アメリカ旅行をするなら、雄大な大地を駆け抜ける「大陸横断鉄道」も密かに人気があります。
飛行機での移動とは異なり、ゆったりとした時間を過ごしながら、ロッキー山脈や広大な平原など、アメリカならではのダイナミックな景色を満喫できるのが大きな魅力です。
初めて利用する方は、ルートや料金、快適さなど気になる点も多いでしょう。
今回は、アメリカ大陸横断鉄道の歴史や人気ルート、鉄道旅ならではの魅力、座席クラスや費用、予約方法など徹底解説します。アメリカでの鉄道旅行を計画している方は、ぜひ参考にしてください。
アメリカ大陸横断鉄道の概要
アメリカ大陸横断鉄道とは、アメリカ東部と西部を鉄道で結ぶ長距離鉄道で、各都市を横断する壮大な旅行を楽しめます。まずは、アメリカ大陸横断鉄道の歴史や主な運行会社、主要な運行ルートを見ていきましょう。
路線の歴史と背景
アメリカ初の大陸横断鉄道は、1869年に完成しました。太平洋側から東に向かって建設を進めたのはセントラル・パシフィック鉄道で、多くの中国人労働者が雇用されました。
また、東側から西へ向かって建設を進めたユニオン・パシフィック鉄道は、南北戦争の退役軍人やアイルランドからの移民労働者が雇用されたそうです。
鉄道の完成によって、6ヶ月かかっていたニューヨークからサンフランシスコまでの移動が約1週間にまで短縮され、人や物資の輸送が飛躍的に効率化されました。その結果、西部地域への移住や商業活動が活発化し、アメリカ経済の発展を支える重要な基盤となりました。
主な運行会社と主要ルート
現在、大陸横断ルートを含むアメリカの長距離旅客列車は「アムトラック(Amtrak)」が運行しています。アムトラックは「National Railroad Passenger Corporation(全米鉄道旅客公社)」の通称です。
アムトラックの路線は全米に広がっており、走行していない州はハワイ、アラスカ、ワイオミング、サウスダコタの4州のみです。そのため、東海岸の大都市間の移動から、アメリカ南部や西部の雄大な自然を楽しむ長距離移動まで、目的に合わせて多彩なルートを選べますよ。
大陸横断に利用される主な長距離ルートは下記の3つです。
| 運行区間 | 所要時間(目安) |
| カリフォルニア・ゼファー(シカゴ〜エメリービル/サンフランシスコ近郊) | 約52時間 |
| サウスウエスト・チーフ(シカゴ〜ロサンゼルス) | 約43時間 |
| エンパイア・ビルダー(シカゴ〜シアトル/ポートランド) | 約47時間 |
それぞれ通過する地域や景観が大きく異なるため、旅行の目的や訪れたい都市に合わせてルートを選びましょう。
鉄道旅で味わう3つの醍醐味
アメリカ大陸横断鉄道は、車窓から眺める壮大な自然や車内で過ごすゆったりとした時間が魅力です。そして各地の文化や人々との出会いなど、鉄道だからこそ味わえる特別な体験が数多くあります。ここでは、アメリカを鉄道で旅する醍醐味を3つ紹介します。
車窓に広がるアメリカの大絶景
アメリカ大陸横断鉄道の最大の魅力は、変化に富んだ景色を車窓から楽しめる点です。
東海岸を出発すると都市の街並みが広がり、その後は広大な大平原や砂漠、森林、渓谷、ロッキー山脈など、地域ごとに異なる風景が次々と現れます。飛行機では見ることのできないスケール感を体感できるでしょう。
朝焼けや夕焼けによって表情を変える景色も、鉄道旅ならではの楽しみです。
鉄道ならではのゆったりした時間
長距離列車では、目的地へ急ぐのではなく、移動そのものを楽しめます。
車両にはリクライニングシートのほか、寝台車や展望車、ラウンジなどが備えられた列車もあり、読書や会話、食事を楽しみながらゆっくりと過ごせます。Wi-Fiや電源設備を利用できる列車もあるため、非日常的な空間の中で仕事や趣味の時間に充てるのも新鮮ですよ。
日本の新幹線のようなスピード重視の移動とは異なる、飛行機では味わえないゆとりある旅を求める方にぴったりです。
各地の多様な文化に触れる体験
鉄道はアメリカ各地の都市を結ぶため、地域ごとの文化や歴史、人々の暮らしを身近に感じられます。
