
ニューヨークを訪れるなら、一度は体験してみたいのが、ブロードウェイ・ミュージカルです。世界最高峰の舞台が毎日のように上演され、大人から子どもまで幅広い層が楽しめます。
とはいえ、チケットの購入方法や観るべき演目、英語の壁や現地の鑑賞マナーなど、気がかりな面も多いのではないでしょうか。
この記事では、初めてブロードウェイを訪れる方に向けて、ブロードウェイの魅力やおすすめ作品、チケットの買い方、そして知っておきたい鑑賞マナーをわかりやすく解説します。どうぞ最後までお読みください。
- ブロードウェイとは?ニューヨークのどこにある?
- ブロードウェイの魅力
- ブロードウェイのおすすめ作品
- ブロードウェイのチケットの買い方・予約方法
- ブロードウェイではどんな席を選ぶべき?
- 知っておきたいブロードウェイの鑑賞マナー
- まとめ
ブロードウェイとは?ニューヨークのどこにある?
ブロードウェイとは、ニューヨーク・マンハッタンを縦断する大通りの名称です。特に41丁目から54丁目にかけて劇場が集中しており、一般的に「ブロードウェイ」といえば、このエリアにある劇場街を指します。中心地にはタイムズスクエア(45丁目付近)があり、世界中から観光客が訪れる活気あるエリアです。
劇場は規模によって区分され、500席以上の劇場が「ブロードウェイ劇場」、100〜499席の劇場が「オフ・ブロードウェイ劇場」と呼ばれます。
ブロードウェイの魅力
ブロードウェイの魅力は、世界最高水準のパフォーマンス、多彩な演目、そして観客と一体となる臨場感あふれる空間にあります。
世界最高水準の演技と歌唱力
ブロードウェイの舞台に立つためには、厳しいオーディションを突破しなければなりません。主演俳優はもちろん、アンサンブルに至るまで徹底した実力主義の世界です。その熾烈なオーディションの雰囲気は、映画『コーラスライン』(ブロードウェイ発のミュージカルを原作とした作品)でも描かれています。
観客と一体になるライブ感
日本の観客に比べ、ブロードウェイの観客は拍手や歓声、笑い声などのリアクションが大きいのが特徴です。作品や演目により雰囲気は異なりますが、盛り上がる公演では音楽ライブのように、舞台と客席が一体となる熱気を味わえるのも魅力のひとつです。
私もブロードウェイで初めて観劇した時は、ロックミュージカルではあったのですが、公演中の客席の盛り上がり具合にカルチャーの違いを感じました。
常に生まれ続ける多彩な演目
ブロードウェイでは、観光客に人気のファミリーミュージカルから、演劇ファンを唸らせる社会派作品まで、幅広い演目が上演されています。ニューヨークでは常に新作のワークショップや試演が行われており、商業性を持ちながらも時代に即した感性豊かな作品が次々と誕生しています。
ブロードウェイの象徴「トニー賞」
毎年6月に開催されるトニー賞は、ブロードウェイを語る上で欠かせない存在です。いわば演劇界のアカデミー賞ともいえる賞で、その年に新しく上演された作品の中から優れた作品・俳優・スタッフが表彰されます。
授賞式では各ミュージカルのハイライトパフォーマンスも披露され、華やかで大規模なイベントとして世界中から注目を集めます。受賞歴は作品の評価だけでなく、その後のチケット販売にも大きな影響を与える点でも大切なイベントです。
ブロードウェイのおすすめ作品
ブロードウェイで見る演目は、誰でも知っている有名な作品を選ぶのも良いですが、ニューヨークならではの作品を観るのもおすすめです。以下、おすすめの作品について解説します。
有名な演目からチョイス
有名な演目であれば、多少の言葉の壁があったとしても、楽しんで観ることができます。
親子で楽しむならば、言わずと知れたディズニーの『ライオンキング』や『アラジン』がおすすめです。
『MJ the Musical』は、ポップの王者マイケル・ジャクソンの人生をマイケルの音楽で描いた新しいミュージカルです。特にダンスシーンが圧巻で、2022年のトニー賞で主演男優賞と振付賞を受賞しました。マイケル・ジャクソンのファンはもちろん、マイケルのファンでなくても楽しめる内容になっています。
最近の映画公開でも話題になった『ウィキッド』は、ブロードウェイで2003年から上演され続けている大人気の演目です。『シカゴ』は、1996年からリバイバル版が上演され続けており、現在ブロードウェイで最も長く続いているロングラン作品です。
トニー賞を獲得した通向けの作品からチョイス
前項でもご紹介した、トニー賞を受賞した作品は、特にクオリティーの高い作品揃いです。演目を選ぶ際にはトニー賞作品賞受賞作から興味の惹かれる作品を選んでみてはいかがでしょうか。以下おすすめをまとめてみました。
