
スマホのデータ通信に必要なSIMですが、だんだんとeSIMが主流になってきています。
eSIMがあれば海外旅行中でも、今お持ちのスマホで簡単に現地のインターネットに接続できます。
「海外でeSIMを利用したいけれど、購入や設定が難しそう。」
と思っていませんか?
本記事ではeSIMが気になっているけれど、何から始めれば良いか分からないという人のために、海外旅行で便利なeSIMについて徹底解説していきます。
eSIMとSIMの違いや、eSIMを利用するメリットとデメリットを分かりやすくお伝えします。
eSIMの購入方法と使い方もまとめていますので、ぜひ次の海外旅行でeSIMを活用してみてください!
海外旅行でスマホを使う主な方法とは?
海外旅行でスマホを使う主な方法は4つあります。
Wi-Fiを通してインターネットに接続するか、現地のモバイルデータ通信を使うかのどちらかです。
それぞれの方法を4つに分けて見ていきましょう。
現地のモバイルデータ回線を使う方法
1.海外で使えるSIMカード・eSIMを購入する
SIMカードは、スマホなどの端末に挿入するICカードです。
契約者の識別番号(IMSI)や電話番号などの固有情報が記録されています。
現地のSIMカードに入れ替えることで、渡航先で提供されているモバイルデータ回線に接続できます。
最近は、カードのないeSIMも主流になってきています。
SIMカード・eSIMともに現地のデータ回線を利用するので、Wi-Fiの提供がない地方でも、安定してインターネットにつなげられるのがメリットです。
2.海外ローミングを利用する
海外ローミングは日本で契約している携帯会社のSIMで、提携している現地のモバイル回線に接続する方法です。
SIMの交換が不要で特別な設定も必要ないので、海外でも日本と同じようにスマホが使えて便利です。
ただし、使いすぎると利用料金が高額になるので注意が必要です。
海外ローミングは、日本の携帯会社が渡航先で提携している通信会社の回線を借りて、データ通信を行います。
利用時に手数料が発生するため、日本よりも高くなるのです。
海外ローミングでの電話は、国際電話と同じで利用料が高額です。
一般的に発信だけでなく着信にも料金が発生するので、注意してください。
海外旅行中の通話は、LINEなどの無料通話アプリがおすすめです。
Wi-Fiを使う方法
3.Wi-Fiモバイルルーターをレンタルする
渡航先の国で使えるモバイルWi-Fiルーターを、日本でレンタルして持っていく方法です。
空港にもWi-Fiルーターレンタルのカウンターがあり、出発と到着の空港で受取、返却が可能です。
現地に到着後、Wi-Fiルーターの電源を入れるだけで、インターネットに接続できる手軽さがメリットです。
ルーターが1台あれば、複数のデバイス(目安は1台につきスマホ5台まで)に同時接続が可能です。
スマホに加えて、パソコンやタブレットなど複数の機器を同時に使いたい場合は、Wi-Fiルーターレンタルをご検討ください。
4.現地のフリーWi-Fiを使う
現地の空港やカフェ、ホテルなどで公共の場で提供されている、フリーWi-Fiにつなぐとインターネットが利用できます。
接続方法は日本国内のフリーWi-Fiと同じです。
接続したいWi-Fiを選んで、必要に応じてパスワードを入力してください。
便利なフリーWiFiですが、その手軽さゆえにセキュリティには注意が必要です。
不特定多数の人が接続するフリーWi-Fiは、通信内容が暗号化されていない場合があります。
同じネットワークを介して通信内容を盗み見る悪質な人がいれば、個人情報を盗まれるかもしれません。
個人情報やクレジットカードなどの重要事項を入力する操作は、フリーWi-Fiでは行わないようにしましょう。
eSIMとSIMカードの違い
eSIMとSIMの違いについて、詳しく見ていきましょう。
SIMカードとは、スマホなどの端末に入っている小さなICカードです。
カードについているICチップには、携帯電話会社のネットワークを使って、データ通信や通話をするために必要な情報が入っています。
海外で購入したSIMカードをスマホ端末に差し替えると、現地の回線を利用して、音声通話やインターネットへの接続が可能になります。