例えば、シカゴでは近代的な高層ビル群や建築文化、ニューオリンズではジャズやケイジャン文化など、停車する都市ごとに異なる文化を楽しめます。さらに、列車内でさまざまな地域から集まる乗客と交流できることもありますよ。
また、途中下車をしながら各駅周辺にある地元ならではのグルメや観光スポットを体験できるのも魅力です。
おすすめの横断ルート3選
アメリカ大陸横断鉄道を計画する際、どのルートを選ぶかが旅の満足度を大きく左右します。アムトラックには複数の長距離路線がありますが、なかでも人気が高いのが「カリフォルニア・ゼファー」「サウスウエスト・チーフ」「エンパイア・ビルダー」の3つです。それぞれ通過する地域や景観が異なるため、旅の目的に合わせて選びましょう。
カリフォルニア・ゼファー(西海岸)
カリフォルニア・ゼファーは、シカゴからカリフォルニア州サンフランシスコ近郊までを結ぶアムトラック屈指の人気ルートで、ロッキー山脈やシエラネバダ山脈など、壮大な山岳風景を楽しめるのが魅力です。
特にコロラド州周辺では、渓谷や川沿いを走るダイナミックな景色が続き、車窓からアメリカ西部らしい大自然を満喫できます。移動距離が長いため、寝台車を利用して数日かけて旅を楽しむのもおすすめです。
アメリカの広大な自然の絶景を重視したい方や、初めてアメリカ大陸横断鉄道を利用する方に向いているでしょう。
サウスウエスト・チーフ(南西部)
サウスウエスト・チーフは、シカゴとロサンゼルスを結ぶ南西部ルートです。イリノイ州からカンザス州、ニューメキシコ州、アリゾナ州などを通り、砂漠地帯や赤土の大地、西部劇を思わせる街並みを楽しめます。
このルートの魅力は、広大な平原から乾いた砂漠風景へと移り変わる車窓です。沿線にはアメリカ先住民文化や西部開拓時代の雰囲気を感じられる地域もあり、自然だけでなく歴史や文化に触れたい方にも向いています。
ロサンゼルスが目的地なので、西海岸観光と組み合わせやすいルートですよ。
エンパイア・ビルダー(北部)
エンパイア・ビルダーは、シカゴからシアトルまたはポートランド方面へ向かう北部ルートです。ミネソタ州やノースダコタ州、モンタナ州などを通り、アメリカ北部の広大な草原や森林、山岳地帯を眺めながら西へ進みます。
特にモンタナ州周辺では、のどかで壮大な平原が広がり、都会の喧騒から離れた静かな旅を楽しめます。また、春や夏でも北部ならではの雪が残った美しい山岳が見られるのもポイントですよ。
自然の静けさや素朴な風景を重視する方におすすめのルートです。
旅をより楽しむためのポイント
アメリカ大陸横断鉄道は主要ルートのいずれも丸2日前後から2泊3日以上にわたる長距離移動となるため、快適な旅にするには事前の準備が欠かせません。旅行するのに最適な時期や移動時間、座席クラスの選び方を解説するので、参考にしてみてください。
最適な時期と移動時間の目安
アメリカ大陸横断鉄道を満喫するなら、景色を楽しみやすい春(4〜6月)と秋(9〜10月)がおすすめです。
春は雪解け後の山々や新緑が美しく、過ごしやすい気候の中で旅を楽しめます。一方、秋は紅葉や澄んだ空気が魅力で、地域によって異なる色鮮やかな景色を満喫できます。
夏(7〜8月)は旅行者が多く混雑しやすいため、人気路線では早めの予約が必要です。冬は雪景色を楽しめる一方、積雪や悪天候によって列車の遅延が発生する場合もあるため、時間に余裕を持ったスケジュールを組まなければいけません。
また、アメリカ大陸横断鉄道は移動時間が長いのも特徴です。前章で紹介したおすすめ3ルートの所要時間を見てみましょう。
| 路線名 | 所要時間(目安) |
| カリフォルニア・ゼファー | 約52時間 |
| サウスウエスト・チーフ | 約43時間 |
| エンパイア・ビルダー | 約47時間 |
いずれも約2日間以上かかるため、車内での時間の過ごし方を少し考えておくとより充実した旅になりますよ。例えば、ボードゲームや本を持って行ったり、映画を端末にダウンロードしておいたりも良いでしょう。
