
フィリピンへの観光や留学を考えている方の中には、国の治安や文化など、様々な面で不安を感じる方もいるかもしれません。
本記事では、フィリピンでの観光や留学をより充実させるために、現地の文化、経済状況、そして魅力的な観光スポットについて詳しくご紹介します。
☑️フィリピンの基本情報と地理的特徴
☑️フィリピンの歴史と多文化的背景
☑️フィリピンの経済概況と主要産業
☑️フィリピンの観光名所と魅力
☑️フィリピンの食文化と代表的な料理
☑️フィリピン訪問時の安全対策と注意点
フィリピン観光・留学を最大限に楽しむためには、事前の情報収集が不可欠です。フィリピンに関する情報を事前に把握することで、現地で後悔しないようにしましょう。
- フィリピンの基本情報と地理的特徴
- フィリピンの歴史と多文化的背景
- フィリピンの経済概況と主要産業
- フィリピンの観光名所と魅力
- フィリピンの食文化と代表的な料理
- フィリピン訪問時の安全対策と注意点
- まとめ
フィリピンの基本情報と地理的特徴
フィリピンは7,000を超える島々からなる東南アジアの国です。2022年の人口は1億1,555万人を超え、世界13位です。
国語はフィリピノ語(タガログ語)、公用語はフィリピノ語と英語ですが、それ以外になんと180以上の言語が使われています。多様な島々と歴史的背景から、地域ごとに根付いた文化が育まれています。
フィリピンとは
フィリピンへの旅行・留学を計画されている方は、外務省のページで、最新情報をご確認ください。
項目 |
情報 |
面積 |
298,170平方キロメートル(日本の約8割) |
人口 |
1億903万5,343人(2020年フィリピン国勢調査) |
首都 |
マニラ |
言語 |
国語はフィリピノ語、公用語はフィリピノ語及び英語 |
フィリピンの歴史と多文化的背景
フィリピンは、7,000を超える島々からなる東南アジアの国であり、その地理的な特性と長い歴史の中で、多様な文化が育まれてきました。
アジアに位置しながらも、イスラム、スペイン、アメリカなど様々な文化が入り混じり、独自の発展を遂げてきた背景には、フィリピンの特異な歴史があります。
フィリピンの歴史
フィリピンの歴史は、大きくスペイン統治以前(紀元前〜1521年)、スペイン統治時代(1521〜1898年)、アメリカ統治時代(1898〜1946年)、独立以後(1946年以後)の4つの時代に分けられます。
紀元前からネグリト族やマレー族が暮らしたフィリピンは、交易で多様な文化が流入。統一国家はなく「バランガイ」が共存しました。
16世紀からのスペイン統治で統一とカトリック化が進み、米西戦争後アメリカ統治を経て、1946年に独立。現在も多様な文化とスペイン・アメリカの影響が残っています。
フィリピンの文化
フィリピンの文化は、その歴史的背景から、多様性を最も特徴とすると言えるでしょう。
7,000を超える島々には、それぞれの地域に根付いた独自の文化が存在し、180以上の言語が使われています。
国語はフィリピノ語(タガログ語)、公用語はフィリピノ語と英語ですが、地域によっては独自の言語や習慣が色濃く残っています。
宗教においては、国民の83%がカトリックであり、ASEAN唯一のキリスト教国です。
その他のキリスト教が10%、イスラム教は5%となっています。特に南部のミンダナオ島などでは、今なおイスラム文化の色が濃く残っており、同じ国でありながら地域によって異なる文化が育まれています。
フィリピンの経済概況と主要産業
フィリピン経済は、近年高い成長率を維持しており、周辺国と比較してもその勢いが注目されています。
若年層が多く、今後も人口ボーナス期が続くとされており、さらなる経済成長への期待が高まっています。
一方で、急激な経済成長に対して、貧困問題やインフラの未整備など、克服すべき課題も存在します。
フィリピンの経済概況
世界銀行統計のデータによると、2022年時点のフィリピンの人口は、1億1,555万9千人です。そして世界第13位の人口の多さです。
また、平均年齢が20代と非常に若く、今後も人口増加が見込まれており、経済成長への大きな推進力となっています。2023年のフィリピンの経済成長率は+ 5.6%と、政府目標の6〜7%には届かなかったものの、依然として高い水準を維持していることが示されています。
フィリピン経済を語る上で欠かせないのが、海外移民送金(OFW)の文化です。
1,000万人以上のフィリピン労働者が、世界各地で働いています。そして、彼らのフィリピンへの送金が、GDPの約1割を支えています。この送金は、国内経済の安定と成長に大きく貢献してきました。
