マレーシアは近年、留学先として注目を集めています。その理由は、教育水準の高さや英語環境、多文化社会での貴重な体験ができる点に加え、学費や生活費といった費用面での魅力にもあります。
この記事では、幅広い層の海外志望者に向けて、マレーシア大学の入学条件やマレーシアの教育制度、留学費用、そして現地での生活上の注意点などを丁寧に解説します。英語が苦手な方や初めて海外に挑戦する方にも分かりやすい内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
マレーシアの基本情報
地理と気候
マレーシアは東南アジアに位置し、マレー半島とボルネオ島にまたがる国です。
雨季と乾季がある熱帯モンスーン気候ですが、都市部では冷房が完備されており、快適に過ごせます。日差しが強いため、帽子や日焼け止めなどの対策も大切です。
言語と文化
公用語はマレー語ですが、英語も広く使用されています。
宗教的にはイスラム教が多数派ですが、仏教・キリスト教・ヒンドゥー教も盛んです。異文化理解が自然に進む環境といえます。
経済と物価
マレーシアは工業や観光業が発展しており、生活コストが日本より低めです。
ローカルの外食は数百円程度で済み、公共交通も安価。日本食レストランや生活用品も手に入りやすく、留学費用を抑えたい人には魅力的です。
治安と生活のしやすさ
政治的に安定しており、治安も比較的良好です。
日本人留学生への支援もあり、英語が通じやすいため生活に困ることは少ないでしょう。インフラや住環境も整っており、初めての留学先として安心できる国です。
マレーシアの教育制度
初等・中等教育の概要
マレーシアの初等・中等教育は小学校6年と中等教育5年の計11年間で構成され、7歳で小学校に入学します。
卒業後は大学進学前の準備課程「ポストセカンダリー」に進み、代表的な進路はForm6を経てSTPM(英国Aレベル相当)を受験するルートです。
他にもファンデーションコース、Aレベル、IBなどの選択肢があり、進学経路が柔軟なのが特長です。
高等教育の種類
マレーシアの高等教育機関には、国立大学、私立大学、海外大学の分校、専門学校など幅広い種類があります。
海外大学の分校では、現地にいながら本国と同じカリキュラムで学ぶことも可能です。 年間2〜3回の入学時期が設定されているため、入学時期の選択肢が多いのも魅力です。
大学ランキングと評価
マレーシアの大学は近年、世界的な評価を高めています。
私立大学でもテイラーズ大学やUCSI大学などが高評価を受けており、教育水準や国際性の面で強みを持っています。
ランキングは教育の質の裏付けとして、留学先を選ぶ際の参考になります。
英語教育の重要性
マレーシアの大学では授業が英語で行われるため、英語力の向上に最適な環境が整っています。
多くの大学では英語補習や学習支援も行っており、語学に不安のある学生も安心して学べます。
入学時にはIELTSやTOEFLのスコアが必要となるため、早めの準備が鍵となります。
マレーシアの大学への入学条件
学歴と必要書類
マレーシアの大学では、日本の高校卒業資格があれば学部課程への出願が可能です。
芸術系や大学によっては、志望動機書や推薦状、ポートフォリオを求められる場合もあります。
修士・博士課程では学位証明や研究計画書も必要となり、書類は基本的に英語で準備します。
英語力と語学試験
授業は英語で行われるため、IELTSやTOEFL iBTなどのスコア提出が求められます。
大学によってはケンブリッジ英語検定やPTEなども認められており、語学力は入学条件として非常に重要です。
入学試験の有無
多くのマレーシアの大学では筆記試験を課さず、成績と英語力による書類選考が基本です。
一部の学部(医学・芸術など)では、面接や追加課題が課される場合もあるため、専攻に応じた準備が必要です。
事前準備とスケジュール
マレーシアの大学は1年に2〜3回入学時期があり、9月入学を目指すなら春頃までに出願が必要です。
情報収集を早めに始め、大学のサポートも活用しましょう。
マレーシア大学留学でかかる費用
学費の相場
マレーシアの大学の学費は、欧米の約3分の1とされ、費用を抑えたい留学生に人気です。
分校型の海外大学は本国より安いものの、やや高めの学費設定です。
為替レートの変動も考慮し、大学公式サイトで最新情報を確認しましょう。
奨学金と助成制度
費用を補助する手段として、マレーシア政府の「マレーシア国際奨学金(MIS)」をはじめとした制度があります。
また、各大学独自の奨学金や学費減免制度も充実しており、成績優秀者には授業料免除が適用されることも。
