
フィリピンは、欧米諸国と比べると物価が安いことに加え、日本からも近いため航空券代が安く済むなど、費用を抑えたい人にとってはぴったりの国です。
この記事では、フィリピン留学の特徴やフィリピンをおすすめする理由、さらには
フィリピン留学の学費などについて解説しています。
留学に興味があるもののどの国を選べばいいのか迷っている、費用面が気になっているといった人はぜひ参考にしてください。
- フィリピンの基本情報
- フィリピン留学の特徴
- フィリピン語学留学でかかる主な費用
- フィリピン語学留学期間別の費用・価格を解説
- フィリピン語学留学の費用・価格を抑えるポイント
- フィリピン留学をおすすめする理由
- フィリピン留学前の準備
- フィリピン留学はきつい?後悔する?
- まとめ
フィリピンの基本情報
フィリピンは東南アジアに位置する島嶼国で、面積は約29万8,170km²と日本の約8割に相当します。
フィリピンの首都はマニラで、首都圏には約1,350万人が居住しています。
人口は約1億900万人で民族構成は主にマレー系を中心に中国系やスペイン系、さらには少数の先住民族が混在している国です。
言語はタガログ語が国語で公用語には英語も含まれ、国内では180以上の地方言語が使用されています。
気候は熱帯モンスーン気候で年平均気温は約26〜27℃となっており、乾季(12〜5月)と雨季(6〜11月)があって7〜9月は台風シーズンです。
参考:Philippines - 2022 World Factbook Archive
参考:Population and Housing | Philippine Statistics Authority | Republic of the Philippines
フィリピン留学の特徴
まずはフィリピン留学がどのような特徴を持っているのか解説します。他の国にはないフィリピンだからこその特徴はなんなのか、ぜひ参考にしてください。
費用・価格を抑えられる
フィリピンは他の留学先の国と比べると物価が安いため、留学にかかる費用を抑えられる点が特徴です。
「留学をしたいものの、費用負担が気になっている」といった方にとってフィリピン留学は魅力的だと言えるでしょう。
日本人向けの学校も多い
フィリピンは日本人に人気の留学先の1つであり、日本人経営の学校も少なくありません。中には日本人の生徒を中心に募集している学校もあるほどです。
一方で、日本人が多いと日本語で話す機会も多くなってしまうためバランスを考慮しなければなりません。
寮生活が主流
フィリピンの語学学校の特徴の1つが、寮生活が主流である点です。生徒は学校が運営する寮に入り、日常生活を送ります。
また、学校によっては英語しか使用してはいけないルールを設けているケースもあるため、語学を徹底的に勉強したい人にとってもおすすめです。
1人部屋もありますが、2人部屋や3人部屋などもあるため、ルームメイトと英語をたくさん使って会話することも可能です。
リゾート地で英語を学ぶことも可能
フィリピンにはセブ島やダバオといったリゾート地も少なくありませんが、このようなリゾート地にも語学学校があります。
「語学学習だけでなく、思い出に残るような体験をしたい、たくさん遊びたい」といった人はリゾート地の学校を選択してみてもいいでしょう。
フィリピン語学留学でかかる主な費用
フィリピン語学留学でかかる主な費用として、以下のものがあげられます。
・現地支払い費用(ビザ・SSP・光熱費など)
・渡航費・海外旅行保険・保険
・現地生活費(通信・交通・交際費など)
上記のようにさまざまな費用がかかるため、予算に合うよう滞在期間やプログラムを選びましょう。
授業料・寮費・食費
フィリピンの語学学校では授業料と寮費、毎日の食事が一括でパッケージ化されているケースが多く、手続きが非常にシンプルです。
物価が日本よりも安いため、4週間の授業・寮・食費込みで約23.5万円での留学も可能です。
高級設備や1人部屋を選ぶ場合はさらに費用があがりますが、グループ寮などを利用すればコストを削減できます。
現地支払い費用(ビザ・SSP・光熱費など)
留学中に現地で支払う必須費用にはSSP(就学許可)やACR I-Card、ビザ延長料、教材・光熱費・管理費などが含まれます。
例えば、1ヶ月なら合計約3〜5万円、3ヶ月留学なら合計約12万円ほどが必要です。
渡航費・海外旅行保険
日本からセブやマニラへの往復航空券は5〜10万円が目安で、時期により変動します。
渡航前に学校の空港送迎費が別途必要な場合もありますが、多くの学校は送迎込みのコースを提供しています。
現地生活費(通信・交通・交際費など)
寮費・食費込みのパッケージとは別に、現地での通信費や交通費、交際費なども必要です。
