インドネシア留学ご検討中の方へ

英語学習とインドネシア語学習の両立

インドネシアの主要都市では、英語教育の需要が高まり、ネイティブ講師の採用が進んでいます。授業はほとんど英語で行われますが、日常生活ではバハサ・インドネシア（インドネシア語）が不可欠です。インドネシアでは、英語学習に加えて、日常的な会話や業務でのやり取りもほぼインドネシア語で行われるため、英語とインドネシア語の両方を学ぶことが非常に重要です。このような「実践的なバイリンガル環境」では、英語での授業とインドネシア語を使った生活が効率的に語学力を高めます。特にジャカルタやスラバヤの語学学校では、英語とインドネシア語を交えた会話クラブが毎日開催され、授業後にローカル学生とディスカッションを行うことで、文法と会話力の両方を同時に鍛えられます。また、ジョグジャカルタの大学附属語学センターでは、「英語でビジネスを学び、放課後にはインドネシア語を学ぶ」という二重構造で、多文化への理解を深めることができます。

異文化交流とインドネシア人との生活

イスラム、ヒンドゥー、キリスト、仏教など多宗教が共存するインドネシアでは、宗教行事に触れる機会が豊富です。ラマダン期間は日中の飲食を控えるムスリムの友人に配慮し、夜のイフタール（断食明け食事会）に招待されることも。こうした体験は宗教観の違いを実感し、多文化理解力を育てます。さらに家族主義が強い社会ゆえ、寮の友人の親族行事に呼ばれることもしばしば。現地の結婚式「アダット」の豪華な民族衣装やガムラン演奏は、日本では得られない異文化シャワーそのものです。

バリ島やジョグジャカルタ、ジャカルタなど観光地での学び

バリ島はリゾート地として名高いですが、実は観光業に特化した語学学校が多く、ホテル英語や接客英会話を学びながら、国際的なホスピタリティを実践的に学べます。放課後にはサーフィンやヨガを楽しみ、週末はウブドの森で伝統舞踊を観賞するなど、リフレッシュする機会も豊富です。ジョグジャカルタでは、王宮文化と共に、世界遺産ボロブドゥール寺院やプランバナン寺院を教材にした「考古学英語」スタディツアーが学びの場として非常にユニークです。首都ジャカルタでは、国際企業のインターンシップを活用し、英語での実務研修を通じて、ビジネススキルを磨くことができます。都市部ならではのネットワーク構築ができる貴重なチャンスです。

語学学校で学ぶ

• インドネシアの語学学校の特徴

  インドネシアの語学学校では、平均クラス人数は8〜12名程度の少人数制が一般的です。授業では、コミュニカティブ・アプローチ（会話を中心に学ぶ方法）を採用しており、日常的なシチュエーションを通じて実際の会話で語学力を高めていきます。この方法では、単に文法や単語を覚えるのではなく、実際に使うことで理解が深まり、語学学習がより効率的になります。

大学での英語教育プログラム

• インドネシアの大学での留学プラン

  国際クラス（International Class）は英語開講が基本。入学条件はIELTS 5.5〜6.0またはTOEFL iBT 72〜。1セメスター（4か月）から受け入れ、学費は1科目あたり1.5万〜2万円程度。IT専攻ならジョグジャカルタ州立大学、国際ビジネスならビヌス大学（ジャカルタ）が人気です。

• 英語力を伸ばすための大学のカリキュラム

  Academic Writing、Critical Thinking、Intercultural Communicationといったスキル系科目に加え、現地企業との共同プロジェクトが豊富。例えばジャカルタに本社を置くスタートアップ企業と協働し、英語でピッチ資料を作成して投資家の前で発表するといった実践タスクが盛り込まれています。

語学学校の費用

• 授業料

  ジャカルタでは月額約15万円、バリ島は約14万円、ジョグジャカルタでは約12万円が一般的な授業料の目安です。12週間以上の長期コースでは割引が適用され、45〜50万円前後となることが多いですが、詳細は各校で異なるため事前確認が必要です。入学金は通常1〜2万円程度です。

