習慣があまりないことから、ナイフが用意されないレストランも多いです。日本料理・韓国料理・中華料理のお店ではお箸も使えます。また、お皿の器を持つことはマナー違反だと考えられています。

スープや汁気があるおかずはご飯にかけて食べる

日本ではマナー違反と考えられることが多いですが、フィリピンではご飯の上にスープや汁気があるおかずをかけて問題ありません。そのため、フィリピン料理はご飯と合うように濃い目の味付けになっています。フィリピンではご飯だけでなく、麺類の上におかずをのせることも一般的になっています。

フィリピンで食べたいおすすめ料理

この章では代表的なフィリピン料理を9つ紹介します。フィリピンに行ったら、ぜひ試してみてください。

アドボ:Adobo

アドボは鶏肉を煮込んだ料理であり、スペイン料理の「アドバード」が原型だと言われています。酢に漬け込んでから調理された肉が柔らかく、甘めのタレが日本人にも好まれるメインディッシュの一つです。アドボには複数のレシピがあり、さまざまなテイストが存在します。

シシグ:Sisig

豚肉と玉ねぎを油で炒めた伝統的な料理です。濃厚な味付けであるため、卵で味をマイルドにした上でカラマンシーを添えていただきます。濃い目の味で、ご飯のおかずやビールのおつまみに最適です。

カレカレ:Karekare

シチューに似たフィリピン料理であり、牛肉とたっぷりの野菜を煮込んでピーナッツバターを加えます。「カレー」に似た名前の料理ですが、辛さはなくコク深い甘めのテイストです。牛肉の代わりに鶏肉・山羊の肉が使われる場合もあります。フィリピン国内ではカレカレを簡単に作れる「カレカレのもと」も販売されています。

シニガン:Sinigang

シニガンは酸味があるスープのことで、シチューのようなとろみがあるものも存在します。酸味が強めでクセがありますが、脂っこい料理が多いフィリピン料理の中では健康的なメニューとして知られています。具材や味付けはお店・家庭により異なるでしょう。

レチョン・カワリ:Lechon Kawali

フィリピンのお祝い事に欠かせない料理であるレチョンは、子豚の丸焼きのことです。正月やお誕生日パーティーなどに用意され、おめでたいメニューとして扱われています。濃厚な甘いソースと合わせて、パリパリの皮とジューシーなお肉を楽しめます。パーティー料理の印象が強いですが、フィリピンのレストランでは1人前のレチョンを注文できます。

パンシット:Pansit

酸味が強いフィリピン風の焼きそばをパンシットと呼びます。麺の調理法・食材・味付けはレシピにより異なり、フィリピン全土で作られている伝統的な麺料理です。カラマンシーと一緒に提供されるため、南国ならではの独特の風味を楽しめます。

フィリピンでは日本と同じように「長い麺は長寿の象徴」と考えられており、パンシットは縁起が良い料理の一つです。具材や麺の種類により、パンシット・カントン(中国風のパンシット)、パンシット・ビホン(春雨やライスヌードルを使うパンシット)など、呼び方が変わります。

トシーノ:Tocino

トシーノは豚肉をスパイスと調味料で甘く味付けした肉料理です。特にフィリピン人には代表的な朝食メニューとして愛され、冷凍でも流通しています。比較的日本人の口に合う味付けです。

トシーノはスペイン語で「ベーコン」「塩漬け・燻製にした肉」という意味を持ちます。フィリピン国内で販売されている「トシーノのもと」を使うと、家庭でも簡単に調理できます。

トルタン・タロン:Tortang Talong

トルタン・タロンのTortangは「平たいケーキ・卵焼き」Talongは「茄子」という意味を持ち、文字通り焼いた茄子に卵をつけて油で焼いていきます。「茄子の卵焼き」だと考えて良いでしょう。日本人の口にも合うマイルドな味わいです。フィリピンでは朝食メニューとして扱われています。

ハロハロ:Halo Halo

フィリピンの言葉で「混ぜ混ぜ」という意味を持つハロハロは、かき氷を使ったスイーツです。具体的には、かき氷・アイスクリーム・ナタデココ・タピオカ・ココナッツ・プリン・ゼリーなどを含み、南国ならではのカラフルな見た目も楽しめます。トッピングには、紫色のアイスクリームを使うものが多いです。日本でもハロハロが流行した時期がありますが、フィリピンのハロハロよりも洋風になっています。

ビコ:Bico

ビコとは、もち米をココナッツミルクで炊き上げたスイーツであり、日本のおはぎに似ています。フィリピンでは普段のおやつとしてだけでなく、誕生会や万聖節などのイベントでも食べられます。ビコは「家族や友人など一緒に食べる相手との絆を強くする」という意味が込められた料理です。

タホ:Taho

タホは「豆腐」という意味を持つ言葉であり、黒蜜・豆腐・タピオカを混ぜたスイーツです。程良い甘さが特徴的で、フィリピンでは朝ごはんの定番として愛されています。イソフラボンが摂取できる女性に嬉しいフィリピン料理です。

フィリピン人の1日の食事回数

フィリピン人と過ごしていると、日本人と比較して食事の回数が多いと感じることがあります。フィリピン人は日本人のように「1日3回食事をする」のではなく「お腹が空いたら食べる」ことが多いようです。

フィリピン人は1日に4〜5食食べるケースが多い

「お腹が空いたら食べる」という考えをもとに、フィリピン人はよく間食をします。食事のような量の間食をするケースも多いため、結果的に毎日4〜5食食べる方もいるのです。

フィリピンでは、スペイン統治時代に午後の間食を指す「メリエンダ(Meryenda)」が生活に定着しました。その結果、間食が多い生活が一般的になったと考えられています。フィリピンは1年を通して気温が高いため、暑さでバテないためにも多くのカロリーが必要になるのです。

まとめ

フィリピンの食文化には、フィリピンの特徴的な歴史的背景が影響しています。そのため、フィリピンは伝統的なフィリピン料理の他に、中国料理・スペイン料理・アメリカ料理も広まっているのです。

また、フィリピンの料理は使用する調味料が限られるため似た味付けのものが多いです。その点も含めて、フィリピン料理の特徴だと言えるでしょう。

これからフィリピンを訪れる予定がある方は、ぜひ現地で本場のフィリピン料理を味わってください。自分好みのフィリピン料理が見つかったら、レシピを覚えてみても良いでしょう。

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