「フリードリンク」「フリーサイズ」「フリーダイヤル」。日本語の「フリー」はとても便利な言葉ですが、そのまま英語にして相手に伝わるものと、まったく別の言い方をしなければならないものが混在しています。

この記事では、日本語の「フリー」を英語で言いたいときに、free で足りるのか、それとも言い換えが必要なのかを場面ごとに整理します。

この記事のまとめ・結論

日本語の「フリー」には、英語の free でそのまま通じるものがある一方、冒頭に挙げたような言葉は、free を使うと意図がずれるか、そもそも伝わりません。「フリーマーケット」に至っては、もとの英語が free ですらありません。free のコアにある「縛られていない」という感覚をつかむと、どちらに当てはまるかを自分で判断しやすくなります。

この記事でわかること
  • カタカナの「フリー」のうち、英語でそのまま通じるものと通じないもの
  • 「無料」「空いている」「自由」「〜がない」の4つを英語でどう言い分けるか
  • 語の後ろにつく -free が何を表しているか
 

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1. カタカナ「フリー」14語|英語での言い方

カタカナ「フリー」14語と英語での言い方
カタカナの「フリー」 英語での言い方
フリー(無料の) free
フリードリンク(飲み放題) all-you-can-drink
フリー(空いている・暇な) free
フリー(自由な) free
ストレスフリー stress-free
シュガーフリー sugar-free
バリアフリー barrier-free / accessible
デューティーフリー(免税) duty-free
スモークフリー(禁煙) smoke-free
フリーランス freelance
フリーマーケット flea market
フリーサイズ one-size-fits-all
フリーダイヤル toll-free number(米)/ freephone number(英)
フリーアドレス hot-desking

以下、それぞれを場面ごとに順に見ていきます。

2. 日本語の「フリー」と英語の free はどこがズレるのか

日本語の「フリー」は「無料」の意味で使われる場面が目立ちますが、英語の free はもう少し広い範囲をカバーしています。まずここを押さえると、以降の判断がしやすくなります。

free のコアは「縛られていない」

辞書では free の語義として、誰かに支配・制限されていないこと、費用がかからないこと、使われていないこと、そして何かを含まないことが並んでいます。共通しているのは「あるはずの縛りがない」という感覚です。

料金という縛りがなければ「無料」、予定という縛りがなければ「空いている」、砂糖という成分が入っていなければ「シュガーフリー」。どれも同じ発想から出ています。

The room is free this afternoon.

その部屋は午後は空いています

この文は「無料です」とも「使われていません」とも読めます。free 単体では料金の話なのか空き状況の話なのか決まらない、という点が、日本語の「フリー=無料」という感覚とのズレになります。

読み方は /friː/|flee・flea と混同しやすい

free の発音は /friː/ です。日本語の「フリー」とほぼ同じ感覚で読めますが、注意したいのが flee(逃げる)と flea(ノミ)で、こちらは /fliː/ と L の音になります。

カタカナにするとどれも「フリー」になってしまうため、聞き分け・言い分けの両方でつまずきやすい組み合わせです。あとで触れる「フリーマーケット」も、実はこの flea のほうです。

スペルの取り違えがなぜ起きるのかは、同じ疑問への回答をまとめたこちらでも扱っています。

3. 「フリー=無料」を英語で言う

日本語で「フリー」と言うとき、よく見られるのがこの用法です。基本は free で問題ありませんが、言い方の選択肢を知っておくと誤解を減らせます。

free だけでは意味が定まらない場面がある

free は「無料の」という意味で広く使われます。

Admission is free for children under six.

6歳未満のお子さまは入場無料です

ただし前述のとおり、free には「空いている」という意味もあります。値札やメニューなど、料金の話だと文脈からはっきりわかる場面では free だけで十分ですが、会話では次の言い方のほうが誤解が起きにくくなります。

for free / free of charge

for free は「無料で」という副詞的な言い方で、会話でよく使われます。

He fixed my bike for free.

彼は自転車をタダで直してくれました

free of charge は、charge(料金)という語が入るぶん「料金がかからない」ことが明確になります。案内文や接客など、ややかしこまった場面に向いています。

We deliver free of charge within the city.

市内は無料で配送いたします

no charge / at no cost / complimentary / on the house

free を使わずに「無料」を伝える言い方もあります。ニュアンスの違いは以下のとおりです。

freeを使わずに「無料」を伝える表現
表現 使いどころ
no charge 料金がかからないことを端的に伝える
at no cost 相手側に費用負担が生じないことを伝える、ややかたい言い方
complimentary ホテルや航空機など、サービスとして提供される無料のもの
on the house 飲食店で店側がおごる場面のくだけた言い方

表の順に例文を挙げます。

There is no charge for cancellation within 24 hours.

24時間以内のキャンセルは料金がかかりません

The upgrade is available to members at no cost.

会員の方はアップグレードを無料でご利用いただけます

A complimentary breakfast is served until ten.

