
物価が安い国として人気の
ベトナムですが、ここ数年でのベトナム国内の経済成長や観光需要の高まりや円安の影響もあり、「本当にまだ安いの?」と気になる方もいるのではないでしょうか?
つい先日、ホーチミンに旅行で2週間以上滞在していたので、本記事では筆者の体験をもとに、最新のベトナム物価事情を日本と比較しながら紹介します。
食費・宿泊費・交通費・観光費をそれぞれ解説していくので、これから旅行を計画する方の予算立てに参考にしてください。
ベトナムの通貨とレート
べトナムでは、桁数が多い通貨が使われていて、最初は戸惑う人も少なくありません。
旅行前に知っておくと安心な通貨とレートの基本情報を、このセクションでチェックしてみましょう。
ベトナムで使われている通貨は、ベトナムドン(VND)です。
桁数が非常に大きいのが特徴で、初めて旅行する人は数字を見て驚くかもしれません。
例えば、レストランのメニューに「50,000」と書いてあっても、それは50,000ドン=約280円程度(※2025年9月現在、1円=約170ドン前後)くらいになります。
ゼロが多いので桁の感覚を間違えると、つい高く感じてしまうこともありますが、慣れてしまえば「0を2つ取って÷2くらい」という簡単な計算で日本円に置き換えられるようになります。
ベトナムでは紙幣のみが流通しており、最小単位は200ドンから、最大は500,000ドンまであります。
特に観光客がよく使うのは10,000〜100,000ドン札で、色や大きさが似ている紙幣もあるため、支払いの際には取り違えに注意が必要です。
レジや屋台で素早く出すためには、金額ごとに財布やポーチで仕分けしておくのも良いでしょう。
両替については、日本円から現地通貨へ替える方法と、クレジットカードやデビットカードを利用してATMから直接引き出す方法があります。
都市部の空港や市内の両替所、ホテルでも両替可能ですが、レートは場所によって差があります。
一般的に空港よりも市内の両替所の方が有利な場合が多いため、到着直後は必要最低限の金額だけ空港で替えて、まとまった金額は街中で両替するのがおすすめです。
また、クレジットカード払いも徐々に普及していますが、屋台や小規模なカフェ、ローカルショップでは現金しか使えないことも多いので、ある程度のドンを現金で持ち歩く必要があります。
高額紙幣を渡すと嫌がられることが結構あるので、20,000〜100,000ドン程度の細かい紙幣を常に準備しておくと便利です。
ベトナムの経済状況

ベトナムの物価を考えるうえで、現在のおおよその経済状況を知っておくことは大切です。
近年発展が進むベトナムでは、日常生活や観光にかかるお金の感覚にも変化が見られています。
ここでは旅行者目線で押さえておきたい経済の背景を見ていきましょう。
ベトナムは、東南アジアでも特に成長が著しい新興経済国として注目されています。
近年では、年平均約6〜7%のGDP成長率を記録しており、地域全体でも高い経済成長を実現しています。
主要都市であるハノイやホーチミン、ダナンでは、急速な都市化と観光産業の発展が進み、物価も上昇傾向にあります。
特にホーチミンやハノイでは、海外からの投資が活発で、インフラ整備や不動産開発の進行に伴い、物価水準も地域全体に影響を与えています。
一方で、地方都市や村では比較的低い物価水準が維持されています。
また、ベトナムドンの為替レートも経済状況に影響を与えています。
ベトナム旅行の際に日本円で考えると物価が非常に安く感じる場合もありますが、近年の為替変動やインフレの影響を受け、物価が少しずつ上がっています。
実際に私自身も6年前と今年とでのベトナム旅行を比較すると、当時と比べると物価はおおよそ2〜3倍ほどになっていました。
屋台の定番メニューも値上がりしており、ホテルの宿泊費も以前より高くなっています。
それでも日本と比べると十分に安く、現地の成長やインフレの影響を実感しつつも、コスパの良さは変わらないと感じました。
ベトナムの物価は高い?安い?
