
エーゲ海の青と白のコントラストが映える街並み、太陽の光を浴びたビーチ、そして世界遺産に登録される数々の遺跡。
ギリシャは古代の歴史の足跡を辿ったり、海沿いのリゾートでゆったり滞在したりと濃く多彩な体験ができる、まさにヨーロッパ旅行のハイライトともいえる国です。
本記事では、都市・島別にギリシャ観光の特徴やおすすめスポットを徹底解説していきます。
ヨーロッパ周遊の一部として訪れる方も、ギリシャだけをじっくり堪能したい方も、本記事をぜひご自身の旅の参考にしてみてください。
ギリシャの基本情報と日本からの行き方

まずギリシャを訪れる前に知っておきたいのが、国の基本情報や日本からのアクセス方法です。
通貨や言語、フライトのルートなどの基礎知識を見ていきましょう。
ギリシャは南ヨーロッパのバルカン半島に位置し、エーゲ海やイオニア海に面した美しい国です。
古代文明の遺跡や神話の舞台として知られる一方、青く輝く海と白い街並みが広がるリゾート地としても非常に高い人気を集めています。
通貨はユーロ、言語はギリシャ語ですが、観光地では英語も広く通じるため旅行者にとって比較的安心して滞在できる環境が整っています。
日本からギリシャへの直行便は現在運航されていないため、ヨーロッパや中東の主要都市での乗り継ぎが一般的です。
よく利用される経由地はドバイ、イスタンブール、ドーハなどの中東経由や、フランクフルトやパリ、ロンドンといったヨーロッパ経由になります。
目的地の多くは首都アテネの「エレフテリオス・ヴェニゼロス国際空港(Athens International Airport)」行きとなります。
所要時間は乗り継ぎを含めて約15〜18時間が目安です。
少々長い旅になりますが、ギリシャに到着すればその美しい景観や歴史遺産がすべての疲れを癒してくれますよ。
また、アテネからは国内線やフェリーを利用して島々へ移動できます。
エーゲ海の人気リゾート地であるサントリーニ島やミコノス島へは、飛行機なら約40〜50分、フェリーなら数時間でアクセス可能です。
島巡りを計画している方は、国内交通のスケジュールを事前にチェックしておくとスムーズでしょう。
入国に関しては、日本のパスポート保持者はシェンゲン協定に基づき、90日以内の観光滞在であればビザ不要です。
ただしパスポートの残存有効期間は3か月以上必要となるため、事前に確認しておくと安心です。
ギリシャの気候と観光のベストシーズン
ギリシャは一年を通して多彩な表情を見せる国です。せっかくなら気候やシーズンに合わせて最適なプランを立てたいところです。
ここでは、ギリシャ観光を楽しむベストシーズンを見ていきましょう。
ギリシャは温暖な地中海性気候に属し、年間を通して比較的過ごしやすいのが特徴です。
夏は乾燥して日差しが強く、冬は温暖ながら地域によって雨が増えるため、要注意です。
また、ギリシャは地域によって気候差があり、北部のテッサロニキや山岳地帯では冬に冷え込みが厳しくなることもあります。
一般的に観光のベストシーズンとされるのは春(4〜5月)と秋(9〜10月)です。
この時期は気温が20〜25度前後と快適で、遺跡観光や街歩きにも適しています。
日差しはあるものの真夏のような厳しさはなく、観光地も比較的混雑が少ないのが魅力です。
また、観光客が減るため、料金も比較的リーズナブルになったり、夏に比べて治安面が落ち着いたりする点も春・秋のメリットです。
夏(6〜8月)はエーゲ海リゾートのハイシーズンになります。
サントリーニ島やミコノス島など人気の島々は世界中から観光客が訪れ、街全体が大変混雑します。
気温は30度を超える日も多いですが、カラッとした気候でビーチリゾートには最適です。
私は6月にアテネを旅行で訪れたことがありますが、日中は38度と非常に暑い上、街中も混雑しており、あまり落ち着いて観光できませんでした。
