マニラの治安概要
日本から直行便で4〜5時間とアクセスも良く、観光やリゾート、また最近では語学学校への留学で訪れる人も多いフィリピン。首都マニラは、東南アジアでも有数の発展した都市です。
しかし、マニラを訪れる人の多くが気にするのが治安です。実際に、治安の悪いエリアも多いため、事件や事故に巻き込まれないよう、日本とは違うという意識を持って滞在することが重要です。
今回は、マニラで注意すべきエリアやトラブル事例、危険な目に遭わないためのポイントなどを紹介します。
マニラで治安の悪いエリア
マニラには、犯罪に巻き込まれないよう注意が必要なエリアがあります。ここでは、マニラの中でも特に治安の悪い地域を紹介します。
エルミタ・マラテ地区
エルミタ・マラテ地区は、以前はビジネス街として栄えていましたが、現在は歓楽街となっていて、ゴーゴーバーやパブ、ナイトクラブなどが並んでいます。観光客狙いの客引きも多く、ニセ警察官による詐欺や美人局といった犯罪が多いことでも有名です。スリやひったくり、拳銃強盗などの被害に遭うケースも報告されていますので、夜間の1人歩きは危険です。観光客は近づかない方が良い場所でしょう。
エドサ通り
エドサ通りはマニラの大通りのひとつです。とにかく人も車も交通量が多く、ジプニーやバスなどがひっきりなしに走っています。慣れていない人が歩くと、迷い込んでしまうような入り組んだ細い路地が多いのが特徴です。人通りが少ない場所もあり、1人で歩く観光客を狙った暴行や強盗などのケースも発生していますので、日本人が歩くのは危険なエリアだと言えます。
スモーキー・マウンテン
スモーキー・マウンテンは、マニラ北部にある有名なスラム街です。1960年ごろからマニラ市内のゴミが集められるようになり、そこで廃品回収をして日銭を稼ぐ人たちが住み着くようになりました。その後、治安が悪化して世界的にも有名な貧困街として認知されています。浮浪者やストリートチルドレン、物乞いによるスリや盗難といった被害も相次いでいます。日本人旅行は絶対に近づいてはならないエリアです。
マニラで治安の良いエリア
ここではマニラ首都圏のマカティ市内で治安が良く、観光にもアクセスが良いエリアをご紹介します。
BGC(フォート・ボニファシオ)
フォート・ボニファシオは、街並みもきれいに整備されていて、高層オフィスビルや商業施設、ホテルが多く立ち並ぶフィリピン有数の大都会です。大使館が存在するため外国人も多く、日本人駐在員も多く住んでいる治安の良い街です。自然とビルが融合したボニファシオハイストリートには、オシャレなレストランも多く、流行に敏感な若者たちが集まるスポットになっています。
アヤラセンター
マニラ空港から車で約30分ほどの距離にあるアヤラセンターは、大型ショッピングモールであるグリーンベルトモールやグロリエッタ、SMマカティといった数多くの巨大商業施設が立ち並ぶエリアです。1日ですべて見て回るのは難しいほど多くのショップが軒を連ねています。高級ブランド店や日本食レストラン、カフェなどが立ち並び、観光スポットとして、観光客にも人気のxショッピングエリアです。
レガスピ・ヴィレッジ
レガスピ・ヴィレッジは、コールセンターを中心とした数多くの日系企業が進出しているエリアです。高級住宅街もあり、近隣にはリトル東京という本格的な日本料理が食べられる飲食店エリアがあるため、日本人も多く滞在しているエリアです。居酒屋、ラーメン屋、日本の日用品店などが数多く立ち並びます。
マニラでよくある犯罪
ここでは、マニラで実際に発生している犯罪や事件について紹介します。どんなトラブルが起こっているのか見てみましょう。
スリ
マニラで1番多く報告が上がっている事件がスリです。スーパーやショッピングモール、公共交通機関を利用した際のスリ被害が目立ちます。特に、エスカレータやエレベーターなど、混雑した狭い場所での犯行が多く発生しています。路上では、ストリートチルドレンに囲まれて、気を取られてる間にポケットに手を突っ込まれて現金を盗まれるケースも多発しています。
ひったくり
マニラではひったくりも多く、日本人を含めた外国人観光客が狙われやすくなっています。後ろからバイクに乗って近づいて来てバッグをひったくったり、ジプニーなどの乗り物に乗っている時にバッグやスマホをひったくられたという報告もあります。1人で路地を歩くと被害に遭うリスクがあるので避けた方が良いです。
万一、ひったくられそうになった場合は抵抗しないようにしましょう。引きずられて大けがをしたケースも報告されています。
置き引き
