ワーキングホリデーに行く際に、保険への加入が必要なのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
保険に加入すると、すでに高額な留学費がさらに高くなるから加入したくない、と思われるかもしれません。
しかし、異国の地での慣れない海外生活では、思いもよらぬ体調不良や事故が起こる可能性もあります。
この記事では、ワーホリ保険に加入する必要性や加入が必須の国について、また滞在中に起こりうる事故や被害について解説します。
ワーホリ保険とは?
ワーホリ保険とは、ワーキングホリデーで海外に渡航する人向けに、長期滞在を前提とした特約を充実させている保険商品です。
通常の海外旅行保険に比べて補償項目が充実しており、半年以上の渡航でも安心できる内容なのが特徴です。
ワーホリ保険で補償される内容には、以下があります。
補償項目 | 特徴 |
傷害死亡 | けがや不慮の事故で亡くなった場合に補償される。 |
疾病死亡 | 病気で亡くなった場合に補償される。 |
傷害後遺障害 | けがや不慮の事故で後遺傷害が残ってしまった場合に補償される。 |
傷害・疾病治療費 | けがや病気で治療費を支払った場合に補償される。治療のために日本や他の国へ移送された場合の費用も補償内容に含まれる場合が多い。 |
歯科治療 | 渡航先で歯科治療を受けた場合に補償される。 |
救援者費用 | ワーホリで渡航中の人が亡くなったり入院したりした場合に日本の家族が駆けつける費用が補償される。 |
賠償責任保険 | 日常生活で、他人にけがをさせたり他人の物を壊したりしたことで損害賠償責任を負った時に補償される。 |
携行品、生活動産 | 手荷物が盗まれたり火災等で損害を被ったりした場合に補償される。 |
航空機寄託手荷物遅延 | ロストバゲージが起こった際に、購入した生活必需品の費用を補償してくれる。 |
航空機遅延 | 飛行機が遅延したために支払うこととなった宿泊費や交通費が補償される。 |
緊急一時帰国費用 | 日本にいる家族が死亡・危篤状態になった場合など、緊急事態で日本に急遽帰らなければならなくなった場合の宿泊費や交通費が補償される。 |
弁護士費用 | 損害賠償請求する際にかかる弁護士の相談料などを補償してくれる。 |
自分の必要な補償項目だけを選べる保険商品もあります。不要な項目を外すことで費用を抑えられる場合も多いです。
ワーホリ保険に入らない場合の注意点
渡航中の事故や被害を保証してくれるワーホリ保険。
基本的に長期滞在が多いワーキングホリデーでは、保険があると安心して過ごすことができます。
一方で、ワーホリをする人の中には、ワーホリ保険に加入していない人もいます。
加入しない理由の多くは、保険料が高額だからです。
すでに出費の多い費用に、さらに高額な保険料を払うのは、ちょっと…とためらうのは当然です。
しかし、保険に加入しない最大のデメリットは、事故や被害にあった時です。
想定外の出費はもちろんのこと、想像以上の高額な医療費を払う必要が生じてしまいます。
他にも、保険にはいらない選択をした時の注意点がいくつかあります。
詳しく見ていきましょう!
保険に加入しないと入国できない場合がある
ワーホリ保険に加入していないと、国によっては入国許可がおりません。
ワーホリ先として人気の国だと、カナダやアイルランド、フランス、ドイツなどで保険加入が義務付けられています(こちらに関しては、後ほど詳しく見ていきます)。
ワーキングホリデービザの申請時に、ワーホリ保険への加入証明書を添付しなければならない場合もあるので、渡航前に余裕をもって調べておきましょう。
想像以上に高額な医療費を請求される
海外では想像以上に高額な医療費を請求される場合もあるので、ワーホリ保険に入っておくことをおすすめします。
海外では病気などの治療が自費診療となる上、物価が高いため医療費も日本より高額です。
日本の医療費の感覚で数千円程度だろうと思い診察を受けると数十万円請求されたケースもよくあります。
現地の就労先から保険加入を求められる
現地の就労先から保険加入を求められる場合があることも、ワーホリ保険への加入をおすすめする理由の1つです。
事前に日本で保険に加入せずに渡航し、後々保険加入の必要性が出てくると、現地の保険に自分で加入する必要があります。
現地の言語のみでの対応になる場合が多く、国内で加入するよりも手続きが難しく感じられるでしょう。
ワーホリ中の被害や事故の事例
では、具体的にワーホリ中に起こりうる事故はどのようなものでしょう?