もし夏にギリシャ旅行を計画している方は、アテネなどの都市観光よりも先ほどご紹介した島々のリゾート滞在をおすすめします。
冬(11〜3月)は観光客が減り、都市部では落ち着いた雰囲気を味わえます。
アテネなどの都市観光には向いていますが、ビーチリゾートや島々はオフシーズンとなり、営業を休止する施設もあるため注意が必要です。
ギリシャの都市別・島別の特徴とおすすめスポット
ギリシャには個性豊かな都市や島々が点在しており、行き先によって全く違う魅力に出会えます。
このセクションでは、歴史を感じる都市からエーゲ海に浮かぶリゾートアイランドまで、ギリシャの主要な都市と島をご紹介します。
アテネ
ギリシャ観光の中心地といえば、やはり首都の「アテネ(Athens)」です。
古代ギリシャ文明の象徴ともいえるアクロポリスの丘には、世界遺産に登録されているパルテノン神殿がそびえ立ち、規模感に圧倒されます。
西洋文明の名残が感じられる歴史的建造物も街のあちこちに残っており、まさに生きる博物館ともいえる都市です。
歴史的なスポットを巡るなら、アクロポリスと併せてアゴラ(古代の広場)やゼウス神殿も外せません。
さらに、国立考古学博物館にはミケーネ文明や古代ギリシャの貴重な遺物が数多く展示されており、時間をかけてじっくり見学する価値があります。
一方で、アテネは古代遺跡だけの街ではありません。
モナスティラキ広場やプラカ地区はレストランやカフェ、土産物店が並ぶ賑やかなエリアで、散策するだけでも楽しい時間が過ごせますよ。
また、リカヴィトスの丘からはアテネ市街とアクロポリスを一望でき、夕景や夜景スポットとしても人気です。
丘の上にはレストランもあるので、都会の喧騒を少し離れて、ロマンチックなひとときを楽しめます。
テッサロニキ
ギリシャ第2の都市「テッサロニキ(Thessaloniki)」は、北部マケドニア地方の中心地であり、古代から交易と文化の交差点として栄えてきました。
アテネに比べ観光地としての知名度はやや低いものの、歴史や文化、グルメが凝縮された魅力的な街です。
街の象徴的存在は、ホワイトタワーと呼ばれる、海沿いの遊歩道にそびえる白亜の塔で、市内観光の出発点として親しまれています。
また、ローマ時代の凱旋門カマラやロトンダ、ビザンツ帝国時代の教会群など、多様な歴史遺産が点在しており、ユネスコ世界遺産にも登録されています。
歩くだけで異なる時代を行き来できるような感覚を味わえ、バス停の横に遺跡があったりと驚きの絶えない街です。
さらに、テッサロニキはグルメの街としても有名で、テッサロニキ滞在時に泊まったホステルのオーナーによると、「この街ではどこの国の料理でも食べられる」とのこと。
オスマン帝国時代の影響を受けた多国籍料理が楽しめ、スパイスを効かせた料理やスイーツが豊富にあり、特にブガッツァと呼ばれるパイ菓子や、ボリューム満点のギロはぜひ試してほしい一品です。
また、学生の街としても知られており、夜になるとバーやクラブが活気づきます。
観光とあわせてナイトライフを楽しめるのも、この街ならではの魅力です。
アクセス面では、ヨーロッパ各地からアクセス可能なテッサロニキ国際空港があり、アテネからは国内線で約1時間、5時間ほどかかりますが、鉄道でも移動可能です。
イオアニナ
ギリシャ北西部のエピルス地方に位置する「イオアニナ(Ioannina)」は、湖畔に広がる美しい街です。
観光地としてはアテネやサントリーニ島ほど知名度は高くありませんが、落ち着いた雰囲気と豊かな自然、そして独自の歴史が融合した隠れた名所です。
街の中心にはパムヴォティス湖が広がり、湖の中央には小島が浮かんでおり、ボートで気軽にアクセス可能です。
小島には修道院や伝統的な家々が点在し、時が止まったような素朴な雰囲気を楽しめます。