現地SIMやジープニー、タクシー 利用が中心ですが生活体験や観光を楽しむ費用も見込んでおくと安心です。
フィリピン語学留学期間別の費用・価格を解説
フィリピン語学留学にかかる費用・価格を、以下の期間別に解説します。
・1か月の場合
・2か月の場合
・3か月の場合
・半年の場合
・1年の場合
期間が延びるほど費用・価格も大きくなるため、予算にあったプログラムを選びましょう。
1週間の場合
フィリピンで1週間の語学留学を計画する際、費用の主軸は学費・滞在費・食費のパッケージと渡航費・保険代です。
学校によりマンツーマン回数や部屋タイプで差があり、プラン次第ではやや高額になります。
航空券は安期を狙えば往復5万円前後が目安で保険や現地のSSP等の手続きは不要であり、海外保険は1週間なら数千円程度です。
短期のため長期割がなく割高感もありますが、超短期で英語体験やオンライン併用による予行練習には効果的です。
現地散策や観光を含めても、10万円未満で手軽に英語学習と海外体験ができる期間です。
【1週間モデル費用表】
| 費用項目 | 金額目安 |
| 学費・宿泊・食費 | ¥60,000 |
| 航空券(往復) | ¥50,000 |
| 海外保険 | ¥3,000 |
| 現地生活費(通信・交通等) | ¥5,000 |
| 合計 | ¥118,000 |
※為替や時期によって変動します。
1か月の場合
フィリピン1か月の語学留学では学費・宿泊・食費がセット料金で、平均23.5~26万円程度となります。
航空券往復は約3.8万~5万円、海外旅行保険が1.6万程度、現地の通信・交通・娯楽雑費で合計2万~5万を見込むと総額で約42~45万円となります。
短期ながらマンツーマン中心の集中学習が可能で、週末には近郊観光を楽しむ余裕もあります。
1週間より効率的に学習・生活・異文化経験ができ、費用対効果のバランスも良好です。
【1ヶ月モデル費用表】
| 費用項目 | 金額目安 |
| 学費・宿泊・食費 | ¥235,000〜¥261,000 |
| 学校諸費用(SSP等) | ¥42,000 |
| 航空券&保険 | ¥52,000〜¥65,000 |
| 現地生活費 | ¥20,000〜¥50,000 |
| 合計 | ¥349,000〜¥418,000 |
※為替や時期によって変動します。
2か月の場合
2か月留学では学費・宿泊・食費は約45万〜60万円となります。
航空券・海外保険合計は約10万~15万円で、現地での生活費は2か月で約4万~16万円です。
結果、総額約65~95万円が目安となり、2か月まとまった学習で語学力も飛躍的に伸びやすく心身の留学適応とスキル定着に最適な期間です。
【2か月モデル費用表】
| 費用項目 | 金額目安 |
| 学費・宿泊・食費 | ¥450,000〜¥600,000 |
| 現地諸費用(ビザ・光熱費) | ¥60,000 |
| 航空券+保険 | ¥100,000〜¥150,000 |
| 現地生活費 | ¥40,000〜¥160,000 |
| 合計 | ¥650,000〜¥1,000,000 |
※為替や時期によって変動します。
3か月の場合
3か月では学費・宿泊・食費に長期割引を適用し、約40万~55万円です。
通信・交通・娯楽費等の生活費は約7~20万円で、総額は約60~80万円が目安です。
150万円を超える高価格帯から65万円台の低額プランまである中、平均的には約65〜100万円で3か月語学が可能です。
【3か月モデル費用表】
| 費用項目 | 金額目安 |
| 学費・宿泊・食費 | ¥400,000〜¥550,000 |
| 現地諸費用 | ¥120,000 |
| 航空券+保険 | ¥100,000〜¥150,000 |
| 現地生活費 | ¥70,000〜¥200,000 |
| 合計 | ¥690,000〜¥1,100,000 |
※為替や時期によって変動します。
半年の場合
6か月留学では長期割で学費は月40~50万円台×6か月で、合計約240〜300万円となります。
総額は約315〜415万円が目安であり、6か月では日常英会話やビジネス英語にまで対応できて語学力の基盤がしっかり築かれる期間です。
【6か月モデル費用表】
| 費用項目 | 金額目安 |
| 学費・宿泊・食費 | ¥2,400,000〜¥3,000,000 |
| 現地諸費用(ビザ等) | ¥300,000〜¥400,000 |
| 航空券+保険 | ¥150,000〜¥250,000 |
| 現地生活費 | ¥300,000〜¥500,000 |
| 合計 | ¥3,150,000〜¥4,150,000 |
※為替や時期によって変動します。
1年の場合
1年留学は学費・宿泊・食費が月40〜50万円として年間480〜600万円で、現地手続き費用は60〜80万円です。