ワーキングホリデー中に起こり得る事故を大きく分けると、以下の5つがあります。
・健康問題が起こる
・交通事故にあう
・犯罪に巻き込まれる
・アクティビティで事故にあう
・自然災害が起こる
それぞれについて、具体的な事例を見ていきましょう。
健康問題が起こる
ワーホリ中に考えられる問題の1つ目は、健康問題です。
最も起こる可能性が高いので、多くのワーホリ保険で補償内容が手厚くなっています。
健康問題の具体的な事例として、以下が挙げられます。
・食中毒に感染し、数日間入院した
・虫に刺されて感染症を発症した
・コロナウイルスやインフルエンザなどに罹患した
現地では衛生状態が日本に比べて悪い場合もあるので、口にするものは特に注意しましょう。
入院となれば数十〜数百万円かかってしまうので、保険に加入しておくと安心です。
交通事故にあう
ワーホリ期間中、交通事故にあうことも考えられます。
ワーホリ先と日本とでは交通ルールが異なるので、自分が運転する時はもちろん、歩行中でも注意が必要です。
交通事故の例として、以下があります。
・レンタカーの運転中に、右側通行に慣れておらず対向車と衝突した。
・自転車に乗っていたところ、自動車と接触し怪我をした。
・歩行中に、車の死角に入りひき逃げにあった。
現地の交通ルールを事前に学んだ上で、保険にも加入しておくことをおすすめします。
犯罪に巻き込まれる
ワーホリ中の事故には、犯罪に巻き込まれることも挙げられます。
日本は海外と比べて治安が良いといわれているので、日本の感覚で街を歩いているとスリやひったくりにあう可能性が高いです。
犯罪に巻き込まれないために、以下を意識すると良いでしょう。
・夜道を1人で歩かない
・現金を持ち歩かないようにする
・人通りの多い場所を歩く
・荷物は前に抱えておく
荷物が盗難された時のために、携行品が補償範囲に含まれる保険を選びましょう。
アクティビティで事故にあう
ワーホリ中にアクティビティで事故にあうことも、考えられます。
ワーキングホリデーを利用して観光も楽しみたい人は多いですが、ダイビングやハイキングなどのアクティビティは事故につながる危険性も0ではありません。
自然災害が起こる
自然災害が起こることも、ワーホリ中の事故として考えられます。
まれではありますが、日本と同じように地震や火山の噴火リスクが高い国もあり、自然災害に巻き込まれる可能性もあります。
大きな災害でなくても、大雨などで借りていたアパートが浸水することなども考えられるでしょう。
ワーホリ保険への加入が必須の国もある!