フィリピンの人々の「助け合い」精神は強く、この海外からの送金も、そうした国民性の表れであると考えられます。
一方で、フィリピン経済は貧困問題や地域格差といった課題も抱えています。
交通インフラなどの仕組みが十分に整っていないため、首都圏と地方との間で賃金格差が広がっています。都市部においては労働力が豊かである一方、都市部周辺の農村部では、働き口を得られない貧困層が多く暮らしているのが現在の状況です。
また、自然災害への対策もフィリピンが抱える大きな課題の一つです。こうした課題に対し、フィリピン政府は経済成長を促進するために、大規模なインフラ投資を積極的に行っています。
フィリピンの主要産業
フィリピンの経済成長は、主に「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業」「鉱工業」「農林水産業」などに支えられています。
BPO産業は、企業が自社で行う業務を外部の専門企業に委託する形態であり、フィリピンはこの分野で大きな成長を遂げています。
特に、コールセンターやITサポートなどのサービスが提供されており、英語が公用語の一つであることが、フィリピンがBPO産業を牽引する存在である大きな理由の一つとなっています。
鉱工業においては、電子機器の製造や鉱物資源の採掘が盛んです。フィリピンは、一部の電子部品や製品の製造拠点となっており、国際的なサプライチェーンの一翼を担っています。
また、金、銅、ニッケルなどの鉱物資源も産出されており、国の経済に貢献しています。
農林水産業では、ココナッツやバナナなどの南国ならではのフルーツや米などの農作物の生産が主要な産業となっています。
温暖な気候と肥沃な土地に恵まれ、多様な農産物が栽培されています。これらの農産物は、国内消費だけでなく、輸出も行われており、重要な外貨獲得源となっています。
フィリピンの観光名所と魅力
フィリピンは、美しいビーチや豊かな自然に恵まれた観光大国であり、多くの旅行者にとって魅力的な国の一つです。
日本からの直行便も多く、手軽な海外旅行先として人気を集めています。多様な島々には、それぞれ異なる魅力的な観光スポットが存在し、訪れる人々を魅了しています。
マクタン島
マクタン島は、フィリピンの中央に位置するセブ島から橋を渡ってアクセスできる島で、日本人観光客にも非常に人気のあるリゾート地です。
セブのビーチとしてよく紹介されるこの島には、白い砂のプライベートビーチを抱える高級リゾートホテルが数多く建ち並び、まさに南の楽園といった雰囲気です。マクタン島での滞在を予定している場合、ゆったりと過ごせる高級リゾートでの非日常体験がおすすめです。
シャングリラ・マクタン・アイランド・リゾートでは、プライベートスペースで贅沢なリゾートステイを満喫できます。
また、モーベンピック・ホテル・マクタン・アイランド・セブでは、夜にライトアップされクラブへと様変わりするレストランで、週末を遊び尽くすプランも楽しめます。
マゼランクロス
マゼランクロスは、セブで最も歴史の長い都市セブ・シティの中心部に位置し、気軽に立ち寄れる観光スポットです。すぐそばには、多くの信者が祈りを捧げるサント・ニーニョ教会があります。
マゼランクロスは、世界一周で有名な探検家マゼランが建てたとされる伝説を持つ十字架です。
実は、このマゼランクロスには、面白い言い伝えがあります。この十字架は「どんな病にも効く」と信じられています。そのため、削り取って持ち帰る人が後を絶たなかったそうです。
結果的に、十字架にカバーがかけられるようになり、現在では十字架を削ることは禁止されました。代わりに人々は十字架の前でろうそくを灯して願いを祈っています。
マゼランクロスは、毎年1月の第3日曜に行われるセブエリア最大のお祭りシヌログの舞台の一つでもあります。
フィリピンの食文化と代表的な料理
フィリピンの食文化は、その歴史的背景や地理的条件から、多様な影響を受けながら独自の発展を遂げてきました。
隣国や宗主国であったスペイン、アメリカなどの食文化の影響を受けつつも、フィリピンならではの味付けや食材を用いた料理が多く存在します。
カレカレ (Karekare)
カレカレは、代表的なフィリピン料理の一つで、牛肉や野菜をピーナッツ系の濃厚なソースでじっくりと煮込んだ料理です。とろみのある甘く香ばしいピーナッツソースが特徴で、牛肉の旨味と野菜の甘みが溶け合い、ご飯によく合う一品です。
地域や家庭によって、使用する肉や野菜の種類、ピーナッツソースの風味などが異なり、様々なバリエーションを楽しめます。
アドボ (Adobo)