そして、イオアニナの見どころの一つが、オスマン帝国時代の要塞「イオアニナ城塞」です。
城内にはビザンツ時代の教会やモスクが残され、異文化が交錯した歴史を肌で感じることができます。
さらに、街の博物館では古代から中世にかけてのエピルス地方の歴史や文化を学ぶことができ、歴史好きにはたまらないエリアです。
また、イオアニナは銀細工の街としても知られています。伝統工芸として発展してきた銀製品は、美しい装飾や繊細なデザインが特徴です。
市内のショップでは、お土産や旅の記念にぴったりの品を見つけることができるでしょう。
アクセスはアテネからバスで約6時間、テッサロニキからは約3時間半と、少し足を伸ばす必要はありますが、その分観光客も少なく、静かで落ち着いた時間を過ごせます。
サントリーニ島
ギリシャといえば多くの人が思い浮かべる、真っ白な建物と青いドーム屋根が連なる街並みを有するのがエーゲ海に浮かぶ「サントリーニ島(Santorini)」です。
多くの人にとって憧れの地であるサントリーニ島の中心となる街は「フィラ(Fira)」と「イア(Oia)」。
フィラは島の玄関口ともいえる街で、レストランやショップ、ホテルが集まり、観光の拠点として便利です。
一方のイアは断崖に張り付くように広がる街並みと、世界屈指の夕日スポットとして有名です。
また、サントリーニ島は火山活動によって生まれた島ということもあり、カルデラを望む展望スポットや、赤や黒の火山砂が特徴的なビーチなど、自然の造形美を間近に感じられるのも魅力です。
そして、ワインの産地としても知られ、火山土壌で育ったブドウから作られるワインはぜひ味わいたい名産品のひとつです。
アクセスはアテネから飛行機で約45分、フェリーなら5〜8時間ほどです。
島内ではバスやレンタカーを利用して各地を巡るのが一般的ですが、夏場のハイシーズンのバスは非常に混むので、国際免許証を取得してレンタカーを利用することをおすすめします。
ミコノス島
「ミコノス島(Mykonos)」は、エーゲ海に浮かぶギリシャを代表するリゾートアイランドのひとつで、白い建物が並ぶ街並みと青い海が特徴です。
サントリーニ島ほど観光地化されすぎておらず、活気ある港町の雰囲気と、洗練されたリゾート感を同時に楽しめるのが魅力です。
中心地の町「ホラ(Hora)」は、細い路地にブティックやカフェ、レストランが軒を連ね、散策するだけでも楽しいエリアです。
また、夕暮れ時には海沿いのレストランやカフェで美しいサンセットを楽しむこともでき、ロマンチックな時間を過ごせます。
ミコノス島はナイトライフでも有名で、多彩なバーやクラブが夜遅くまで営業しています。
昼間はビーチでリラックスし、夜は音楽と共にパーティーを楽しむことができ、アクティブな旅行者には理想的な島です。
特にパラダイスビーチやスーパーパラダイスビーチは、透明度の高い海と賑やかな雰囲気で人気のスポットです。
アクセスはアテネから飛行機で約35分、フェリーでも2〜4時間ほどかかります。島内はバスやレンタカー、スクーターで移動するのが一般的です。
ロドス島
「ロドス島(Rhodes)」は、エーゲ海東部に位置する歴史とリゾートが融合したギリシャの人気観光地です。
古代遺跡や中世の街並み、そして美しいビーチが一度に楽しめるため、歴史好きの方もリゾート志向の旅行者も満足できる島です。
特にロドス旧市街は中世の城塞都市としてユネスコ世界遺産に登録されており、石畳の街並みや城壁、教会やモスクが当時の雰囲気を色濃く残しています。
ロドス島では、まず旧市街を散策して、中世時代の騎士団の痕跡や戦略的要塞の跡を巡ることで、島が長い歴史を経て発展してきた様子を見ることができます。
一方で、リゾートとしての魅力も豊富で、「リンドス(Lindos)」や「ファリラキ島(Faliraki)」周辺には白い建物が並ぶ美しい街並みや、紺碧の海を望むビーチが広がります。