総額は約630~840万円が目安で、1年を通じて語学力・キャリア準備・異文化適応能力を育成できます。
【1年モデル費用表】
| 費用項目 | 金額目安 |
| 学費・宿泊・食費 | ¥4,800,000〜¥6,000,000 |
| 現地諸費用(ビザ等) | ¥600,000〜¥800,000 |
| 航空券+保険 | ¥300,000〜¥400,000 |
| 現地生活費 | ¥600,000〜¥1,200,000 |
| 合計 | ¥6,300,000〜¥8,400,000 |
※為替や時期によって変動します。
フィリピン語学留学の費用・価格を抑えるポイント
フィリピン語学留学の費用・価格を抑えるポイントとして、以下の5点があげられます。
上記のポイントを抑えて、フィリピン語学留学をなるべく低コストで実施しましょう。
早めに予約する
語学学校や航空券は早期予約によって割引が受けられるケースが多く、数万円程度の節約につながります。
また、航空券も出発日の2〜3か月前に購入するのが最安値になりやすく早めの手配がとても重要です。
加えて、留学エージェント経由で「友達紹介割」や「グループ割引」が適用される場合もあります。
仲間と一緒に申し込んで上記の割引を適用すると、相互に5,000〜10,000円程度お得になるケースもあります。
クレジットカードの海外旅行保険を活用する
海外旅行保険は留学中に欠かせない支出ですが、クレジットカードの付帯保険を活用して大幅にコストを抑えられるケースがあります。
そのため、医療費や救援費用が一定額までカバーされるかを確認し、補償の不足分だけを一般の海外保険で補う形にすれば、保険料を格段に節約可能です。
補償内容をきちんと見極め、「死亡補償」のように不要なものは省くなど自分の留学スタイルに合った最小限の保障に絞るとより効果的です。
大人数部屋を利用する
語学学校では寮費と授業料が一括になっているケースが多く、相部屋にすると料金がぐっと下がるのが特徴です。
さらに、大部屋には交流の機会や相互学習のメリットがあり、費用面だけでなく学習および生活のモチベーション向上にもつながるケースが見られます。
寮タイプの変更は現地到着後に調整できる学校も多く、最初は大人数部屋にして慣れてからプライベート重視の部屋に移るといった柔軟な対応も可能です。
LCCで航空代を安くする
フィリピン往復の航空券は、LCC(格安航空会社)を利用すると大幅に節約が可能です。
ただし、荷物制限や座席指定などの有料オプションがあるため、あらかじめ自身の必要条件を確認し、余計な料⾦がかからないように注意が必要です。
また、出発時期を柔軟に調整してキャンペーン時期やオフシーズンを狙って購入すれば、通常価格の半額以下になるケースもあります。
繁忙期を避けて留学する
春休み・夏休みなど留学のピーク時は航空券も授業料・寮費も高騰しますが、3〜5月のオフシーズンを狙えば価格を抑えられる可能性が高いです。
学習効率の面でも落ち着いた環境で授業に集中しやすいため、費用と学びの質の両方でメリットがあります。
フィリピン留学をおすすめする理由
ここではフィリピン留学をおすすめする理由を紹介します。 なぜ数ある国の中でフィリピンなのか、留学先を検討中の方はぜひ参考にしてください。
マンツーマンレッスンが主流
フィリピンの語学学校はマンツーマンレッスンが主流です。
欧米の語学学校は10人前後のクラスでのグループレッスンが主流ですが、グループレッスンだとクラス内でも語学力に差がある他、発言の機会が少なくなってしまう恐れがあります。
先生が生徒のレベルを考慮して授業を展開してくれる点もマンツーマンレッスンの魅力の1つです。
語学学校の数が多い
フィリピンは留学先として人気が高いこともあって、語学学校の数が多い点が特徴です。
また、コースの内容も英語初心者向けのもの、ビジネス英語を学ぶもの、アクティビティを含んだものなど多種多様です。
勉強に集中したい人、遊びも大切にしたい人など、さまざまなニーズに応えてくれるでしょう。
日本から近い
フィリピン留学をおすすめする理由の1つが、日本からの距離の近さです。
時差は1時間なので、時差ボケになる心配もありません。 日本の家族や友人との連絡もとりやすいでしょう。
さらに、距離が近いということは航空券代も抑えられるということです。 この点は費用面を気にしている方にとっては大きなメリットだと言えるでしょう。
欧米の場合、距離が遠いため、フライトだけでも10時間以上となるケースが多く、さらに時差があるため、到着直後は時差ボケに苦しみ、留学中の連絡も日本との時差を考慮しなければなりません。
こういった点を考慮すると、比較的近場であるフィリピン留学は日本人にとっておすすめだと言えます。