アドボは、フィリピンの代表的な家庭料理です。肉や魚が主な材料で、酢、醤油、ニンニク、胡椒などのシンプルな調味料で煮込んだ料理です。鶏肉、豚肉、ラム肉など様々なバリエーションがあり、家庭や地域によって具材や味付けに違いが見られます。
スペイン植民地時代に、フィリピン人が酢を使って料理しているのを見たスペイン人が「酢につける」という意味の「アドバール(adobar)」と呼んだのが、アドボの名前の由来とされています。甘辛いタレの味が日本人の口にも非常によく合い、ご飯が進む定番のおかずです。
フィリピン訪問時の安全対策と注意点
フィリピンは美しい観光地が多い一方で、治安が悪いとされる地域も存在するため、旅行の際には十分な安全対策を講じることが重要です。
渡航前の準備から滞在中の注意点、緊急時の対応まで、しっかりと把握しておくことで、より安全で快適な旅行を楽しめます。
緊急連絡を覚える・携帯しておく
フィリピン滞在中に緊急事態が発生した場合に備えて、緊急連絡先をしっかりと覚えておくこと、またすぐに連絡できるよう携帯しておくことが非常に重要です。
空港や宿泊施設には、緊急連絡先が備え付けられていることが多いので、到着したらすぐに確認しましょう。
フィリピンの主要な緊急電話番号は警察110番、救急車117番、消防166番です。これらの番号は、いざという時のために必ず覚えておきましょう。
また、フィリピンには旅行者向けの緊急サービスも存在します。例えば、フィリピンには観光警察隊(Tourist Police)があります。観光客の安全を守るための組織で、空港や人気の観光地に駐在しており、旅行者からの相談に応じてくれます。なかには英語、スペイン語、日本語などを話す警察官がいるため、心強いです。
日本大使館も、フィリピンに滞在する日本人旅行者に対して、パスポートの紛失や盗難、緊急時の医療サポートなど、様々なサポートを提供していますので、連絡先を控えておくと安心です。
消毒の不十分な水道水は飲まない
フィリピンでは、水道水をそのまま飲むことはできません。
必ずボトル入りの水を使用し、飲料水としてだけでなく、料理をする際も必ずボトル入りの水を使用するようにしましょう。
歯磨きやシャワーを浴びる際にも、念のため一度沸騰させた水を使う、あるいは飲料水消毒用薬剤を購入し、水を使用することが推奨されています。
フィリピンは熱帯地域に位置するため、食中毒のリスクも比較的高くなっています。不衛生な水の使用は、食中毒の原因となる可能性があるため、水の扱いには十分に注意しましょう。
また、旅行中は手指の消毒を頻繁に行うことも重要です。市販の消毒液を携帯し、こまめに手指を消毒することで、感染症のリスクを減らせます。
屋台などでの食中毒に注意
フィリピンでは、屋台などで提供される食事は安価で手軽に楽しめますが、食中毒にかかるリスクが高いことも認識しておく必要があります。
屋台などで食事をする際には、手洗いをしているかどうか、加えて、調理器具が清潔かどうかなど、注意深く確認しましょう。
また、提供される料理は食べる前によく火が通っているかを確認することも重要です。生ものや加熱が不十分なものは避けるように心がけましょう。
食中毒を防ぐためには、信頼できるレストランを選ぶことも重要です。衛生管理が行き届いている店を選ぶようにしましょう。
もし、屋台で食事をする場合は、できるだけ人が多く、活気のある店を選ぶと、比較的安全であると考えられます。また、生水やカットされたフルーツなども、衛生状態に注意が必要です。心配な場合は、皮をむいて食べることができる果物を選ぶなどの工夫をしましょう。
万が一、体調が悪くなった場合は、無理をせずに休息し、必要であれば医療機関を受診するようにしてください。
まとめ
この記事では、フィリピンの文化、経済、観光について解説しました。
フィリピンは7000超の島から成る東南アジアの国です。人口は1億超、公用語はフィリピノ語と英語。
多様な島々と歴史が育む、地域ごとの文化が特徴です。多様な言語、カトリック中心の宗教、食文化も豊かです。
フィリピン経済は近年高い成長を維持しています。若年層が多く、人口ボーナス期で更なる成長が期待される一方、貧困やインフラ未整備が課題です。
BPO、鉱工業、農林水産業が主要産業。海外労働者からの送金も経済を支えています。
セブのマクタン島はリゾート地として人気。セブ・シティのマゼランクロスは歴史ある観光名所です。現地での安全対策として、緊急連絡先の把握、飲料水の注意、屋台での食事に注意が必要です。
観光・留学を成功させるためには、フィリピンについて理解して、万全に準備することが大切です。