フィリピンのパスポートの見方は?書かれている内容や紛失時の対応方法も知っておこう

パスポート、ネイティブキャンプ、オンライン英会話

海外での生活や旅行において、
パスポートは身分証明だけでなく、出入国や滞在に関わるあらゆる手続きの基盤となる極めて重要な書類です。

本記事では、フィリピンのパスポートの見方や申請手続きの流れ、さらに日本人がフィリピン国内で行うパスポートの更新方法や、万が一紛失してしまった際の対応策までを詳しく解説します。

これからフィリピンを訪れる方や、現地で長期滞在を予定している方にとって、実用的で安心できる情報となれば幸いです。

フィリピンのパスポートに書かれていること

パスポートの外観と個人情報のページ

フィリピンのパスポートの表紙には、英語で「Republic of the Philippines(フィリピン共和国)」と「Passport」という文字が金色で記されており、中央には国章があしらわれています。

色は主に濃い緑、青、あるいは外交用・公用などによって異なります。

パスポートを開くと、最初に出てくるのが個人情報ページです。

このページには、所持者の顔写真をはじめ、次のような情報が英語で記載されています:

・フルネーム(姓・名)
・性別と生年月日
・出生地
・国籍(フィリピン)
・パスポート番号
・発行日と有効期限
・発行機関(通常は外務省)
・所持者の署名

このページは厚手のプラスチックでできており、ICチップが組み込まれている電子パスポート形式となっています。

個人情報の下には、国際規格に準じた機械読み取りゾーン(MRZ)もあります。

所持者への支援要請文とその他の記載内容

個人情報ページの近くには、フィリピン政府からの公式な要請文が掲載されています。

これは、他国政府や関係機関に向けて、パスポート所持者に対する保護や協力を依頼する内容で、英語とフィリピン語で記載されています。

文章の主旨としては、「所持者が安全に旅行できるよう支援をお願いする」という外交的な文言です。

さらに、パスポートの後方には注意事項がいくつか記載されています。

これには、以下のような内容が含まれます:

・パスポートは本人のみが使用すること
・不正な修正や他人への貸与は禁止
・紛失や盗難があった場合は、早急に最寄りのフィリピン大使館や領事館に連絡すること

また、入国スタンプやビザのための空欄ページも多数用意されており、それぞれのページにはフィリピンの伝統や観光地をモチーフにした淡い背景デザインが施されています。

フィリピンにおけるパスポート新規申請方法

申請前の準備と必要な書類の確認

フィリピンでパスポートを新しく取得する際には、まず外務省(Department of Foreign Affairs, DFA)の公式オンライン予約システムを利用して、申請の日時と会場を予約する必要があります。

この予約はDFA公式ウェブサイトから行い、利用可能な日時や場所(首都圏内外のDFAオフィス)を選ぶことができます。

予約を完了すると、確認メールが届き、その中にある申請確認書とバーコードページを印刷して持参する必要があります。

新規申請に必要な書類は主に以下のものです。

・PSA発行の出生証明書(Birth Certificate)
フィリピン統計局(PSA)によって発行された正式な出生記録が必要です。

・有効な政府発行ID(本人確認書類)
有効な身分証明書が必要で、たとえばUnified Multi-purpose ID(UMID)、PhilHealth ID、Postal ID、運転免許証などが該当します。

未成年や学生は、学校発行のIDや親の身分証明書が求められる場合があります。

・印刷した予約確認ページ(Appointment Packet)
バーコード付きの確認ページ、申請書類、支払証明書などをセットで持参します。

必要書類は申請者の状況(未成年、帰化者、外国出生者など)により異なるため、DFA公式サイトで詳細を事前に必ず確認することが大切です。

手続きの流れと発行後の受け取り方法

予約当日は、時間に余裕を持って指定されたDFAのオフィスに向かいます。

入り口では本人確認と持ち物のチェックが行われ、次のような流れで申請が進みます。

1. 受付と書類確認
印刷して持参した予約票と必要書類を提示し、スタッフによる確認を受けます。

記載内容に不備がないかここで確認されます。

2.データ入力および本人撮影
職員によって個人情報がデジタル入力され、その場で証明写真を撮影します。

写真撮影時は、メガネ、ピアス、帽子、過度な化粧は不可とされます。

3.指紋・署名の登録
生体認証として、両手の指紋スキャンと、デジタル署名の入力が求められます。

4.最終確認と受領証の発行
入力された情報を確認し、問題がなければ最終承認へ。

受領証(Claim Stub)が発行され、パスポートの受取日が記載されます。

パスポートの発行には、通常申請(Regular Processing)であれば約12営業日、急ぎ申請(Express/Rush Processing)の際は、約6営業日(追加料金が必要)かかります。