「ベトナムの物価って本当に安いの?」という疑問は、多くの方が抱いているのではないでしょうか。
ベトナム旅行中の街歩きや観光を楽しむうえでの感覚を、日本と比べる前にまずは現地の物価感覚を把握しておきましょう。
基本的には、日本の物価と比べると全体的に3分の1から半分程度と考えておくとイメージしやすいです。
街を歩いていると、屋台やローカルレストランでの食事は数百円から楽しめることが多く、コーヒーや軽食も日本よりずっと安く購入することができます。
ただし、注意したいのはホーチミンやハノイの中心地や外国人向けのレストランやバーでの料金設定です。
場所によっては日本円に換算しても割高な場合のこともあるため、あらかじめ相場を把握しておくと安心です。
ベトナムと日本の物価比較
ここでは、皆さんが一番気になっているであろう、ベトナムの物価が日本と比べてどのくらい安いのかについて解説していきます。
食事やホテル、移動など、旅行中の基本になる出費を比較して、実際にどのくらい差があるのかを見ていきましょう。
食費・外食費
ベトナムでの外食は、屋台からレストランまで幅広い選択肢がありますが、価格帯にかなりの幅があります。
例えば、筆者が訪れたホーチミン1区にある観光客向けの人気レストランでいただいたフォーは238,000ドン(約1,500円)でした。
店内は清潔で雰囲気も抜群だった上、食事そのものだけでなく空間も含めて楽しめたので、割高とは言え価値がありました。
一方で、チェーン店の「Pho 24」ではフォーが75,000ドン(約470円)で味わえました。
味も十分に美味しく、コスパ重視ならチェーン店や地元食堂を選ぶことをおすすめします。
屋台ではさらに安く、1食30,000〜50,000ドン(約200〜300円)でフォーはもちろん、バインミーやコーヒーを楽しめます。
現地の人も日常的に利用している場所に真似して入店してみると、英語メニューがない場合もありますが、旅行のちょっとした体験としても面白いポイントです。
宿泊費
ベトナム旅行で大きな出費のひとつが宿泊費ですが、バックパッカー向けのホステルからリゾートまで、ベトナムでは宿泊費の幅が広く、選び方次第で大きく変わります。
一般的なビジネスホテルや中級ホテルでの宿泊は、1泊あたり約3,000円〜7,000円が相場です。
対照的に、リゾート地での高級ホテルで宿泊する場合、1泊10,000円以上になることもあります。
短期旅行かつ相部屋でも構わない方は1泊約1,500円のホステルやゲストハウスを使う選択もあります。
さらに、あまり観光がメインではない方は、中心地ではなく少し郊外に滞在すると料金を大幅に節約でき、現地での生活感も楽しめます。
筆者が2025年8月末に宿泊した際は、4人部屋が朝食付きの13泊で、合計51,000円かかりました。
1泊あたり約3,900円と、日本では考えられないリーズナブルさでした。
滞在先はホーチミン2区にあるホテルで、まだ新しいホテルだった為非常に清潔で、共同キッチンや洗濯機も利用可能でした。
ただし、中心地である1区までは少し距離があり、観光がメインだった私たちにとっては移動に時間がかかるのが唯一のデメリットでした。
交通費
ベトナム旅行での移動費は非常にリーズナブルで、タクシーでの短距離の移動なら50,000ドン前後(約300円)で済むことも多いです。
都市部ではGrabなどの配車アプリが便利で、初めての旅行者でも手軽に利用できます。
バイクタクシーも慣れれば便利でさらに安価ですが、交通量の多い道では少し緊張する場面もあります。
さらに、市バスも安価で便利な移動手段です。
市内を循環するバスは1回5,000〜10,000ドン(約30〜60円)ほどで利用でき、観光客向けにルートが整理された路線もあります。
料金が非常に安く、現地の生活感を味わえるのも魅力ですが、ルートや停留所の把握が必要で、言語に不安がある人は少しハードルが高いかもしれません。
また、都市間の移動をする場合は長距離バスも便利になります。
ホーチミンからダナンやニャチャンなど人気観光地まで、バスを利用すれば数百キロの距離でも1,000円前後〜とコストを大幅に抑えられます。
座席も快適なエアコン付きの車両が多く、夜行バスを使えば宿泊費も節約可能です。
観光費
観光スポット巡りは、ベトナム旅行の醍醐味ですが、滞在都市や施設入場料、アクティビティの費用は場所によってまちまちです。
観光費の安さは、旅行者が自由にプランを組める大きなメリットです。
高額になりやすいテーマパークや美術館の入場料も、日本と比べれば格段にお得で、短期滞在でも複数の観光スポットを回ることができます。
例えば、テーマパークや遊園地のような施設では、一人あたり約1000円で入場できました。