観光ビザでも留学できる
留学というとビザを取得しなければならないというイメージを持っている人もいるかもしれませんが、フィリピンの場合、30日未満の短期留学であれば事前手続きなしの観光ビザで入国できます。
なお、追加で申請をすることで30日を超えた滞在も可能なため、短期留学のつもりでやってきたけど、もう少しフィリピンに残りたいといった場合でも問題ありません。
フィリピン留学前の準備
ここでは、これからフィリピンに留学しようとしている人がやっておくべき準備について解説します。
特に語学面での準備内容を取り上げているため、ぜひ参考にしてください。
中学文法の復習
英語を勉強しようと思っているものの、基礎知識が曖昧で自信がないといった人は少なくないのではないでしょうか。
中学校の英語と聞いて侮ってはいけません。
中学英語だけでも日常会話は十分可能であるとされているくらい、中学レベルで学習する内容は重要なものです。
留学前に中学校で学ぶ文法を理解しておくだけでも、現地についてからの学習の大きな助けとなるでしょう。
単語学習
いくら文法を理解していても、語彙力がなければコミュニケーションをとることは難しくなります。
海外の学校では、座学もありますが、授業中にお互いにコミュニケーションを取り合うケースも少なくありません。
そのような時に言いたいことがあるのに単語がわからないといったことがないように勉強しておくことをおすすめします。
辞書を使用することもできますが、わからない単語が出てくるたびに辞書を使っていると時間がかかってしまいます。
文法と同じで、まずは中学校で学ぶ語彙を覚えるところから始めてみてください。
また、単語と合わせてよく使用するフレーズも覚えておくと便利です。
英語の中には使用頻度の多い表現があるため、それらを覚えておくと、コミュニケーションをスムーズにとれるようになります。
言い換えを覚える
英語に少しずつ慣れてきたものの、いつも同じ表現ばかり使ってしまうという人は少なくありません。
例えば、ある単語を別の単語で言い換える、ある文章を別の文章で説明するといった形です。
コミュニケーションをとる中で、ある単語を伝えても相手に理解してもらえない時があります。 そのような時に言い換えができれば相手に理解してもらえるかもしれません。
表現の幅が広がればコミュニケーションをとるのも楽しくなるため、ぜひ言い換えも覚えるようにしてみてください。
フィリピン留学はきつい?後悔する?
フィリピン語学留学は、濃密な英語漬け生活に戸惑う人も少なくありません。
現地では、マンツーマン中心のスパルタ授業や毎日10時間以上の学習が当たり前となるため、「思ったよりしんどく感じる」ケースが多いようです。
とりわけ、語学の基礎が不十分なまま挑戦すると宿題の量や集中力維持に苦しみ、途中で挫折してしまう人もいます。
また、現地のインターネット回線が不安定な地域もあり、オンライン調べものや辞書アプリの利用にストレスを感じる留学生もいます。
加えて、思った以上にお小遣いがかさむとの声もあり、娯楽や食事などの計画性がないと「帰りたくなる」状況に陥るケースも多いです。 とはいえ、しっかり目的を持ち、基礎を固めてから臨むと充実したフィリピン留学に変えられます。
フィリピン留学の失敗や後悔を防ぐためには自分に合った学校とコースを選び、事前準備と情報収集をしっかり行うのが重要です。
まとめ
今回は、フィリピン留学の特徴やおすすめする理由、学費などについて解説しました。
フィリピンは欧米諸国と比べると物価が安いことから、留学費用を抑えたい人におすすめです。
また、語学学校はマンツーマン形式が多く、寮生活を送るケースが一般的であるため、語学の勉強に集中したい人にはぴったりでしょう。
2週間程度の短期留学であれば20万円前後でできるため、コストを気にしている人はフィリピン留学を検討してみてはいかがでしょうか。
◇経歴
・イギリスに半年間留学
・イギリスでサッカーの指導者ライセンスを取得(指導の試験などは全て英語)
◇資格
・特になし
◇留学経験
・イギリス:2013年4月〜9月、The English Studio
・ドイツ:2019年9月〜、大学院留学(英語ではなくドイツ語です)
◇海外渡航経験
イギリスにはサッカーの指導を勉強するために留学しました。半年間現地の日系チームに所属し、指導者として活動しながらイギリスの指導者ライセンス取得に向けてコースにも参加していました。また、平日は語学学校に通い、英語の勉強をしていました。
◇自己紹介
ドイツの大学院に留学中のライターです。イギリスに半年間の留学経験があるほか、ドイツには現在も留学中で6年目を迎えています。現在はドイツ語学習がメインですが、英語も勉強しなおしており、語学力をさらに伸ばすことを目標にしています。