• 教材費や追加費用の詳細

  教材費は、1つの学習レベルに対して約1,500〜2,000円程度がかかります。発音矯正やマンツーマン特訓（1回1,000円、語学学校によって異なる場合あり）を追加する学生は多く、全体の6割程度です。市内観光などのアクティビティは週1,500円で参加可能です。

滞在費と生活費

• 内部寮または外部寮（アパートメントやビラ）

  • 内部寮：Wi‑Fi・1日3食付で月10万〜15万円。
  • 外部寮：家具・家電完備のスタジオタイプが12万〜18万円。バリのプール付きビラはシェアで15万円～20万円が相場です。

• 食費や交通費の目安

  食費は、ローカル食堂で1食200〜300円程度。カフェでのランチは500〜700円ほどです。日常的な交通手段としては、Gojekというライドシェアサービスが便利で、5kmほどの距離なら約150円で移動できます。また、SIMカードの費用は月々600円程度で、インターネットの利用も問題なく行えます。

• 日本との生活費の違い

  都内での平均的な生活費は月額18〜20万円程度と言われていますが、インドネシアではその約40〜60％、つまり月に7万〜12万円で生活をすることが可能です。特に、インドネシアでは家賃や交通費が抑えられるため、生活費を大きく削減できます。例えば、東京都心での家賃は7〜10万円が相場ですが、インドネシアでは同等の条件で3万〜5万円程度で済みます。しかし、輸入食品や化粧品などの一部の生活必需品は、日本よりも高価になる傾向があります。

留学保険の重要性

• 留学保険の選び方

  留学保険を選ぶ際の目安として、補償額は500万円以上、携行品損害の補償額は10万円以上、示談交渉サービスが含まれているプランを選ぶことをおすすめします。保険会社によって内容やプランが異なるため、各保険会社の詳細を比較して、自分に合ったプランを選ぶことが重要です。

• 医療費や緊急時の対応

  都市部私立病院の初診料5,000円、血液検査1万円、CT2万円。キャッシュレス病院提携の保険なら現金不要で治療を受けられます。

ビザの種類と申請方法

• 到着ビザ(VOA)の概要

  到着ビザ（VOA）は30日間の滞在が可能で、空港にて取得できます。1回の延長により最大60日間まで滞在可能で、各回約6,000円です。短期語学留学や観光を目的とした渡航に適しています。

• 長期滞在ビザの申請手順

  正規の語学・大学留学の場合、学生ビザ（ITASまたはKITAS）の取得が必要です。申請手順は以下の通りです。

  • 留学先から入学許可証（LOA）を取得
  • オンラインでe-Visa（Visa Approval）を申請
  • 許可が下りたら在日インドネシア大使館でビザを取得
  • 渡航後30日以内にインドネシア移民局で居住登録・KITASカードの発行手続き

ビザ申請の注意点

• 必要書類と申請期限

  残存6か月以上のパスポート、入学許可証、残高証明（50万円以上推奨）、英文健康診断書。KITASは渡航90日前には着手するのが安全です。

• トラブルを防ぐためのポイント

  ビザラン（隣国へ出国→再入国）を繰り返すと入国拒否のリスク。延長手続きや住所登録を怠ると1日1,000,000ルピア（約9,000円）の罰金が科されます。

留学先での生活スタイル

• 学生寮での共同生活

  • 寮則：門限22時・異性立入禁止・アルコール禁止が一般的。共用キッチンで自炊文化が根付き、食費を抑えられます。

• インドネシア人との交流

  現地学生はSNS交換が早く、週末のプチ旅行や食事会に誘ってくれるフレンドリーさが魅力。英語＋インドネシア語を即実践できます。

• 宗教や文化への理解

  礼拝時間（アザーン）はイスラム教徒による礼拝の呼びかけの音で、1日に5回流れます。これを尊重し、礼拝中に騒がないことが求められます。ハラールは、イスラム教で許可された食べ物や行動を指し、食事や商品において「ハラール認証」が必要です。また、インドネシアではヒンドゥー儀式（ニュピ）などの祭りも盛大に行われ、特にバリ島で多くの観光客も体験できます。こうした文化や宗教行事を尊重することで、インドネシア文化をより深く理解し、現地の人々との信頼関係を築くことができます。