日本の遊園地と比べると半額以下の感覚で、家族連れや友人同士でも気軽に訪れることができます。
ゴッホの展示会も見に行きましたが、チケットは約1,100円で、雰囲気や展示内容のクオリティを考えるとコスパの良さを実感しました。
そして、ハノイでは、ホアンキエム湖周辺の観光や文廟は入場料が100円前後と格安ですが、人気の水上人形劇は500〜600円程度かかります。
ダナンでは、バナヒルズの入場料が約3,000円前後と都市部に比べると高めですが、山頂までのゴンドラやテーマパークの設備を考えると納得感があります。
このように、都市ごとに料金の差はあるものの、ベトナム全体としてはまだ十分お得に観光を楽しむことができます。
その他
ベトナム滞在中にかかる費用は、食費や宿泊費、観光費だけではありません。
私自身の体験をもとに、滞在中に発生したその他の出費も紹介します。
まず、現地でも携帯が使えるようにするためにeSIMを事前に旅行アプリの「klook」で購入しました。
10日間使い放題のプリペイドSIMが約1,100円で購入でき、インターネットやGrabの利用も問題なく快適に行えました。
現地の空港で買うのも安いですが、着陸後すぐに通信環境が必要な方にはおすすめです。
日用品やちょっとした買い物については、歯ブラシや洗剤、お菓子などをローカルのコンビニやスーパーで済ませていましたが、日本の半分くらいの価格で購入できました。
もちろんAirBnbなどやゲストハウスで料理をするとなると、それなりに食材や調味料を集めることになるので、高くはつきますが、それでも日本と比べるとかなり安く済みます。
さらに、お土産もリーズナブルに手に入ります。
雑貨や食品、ベトナムコーヒーなどは数百円から購入でき、少額でも十分に喜ばれる品を選べます。
観光地のショップではやや高めに設定されていることもありますが、ローカルマーケットやスーパーを活用すると安く抑えられます。
ベトナム滞在・旅行で節約するコツ
元々安いベトナムの滞在費ですが、さらに限られた予算でも思い切り楽しみたい方向けに、
支出を抑えられる節約のコツをご紹介していきます。
まず食費は、屋台やローカル食堂を活用するのが鉄則です。
観光地周辺のレストランはどうしても割高になることが多いため、地元の人でにぎわうお店を選ぶと美味しくて安く済みます。
また、飲み物や軽食はコンビニやスーパーに併設されているフードコートで購入するのもおすすめです。
宿泊費を抑えたい場合は、ゲストハウスやホステル、Airbnbなどの民泊を検討しましょう。
ホーチミンやハノイなど都市部でも、立地や設備にこだわらなければ一泊数百円~千円台で泊まれる施設があります。
長期滞在の場合は、数日分まとめて予約することで割引が適用されることもあるので、予約サイトやアプリを活用してチェックしましょう。
観光費では、チケット料金や入場料の割引情報を事前に調べるのがポイントです。
オンライン予約や現地ツアー会社のパッケージを利用すると、直接購入するより安く済むことがあります。
また、無料で楽しめる寺院や公園、街歩きスポットも多く、予算を抑えながら観光を満喫できます。
まとめ
いかがでしたか?
年々国内の物価が上昇しているとはいえ、ベトナムでは、気軽に数百円のローカルグルメを楽しんだり、リーズナブルなホテルに泊まったりと、円安が続く中でも充実した旅をまだまだ楽しめる旅行先です。
もちろん観光スポットやレストランの選び方によって出費は変わりますが、これからベトナム旅行を計画する方は、今回ご紹介した費用感を参考に、自分に合った予算を立ててみてくださいね。
◇経歴
高校は日本国内の文部科学省グローバル教育指定校に通学。
高校卒業後、タイの国立タマサート大学に1年間正規留学。
その後、転入先であるチェコの国立マサリク大学で政治とメディア学を専攻。
イギリスの企業でマーケティングインターンを経験し、その後ジュニアマーケターとして採用され、英語での実務経験もあります。
◇資格
・TOEIC 800(高校2年次取得
・ IELTS 6.5(高校3年次取得
・ CEFR C1 (大学2年次取得)
◇留学経験
・アイルランド・ダブリンで2週間のホームステイ (高校2年次)
・タイ国立タマサート大学(1年間正規留学)
・チェコ国立マサリク大学(現在3年目で政治とメディア学専攻)
◇海外渡航経験
・25カ国訪問済み(例:ギリシャ、ベトナム、アルバニアなど)
・現地での留学やインターンシップの経験あり
・現在は30歳までに30カ国訪れることが目標
◇自己紹介
旅行が大好きで、異文化交流や新しい経験を大切にしています。これまでの経験を活かし、留学の良さを伝えていけたらと嬉しいです。