また、パスポートの受け取りは以下の2種類の方法があります:

・DFA窓口での直接受け取り
申請時に受け取った受領証と本人確認書類を持参し、指定された日付に来庁します。

・宅配サービス(Courier Delivery)
オプションで自宅やオフィスへの配送も可能で、申請時に申し込み・支払いをします。

なお、進捗状況の確認はDFAのトラッキングページから行うことができ、パスポートが準備でき次第、メールやSMSで通知が届きます。

フィリピンにおけるパスポート更新方法

申請前の確認と必要書類の準備

フィリピンに滞在している日本人がパスポートの更新を行うには、まず在フィリピン日本大使館または各地の日本国総領事館に出向く必要があります。

日本では「パスポートの更新」という言い方は一般的ですが、実際には「新しいパスポートの発給申請」という扱いになります。

更新手続きは、パスポートの有効期限が1年未満になった時点から可能で、期限が切れてしまった後でも申請は可能ですが、その場合は追加書類が必要となる場合もあります。

基本的に必要な書類(一般的なケース)は以下のものです。

・現在所有しているパスポート(原本)
・パスポート用の写真(縦45mm×横35mm、背景無地、6か月以内撮影)
・申請書(大使館または領事館で入手可能)
・戸籍謄本または戸籍抄本(有効期限切れの場合や記載内容に変更がある場合)

※婚姻や氏名変更、出生地の修正などがある場合には、追加の書類(婚姻証明書や戸籍の最新版など)が必要です。

申請書には、5年用・10年用の選択があります(未成年は5年のみ)。

申請書は記載ミスがあると受付できない場合があるため、記入例を参考にしながら丁寧に記入することをおすすめします。

手続きの流れとパスポートの受け取り

書類の準備が整ったら、在フィリピン日本大使館(マニラ)や、領事事務所(セブ・ダバオなど)に来館して申請を行います。

現在のところ、事前予約は必須ではありませんが、混雑状況や休館日などを確認してから訪問することをおすすめします。

申請当日は次のような流れで進みます:
1.受付・書類チェック
職員による書類確認が行われ、内容に不備がなければ受理されます。

2.申請料の支払い
日本円またはフィリピンペソで支払いが可能です。

為替レートにより金額が変動するため、最新の料金は公式サイトで確認しておくと安心です。

3.受領証の受け取り
手続き完了後、「旅券引換証(Claim Stub)」が渡されます。

これは後日、新しいパスポートを受け取る際に必要となるので、紛失しないよう保管します。

通常、申請から5営業日程度で新しいパスポートが発行されます。

パスポートの受け取りは原則として本人のみ可能で、申請時に渡された引換証と身分証明書を提示します。

発行された新しいパスポートは、古いものと引き換えに交付され、古いパスポートには無効印が押されて返却されるのが一般的です(査証ページは残ります)。

フィリピンでパスポートを紛失した場合の対処法

紛失後すぐに取るべき行動と必要書類の準備

フィリピン滞在中に日本のパスポートを失くしてしまった場合、最初に行うべきことは現地の警察署で「紛失証明書(Police Report)」を取得することです。

この証明書は、今後の手続きにおいて非常に重要な書類になります。

盗難の場合は「盗難届(Theft Report)」、紛失の場合は「紛失届(Loss Report)」として正式に記録されます。

次に、日本のパスポートを失ったことを在フィリピン日本国大使館(マニラ)または各領事事務所(セブ・ダバオなど)に速やかに届け出ます。

このとき、以下の書類を準備しておく必要があります:

・現地警察が発行した紛失証明書(原本とコピー)
・顔写真(縦45mm×横35mm、6か月以内、背景無地)
・本人確認書類(コピー可):運転免許証、住民票の写し、マイナンバーカードなど。
本人であることを証明できるもの
・日本の戸籍謄本または戸籍抄本(6か月以内発行)
・「紛失一般旅券等届出書」および「旅券発給申請書」
・費用(旅券発行手数料)

