フィリピンのバギオで長期滞在を検討しているものの、「どんな街なのかよく知らない」「長く滞在する際の環境が気になる」と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、バギオの基本情報や長期滞在のメリットをはじめ、住居や交通、食事、医療といった生活に関わる情報を解説します。バギオでの長期滞在を検討している方は、準備の参考としてご活用ください。
※なお、記事内の金額は1ペソ=2.5円で換算しています(2025/4/17時点のレート)。
- バギオの基本情報と長期滞在のメリット
- 長期滞在のメリット
- 長期滞在に適した住居と生活環境
- バギオでの交通手段と移動の便利さ
- バギオの観光スポットと文化体験
- バギオでの食生活と地元のグルメ
- 長期滞在中の健康管理と医療施設
- まとめ
バギオの基本情報と長期滞在のメリット
バギオの基本情報
バギオはフィリピンのルソン島北部に位置し、標高1,500mの場所にある都市です。
年間平均気温がおよそ20度で、3〜6月の最も暑い時期でも26度を超える日はほとんどありません。
そんなバギオは「夏の都市」とも呼ばれており、フィリピンの人々にとって憧れの避暑地となっています。
バギオは、もともとアメリカの占領下でアメリカ軍の避暑地として計画的に整備された都市であり、現在では大統領も暑さを避けて訪れるほど人気のある地域です。
高い教育水準と治安の良さ
バギオ市内には、フィリピンの中でも上位に入る大学が複数あります。そのため、バギオの教育水準が高く、語学学校にいる教師の質も高い傾向にあります。
また、バギオはフィリピンの中でも安全な地域として有名です。
大統領や政治家などの富裕層が避暑地として訪れることが多く、地域全体で治安維持に力を入れているため、治安が良好に保たれています。
ただし、日本に比べるとスリやぼったくりなどの軽犯罪は多く発生しているため、注意が必要です。
長期滞在のメリット
バギオは年間を通して快適な気候で過ごしやすいため、長期滞在に向いている地域だと言えます。
治安や教育水準も良好で、生活しやすい環境も整っているので、留学を検討している方にもおすすめです。また、都会すぎず自然も豊かで、落ち着いた滞在にも最適です。
長期滞在に適した住居と生活環境
長期滞在に適した住居の選択肢
バギオに長く滞在する場合、宿泊先としてはホームステイやシェアハウス(ルームシェア)、アパート、学生寮などの選択肢があります。
ホームステイは生活に必要な設備や家具が揃っており、多くの家庭では食事も用意してくれるため、初めての長期滞在でも安心して過ごせます。
シェアハウスは他の人と共同生活を送るスタイルで、多国籍の人たちと交流できるのが魅力です。滞在費用も安く、多くの留学生が利用しています。
アパートは日本の賃貸住宅のようなもので、家具付きの部屋も多く見られます。ホームステイなどと違い、自由度が高いことが魅力ですが、費用はやや高めです。
学生寮は語学学校に併設されていることが多く、英語学習に集中できる環境が整っているため、たくさんの留学生が利用しています。また、寮費は授業料に含まれていることが一般的です。
バギオでの生活環境
滞在前に、現地の生活環境を把握しておくことも大切です。
まず、バギオに限らずフィリピンでは、水道水をそのまま飲んではいけません。浄水設備が不十分で、雑菌やウイルスを含む可能性があるからです。
水道水を直接飲んでしまうと、下痢や腹痛に襲われることも多々あります。うがいのために口に含む程度なら問題ありませんが、飲料水はコンビニやスーパーで購入するようにしましょう。
また、バギオでは停電や断水が発生することがあります。
特に台風などの災害時は、数日間シャワーを浴びられなかったり、トイレが流せなかったりすることもあるため、懐中電灯や十分な水を備蓄しておくと安心です。
少し不便に感じることもありますが、基本的な設備は整っており、バギオ市内にある「SMモール」という大型ショッピングモールで必要な日用品はすべて揃うので、生活に困ることはありません。
バギオでの交通手段と移動の便利さ
バギオで利用できる交通手段
バギオでは、タクシーとジプニーが主な交通手段となっています。
留学生や観光客はタクシーをよく利用しており、他の地域と違ってドライバーがお釣りをきちんと返してくれることでも有名です。初乗りは50ペソ(約125円)で、日本と同じメーター制なので安心して乗車できます。
ジプニーはバギオ市内外を走る乗合バスで、現地の人が一般的に利用する交通手段です。バス停はなく、運行ルート上であればどこでも乗り降りできます。
乗りたいときは道端で手を上げ、降りたいときは天井をノックすると停車してくれます。料金は乗車時に支払い、4km以内であれば14ペソ(約35円)です。
バギオでの移動に便利な配車アプリ「Grab」
バギオで移動するなら「Grab」の利用がおすすめです。
Grabは周辺にいる車を呼べる配車アプリで、多くの観光客が利用しています。アプリ内で目的地を設定するため、行き先を伝える手間が省ける上に、登録した目的地によって料金も設定されるので、ぼったくりに遭うこともありません。
