日本人の英語の発音は、なかなかネイティブの人に伝わりにくいことがあります。英語に関する知識は豊富で、TOEICも800点以上をとるような人でも、発音の問題でなかなか伝わりにくいということもあるのが事実。
これは、日本語特有の発音方法を英語でもしてしまっていて、英語の発音をわかるようにきちんとできないことが原因となっています。
ここでは、日本語発音から脱却し、誰にでも通じる英語を話せるようになるための方法をご紹介します。
日本語のアクセントはあっても大丈夫!
英語の発音ができないということで悩んでいる人は、日本語のアクセントがあるとダメだと思っているかもしれません。ですが、実際には日本語アクセントが残っていても、ちゃんと大事な部分をおさえていれば、全く問題ありません。
世界には英語を話す人がたくさんいますが、母国語が英語ではない人が、ネイティブのような発音で話しているのは、インターナショナルスクールに通っていたり、小さい頃から英語環境にあったというような人くらいです。
まだ英語勉強中の方の耳には、英語に近い言語のヨーロッパ言語が母国語の人の話す英語は、ネイティブのように聞こえるかもしれませんが、実際には違います。
また、英語が母国語であっても発音や響きが国によって異なりますよね。
英語はたくさんの国の人に使われる言葉で、そのアクセントは出身地の証明にもなったりします。意味がわからないほど訛りがあるのは問題ですが、そういう意味では日本語アクセントを無理になくそうとする必要はありません。
また、英語を習う相手についても、何人であっても正確な英語を話すのなら、その人のアクセントがちょっとうつってしまっても問題なくどこでも通じる英語を話せることができます。
ここで言いたいのは、通じる発音は重要であるものの、日本語アクセントが残っていたとしても、どこか別の国のアクセントがあったとしても、むしろそれはアイデンティティとして働くこともあり、マイナスなことではないということです。
日本人の英語の発音の問題点
日本語アクセントが残っていてもいいのに、発音が重要だと言われると、なかなか理解できないという人もいるでしょう。
典型的な日本人の英語発音には、致命的な問題があります。それは、存在しないはずの母音を入れてしまうことです。
例えば、猫という意味のCatなら「キャット」、犬のDogなら「ドッグ」と最後に母音をつけてしまう人は多いでしょう。日本語の言葉は、すべてに母音がついているので、こういう発音のクセが出てしまいます。
しかしこういった発音は、必要のない音が挟み込まれているため、文章になるととても聞き取りづらく、意味をとるのが難しいこともあります。
英語上級者にありがちなのが、この発音のまま、結構早口で話してしまうことです。この発音で早口だと、意味はなんとかわかりますが、非常に聞き取りづらく、ネイティブの人にはわかっても、他の国の人にはなかなか通じないということは少なくありません。
母音でいうと、英語には母音の音が沢山あり、母音が5つしかない日本人にとってはこれも困る点なのですが、似た母音を間違えて発音してしまったとしても、文脈で問題なく通じます。英語の母音が正確に発音できないのは、日本人以外の外国人にもありがちですし、出身地が違うと例えネイティブ同士でも母音の発音差異があるので、大幅に間違っていなければ、そんなに大きな問題ではありません。
子音の音が小さいのも問題になるかもしれません。日本語は母音の方が主役のような音なので、子音を大きく発音する人は少ないのですが、英語は子音をはっきりと発音します。
日本語の発音は、口先だけでも話せるようになっていて、人によっては口をかなり動かすかと思いますが、英語の発音は口元をそれほど大きく動かさなくても発音できます。むしろ、動かし過ぎると発音しづらいかもしれません。
英語を話すときには、腹や胸から音を出します。結構大量の息が必要です。
日本語的な口先だけで話すような方法でも通じますが、音があまり英語っぽくならないでしょう。
もう1つの問題は、カタカナ英語に引きずられてしまうということです。
インターネットやマクドナルドというような、カタカナになってしまっている英語を、日本語の発音と同じように発音しても通じません。特にマクドナルドはかなり違う音です。インターネットに関しては、強調するべき部分が強調されないので、一瞬疑問に思われるでしょう。
こうしたカタカナ英単語については、正しい発音方法を何度も聞いて、矯正しましょう。
英語舌を鍛えるためのトレーニング
では、まずは母音がなくても子音だけで音を出せるようになるために、英語舌を鍛えるためのトレーニング方法をご紹介します。
日本人の舌は英語を話すための筋肉がついていないので、毎日コツコツトレーニングすることで、英語っぽい発音ができるようになっていきます。
TやDの音がトレーニングしやすく、慣れればすぐに出せるようになるので、この練習からしましょう。
方法は、母音の音をつけてしまわないように、ttttt…と発音するだけです。カタカナで書くと「トゥットゥットゥッ・・・」のような感じですが、母音を入れないように気をつけましょう。はじめは、「と」の音を囁くようにしてみると、出しやすいかもしれません。
これを濁らせたのが、Dの音です。Dの音は、Tとは違い喉から音を出すことが必要です。まずは「ど」と日本語のように言ってみると、その違いがわかるでしょう。
こちらも、ddddd…と、母音を入れないように発音することを繰り返します。
日本人でも楽に出せるSHの音、静かにして!というときに「しーっ!」というような時の音からはじめると、どのようにすれば子音だけ発音できるのかがわかるかもしれません。TやDと違い、舌の筋肉にはあまり関係ありませんが、TやDで苦戦する場合は、SHから始めてみましょう。
ただし、「しーっ!」という音に、母音をつけてはいけません。この音を大きく出そうとすると、息の量が結構必要だということがわかるでしょう。
お腹から声を出すトレーニング
英語を話すときには、お腹や胸から声を出した方がいいというのは、前述のとおりです。
腹式呼吸をマスターすれば、それがどういうことかわかるでしょう。また、歌がうまい方なんかは、自然とお腹から声を出すという方法をマスターしているはずです。
試しに、お腹から声を出すようにして英語を話してみてください。口は開けすぎないように、動かしすぎないように注意してみてみましょう。それをボイスレコーダーに録ってみましょう。
これだけでも、英語っぽい発音に近くなったように感じないでしょうか。
実際の会話では、ここまで大袈裟に発音はしませんし、常にお腹から出さなくても大丈夫です。
日本語の発音との違いを知るためには、日本語と英語でこそこそ話のように話してみましょう。日本語のこそこそ話は遠くまで響かず、本当に隣の人だけに聞こえるようにできます。しかし、英語の場合だとお腹から声を出していたり、息の量が多かったりするためか、結構遠くまで聞こえてしまいます。
この違いを出せるようになれば、本格的な英語の発音ができるようになりつつあると言えるでしょう。
どこを強調するかを覚えること
カタカナ英語を脱却するためには、その単語のどこにアクセント(強調)があったかを、覚えておかなければなりません。これさえおさえていて、無駄な母音を付け足さないようにしていれば、ちゃんと通じる英語になります。
例えば、前述で出てきた「インターネット」ですが、日本語ではほぼ平坦な発音になっていますが、英語だと頭の部分に力を入れます。
カタカナ英語になりがちなのは、強調がどこにあったかを覚えていないからなのです。
まとめ
英語の発音に悩んでいる日本人は少なくないですよね。日本語の音と英語の音はかけ離れているので、日本人にとって英語は発音しづらい言語なのです。
しかし、ちゃんとコツさえ掴んでしまえば、通じる発音ができるようになります。そのためには、オンライン英会話などを利用して、毎日英語を話して口になじませるということも必要でしょう。