なお、本人確認が困難な場合や必要書類が手元にない場合でも、個別に対応してもらえる可能性があります。

事前に大使館または領事館に連絡を取り、指示を仰ぎましょう。

手続きの流れと一時的な帰国用書類の発行

大使館や領事事務所での申請手続きは、まず「紛失届出の受付」から始まります。

これは、正式に旧パスポートが使えない状態であることを日本政府に届け出る手続きです。

この届出が完了し、本人確認ができた場合には新しいパスポートの発行手続き、あるいは一時的に帰国するための「帰国のための渡航書(Emergency Travel Document)」の申請に進むことができます。

発行できる書類は以下の2種類です。

・通常のパスポート再発行
必要書類がすべて揃っていれば、通常の旅券を発行してもらうことができます。

発行にはおおよそ5~7営業日がかかります。

・帰国のための渡航書
急ぎで帰国する必要がある場合に発行される一時的な渡航書です。

発行には通常2~3営業日以内で対応してもらえますが、使用は日本への片道のみ有効です。

受け取りと注意点:

新たに発行される旅券や渡航書には、以前のパスポートに記載されていたビザや入国スタンプは引き継がれません。

フィリピン滞在に必要なビザ情報については、フィリピン移民局(Bureau of Immigration)へ別途問い合わせる必要があります。

また、海外でのパスポート紛失は緊急性が高いため、トラブルを未然に防ぐためにも、「パスポートのコピーを常に別に保管しておくこと」「在外公館の連絡先を控えておくこと」が大切です。

フィリピン入国時のパスポートに関する注意点

入国前に確認しておくべきパスポートの条件

フィリピンへ渡航する際は、出発前にパスポートの有効期間を必ずチェックする必要があります。

入国時点でパスポートの残存有効期間が6か月以上あることが原則とされており、これを満たしていない場合は、航空機への搭乗すら拒否されることがあります。

また、日本国籍を持つ旅行者であれば、観光目的であればビザなしで最大30日間の滞在が可能ですが、この条件には以下の内容が含まれます。

・フィリピン出国用の航空券(往復または第三国への航空券)を所持していること
・入国審査官に対して明確な滞在目的を示せること

加えて、近年はオンラインでの渡航情報登録や健康に関する申告フォームが義務付けられることもあるため、最新情報はフィリピン入国管理局(BI)や在フィリピン日本大使館のサイトなどで事前に確認しておくと安心です。

入国審査時の流れとパスポート取り扱いの注意点

フィリピン到着後、空港での入国審査(Immigration Check)では、パスポートが最も重要な書類として提示を求められます。

審査官は、パスポートの顔写真ページ、入国スタンプのスペース、出入国履歴、さらには滞在日数の条件を確認します。

パスポートに関して注意すべきポイント:

・スタンプ欄に余白が十分にあること
入国スタンプを押すスペースがなければ、トラブルになることがあります。

・破損や水濡れがないこと
判読困難な状態のパスポートは、受け付けられない場合があります。

ページが破れていたり、ICチップの読み取りができなかったりする場合は、再発行が必要です。

・入国スタンプが正しく押されているか確認すること
一部の空港では、入国スタンプの押し忘れや日付の誤記がまれに発生します。

これは滞在延長や出国時のトラブルにつながるため、入国直後に必ず確認することをおすすめします。

また、30日を超えて滞在する予定がある場合には、入国後すぐに移民局でビザ延長の申請を行う必要があります。

その際にも、パスポートのスタンプと入国日が重要な証明になります。

パスポートは単なる身分証明書ではなく、「滞在資格」を証明する重要な公文書です。

フィリピン入国時には、常に良好な状態で管理し、必要に応じて迅速に提示できるよう準備しておきましょう。

まとめ

フィリピンのパスポートには、所持者の顔写真や名前、生年月日、国籍、パスポート番号などの詳細が記載されています。

フィリピンでのパスポート申請は、オンライン予約が必要で、必要書類として出生証明書やIDが求められます。

また、フィリピン国内にて日本のパスポートの更新する際には、現在のパスポート、写真、戸籍謄本が必要で、大使館にて手続きが可能です。

紛失時には警察で証明書を取得し、再発行手続きを行う必要があります。

フィリピン入国時には、パスポートの有効期限が6ヶ月以上であることが求められ、スタンプ欄や破損の確認も重要です。

パスポートは海外渡航における最も重要な身分証明書であり、常に正しく管理し、必要な手続きを事前に把握しておきましょう。

nativecamp.net

nativecamp.net

nativecamp.net