アクセスに関しては、アテネから飛行機で約1時間半、フェリーで10時間程度で到着可能です。島内はレンタカーでの移動が便利です。
ギリシャ旅行のポイント・注意点
ギリシャの治安は都市ごとによりかなり違いがあります。
ここでは、旅行をより安心して楽しむために、知っておいてほしいポイントや注意点について解説していきます。
まず、観光地では夏のハイシーズンに多くの旅行者が集まるため、宿泊やフェリーの予約は早めに行うことが大切です。
特にサントリーニ島やミコノス島は人気が高く、直前の予約では希望の宿や時間帯を確保できないこともあります。
移動に関しては、島々を巡る場合、飛行機とフェリーのどちらを利用するかを事前に計画しておくとスムーズです。
フェリーは海の状況によって遅延することもあるため、余裕を持ったスケジュールを組むのがおすすめです。
都市間や島内では、レンタカーやスクーターを活用すると観光スポットを効率的に回れます。
また、ギリシャは日差しが強く、夏は非常に暑くなるため、日焼け止めや帽子、水分補給は必須です。
街歩きや遺跡観光では歩く距離が長くなることもあるため、歩きやすい靴を必ず持って行くようにしましょう。
さらに、神殿や教会を訪れる際には服装のマナーに注意が必要です。肩や膝を隠す軽装が望ましく、宗教施設では礼儀を守りましょう。
食事に関しては、ギリシャ料理は非常に美味しいものの油や塩分が多いこともあるため、体調に合わせて楽しむようにしましょう。
飲料水は多くの地域で水道水が飲めますが、慣れない場合はペットボトルのお水を買うことをおすすめします。
治安に関しては、宿泊するエリアによって変わるのでじっくりと選ぶようにしましょう。
私自身、アテネで何も調べずに宿泊したエリアが、売春やドラッグが横行する場所であることを現地の方から聞き、不安を感じました。
夜はできるだけ早く宿に戻り、安全を優先しましたが、事前に地域情報を確認しておくことの重要性を痛感しました。
最後に、ギリシャは祝日や宗教行事の日には店や公共施設が閉まることがあります。
特にイースターやクリスマスの時期は、交通や観光施設の運営が通常と異なる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
まとめ
ギリシャ旅行は、歴史ロマンあふれるアテネで古代遺跡に触れる歴史の旅から、エーゲ海を望むサントリーニ島でのリゾート滞在まで、魅力あふれる海外旅行先です。
ギリシャには何度訪れても新たな発見があり、訪れる都市によって全く違う体験ができます。
初めて訪れる予定の方も、次はギリシャ国内の別の都市を訪れてみたいと思っている方も次の旅行先候補としてぜひ計画に加えてみてはいかがでしょうか。
◇経歴
高校は日本国内の文部科学省グローバル教育指定校に通学。
高校卒業後、タイの国立タマサート大学に1年間正規留学。
その後、転入先であるチェコの国立マサリク大学で政治とメディア学を専攻。
イギリスの企業でマーケティングインターンを経験し、その後ジュニアマーケターとして採用され、英語での実務経験もあります。
◇資格
・TOEIC 800(高校2年次取得
・ IELTS 6.5(高校3年次取得
・ CEFR C1 (大学2年次取得)
◇留学経験
・アイルランド・ダブリンで2週間のホームステイ (高校2年次)
・タイ国立タマサート大学(1年間正規留学)
・チェコ国立マサリク大学(現在3年目で政治とメディア学専攻)
◇海外渡航経験
・25カ国訪問済み(例:ギリシャ、ベトナム、アルバニアなど)
・現地での留学やインターンシップの経験あり
・現在は30歳までに30カ国訪れることが目標
◇自己紹介
旅行が大好きで、異文化交流や新しい経験を大切にしています。これまでの経験を活かし、留学の良さを伝えていけたらと嬉しいです。