観光地でのレストランやエスカレーター、エレベーターなどでは置き引きに注意しましょう。飲食店で、席を確保するためにテーブルにバックを置いていたらなくなっていたり、ベンチに座ってスマホなどに夢中になっていて、気がついたら荷物がなくなっていたりということが多いようです。自分の荷物や身の回りのものからは目を離さず、貴重品は肌身離さないよう注意してください。
睡眠薬強盗
親しく話しかけて来て、睡眠薬入りの飲食物を摂取させられて、眠っている間に貴重品を盗み取る手口です。例えば、日本語で近付いて来て警戒心を解きつつ、親しくなったふりをして睡眠薬を混入させた食べ物や飲み物を勧めて来ます。そうして昏睡させた後、財布やスマホを盗み取ったり、盗んだキャッシュカードやクレジットカードを使って現金を引き出すケースもあります。
路上強盗
歓楽街等を歩いている際、拳銃で脅されたり、複数の犯人に取り囲まれて慌てるうちに財布やバッグを奪われる事件が発生しています。外国人の例では強盗に遭い、抵抗したり、突然逃げ出したりして射殺されるケースも起きています。夜間に拳銃で脅されたり、実際に発砲を受けて負傷した日本人の例も報告されています。
タクシーのぼったくり
マニラで流しのタクシーに乗る場合、相場を知らない外国人はかなりの確率でぼったくりの被害に遭うようです。悪質なドライバーは、相手が土地勘がないとわかると、メーターを回さずに到着した時に高額な料金を吹っかけたり、わざと遠回りをしたり、場合によっては乗客を先に降ろして、荷物を乗せたまま走り去ったりする危険性もあります。
タクシーに乗る時は、配車アプリGrabを使うのがおすすめです。目的地を説明する必要もなく、料金もアプリ内で支払うのでぼったくりにもあいにくいです。
犯罪の被害にあわないための対策
治安の悪いマニラで、日本と同じような意識でいると危険です。ここではトラブルを避けて安全性を確保するための対策について見ていきましょう。
見知らぬ人に気を許さない
人懐こい性格のフィリピン人は、気軽に声をかけてくるケースも多いです。しかし、中には金品目当ての犯罪を企んでいる場合もあります。観光客や留学生に日本語で親しげに話しかけて来て、食べ物に睡眠薬を入れる昏睡強盗の報告などもあります。
また、ストリートチルドレンには金品をたかったり、親しげに近づいて盗みを働くケースもあるので、気を許すと大変なことになります。見知らぬ人には決して気を許さないようにしましょう。
高価なものを持ち歩かない
夜間に繁華街周辺の路地裏などで、拳銃などの凶器で脅されて貴重品を奪われる事件が発生しています。犯罪グループは、金目のものを持っていそうな人を物色しています。その土地に不慣れな旅行者が高価な衣服やアクセサリーを身につけていたり、高級ブランドバッグを持ち歩いていると、犯罪のターゲットになってしまいます。あまり目立たない格好をして、バッグや財布も高価なものを使わないようにしましょう。
また、外出時には、多額の現金やパスポート等の貴重品を持ち歩かないのが鉄則です。人前で財布やタブレット端末などを見せないようにして、会計するときは札束が見えないように注意します。万一、襲われた際は、相手が凶器を所持している可能性があるため、身の安全を最優先して抵抗はせず安全を第一に優先してください。
用心を怠らない
その国での滞在が長期になってくると、思わず気が緩んでしまうものです。常日頃から、基本的な用心を怠らないようにしましょう。外を歩く時は、携行品を身体から離してはいけません。また、パスポートや携帯電話、財布などの貴重品を、後ろのポケットに入れて歩かないようにしましょう。1人が気を引いている間に持ち物を奪うような組織犯罪も起こっています。もちろん、夜間の1人歩きは慎んで、危険性が高いと言われる地域には絶対に近づかないようにしましょう。
スマートフォンを見ながら、電話をしながらなど、周囲への注意力が低下するようなことは禁物です。犯人は狙いを定めて近づいてきます。まわりに十分注意しながら、スキのある行動を取らないことが鉄則です。
まとめ
フィリピンは魅力的な観光地であり、人気留学先でもあります。しかし、最近は改善傾向にあるとはいえ、マニラには治安上の懸念がある場所も多く存在します。残念ながら、事件や事故に巻き込まれてしまう日本人がいるのも事実です。
治安の良い日本と違い、常に海外にいることを忘れずに、夜間の外出や貴重品の管理には一層の注意が必要です。トラブルや、事件の被害に遭わないためには普段からの心掛けが1番重要なのです。
◇経歴
英語圏での生活、業務歴10年以上
◇資格
TOEIC900点代後半
◇留学経験
ニュージャージーへ1年間
◇海外渡航経験
シンガポールで2年、台湾で3年、タイで2年仕事してました。
◇自己紹介
英語ができれば世界が広がります!
海外生活経験を活かして、楽しい部分だけではなく、リアルな生活をお届けします!