SIMカードはどんどん小型化しており、従来の標準SIMに加えて、microSIM、nanoSIMの3種類があります。
現在はすでに、一番小さいnanoSIMが主流です。
SIMカードに代わって最近多くなってきているのが、物理的なカードを使用しない「eSIM」です。
eSIMのeはembedded(埋め込まれた)という意味で、モバイル端末に内蔵されているSIMのことです。
提供会社から購入したeSIMをダウンロードすることで、インターネット上で契約が完結するのが特徴です。
実際のカードが必要ないので、いつでもどこでもオンラインで購入できるというメリットがあります。
eSIMの対応機種をご紹介
最新の機種はeSIM対応のものが増えていますが、古いと利用できない端末もあります。
また、ご利用の通信会社によっても対応状況が違うため、eSIMを購入する前にご自身の端末で使えるか確認してください。
利用者が多いiPhoneとGoogle Pixelは、早くからeSIM対応機種を販売しています。
現在製造されている端末は、すべて対応可能です。
〇iPhone
iPhone 13 シリーズ以降すべて→デュアルeSIMに対応
iPhone XS、SE、iPhone 11、12シリーズ→eSIM対応
iPhone X以前→eSIM非対応
〇Android
Google Pixel→全モデルeSIM対応
Samsung Galaxy→新しい一部のモデルのみ対応(Galaxy S22/S23/S24シリーズ、Z Fold/Flipシリーズ)
SHARP AQUOS→新しいモデルのみ対応(AQUOS sense7/8、AQUOS R7/R8)
楽天モバイル→オリジナル端末はeSIM対応(Rakuten Mini, Rakuten Hand)
eSIMを使うメリット・デメリットの解説
SIMカードとeSIMの違いについては解説しましたが、改めてSIMカードとeSIMのメリットとデメリットをまとめました。
| SIMカード | eSIM | |
| メリット | ・ほぼすべての端末に対応可能。 ・SIMカードを挿入するだけで通信設定が完了するので、難しい操作が不要。 ・通信端末の機種変更をする場合、SIMカードを入れ替えるだけで以前と同じ電話番号ですぐに新しい端末が使えるようになる。 |
・物理的なSIMカードの入れ替えが不要。 ・現地の通信業者eSIMをオンラインで契約して、到着時にすぐ回線を利用できる。 ・物理SIMを挿入したまま別のeSIMを利用するデュアルSIMが可能。 |
| デメリット | ・カードが小さく(nanoSIMは指先ほどの大きさ)、入れ替え時に紛失や破損の可能性がある。 ・SIM用のピンを使ってSIMトレイを出し、SIMカードを入れ替える作業が必要。 ・海外で利用する場合、現地の店舗やコンビニでSIMカードを購入するのが手間。 |
・eSIMに対応していない機種が少しある。 ・通信業者のサポートがないので、購入から設定まで自分で行う必要がある。 |
eSIMはオンラインでSIMの購入から設定、利用までできる点が一番の特徴であり、メリットです。
初めは操作に戸惑うかもしれませんが、慣れてしまえば簡単にSIMの入れ替えが可能です。
海外旅行中に、現地の空港やショッピングモールまで行って店舗でSIMカードを購入する手間が省けます。
日本で購入して設定しておけば、現地に着いたときからすぐに利用を開始できます。
eSIMの購入・登録方法と使い方
最後に、eSIMの購入から登録、実際に利用するまでの方法を解説します。
eSIM購入前の確認と準備
まずは、利用する端末がeSIMに対応しているかを確認してください。
eSIM対応機種であっても、SIMロックがかかっているとSIMの交換ができません。
SIMロックがかかっている場合は、先にSIMロックの解除を行いましょう。
2021年10月1日以降、SIMロックを設定せずに販売することが義務付けられました。
現在はすべての端末が、SIMカードを自由に利用できる「SIMフリー」の状態になっています。
ご自身のスマホが2021年10月以前の機種であれば、SIMロックがかかっていないか確認が必要です。
SIMロック解除の手続きは、通信会社のWebサイトもしくは店舗にて、無料でできます。