・ムーラン・ルージュ Moulin Rouge(トニー賞2021年作品賞受賞)
ヒット映画『ムーラン・ルージュ』を舞台化した、ムーラン・ルージュは豪華絢爛なセットとショーアップで、観客を一気にムーラン・ルージュの世界にいざないます。レディー・ガガやアデルの楽曲を新たに盛り込んでミュージカルに組み込んだのも魅力の一つです。
・ハミルトン Hamilton(トニー賞2016年作品賞受賞)
アメリカ建国の父の一人、移民のアレキサンダー・ハミルトンの伝記をミュージカルにしたものです。特徴は、何といっても曲がヒップホップなどラップ調で作られていること。オバマ大統領も観劇したことで話題になり、熱気やカリスマ性を感じるミュージカルです。
・メイビー・ハッピー・エンディング Maybe Happy Ending(トニー賞2025年作品賞受賞)
韓国ミュージカルが初めてトニー賞をとったことで話題になった作品です。未来のソウルのヘルパーロボットの二人が関係を深めていくストーリーです。
・ヘイディズタウン Hadestown (トニー賞2019年作品賞受賞)
ギリシャ神話のオルフェウスとエウリュディケの神話をミュージカル化した作品です。フォークソングやジャズの音楽に載せたオリジナルな音楽と、美しい装置と照明も評価の高い作品です。
ブロードウェイのチケットの買い方・予約方法
ブロードウェイのチケットの買い方について説明をします。事前にチケットを確保しておきたいか、チケットをお得に購入したいかなどによって方法が変わります。
①各演目の公式サイトでの事前予約購入
一つ目の方法は各演目の公式サイトから事前購入をすることです。人気作品でチケットが売り切れないか心配な方、事前にチケットを確保しておきたい方におすすめです。公式サイトによっては、日本語の言語が選択できる場合もあります。
【購入の方法】
①Broadway.comやPlaybill(こちらはチケット販売サイトではない)などから、今現在ブロードウェイで上演されている演目をチェックします。ただし、Broadway.comは仲介サイトで手数料が高いことで有名で、このサイトからはチケットを購入しません。
②観たい演目が決まったら、演目の公式サイトに飛びます。公式サイトの探し方としては、検索エンジンに、「演目名(例: Hamilton) Broadway」と入力すると、トップページに公式サイトが表示されます。
③次に「BUY TICKET」などのボタンからページに飛び、席を選び決済をします。通常クレジットカードで購入が可能です。チケット購入の際には、チケット代金の他に、通常$10〜20ほどのサービス料金がチャージされます。
②現地の劇場のボックスオフィスで購入する方法
現地の劇場のボックスオフィスで購入をする方法は、2番目に確実な方法です。ボックスオフィスとは、公演が上演されている劇場の入口にあるチケット販売所のことです。オンライン購入とは異なり、サービス料がかからないのが特徴です。当日キャンセルが出た場合、良い席を購入することができる場合があります。
③tktsで割引チケットを購入
ニューヨークのタイムズスクエアには、tktsというブロードウェイの割引チケットを販売している店舗があります。
各公演のチケットを20〜50%割引で買えるお得な店舗です。一般販売で余ったチケットが集められているため、人気作品や良い席は回って来づらいこと、席は選べないことなどのデメリットがあります。しかし、何でも良いのでブロードウェイでミュージカルを鑑賞したい方には、おすすめです。
④LOTTERY(抽選)で購入する
ブロードウェイチケットで一番格安に購入できる方法が、LOTTERY(抽選)を使う方法です。作品毎に、当日や翌日の公演チケットをお得に買える権利が抽選で当たるシステムです。現在では各公式サイトのホームページから申し込む「DIGITAL LOTTERY」が主流となっています。
この抽選に当たると、チケットを$50前後でかなり格安に購入することができます。しかし、全ての演目では行っておらず、当選してからの購入時間制限(通常1〜5時間程度)や購入上限枚数制限(通常2枚まで)があるので、詳しい情報は公式サイトをチェックしましょう。
例えば現在、DIGITAL LOTTERYで行っている公演には、『ムーラン・ルージュ』、『ウィキッド』、『アラジン』などがあります。
①〜④の方法は多少なりともチケット購入の際に英語を理解する必要があります。もし、全く英語での対応が難しいという場合は、日本の旅行代理店からチケットを購入することもできます。しかしその場合、仲介手数料等の上乗せでチケット代は割高となります。
ブロードウェイではどんな席を選ぶべき?