アプリの地図で現在地と目的地を設定すると、周辺にいる車とマッチし、現在地まで来てくれます。
マッチした車の情報やドライバーの顔・名前がアプリ上に表示されるので、乗車の際に情報が一致しているか確認しましょう。
Grabは電話やチャット機能もあるため、ドライバーと直接やりとりすることもできます。また、支払いは現金もしくはアプリ内でクレジット決済もできるので、非常に便利です。
バギオの観光スポットと文化体験
セッションロード(Session Road)
セッションロードはバギオの中心地にあるメインロードです。たくさんのショップやレストラン、バーなどが並んでおり、バギオの文化や生活スタイルを感じられます。
平日・休日を問わず多くの観光客や地元の人々で賑わい、日曜日には車道が歩行者天国になります。
毎年3月には車道を封鎖して「フラワーフェスティバル」という夜市が行われるので、この時期に滞在する場合は訪れてみると良いでしょう。
バギオシティマーケット(Baguio City Market)
バギオシティマーケットはセッションロードの近くにあるローカルの市場です。食べ物や衣類、お土産など、さまざまなものが安く売られています。
フィリピンのお土産を買いたいなら、このバギオシティマーケットで安く買えるのでおすすめです。
ナイトマーケット(Night Market)
ナイトマーケットはハリソンロードとバーナムパークで開催されている夜市です。毎晩21〜0時まで開催されており、多くの人で賑わっています。
特に週末は人が押し合うほどたくさんいるため、スリに注意が必要です。ナイトマーケットでは、食べ物や雑貨、衣類、お土産など、さまざまなものが売られています。
なかでも「balut(バルート)」と呼ばれる、孵化直前のアヒルの卵を茹でたフィリピン名物も購入可能です。有名なローカルフードなので、興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。
バギオでの食生活と地元のグルメ
バギオでの食生活
バギオは長期滞在者にとって自炊しやすい環境が整っています。スーパーやシティマーケットに行けば安く食材を入手でき、特に野菜は低価格で買うことができます。
醤油やマヨネーズ、味の素など日本で使用する調味料もスーパーで手に入るため、日本の味に近い料理を作ることも可能です。
その他日本の商品も売られていますが、日本より割高なため、必要最低限のものは持参しておくと安心です。
バギオで味わえる地元のグルメとおすすめレストラン
外食も比較的安く楽しめるバギオで、地元のグルメに挑戦してみるのも良いでしょう。
例えば、豚の頬肉や耳を刻んで炒めた鉄板料理の「シシグ(Sisig)」や豚の丸焼きの「レチョン」、豆腐に甘い蜜をかけたスイーツ「タホ」などが有名です。またフィリピンの家庭料理である「アドボ」も定番の料理です。
おすすめのローカルレストランには、シシグやピガルピガル(Pigar-pigar)を提供する24時間営業の「EDSTL Canteen Pigar-pigar」やギサド(Guisado)と呼ばれるラーメン風料理が人気の「Rose Cafe」、行列のできるフィリピン中華の「GOOD TASTE」などがあります。
どれも安価で地元のグルメを楽しむことができる人気店です。
長期滞在中の健康管理と医療施設
長期滞在中の健康管理
バギオに長く滞在していると、腹痛や風邪、インフルエンザなど思わぬ体調不良に見舞われることがあります。
万が一に備えて、事前に海外旅行保険に加入しておくことをおすすめします。保険に加入していれば医療費がカバーされ、急な通院にも安心です。
また、バギオの生活では日々の健康管理も重要です。
例えば、水道水を直接飲むことは避けるべきで、飲料水はスーパーやコンビニで購入するのが一般的です。特に食事では、生肉や火の通っていない料理は控えるようにしましょう。
バギオは年間を通じて過ごしやすい気候ですが、最も寒い時期である12〜2月は10度以下になる日もあります。防寒具を用意し、寒さ対策も忘れないようにしましょう。
バギオ市内の医療施設
バギオには日本人でも安心して受診できる医療機関が複数あります。例えば「バギオ・ジェネラル・ホスピタル」はバギオ市内にある公立病院で、費用が安く抑えられ、多くの地元住民が利用しています。
ただ、早朝からたくさんの患者が並び混雑しているため、診療に時間がかかる点は注意しておきましょう。
金銭に余裕があり、より快適な施設で診療を受けたい方は、私立の「ノートルダム病院」がおすすめです。内科や外科、歯科などの診療科が揃い、緊急外来にも対応しています。
また、ノートルダム病院には「ジャパニーズヘルプデスク」が設置されており、海外旅行保険に対応した診療の手続きをサポートしてくれます。
英語での対応が基本となりますが、医師の予約や保険手続きなどを代行してくれるため、安心して医療を受けられる環境が整っています。
まとめ
バギオは年間を通して快適な気候で、治安も比較的安全なため、長期滞在に適した地域です。生活に必要なものは一通り揃っており、基本的に困ることは少ないでしょう。
ただし、治安や健康面での備えは十分行っておくことが大切です。安心してバギオに滞在できるように、この記事を参考にしながら準備を整えてください。