eSIMの購入・登録方法
eSIMの購入は、通信業者の公式アプリを利用する方法が簡単です。
海外で使うeSIMを購入するなら、Holaflyやtrifa、Airaloなどがおすすめです。
ここではそれぞれの特徴については省略しますが、いずれも公式アプリがあるので、気になる人はダウンロードしてみてください。
eSIMのプランは利用期間やデータ容量、行先の国によってさまざまです。
1回の旅行で複数の国へ行く場合、周遊プランもあります。
初めて利用する場合は特に、トラブルに備えて日本語サポートがある通信業者を選ぶと安心です。
購入するeSIMが決まったら、オンラインで購入します。
購入完了後は、アプリ内もしくは設定したメールアドレスに、必要な情報が記載されたQRコードが届きます。
利用する端末にそのQRコードを使ってeSIMの情報をダウンロードして設定を進めます。
データ通信を利用するので、Wi-Fi環境で設定を行いましょう。
〇iPhoneの場合
「設定」→「モバイル通信」 または 「モバイルデータ通信」→「eSIMを追加」
案内された方法(QRコードの読み取りまたは詳細の手動入力)でダウンロード。
〇Android
「設定」→「ネットワークとインターネット」 または 「接続」→「モバイルネットワーク」にある「eSIMを追加」
案内されたQRコードを読み取るか、手動で情報を入力してダウンロード。
eSIMの使い方
ここでは、既存のSIMカードとeSIMをデュアルSIMとして利用する方法をご説明します。
eSIMのダウンロードが完了したら、もともと使っていたSIM(主回線)とeSIMのどちらを利用するかを選択します。
海外でeSIMを使う場合、現地についてからダウンロード済みのeSIMを主回線に設定して、利用を開始してください。
ダウンロード時にすぐ使い始めると、海外旅行で使うはずの利用可能日数が減ってしまいます。
気づいたら期間が終わっていた、というトラブルも実はよくあります。
逆に日本へ帰国後は、モバイルデータ通信をもとのSIMを主回線に戻します。
使い終わって不要になったeSIMはオフにしましょう。
まとめ
海外旅行でのスマホ利用に便利な、eSIMについて取り上げました。
海外でインターネットに接続する方法はWi-Fiを利用するか、スマホのデータローミングを利用するかどちらかです。
今回ご紹介したeSIMを使えば、Wi-Fiルーターを持ち歩く必要もなければ、物理的なSIMカードを入れ替える面倒な作業も必要ありません。
購入方法や設定、使い方も解説しました。
アプリを使って購入後のQRコードを読み取るだけで、難しい設定は不要です。
最近ではeSIMに対応した機種が多くなっており、これからますます海外旅行での必需品となっていくでしょう。
まだ使ったことがない人は、ぜひ次の海外旅行で挑戦してみてください!
①経歴
中学2年生の時に初めてカナダのバンクーバーでホームステイを経験。もっと英語が話せるようになりたい!と思い独学で勉強を続けました。
大学で米シアトルの大学へ留学が、初めて長期間英語圏で生活をした経験です。
帰国後も留学生との交流に積極的に参加しました。
母になってからは子どもと「おうち英語」を実践して、ゆる~く普段から英語を使うように意識しています。
②資格
・英検準一級
・総合旅行業務取扱管理者
③留学経験
・ワシントン大学(米シアトル)に9か月間
④海外渡航経験
大学生の時に、NGO学生ボランティアとしてフィリピンのマニラへ
毎年長期休暇に訪れていました。
大学院の時にインターンシップでベトナム、ホーチミンに3か月滞在
卒業後、日系コンサルティング会社から再度ホーチミンに赴任。
1年ほど現地にて現地法人営業などを担当していました。
その他海外旅行で訪れたのは13ヵ国以上。
⑤自己紹介
1番好きな国は長く滞在していたベトナム、そしてフィリピンです。
東南アジアの食文化や雰囲気が大好きです。
海外渡航専門の旅行会社で手配業務を担当していることもあり、海外旅行の計画を立てることが趣味です。
興味のある分野
・海外渡航、海外移住、海外出張
・幼児教育、子育て情報
・言語教育(英語、日本語)
・訪日外国人受け入れ事業(観光・技術実習生など)