ブロードウェイの座席や座席の読み方について解説をします。ブロードウェイの劇場は、1階席と2階席があります。
・Orchestra オーケストラ席(1階)
オーケストラとは1階にオーケストラピットがあることから呼ばれるようになった名前で、1階席のことを指します。
・Mezzanine メザニン席(2階)
メザニンとは中二階のことですが、主に2階と考えると良いです。Front Mezzanine、 Rear Mezzanineとメザニンの中でも前方、後方と表示がある場合が多いです。
・Balcony バルコニー席(3階)
3階バルコニー席がある劇場は少なめです。見切れも発生するため価格は安くなる傾向になります。
・Premium プレミアム席
プレミアム席は、座席の中でもっとも見やすいエリアで、チケット価格が一番高い席です。1階オーケストラ席の1〜2列目を除いた中央前方と、2階の中央前列に設定されている場合が多いです。
価格も抑えつつ、かつ見切れの少ないおすすめ席は、1階オーケストラの中央後方や、2階メザニンのサイド席前方です。
知っておきたいブロードウェイの鑑賞マナー
ブロードウェイでのミュージカル鑑賞には、厳しい鑑賞マナーはありません。服装については、ジーンズなどのカジュアルな格好でも大丈夫です。人によっては、ドレスアップして観劇している人もいますが、個人の楽しみや自由である場合が多いです。ただ、劇場内では空調が効きすぎている場合があるので、羽織など服装を調整できるように準備をしておくのがおすすめです。
劇場内での席でのマナーについても、日本で観劇をしたことがあるのであれば、問題ないでしょう。上演中の写真撮影や動画撮影は禁止、座席に劇場売店で購入したドリンク以外は持ち込み不可の場合もあります。不明な場合は、劇場スタッフに確認するのがおすすめです。
まとめ
以上、ブロードウェイ・ミュージカルの観劇方法についてまとめました。ブロードウェイでの鑑賞は、一度観ただけでも記憶に残る、素敵な体験になるでしょう。チケットを購入する際の参考になれば幸いです。
◇経歴
・国際教養学部卒業
・外資系企業に勤務経験があり、アドミや会計分野で、インド人、カナダ人、オーストリア人、フランス人など様々な国の出身の同僚と働いた経験があります。
◇資格
英検1級、TOEIC 900点、IELTS 7.5 など
◇留学経験
大学時代に交換留学プログラムでイギリスの大学へ1年間留学し、リサーチの基礎や英語学について学びました。
◇海外渡航経験
・高校時代にシンガポールで3週間ホームステイをし、現地の高校で授業を受講した経験があります。
・大学留学中は休暇を利用してヨーロッパ各国を旅行し、多様な文化に触れました。
◇自己紹介
英語が好きで、子どもの頃から自ら進んで勉強してきましたが、日本式の文法やリーディング中心の学習方法では、なかなか話せるようにならず、苦労した経験があります。ネイティブキャンプでの英会話に助けられました。
英語学習に役立つ情報をまとめたブログも運営しておりますので、よろしければご覧ください。
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