みなさまも一度は口にしたことがあるかと思いますが、「ビジネス英語」について、みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
実際にどのような英語を示しているのかみなさんはご存じでしょうか。
今回は、ビジネス英語とはなにか、グローバル化における英語についてお話しいたします。
「グローバル化の現状」
過去の記事でもグローバル化について触れてきましたが、では実際にグローバル化とはどのようなものでしょうか。グローバル化の概要について少しお話しさせていただきたいと思います。
グローバル化は、「グローバリゼーション」とも呼ばれ、
「社会的、あるいは経済的に地域などの境界を超えて世界的規模で結びつきが深まること」
を意味しています。
例えば、「経済のグローバル化」といった場合には、国境を越えて資本や労働力等が移動することを指す言葉になります。現代社会は、グローバル化によって多種多様な社会になってきたといえるでしょう。
グローバル化の歴史をたどれば15世紀の大航海時代まで遡ることになりますが、現在、グローバル化と呼ばれている社会現象は、およそ1970年代の技術の進歩によるものだといわれています。この頃より、ヒト・モノ・カネが自由に国境を越え、盛んにやりとりされるよになりました。
さらに、近年では、インターネットなどの情報伝達の分野における技術革新が新たな影響を与えています。
それにより、現在の私たちはインターネットを使うことで、どこにいてもいつでも世界中の人と交流することが可能になりました。このように、グローバル化によって私たちの日常生活は大きな影響を受けているといえるでしょう。そして、グローバル化は、今後ますます進んでいくといわれています。
「シリコンバレーの生態系」
シリコンバレーは、サンフランシスコの南部に位置しており、世界有数のⅠT企業が多く存在することから、「IT企業の聖地」とも呼ばれているようです。
シリコンとは半導体を意味し、コンピューターの心臓部のことです。パソコンやスマートフォン、テレビなど多くの電子機器に使われており、現在の私たちの生活にとって欠かせない存在ともいえるでしょう。
つまり、山脈に挟まれた地域に、半導体企業が多く集まったことからシリコンバレーという名前がついたそうです。
さて、そんなシリコンバレーですが、様々な国籍の人が活躍しており、実はアメリカ人よりも、その他の国籍の人々の方が多いのです。つまり、シリコンバレーで活躍するためには、多種多様な文化とアメリカ英語以外の英語を理解することは必要不可欠だといえるでしょう。
また、シリコンバレーでは、人付き合いが必要不可欠だと言われています。基本は全て自主独立であり、「相手が話し終わるまで、大人しく話を聞く」という日本人の常識ではコミュニティに入ることができないのです。
シリコンバレーで成功するためには、「多様性」の大切さを理解することが重要だといえるでしょう。自分がそのコミュニティに対して、どのように貢献できるのかを明確に伝える必要性があります。
日本において、多種多様な文化、英語を理解する機会は多くはないといえるでしょう。そのため、ネイティブキャンプの多国籍講師陣のレッスンを受講することは、グローバル化において非常に効果的であるといえます。
「日本における「ビジネスレベル」の定義」
企業のグローバル化に伴い、日本でも頻繁に使われ始めた「ビジネスレベル」の英語力という表現があります。それに関連して、「日常会話レベル」「ネイティブスピーカーレベル」という表現もありますが、具体的にどのような基準を指しているのでしょうか。
現在、日本の企業でも採用条件に「ビジネス英語スキル」「TOEIC600点以上」など、英語力を求められる求人が増えた印象があります。
まずは、「日常会話レベル」の英語(以後、日常英語と呼ばせていただきます。)と「ビジネスレベル」の英語(以後、ビジネス英語と呼ばせていただきます。)の違いについてお話ししたいと思います。
まず、共通していえることは、どちらも文の構造に違いはありません。しかし、日常会話では多少文法が間違っていても、単語や身振り手振りで相手に伝えることが可能ですが、ビジネスの場ではそういうわけにはいきません。文法の理解が必要不可欠になります。
また、日常英語の特徴は短縮形や省略形がよく使われることです。会話によっては、主語と動詞の両方を省略することもあります。また、is notはisn’tに短縮され使われます。
しかし、日本語にも敬語があるように、ビジネス英語ではこのような省略形や短縮形を使わず、マナーを踏まえた上で丁寧な表現や言い回しが必要になります。ビジネス英語では、TPOに合わせて、使用する単語に気を配りながら会話を進めることが求められます。
では、実際にビジネスの場では、どのような英語力が求められるのでしょうか。先にも申し上げました通り、日常英語とビジネス英語では、文法や基礎的な部分に変わりはありませんが、ビジネスで英語を使う際にはマナーや専門的な語彙力が必要になります。
また、ビジネスにおいて、「Yes」「No」をはっきりと相手に伝えることは非常に重要だと言えますが、ただストレートに伝えるだけではなく、相手への思いやりを持つことも大切です。日本語の敬語でもあるように、相手の意見に対して反対の意見を述べるときや、相手にとって不都合な事実を伝える際には、ビジネス英語においてもクッション言葉を添えて、表現を柔らかくして使用します。
ただし、先ほども申しました通り、「Yes」「No」を伝えることが重要ですので、クッション言葉を多用しすぎると、わざとらしい、まわりくどい、といった印象を与えてしまう場合もありますので、注意が必要です。
その際に気を付けていただきたいのは、クッション言葉がなくても伝わるかどうか、という点です。クッション言葉はあくまで、伝えたたい内容を柔らかく表現する手段であることを、覚えておいてください。
「ビジネスパーソンが持つべき英語力」
では、丁寧語やクッション言葉を用いたビジネス英語ができれば、いいのでしょうか。実はそれは少し異なります。もちろん、先に申しましたマナーや表現は重要ですが、それ以上にビジネスの場において求められることがあります。
実際にビジネスの場において、最も重要とされているのは対話力です。
対話力とは、聞く・まとめる・伝える、という3つの要素から構成されています。そのために必要な要素の一つが先に申しましたビジネス英語なのです。
ビジネスにおいて大切なことは、相手とコミュニケーションをとることです。そのうえで、こちらの要望や伝えたいことを、相手に合わせて柔軟に対応していかなければならないのです。つまり、ビジネスパーソンが1番に求められる英語力とは、実は多様性なのではないでしょうか。
「グローバル人材」
海外で活躍できる人材を「グローバル人材」といいますが、その定義は様々です。
文部科学省によると、
「世界的な競争と共生が進む現代社会において、日本人としてのアイデンティティを持ちながら、広い視野に立って培われる教養と専門性、異なる言語、文化、価値を乗り越えて関係を構築するためのコミュニケーション能力と協調性、新しい価値を創造する能力、次世代までも視野に入れた社会貢献の意識などを持った人間」
と定義されています。
つまり、グローバル人材とは、海外ビジネスにおいて成果を出せる人であり、特に語学力や異文化理解だけではなく、コミュニケーション能力、積極性が重視される傾向にあります。
グローバル化が進む現代において、地域などの境界を超えて世界的規模で情報のやりとりが行われるようになりました。たくさんの情報が得られるようになったことで、様々な情報が生まれ、瞬く間に変化していきます。その変化に、即座に対応し、読み取る力が求められるでしょう。
「まとめ」
いかがでしたでしょうか。実用的なビジネス英語とは、ただ単純に語学力があるだけではなく、多様性が重要だといえるでしょう。
シリコンバレーで活躍している方々はコミュニティ内でどのように相手に貢献できるか、相手がどのように貢献してくれるのか常に収集しています。
今後の日本においても、多様性を持ち合わせたグローバル人材を育成することが企業には求められるのではないでしょうか。