申請時期や要件を事前に確認し、早めの準備を心がけましょう。
アルバイトの可否
マレーシアでは学生ビザ保有者が7日以上の長期休暇中に限り、週20時間以内のアルバイトが認められています。
事前に大学の留学生オフィスに相談し、許可を得たうえで行うのが安全です。
時給は250〜300円前後が相場で、学費を稼ぐというより生活費の一部補助として考えるのが現実的です。
マレーシアの大学への留学における注意点
ビザと滞在許可
マレーシアで90日以上留学する場合、学生ビザ(Student Pass)の取得が必要です。 入学許可後、大学を通じてビザ発給許可を申請し、許可が下りると日本で査証を取得します。
申請可能年齢は原則18〜35歳までで、社会人留学の際は注意が必要です。
学生ビザには就労制限があり、アルバイトを含む無許可就労は禁止。さらに、現地指定の医療保険への加入も義務付けられています。
医療と保険制度
マレーシアには日本のような公的健康保険制度はなく、医療費は原則自己負担です。
医療水準は都市部で高く、保険に入っていればキャッシュレス対応の病院もあります。
学生ビザ取得時に現地保険への加入が必要ですが、より手厚い補償を求める場合は日本の海外留学保険との併用も有効です。
感染症対策としては、生水や蚊に注意しましょう。
文化や宗教に関する注意点
多民族・多宗教国家であるマレーシアでは、異なる文化や宗教への理解と尊重が留学生にも求められます。
例えば以下の点はイスラム文化の一般的なマナーとして押さえておきたいポイントです。
・飲食のタブー:イスラム教徒(ムスリム)は教義により酒類や豚肉を口にしません。 そのためムスリムの友人との食事では豚肉が含まれないハラルフードを選ぶ、目上のムスリムの方にアルコールを勧めない、といった配慮が必要です。
・挨拶や所作:握手や物の受け渡しは右手で行うのが礼儀です(左手は不浄の手とされます)。 人を指差す行為も失礼とされるため、指し示す際は親指を立てて示します。 また男性は敬意を表して女性に直接触れない習慣があり、握手も女性側が手を差し出した場合に限るのが無難です。
・服装:女性は肌の露出を控えた服装が望ましい場面があります。 特にイスラム教の寺院(モスク)を訪れる際は、男女とも肌を隠す服装で入場し、女性はスカーフで頭髪を覆う必要があります。
・ラマダン(月 رمضان):毎年イスラム暦のラマダン月には、ムスリムは日の出から日没まで断食(飲食を断つ)を行います。 この期間中、昼間に人前で飲食することは控えるのが礼儀です。
夕方には断食明けの食事(イフタール)があり、日没後に盛大に食事をとる習慣がありますので、友人を食事に誘う場合はその時間帯にしましょう。 ラマダン明けのハリラヤ(断食明け大祭)は祝日となり、多くの人が帰省したりお祝いをします。
まとめ
マレーシア留学は、英語で学べる環境と手頃な費用、多文化社会での経験が魅力です。進学するには高校の成績と英語力が入学の鍵となり、日々の学習姿勢が問われます。
文化を尊重し積極的に交流することで、学問だけでなく人間的成長も得られるでしょう。
不安があっても、準備を整えれば実りある留学になるはずです。

◇経歴
・新卒で入社した貿易商社にて韓国語英語を使い貿易業務に従事。
・現在は大手総合情報サイトのカスタマーサクセス職に携わる傍ら、副業で韓国語・英語を使用しマーケティングチームの一員として奮闘中。
◇留学経験
・カナダに姉妹校をもつ国際的な高校に入学し、交換留学を経験。
・大学では国際学部を専攻し、国際情勢を英語で毎日学び、卒業論文も
英語で執筆。
・大学在学中に韓国外国語大学という韓国一外国人留学生の多い大学に
留学し、英語と韓国語を同時に学ぶ。
◇海外渡航経験
旅行:タイ、バリ、カナダ、韓国
◇自己紹介
小学生の時に、ナルニア国物語に出会い、英語に目覚めました。
英語が話せたら、色んな人と話せるだろうなぁ、自分の知らない世界を知ることができるんだろうなぁという幼い時に芽生えた純粋な心を今日まで忘れず、”語学”と共に生きてきました!
私は日本生まれ日本育ちですが、在日コリアンのルーツを持っています。第一言語は日本語ですが、母国語にも興味を持ち、小学5年生から独学で勉強をして韓国語検定6級を取得した過去もあります。
語学は人生を豊かにしてくれるものだと心から信じていますし、楽しさを自分のものだけにせず、誰かと分かち合いたい気持ちからライターとして活動を始めました!
今年からオーストラリアに拠点を移し、再度勉学に励みつつ、『自由に働く』ことを夢に掲げていますので、現地の最新情報なども発信できたら嬉しいです。