朝食は10時まで無料で提供されます

The dessert is on the house.

デザートは店からのサービスです

「無償」を英語にするときは、誰にとって費用がないのかで分けると迷いません。相手に無償で提供するなら free of charge や at no cost が使えます。一方、働き手が報酬を受け取らない「無償で働く」なら work for free や unpaid のほうが自然です。

フリードリンクは英語で通じるか

「フリードリンク」は、日本では定額で飲み放題になる仕組みを指しますが、free drinks と言うと「ドリンクが無料」と受け取られます。

英語で「定額で好きなだけ」を表す言い方として辞書に載っているのは、食べ放題を指す all-you-can-eat です。同じ形を飲み物に当てはめた all-you-can-drink も、飲食店の表示などで使われます。

The party includes an all-you-can-drink plan.

そのパーティーは飲み放題つきです

take free のように、無料を表そうとして形が崩れる言い方もあります。正しい言い方はこちらで確認できます。

4. 「フリー=空いている・都合がつく」を英語で言う

「今日フリー?」の「フリー」です。この用法はそのまま free が使えます。日本語の感覚では意外に思えるかもしれませんが、英語でも日常会話でよく使われる用法です。

Are you free tomorrow? / Is this seat free?

人に対して使えば「予定が空いている」、物や場所に対して使えば「使われていない」という意味になります。

Are you free tomorrow evening?

明日の夜、空いてる?

Is this seat free?

この席、空いていますか

ただし free は「無料の」とも読めるため、状況によっては意味が定まりません。乗り物の空車を伝えたいときは available を使うと、料金の話と取り違えられずに済みます。

Is this taxi available?

このタクシー、乗れますか

フリータイム・フリースペースの言い換え

旅行のしおりなどにある「フリータイム」は、英語では free time と言えます。ただし free time は「余暇・自由時間」の意味で使われることが多いため、団体行動の合間の自由行動を指すなら、次のように具体的に伝えるほうが誤解がありません。

We'll have some time on our own after lunch.

昼食後は自由行動の時間があります

施設の「フリースペース」も free space とすると「空きスペース」と受け取られやすい言葉です。誰でも使える共有の場という意味なら、open space や common area のほうが伝わります。

5. 「フリー=自由・拘束されない」を英語で言う

free の中心にある意味です。ここも free がそのまま使えます。

The birds were finally free.

鳥たちはようやく自由になりました

be free to / feel free to

「〜してよい」と伝えるときは be free to のかたちが使えます。許可を淡々と示す言い方です。

You are free to leave at any time.

いつでも帰っていただいてかまいません

会話でよく登場するのが feel free to で、相手に「遠慮なくどうぞ」と行動をうながす表現です。接客やメールの結びなど、幅広い場面で使われます。

Feel free to ask me anything.

何でも遠慮なく聞いてください

なお「自由」を表す名詞は freedom です。free が形容詞、freedom が名詞という関係になります。

同じ「自由」でも freedom と liberty では指す範囲が変わります。2語の違いはこちらで確認できます。

3つのfreeを、その場で言い分けられますか

無料・空き・自由はどれも同じ free なのに指すものが違い、話す場面ではどのつもりで使っているかを一瞬で決めることになります。

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6. 「フリー=〜がない」を英語で言う|語の後ろにつく -free

ここからが日本語話者にとってつまずきやすい領域です。free が語の後ろにつくと、意味が大きく変わります。

辞書では、接尾辞の -free は「〜がない」「〜を含まない」と定義されています。前に置かれた語が「ないもの」を指す、という仕組みです。free water なら「無料の水」ですが、water-free なら「水を含まない」となり、指しているものが逆になります。

「ない」ものが料金や負担であることもあります。rent-free は家賃を求められない状態、interest-free は利息がつかない状態です。仕組みは同じで、前に置かれた語が何かによって、訳し方が「〜を含まない」にも「〜がかからない」にも振れます。

同じ「〜がない」は、free of / free from という形でも表せます。辞書はこの2つを「〜を含まない、〜の影響を受けていない」という同じ語義のなかで扱っており、この意味では両方が使える場面が多くあります。ただし free of charge のように片方で決まった言い方もあるため、いつでも入れ替えられるわけではありません。

The room was free of noise.

その部屋は物音ひとつしませんでした

He is finally free from pain.

彼はようやく痛みから解放されました

ストレスフリー・シュガーフリー・バリアフリー

日本語に入っているものも多く、意味はほぼそのまま通じます。

-freeがつく代表的な語
語 意味
stress-free ストレスがない
sugar-free 砂糖を含まない
fat-free 脂肪分を含まない
interest-free 利息がかからない
barrier-free 障壁がない

barrier-free は英語でも、障害のある人が使うのを妨げないよう設計されている、という意味で使われます。辞書にもその語義が載っています。ただし施設について「車いすで入れるのか」まで伝えたい場面では、wheelchair accessible のように具体的に言うほうが情報がはっきりします。

The hotel is wheelchair accessible.