快適さを左右する座席クラスの選び方
アムトラックでは、予算や旅のスタイルに合わせて複数の座席クラスから選択できます。
| 座席クラス | 特徴 |
| コーチ | 最もリーズナブルな座席。飛行機のエコノミークラスよりは広く、リクライニングやレッグレストを備えている。テーブル、読書灯、電源コンセント完備。 |
| ルーメット | 1〜2名向けの個室タイプ。昼間はソファ席、夜はベッドに変えられる。優先乗車、無料の夕食・朝食、ファーストクラスラウンジへのアクセス、ターンダウンサービス、専任のファーストクラスアテンダントなどの利用が可能。 |
| ベッドルーム | ルーメットの約2倍の広さがある個室で、専用トイレ・シャワーを備えている。優先乗車、無料の夕食と朝食、ファーストクラスラウンジへのアクセス、ターンダウンサービス、専任のファーストクラスアテンダントなどの利用が可能。 |
短距離の場合や費用を抑えたい方はコーチクラスがおすすめですが、1泊以上する方はルーメットやベッドルームなどの寝台個室を選ぶと快適に過ごせるでしょう。そのほか、ファミリー向けやバリアフリー、スイートのベッドルームもありますよ。
予約の流れと費用の目安
アメリカ大陸横断鉄道は、時期によって料金が高く設定されていたり、ハイシーズンで予約が埋まってしまったりすることもあります。予約方法や料金の目安を事前に確認しておきましょう。
チケットの予約手順
アムトラックのチケットは、公式サイトやアプリから簡単に予約できます。旅行会社が販売する鉄道ツアーや鉄道パスを利用する方法もありますが、個人旅行の場合は公式サイトからの予約が一般的です。
予約の流れは以下の通りです。
人気の路線は希望通りの日時に予約できないケースもあるため、数ヶ月前から予約しておくと安心ですよ。また、チケット残数が減ると料金が上がるので、予定が決まっている場合は早めに予約すると費用を抑えられます。
予算を立てるための料金相場
アムトラックの料金は、路線や乗車距離、予約時期、座席クラスによって大きく異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。
| 座席クラス | 料金相場 |
| コーチ | 約300〜450ドル |
| ルーメット | 約650〜900ドル |
| ベッドルーム | 約900〜1,500ドル |
※料金は路線や時期、予約状況によって変動します。
ルーメット・ベッドルームの料金には、食事や各種サービスなどが含まれているため、宿泊費や食費も含めて考えると、コストパフォーマンスが良い場合もあるでしょう。
アメリカ大陸横断鉄道の旅に出かけよう!
アメリカ大陸横断鉄道は、東西を結ぶ壮大なスケールの旅を楽しめるだけでなく、車窓に広がる絶景や各地の文化、ゆったりと流れる時間を満喫できる移動手段です。
人気の「カリフォルニア・ゼファー」や「サウスウエスト・チーフ」、「エンパイア・ビルダー」など、自分の旅の目的に合わせてルートを選べます。
また、旅行時期や座席クラス、予約方法を事前に確認しておくことで、より快適で充実した鉄道旅を実現できるでしょう。飛行機では味わえないアメリカのダイナミックな自然や街並みを楽しみながら、移動そのものが思い出になる大陸横断鉄道の旅に、ぜひ挑戦してみてください。
◇経歴
幼少期から英会話スクールに通い、大学は英語専攻に進学、社会人を経験した後にオーストラリアで1年ほどワーホリをしました。
◇資格
英検準2級、現在IELTSの受験勉強中
◇留学経験
オーストラリアの語学学校で2ヶ月英語を学びました。
◇海外渡航経験
オーストラリアでワーホリ(約1年)、現在フランス人のパートナーとフランス滞在中
◇自己紹介
オーストラリアでのワーホリを1年経験しました。
その時に出会ったフランス人の彼と現在フランスに住んでいます。
彼との会話は英語です。以前ライティングの仕事をしていた経験を活かし、Webライターとして活動しながら、英日翻訳家になるための勉強もしています。