また、ワーホリの加盟国の中には、保険に加入しようか迷う以前に、保険の加入が「必須」の国があります。
保険への加入が必須の国は、以下の通りです。
・カナダ
・フランス
・アイルランド
・ドイツ
それぞれについて詳細を確認していきましょう。
カナダ
カナダではワーキングホリデービザを使って入国する前に、渡航期間の全てを補償する医療保険に入る必要があります。
カナダ政府のホームページによると、補償内容は滞在期間中の医療費と入院費用に加え、移送もカバーしている必要があります。
移送もカバーする保険には、以下の3項目が補償されているか確認しておきましょう。
1.医療施設に連れていく際の費用
2.治療目的で日本に帰る費用
3.亡くなった場合に遺体を日本に運ぶ費用
ビザが発給されていても、入国時に保険がないと日本に強制送還される場合があるので注意が必要です。
フランス
フランスも、カナダ同様に全ての渡航期間を補償する医療保険が必要です。
在日フランス大使館のホームページには、補償内容として病気、けが、入院に対応しているものと書かれています。
クレジットカードに付帯の保険は不可と明記されているので、ワーホリ用の保険を契約しましょう。
アイルランド
アイルランドへのワーホリでは、駐日アイルランド大使館が発行するワーキングホリデープログラムの案内に「滞在期間をカバーする医療保険に加入すること」と記載されています。
細かい規定はありませんが、ワーホリ保険として販売されている保険商品を購入しておくと安心です。
ドイツ
ドイツのワーキングホリデービザ申請には、滞在期間の全てをカバーする医療保険と旅行賠償責任保険が必要です。
ドイツ大使館のホームページによると、必要な医療保険の補償内容には、以下も含まれます。
・歯科の治療にも適用されること
・女性の場合、妊娠時にも適用されること
他の国と比べて必要な補償内容が細かいので、保険を契約する際に確認しましょう。
ワーホリ保険の内容や選び方のポイント
ワーホリの保険を選ぶ際は、必ず複数の保険会社を比較して自分に合ったものを選びましょう。
比較検討する際に確認すべき点は以下のとおりです。
・補償内容
・補償金額
・日本語サポートの有無
・保険料
それぞれについて詳しく解説していきます。
補償内容
まず確認することは、補償内容です。
医療保険が基本となっている保険が一般的ですが、他人に損害を与えてしまった場合に備える賠償責任保険や、手荷物の盗難などを補償してくれる携行品損害保険なども一緒に契約できます。
医療費と損害賠償の費用は高額になるので、少なくとも医療保険と賠償責任保険が含まれるものを選ぶとよいです。
補償金額
補償金額も、ワーホリ保険を検討するときに抑えるべきポイントです。
補償金額には、自己負担の上限額や補償の限度額などがあります。
保険を契約していても自己負担が少なからずあるので、その金額を確認して自分にあった額に設定しておきましょう。
日本語サポートの有無
ワーホリ保険を検討する際には、日本語サポートの有無も確認しましょう。
現地で何かあった時に電話などで日本語のサポートを受けられれば、不測の事態でも安心できます。
日本語サポートは、本人の英語力によってつけるかどうかが変わってくるので、自身の状況を見て判断しましょう。
保険料
保険を比較する際に最も気になるのは、保険料ではないでしょうか。
保険料は、補償内容や補償金額、サポート体制の充実度などで決まります。
保険会社によっても保険料は大きく異なるので、相見積もりをとって比較検討しましょう。
個人の状況によるので一概には言えませんが、一般的に月数千円から数万円が保険料の相場です。
まとめ
この記事では、ワーホリ保険で起こりうる事故や被害、保険の加入の必要性などについて紹介しました。
ワーホリ中は、海外での慣れない生活で何が起こるか分かりません。
保険料は高額であるものの、保険に入っておくことで安心してワーキングホリデーを楽しめます。
ワーホリ保険を選ぶ際は、以下の項目を確認しましょう。
・補償内容
・補償金額
・日本語サポートの有無
・保険料
補償内容やサポート内容は人によって必要なものが異なるので、複数の保険会社を比較して自分に最適なものを選びましょう。
適切な保険を選んで、ワーホリ生活を充実したものにしてくださいね。

◇経歴
学習塾での英語指導経験、英語を使用した外国人への日本語指導経験あり
◇資格
TOEIC 835点、英検準1級
◇留学経験
フィリピン・セブ、3週間、IDEA ACADEMIA
◇海外渡航経験
旅行で台湾、韓国、語学留学でフィリピンへの渡航経験あり
2025年8月にニュージーランドへ移住予定
2019年よりイギリス在住で、現在は毎日英語を使っています。
◇自己紹介
小学校のALTがきっかけで英語に興味を持ち、英語の専門学校へ入学。
在学時から学習塾で子供たちに英語を指導してきました。
現在は日本語教師として英語で外国人に日本語を教えながら、私生活では海外移住に向け英語を勉強中。