そのホテルは車いすで利用できます

duty-free / smoke-free

空港でおなじみの duty-free は、通常かかる税を払わずに買えることを指します。duty が「関税・税」を意味するので、これも「税がない」という同じ仕組みです。

smoke-free は「煙がない」、つまり日本語の「禁煙」にあたります。ここで切り分けておきたいのが、-free という接尾辞そのものと、smoke-free という完成した語の違いです。

日本語の解説では「free には禁止の意味がある」と説明されることがありますが、接尾辞 -free の語義として辞書に載っているのは「〜がない・〜を含まない」で、「禁止」は独立した意味としては立っていません。一方で smoke-free という語全体は、辞書でも「喫煙が認められていない場所」を表す語として定義されています。

つまり、free 単体が「禁止する」を意味しているのではなく、「煙がない状態を保つ」という語の全体が結果として「禁煙の」を表している、という関係です。この見方でいれば、初めて見る -free の語にも対応できます。

日本語の「ストレスフリー」が英語でどこまで通じるかは、同じ疑問への回答をまとめたこちらでも扱っています。

7. free ではない「フリー」|フリーランス・フリーマーケットなど

最後に、free から離れていく言葉をまとめます。

フリーランス/フリーアナウンサー

「フリーランス」は英語でも freelance で、特定の雇用主に長期で属さずに働くことを指します。人を指すなら freelancer です。

She works as a freelance designer.

彼女はフリーランスのデザイナーとして働いています

一方、日本語で「フリーのアナウンサー」と言うときの「フリー」を、free announcer としても伝わりません。この場合も freelance を使い、freelance announcer とします。「フリーになる」も go freelance という言い方があります。

フリーマーケット

「フリーマーケット」は free market ではなく flea market です。flea はノミのことで、free とはまったく別の語になります。free market と書くと、経済用語の「自由市場」を指してしまいます。

語源には諸説ありますが、フランス語の marché aux puces(蚤の市)を英訳したものという説が広く紹介されています。中古品を安く売る市場という意味で、日本語の「フリマ」とほぼ同じものを指します。

フリーサイズ/フリーダイヤル/フリーアドレス

いずれも日本で定着した言い方で、一般的な英語ではそのままでは意図が伝わりにくいため、次のように言い換えます。

英語では別の言い方になるカタカナ語
カタカナ語 英語での言い方
フリーサイズ one-size-fits-all
フリーダイヤル toll-free number(米)/ freephone number(英)
フリーアドレス hot-desking

one-size-fits-all は、どんな体型の人にも合うように作られた衣類を指す言い方です。toll-free number は、通話料を発信者が負担しない電話番号を指します。

toll が通行料・通話料を意味するので、こちらは -free の仲間です。なお toll-free は主にアメリカで使われる言い方で、イギリスでは freephone number という表現が使われます。

hot-desking は、社員が固定席を持たず、必要なときに空いている席を使う働き方を指します。free address より hot-desking のほうが伝わりやすいので、社内制度を英語で説明する機会があれば覚えておくと役立ちます。

「フリーサイズ」がなぜ英語として通じにくいのかは、同じ疑問への回答をまとめたこちらでも扱っています。

8. よくある質問

英語で「Free」とは何ですか

free は形容詞・副詞・動詞として使える語です。形容詞なら「自由な・無料の・空いている」、副詞なら「自由に・無料で」、動詞なら「解放する」を表します。名詞として「自由」を言いたいときは freedom を使います。

「I'm free.」とはどういう意味ですか

文脈によって「今は手が空いている」とも「自由の身だ」とも取れます。予定について話している日常会話では、前者、つまり予定が空いているという意味でよく使われます。

なお、恋人がいない状態を指して I'm free と言う使い方は英語では一般的ではないため、その意味では I'm single を使います。

「take free」は英語として使えますか

take free というまとまった表現は、辞書では見当たりません。「無料でもらう」と言いたいなら get it for free、「ご自由にどうぞ」と勧めるなら Please help yourself. が使いやすい言い方です。Take one for free.(1つ無料でどうぞ)のように、目的語をはさむ形なら成立します。

9. まとめ

  • free のコアは「あるはずの縛りがない」。無料・空き・自由はすべてここから派生しています
  • 語の後ろにつく -free は「〜がない・〜を含まない」、または「〜の料金・負担がかからない」を表します。free 自体に「禁止」の意味があるわけではありません
  • フリードリンク・フリーサイズ・フリーダイヤル・フリーアドレスは、英語では別の言い方が必要です

判断に迷ったら、「何の縛りがない状態を言いたいのか」に立ち返るのが早道です。料金なのか、予定なのか、成分なのか。そこがはっきりすれば、free で足りるのか言い換えが必要なのかも見えてきます。

言い分けは、使ってみて初めて身につく

free で足りるのか言い換えが必要なのかという判断は、実際の会話で試してみるまで自分のものになりません。

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