日本との違いに適応する方法

• 気候や食文化への適応

  常夏の湿度で体調を崩しやすいので、こまめな水分補給と電解質サプリが必須。スパイシー料理は胃腸薬を常備すると安心です。

• 生活習慣の違いへの対応

  インドネシアでは「ジャムカレ（JAM KARET＝ゴムの時間）」という言葉がある通り、時間に対する感覚が日本と異なります。約束時間より30分以上遅れることも珍しくなく、大学の講義も5〜10分の遅れは日常的です。時間に対して柔軟で寛容な姿勢を持つことが、ストレスなく現地に馴染むコツです。

留学中の楽しみ方

• 観光地巡りとアクティビティ

  バリ島のヌサペニダでマンタとダイビング、ジャワ島ブロモ山サンライズツアー、スラウェシ島タナトラジャ葬儀見学など、地理的多様性は群を抜いています。

• 地元のイベントや祭りへの参加

  独立記念日（8月17日）の大綱引き、ガルンガン（バリの正月）のバロンダンス、ジャカルタマラソンなど、語学学校が現地ガイド付きで企画するので初心者でも安心です。

インドネシア留学の注意点とデメリット

• 治安や詐欺への注意

  ひったくりを防ぐためには、バッグは前に抱えて持つのがおすすめです。移動には、Blue BirdやGrabの公式サービスを使うようにしましょう。闇両替や白タク（非正規のタクシー）はトラブルの元になるため避けるのが無難です。

• 医療体制と衛生面の違い

  公立病院は混雑し英語不可のケースが多い。私立病院かクリニックにかかるのが無難。水道水は飲めないためウォーターサーバーを常備しましょう。

• 英語環境の地域差

  ジャカルタ中心部は英語が通じるが地方はインドネシア語が主流。翻訳アプリを活用したり、基本フレーズを覚えておくと安心です

• 宗教的な制約やルールへの配慮

  女性はショートパンツ・ノースリーブを控え、公共の場でのスキンシップもNG。モスクや寺院を訪れる際はスカーフやサロンを準備しましょう。

留学前の準備リスト

• 必要な持ち物と書類

  通常の短期留学では、パスポート、常備薬、虫よけ（蚊に刺されないように）、日焼け止め（強い紫外線対策）、折りたたみ傘（突然の雨に備えて）を準備しましょう。また、変換プラグや変圧器が必要です。インドネシアでは、電源のプラグ形状が日本と異なるため、事前に確認して持参することをおすすめします。女性の場合は、宗教的な配慮から、スカーフを持参するのが良いでしょう。さらに、インドネシアではティッシュが常備されていないトイレも多いため、ティッシュやウェットティッシュも持ち歩くと便利です。

• 学力の事前準備

  英語はオンライン英会話で週3回の瞬発スピーキングを実践し、インドネシア語は無料の言語学習アプリや、YouTubeでインドネシア語のドラマや会話を視聴することで、発音や会話のリズムに慣れることができます。こうした準備をすることで、インドネシアに到着してからの言語の壁や文化的なストレスを軽減できます。

日本でできるインドネシア文化体験

• 国内でのインドネシア文化イベント

  東京・大阪で開催「インドネシアフェスティバル」では本場のバティック染め体験やサンバル料理教室を実施。事前に文化背景を知ることで現地での理解が深まります。

• 日本人向けのインドネシア語講座

  国際交流基金の無料eラーニング「Marugoto」や、インドネシア語を学べる民間語学スクールは、東京や大阪、名古屋などの都市部を中心に複数存在します。例えば、週1回1.5時間・全12回（約3か月）のコースで、受講費用は4万円前後が一般的です。このようなコースは、初心者でも気軽に始められる内容となっています。出発前に数字・挨拶・タクシー利用フレーズを暗記しておくと便利です。

留学後のキャリアへの活用

• 英語力を活かした仕事の選択肢

  日系製造業の現地法人、外資系ホテル、ITスタートアップのASEAN統括などで英語＋新興国経験が高評価。TOEIC750以上でマネジメント候補に採用される例も増加中。

• インドネシア語を活かした国際的なキャリア

  インドネシア市場担当営業、国際協力NGO、政府系開発コンサル、通訳ガイドなど。BIPA中級（CEFR B1相当）を取得すると差別化が図れます。